谷垣委員長閣議後記者会見の概要

【平成12年6月2日(金)於:参議院議員食堂】
  

【閣議案件等】

 一般案件は、就業最低年齢条約の批准、日米相互防衛援助協定第7条及び付属書Gに基づく資金の提供に関する書簡の交換、大使の信任状及び解任状の認証を仰ぐことを決定。国会提出案件は、質問主意書に対する答弁書が7件。条約の公布が1件。法律の公布は、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律及び貸金業の規制等に関する法律の一部を改正する法律を含め7件。政令が1件。

     

【質疑応答】

 問:日債銀の譲渡に係るソフトバンク連合側に対して、優先交渉期間を再延長しないことについて、大臣から改めてご所見をお願い致します。
  

員長:優先交渉先にいわゆるソフトバンクグループを決定しましてから、ソフトバンク連合3社と我が方で精力的に議論致しまして、特に5月に入りましてからは、極めて精力的と言いますか、細部に渡るまで色々な議論をして頂いて、ソフトバンク側にも極めて熱心な取り組みをして頂いたと思っています。5月31日が、1カ月延長した優先交渉先の期限ですので、31日までになんとか方向を見出すべく努力をしてきたわけですが、最終的に5月31日に基本合意を締結するまでに至らなかったわけでございます。そこで今後どうするか、ということも議論を致したわけですが、優先交渉先というのは、言わば独占的な交渉権を認めるわけですので、第三者、希望される方を排除して行うわけですので、いつまでもこれを延長し続けるというのは、フェアではないという考えの下に、優先交渉先というのは5月31日で打ち切ろうということに致したわけであります。勿論、ソフトバンク連合との話合いを打ち切りにしたという意味ではありません。言わば仕切り直しと言いますか、現在もソフトバンク連合との話合いは、続いているわけです。私としては、今後、私がいつまでこの役所にいるかということもありますので、出来れば私の居ります間にしかるべき方向を見出しておくのが、私の責務と思っております。今はまだその方向をお示しするまでに至っていないのは誠に申し訳なく思っています。

  

 問:同じ日に第百生命が破綻しましたが、今の生保業界に対する大臣の現状認識をお願い致します。
  
員長:基本的にいわゆる低金利問題などがありますから、逆ザヤで生保業界が困難な状況にあることは続いていると思います。生保各社もどうやって、そのような中で体力を強化していくかということに意を用いて頂いていると思います。東邦生命が破綻をし、この間もあのような形で第百生命の破綻があったわけですが、生保は大丈夫かという声が色々あったわけですが、それぞれの生保会社のご努力、それから、先般の国会で、いわゆる契約者保護機構に5000億積み増しする。或いは、相互会社から株式会社への移転の道を開くというような手段によりまして、今後、皆様にそのようなご心配を頂く時期は脱しできているのかなと思います。

  

 問:日債銀ですが、他に希望する社は具体的にどこか出てきているのですか。
  

員長:具体的にどうという話は聞いておりません。具体的に手を挙げて、こういう条件でやるという話は聞いておりません。

  

 問:今交渉しているのはソフトバンク・グループのみということですか。
  
員長:交渉という形になっているのはソフトバンク・グループだけです。

  

 問:ソフトバンク側との意見の相違で、瑕疵担保条項の部分があったと思いますが、この溝というのは今後の交渉で埋まるのですか。例えば、瑕疵担保以外の方法に変えるとか、対ソフトバンク連合について、瑕疵担保以外のいわゆる入札方式等別の考え方に変え得る余地というのはあるのですか。
  
員長:論理的な可能性としては無いとは言わないわけですけれども、やはり交渉というのは経緯がございますから、論理的な可能性と現実的な可能性は違うのではないかということです。

  

 問:生保についてですが、先程大臣のご指摘のように逆ザヤということが、大きく負担になっていて、仮に、日本銀行がゼロ金利を解除したとしても、超低金利の状況は当分続くと予想されるわけで、そうすると、逆ザヤ、現にかなりの大規模な単位で社外流出しているわけです。そこは変わらないわけで、先程、大臣がえらく心配することはないだろうと仰ったのですが、構造的には大きな所を含めて、非常に収益を圧迫する状況は今後も続くと予想されるのですが、そういう点から見た生保業界の将来性と言うか、経営の先行きについて、大臣のご見解をお伺いしたいのですが。
  
員長:このような超低金利状態がいつまで続くと見るのか、という見方によっても違いがあると思います。ここは、私が申し上げるというより、日銀が政策委員会でご判断になることですので、あまり立ち入って低金利状態がいつまでどう続くかということを申し上げるのは差し控えます。先程も申し上げたように、基本的にそういう構造はまだ暫く、今の状況がどうなるかは別として、すぐに全部無くなっていくわけのものではないと思います。構造的な問題は、引き続きありえることは仰る通りだと思います。そこを乗り越える為に、色々な提携とか、或いは株式会社に変えて資本基盤を充実していくとか、それぞれのご努力がやはりあるわけでございますし、そういうような手法も広げられてきたということではないかと思います。

  

 問:長銀の瑕疵担保の関係ですが、長銀がメインであるところや長銀が融資しているところが、最近破綻や経営危機になっているところが多いのですが、国民負担はそれによって、当初よりどれぐらい増えそうか、感触はお持ちですか。
  

員長:定量的にいくら増えるかという数字を今持っているわけではありません。基本的には、いわゆる債権放棄をどうするかということは、それぞれの経済主体、放棄を申請する側と、放棄の要請を受ける金融機関とのそれぞれの経営判断によるものだろうと思います。しかも経営判断は、今までも記者会見で申し上げていると思いますが、それぞれにとっては、ぎりぎりの判断で決めて頂くものだろうと思いますので、今私が定量的にどれぐらいになるだろうとか、どういう影響を及ぼしていくだろうとか、定量的に把握しているわけではありません。

( 以 上 )


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