相沢委員長閣議後記者会見の概要

【平成12年9月22日(金)於:金融再生委員会会見室】
  

【閣議案件等】

 本日の閣議に、当委員会関係はありません。健康保険法の一部改正法案、医療法の一部改正法案等の再提出案件。あとは警察白書の配付等で、他格別に報告する事項はありません。

   

【質疑応答】

 問:先だってお亡くなりになった本間さんの件ですが、日債銀の経営にも影響があるかと思いますが、大臣のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。
 

員長:日債銀のこれから先の運営については、必ずしもそう平坦なものでないと思われておった時に、こういうことがありまして余計我々としても関心を深く持たざるを得ないわけです。本間さんは日銀時代からも日債銀の問題には関わって良くご存知であった方でありますし、日銀の総裁等からも推薦をされて就任をされたので、我々としても期待をしておったのであります。ご本人は固辞された様でありますが、請われてその重責を引き受けられたわけであります。その方が本当はどういう原因か、我々も良く分かりません。分かりませんが、あのような形で自殺されたということは大変にお気の毒なことでもありますし、ご家族に対しても心からご冥福をお祈りしたいと思っております。ただ、就任されてから一月足らずということでありまして、これから日債銀の再建に向けて、従来のような不動産を中心とする融資ということではなく、新しいベンチャー企業その他に対する融資、或いは一般の企業に対する融資等々、日債銀としても新しい運営の展開も色々とお考えになっていたように伺っていますから、我々もそういう面において本間社長の今後の手腕に期待をしておったのであります。それだけに、一日も早く後継者が決定をされて、日債銀の運営が円滑に行われることを心から期待をしたいと思っているのでございます。なんせ、役員のうち、常勤が2人という体制でありましただけに、早く後任の社長を決めないことにはいけないのではないかと思っておりますが、私共が決める話ではありません。会社が銀行としていち早く選任して頂きたいということをお願い申し上げるということであります。

  

 問:大和銀行に対する株主代表訴訟で、多額の損害賠償請求の判決があったわけですが、大和銀行の経営にも色々な影響があると思いますが、大臣の方からお考えをお伺いできますでしょうか。
 

員長:あれを見て桁が違っているのではないかと思いました。とにかく払えるわけがないような金額を払えと言われては本当に参ってしまうと思うのです。確かに大和銀行NY支店で起きた事件でありますし、このことに対する監督責任その他は当然あると思うのですが、あれほど巨額な金を払えと言われると、現行の法制上はあのような判決が出るのも、或いは理由があるのかもしれませんが、何となくあれでいいのかなあと率直に言って感じはします。昨日も閣議が始まる前にもそんなことを仲間でもって話をしておりましたけれども。皆さん方はどう思われますか…。あのようなことが出てしまうと、これから職責に就く人は非常に尻込みするのではないかという感じがします。しかし司法の判断ですから敢えてそれ以上、私共が申し上げるのもどうかと思います。

  

 問:瑕疵担保条項で預金保険機構が買い戻した債権を、放棄する場合の条件、いわゆる4条件でしたでしょうか、見直すというお話がありましたが、その後の進捗状況をお伺いできますでしょうか。
 

員長:瑕疵担保の話は、前国会でも質疑の焦点になったことなので、我々としても検討しておりますが、4条件をすぐに直すということは今まだ決めておりません。もう少し良く検討したいと思っております。さて、それに付け加えるべきことが、今直ぐどうかということを決めているということではありません。

  

 問:債権放棄をした場合に、当該企業の企業名を公表することはご検討されていることはあるのでしょうか。
 

員長:破綻した銀行については、従前、発表もされておりますから、数字が出るということは当然あると思うのですが。

  

 問:預金保険機構が買い取った債権を企業の要請により放棄する場合に企業の名前を公表するかどうか。
 

員長:今回問題なった場合には具体的に名前が出てしまったではないですか。

  

 問:そごうの場合ですか。
 

員長:そうです。

  

 問:従来、再生委員会としては特に企業名は公表しないというスタンスだったと思うのですが。
 

員長:預金保険機構として債権放棄を決定すれば、当然預金保険機構として数字が出ることになるのではないでしょうか。今までは、預金保険機構として例はないわけですね。当然放棄をすればその数字は外に出るのではないでしょうか。その点は良く聞いてみます。そごうの場合は、国会で聞かれて金額まで出ていた話なので、仮にそれを放棄すれば当然出るでしょう。

  

 問:日債銀の本間さんの件ですが、昨日、今日の閣議、閣議後も含めて話は出なかったのでしょうか。
 

員長:閣議では話は出ておりません。ただ、関心を特に持たれると思う総理や大蔵大臣には話はしておきました。勿論、新聞で読んでご承知のことだったわけですが。

  

 問:どういうリアクションだったのでしょうか。
 

員長:突然のことで本当に皆さん驚かれておりました。早く後任が決まると良いなあということでした。本当にお気の毒と申し上げるより仕方がないのですが。

  

 問:本間社長に最後にお会いになったのは、経営健全化計画のヒアリングの時でしょうか。
 

員長:挨拶に来られまして、経営健全化計画についての話を確かにお聞き致しました。その時は大変お元気で、積極的に色々と話をされておりました。

  

 問:お亡くなりになった原因を当て推量で話すのは問題かとは思いますが、一つ懸念されるのは、例えば日債銀の資金繰りが非常に厳しくなってきたとか、或いは相当以上に問題債権があったとか、経営上の問題がもしあるのなら今後の事に関わってくると思うのですが、現時点で、そういうことでお悩みになったとか再生委に相談されたとかそういうことはあったのでしょうか。
 

員長:私の方には本間さんから直接、間接的にもそういう話はありませんでした。ですから、本間さんが何故自殺されねばならなかったかという原因については私は色々なことがあったと思うことを想像するだけなんで、私からどういうことがあったかということを申し上げる段階ではないと思っております。遺書が残されているという話ですからそれを拝見出来ればどういうことを仰りたかったかということが分かると思いますが、それも分かりませんし、宛先のある遺書ですから、我々が何書いてあったかということを聞くことでもないのと思っております。あのような形でもってスタートしたわけですから、色々経営上の問題が無かったとは思いませんが、さて、直接どういうことが原因になったかちょっと良く分かりません。

  

 問:再生委員会としては、今後調査、或いは報告を求めるとかはされるのでしょうか。
 

員長:何故亡くなられたかということを、詳しく調べて報告しろというのも何かと思うのですが。とにかく日債銀として、次の後継者を選ぶ時にそういう事情が反映される気がしますが、いずれにしても我々としては早く後継者を決めてほしいということはお願い出来ても、我々が任命することではありませんから、新生日債銀として早く役員会において後継者の選任をお願い申し上げたいということを表明するだけだと思っております。

  

 問:本間さんが亡くなられたのをいつお知りになりましたでしょうか。
 

員長:午後だったでしょうか。その時は、後で新聞にも出てましたが心不全という話でありました。直ぐにお悔やみの電報だけ打ったと思います。

  

 問:その時点で自殺だということをお聞きになったのでしょうか。それは日債銀の方からそういう報告があったのでしょうか。
 

員長:それは夜ではないかと思います。自殺されたということは、私は皆さん方のぶら下りで聞いたような気がするのですが。皆さん方の方がいつも早いから…。

  

 問:日債銀は、当初の夕方のマスコミ発表では急性心不全で、非常に激務が続いていたので過労ではないかという発表をされていたのですが、発表のあり方についてはどのようにお考えでしょうか。
 

員長:その辺の事情は良く分かりませんけれども、警察の方が早かったのではないでしょうか。

  

 問:警察は結局、その日の夜中になって発表したわけですが、取材があって、問い合わせが色々来ていたので、やむなく発表したという形なのですが。
 

員長:その辺のところは知りません。

  

 問:本間社長が亡くなって以降、ソフトバンクの孫さんですとか、3社の代表の方と何かお話されましたでしょうか。
 

員長:一切聞いていません。

(以上)


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