相沢委員長閣議後記者会見の概要

【平成12年10月3日(火)於:参議院議員食堂】
  

【閣議案件等】

 本日の閣議においては、当委員会関係の案件はありませんでした。

 閣僚懇談会において、私から発言をいたしました。新潟中央銀行の譲渡先の選定について、金融整理管財人が検討を進めてきましたが、9月29日に金融再生委員会の了承のもと群馬県内の店舗に係る営業を除き、大光銀行、第四銀行、八十二銀行、東日本銀行の間で営業譲渡に係る基本合意書が締結されました。これで金融整理管財人の管理に係る5行、国民銀行、幸福銀行、東京相和銀行、なみはや銀行、新潟中央銀行について、譲渡先の基本合意が全て整いました。これは我が国金融システムの安定及びその再生に資するものと考えています。それから9月6日に公布された政令により、10月1日から銀行の子会社方式又は持株会社方式による保険業への参入、また保険会社の持株会社方式による銀行業への参入が可能となりました。これにより金融システム改革による一連の金融業態間の相互参入が全て可能となりました。こういう新たな枠組みは、最近の金融機関の統合再編の流れの中で、各金融機関が業務の適正な遂行を図りつつ、多様化、高度化する利用者のニーズに的確に応えていくことを可能とするものであります。我が国金融の活性化や利用者利便の更なる向上等に寄与することを強く期待しております。こういう報告をしておきました。ただ、新潟中央銀行に関して、群馬県内の店舗に係る営業を除きというのは、4店舗ありますが、それについては譲渡候補先が、2行手を挙げているわけですが、それにどう振り分けるかについてまだ話しが決まっていません。これも早急に決められると思っています。

   

質疑応答】

 問:早急にというのはいつ頃を目途にお考えでしょうか。
 

員長:そうかかることはないでしょう。最終契約は一緒にやれるようにという事なので、10月中ということでしょうか。

  

 問:日債銀について、その後の進展は如何でしょうか。
 

員長:日債銀につきましては、この間小寺専務が、私が本間さんのお宅に弔問に伺ったお礼を兼ねてご挨拶に来られました。今、鋭意、後任について検討を進めているけれども、まだ話し合いがついていないという報告でした。私の方からは、とにかく長引くと良いことはないので、色々なことを言われる種にもなるし、それは新生日債銀の業務にも響く恐れがなしとしないから、早急に話し合いを進めてもらいたい。但し、私の方からどうこうする事柄でもないと思いますから、一つその辺はお含みの上、早く決めて頂きたいと言いました。専務からは、9月発行の金融債についても、300億円を大体各地銀等に引き受けてもらったので、行内、非常に明るい空気になりつつあるところに本間さんが亡くなったというので、大変残念だという話もございました。早急に決定をして頂きたいと思っております。

  

 問:小寺専務がいらっしゃったのはいつ頃ですか。
 

員長:昨日です。

  

 問:千代田生命とアリアンツとの交渉が難航しているという報道が出ておりますが、その点について事務方から報告なりございますでしょうか。
 

員長:報告と言って堅苦しいものではないのですが、なかなか難航しているということでして、これまた早急に話をまとめてもらいたい。マスコミを含めて皆さん色々なことを仰いまして、三和銀行の関連とか、東海銀行にその気がなくなったのではないかとか、アリアンツが手を引いたとか、どうも私共が聞いている範囲では、いずれも不確かな話です。東海銀行について言えば、三和銀行との合併を控えているわけですが、いずれにしてもこの問題については早急に処理しなければならないという気持ちであります。それから、これを一部に言われているように東海銀行が見放すというような話はないようです。ですから、アリアンツなり、もしアリアンツがあれならば他の代わるもの、いずれにしても、東海銀行が中心になって取りまとめをしていかなければならないものですから、それを我々としては期待をしているということです。

  

 問:一部写真週刊誌で、東海銀行から…という話がありましたが、その説明を出来ればして頂きたいのですが。
 

員長:結論的に言うと、全く関係ない話です。何を書いているんだろうと思って、今朝来てからフラッシュの記事を見せてもらいました。東海銀行秋葉原支店の関係で、数年前にありましたね、富士銀行赤坂支店の話とか色々あったでしょう。その人物、東海銀行秋葉原支店の森本支店長代理がノンバンクなどから約1500億円を騙し取って、約600億円を焦げ付かせたが、その事実を隠蔽するために軽井沢の別荘地を購入し、購入資金の一部として数百億円をオリエントコーポレーションから調達する話を画策していた。その際、10億円の謝礼を支払うことで、相沢氏にオリエントへの口利きを依頼した云々…、と書いてあるのです。私は森本なんていう人も知らないし、第一この話は全く知らないことなんです。こういうことを森本が何かの取り調べの際に喋ったとか、その口述したメモにそのことが書いてあるとか言って、ちょっと前にフラッシュの記者が私のところに来たから、「まったく私はそんなこと関係ないから、あなた方、そういうつまらないことを聞いて後で恥をかきなさんなよ」というふうに言ったのです。そういうふうに書いてあります。何で私が関係ない話に引っ張り出されるのか…。しいて言えば私が大蔵の出身だと言う事と、だから銀行には顔が利くのではないかなあということから、誰かが私の名前を利用しかけたのではないかと…それしか考えられないのです。全く関係のないということであります。

  

 問:法的な処置は取るつもりはありますか。
 

員長:もしこれから先もこんなことをやってくるなら、その時は法的手段を考えなければいけないと思いますが。とにかく雑誌社に対しては抗議をしておこうと思っております。

  

 問:今日にも抗議されるのでしょうか。
 

員長:はい、それは言っておきます。新聞にも広告が出ていますし、知らない人が中吊りを見て、前にも僕は何遍もやられていますから。ロッキードの時も、全く関係ないことでやられたということもありますから。皆さん方のような良識ある新聞は、そういうことをまともに取り上げないと信じておりますけれど。広告が出るから困るわけです。

  

 問:改めまして、日債銀の次期社長ですが、なかなか社長選びが混迷しているということですが、今注文をつけられるとすると、どういう方がいいと大臣はお考えでしょうか。
 

員長:格別にありませんが、やはり銀行ですから、全く今まで金融関係の仕事に関係なかった人というのが来られてもとても大変だと思います。ですからやはりそういう経歴のある人が望ましいでしょうが、しかしそれだけではいけないかもしれません。新しい形でスタートした銀行です。しかも一般の金融機関とは違って、性格的には長期信用銀行の流れを引いているわけです。ただ、ベンチャー企業に対する融資とか、一般のリテール関係の融資をやるとか、本間さんも色々とアイディアを持っておられたようですが、そういう転換も考えていかねばならないという事もあると思います。やはり金融関係の経歴のある人がならないと、急にポンと社長になってもあれかもしれません。ただ、こういう時代ですから、新しい感覚を持って仕事に乗り込んでくるという方があれば、それまた良いかもしれないという気もします。ですから正直申しまして特別な私としての意見はございません。

  

 問:関西の幸福銀行の譲渡交渉なのですが、5月に基本合意をして、7月に最終契約というのが当初の予定だったのですが、2カ月程最終契約が遅れているようなんですが、今、交渉の状況はどのようにお聞きになっていらっしゃいますか。
 

員長:幸福銀行については東京相和銀行と同じ相手と交渉しているのですが、基本合意は出来ており、問題は、実施に関わる最終契約ですが、かなり具体的に進展をしているというふうに聞いております。ただ、確定的に何時ということを申し上げる段階ではありませんが、そう遠くないことと思っております。

  

 問:日銀短観ですが、大臣はご覧になりましたでしょうか。日銀の業界判断の結果をご覧になってどう思われますか。
 

員長:プラス3が10になったというところしか聞いていないです。製造業でしょう。

  

 問:中小企業はあまり改善していないようなのですが。
 

員長:マイナス5はゼロになった。非製造業が、マイナス12がマイナス9になった。製造業の3が10になった。マイナスになったという数字はないでしょう。いずれも改善はしているようです。ただ、変なこと言いますが、この間聞いたら、日銀の本店に景気がどうも悪くなったとう報告を持っていくと叱られると言っていました。それはおかしいと冗談を言ったのですが。相当日銀もその数字を気にはしているようです。いずれにしても、短観で、皆さんが仰るようによくなったと、例えば中小製造業はゼロですし、中小企業の製造業がマイナス21がマイナス17、非製造業がマイナス27がマイナス24になったということで、つまりプラスになったわけではない。マイナスが減ったというだけの話です。そんなにめざましく良くなったという話ではないです。方向として悪くはなっていないということをこの短観は言いたいのではないでしょうか。
 ただ、ここから先は余計なことなのですが、良く見てみないとわからないのですが、どういうところでもって動きがあるのか、ただ、私共が耳にするところによると、やはり公共投資関係なんかは、今年は政府方針として前倒しはしてないけれども、結構前の方に契約も偏ってますし、ですから色々意見はあっても相当な補正をしなければなかなか対前年度の関係から言っても現況を維持していくというのは難しいのではないかという感じがしないでもない。ですから、言うなれば折角景気が少し良くなりつつあるところで手を抜いたのではまた逆戻りする心配があるという感じを持っております。これは金融再生委員長としての話ではなく、私の個人的な見解なのですが、そういうふうな気はしております。

(以上)


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