転換権付優先株の転換権行使について

  平成11年6月29日

 早期健全化法に基づく資本増強に伴い引受けた優先株式について、整理回収機構が株主としての権利を行使する又はその処分を行う場合には、預金保険機構が承認することと規定されているが、金融再生委員会としては、特に転換権の行使については次のような方針とすることが適当であると考える。  
 経営健全化計画の履行状況については、早期健全化法に基づき報告を求め公表することで銀行に自己規正を促すこととしている。経営健全化計画が的確に履行されている場合については、基本的には議決権の行使を目的とする転換権の行使は行わない。優先株式を処分する際の転換権の行使については、金融システムの安定化等、早期健全化法の趣旨や財産管理上の観点を踏まえ、具体的な処分方針について預金保険機構において検討を行う。  
 他方、経営健全化計画の的確な履行が図られていない場合には、収益目標や市場からの信認の状況等を基準として、早期健全化法に基づき経営健全化計画に係る報告を求め公表するとともに、銀行監督上の必要な措置を講ずる。更に、早期健全化法に規定する普通株式の引受けの承認要件を満たす場合、その他これに準ずる次のような場合には、転換権の行使を検討する。

早期健全化法により資本増強を受けた金融機関のフォローアップ(骨子)

  平成11年6月29日

I .趣 旨    早期健全化法により資本増強を受けた金融機関の経営健全化計画のフォローアップについては、早期健全化法や銀行法に基づき、金融再生委員会、金融監督庁及び預金保険機構において適切に遂行。各金融機関において経営健全化計画に沿った健全な経営が行われ、収益力が向上するなど主要な計画の履行を確保。

 

II .内 容  
.金融再生委員会による決算期毎の履行状況の報告徴求・公表等  
(1)  11年3月期の決算については、履行状況の報告として、確定計数(必要に応じて連結ベースを含む)を徴求し公表。  
(2)  半期毎に、早期健全化法5条4項に基づき、計画の進捗状況及び11年3月期の経営健全化計画と実績とが相当乖離している場合にはその理由等の報告を求め公表。  
(3)  市場規律に基づく銀行自身による自己規正を促す観点から、特に必要な場合には優先株主としての権限を背景とし収益確保のための追加的なリストラ策等を求める。  
.金融監督庁による監督  
(1)  フォローアップ全体の一環として、経営健全化計画の履行のための施策につき、四半期毎に定性的にヒアリングを行う。  
(2)  経営健全化計画について的確に履行しようとしていない場合や計画上の収益等と実績とが相当程度乖離し市場の信認が低下した場合、早期健全化法20条2項に基づき業務改善命令を発動。  
.預金保険機構(整理回収機構)の株主権の行使  
(1)  早期健全化法の趣旨及び公的資金の保全の観点から、整理回収機構により、  
 優先株主としての権限の行使(合併等に係る種類株主総会の議決等)  
 優先株の普通株への転換権の行使(転換後、普通株主としての議決権等を行使)  
(2) 預金保険機構が、整理回収機構による権限行使を承認する基準を策定。このため金融再生委員会が方針を決定。   
.預金保険機構による優先株式等の処分    優先株等の処分については、早期健全化法の趣旨・原則を踏まえ、○金融システムの安定性、銀行経営の健全性、○国民負担の抑制、○早期処分等といった観点から、預金保険機構が、金融再生委員会、金融監督庁と協議しつつ、処分方針を作成。

 

連絡・問い合わせ先

金融再生委員会事務局  金融危機管理課

  片桐、井上、市川


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