平成12年6月27日

金融再生委員会委員長談話

----東京相和銀行の譲渡先の選定について----

  1.  東京相和銀行の譲渡先選定については、これまで同行の金融整理管財人により鋭意作業・検討が進められてきたところであり、金融再生委員会としては、その状況について金融整理管財人より逐次報告を受けてきた。

  2.  そして、本日の金融再生委員会において、金融整理管財人より、同行の譲渡候補先の提示条件等を比較・検討した結果、公的負担の極小化に資すること、善意かつ健全な債務者への与信の維持継続が図られること、経営体制や事業計画に新規性が認められること等から、米国のアジア・リカバリー・ファンドが中心となって今後組成される(仮称)「日本さわやかパートナーズ社」が創設する銀行持株会社傘下の新設銀行子会社の一つに同行の営業譲渡を行うことが最も適当であるとの見解が示され、当委員会においてもその見解を基本的に了承した。これを受けて、本日、東京相和銀行と同ファンドとの間で営業譲渡に係る基本合意書が締結されたところである。

  3.  当委員会としては、これまでの金融整理管財人の方々の御努力に敬意を表するとともに、その労を多としたい。

  4.  今後は、本年9月末までを目途に最終的な営業譲渡契約を締結するべく、金融整理管財人と同ファンドの間で、さらに協議が進められていくこととなるが、金融整理管財人には引き続き東京相和銀行の早期譲渡の実現に向けて御尽力いただくようお願いしたい。
     当委員会としても、営業譲渡契約の締結が極力早期に、かつ、適切に行われるよう、今後とも金融整理管財人を最大限支援してまいる所存である。

  5.  なお、既に同ファンドとの間で営業譲渡に係る基本合意書が締結されている幸福銀行については、同ファンドが中心となって組成する(仮称)「関西さわやかパートナーズ社」の下に新たに設立される銀行に営業譲渡を行うことを予定していたが、今般の東京相和銀行の譲渡先の決定に伴い、(仮称)「日本さわやかパートナーズ社」が設立する上記の銀行持株会社傘下の別の新設銀行子会社に営業譲渡を行う枠組みとなる。

平成12年6月27日

東京相和銀行営業譲渡先の選定について

東京相和銀行
金融整理管財人
  
. 営業譲渡先選定の経緯
 
(平成11年
 

6月12日

東京相和銀行に対し、管理を命ずる処分発令。金融整理管財人選任。
 

(平成12年
 

〜1月

金融整理管財人より、国内外を問わず、受け皿となる可能性のある先に幅広く接触。
上記接触先の中から引受興味先と守秘義務契約を締結、詳細資料を先方に提供。
 

〜2月

候補先からの事業計画の提示、検討。
 

〜5月

候補先によるデューデリジェンスの実施。
候補先による価格条件、事業計画等の提示、検討。
 

6月27日

米国デラウェア州に本拠を持ち、米国ロスチャイルド社と提携関係にある投資ファンドAsia Recovery Fund L. P.と基本合意書締結。

 

. 選定に当たって重視したポイント
 
(1)  公的負担の極小化

(2)

 預金者及び善意かつ健全な債務者の保護等、金融安定化等への貢献

(3)

 選定手続きの公平性、透明性

 

. 基本合意の骨子
 
(1)  Asia Recovery Fund L. P.は、米国大手年金基金等の他の共同出資者と共に、東京相和銀行および幸k竝sの譲受けのための特別目的ファンド(仮称日本さわやかパートナーズ)を設立し、この特別目的ファンドが銀行持株会社を通じて、東京相和銀行と幸k竝sの受け皿となる新法人を2つ設立、各々の新法人をして銀行免許を申請させる。

(2)

 新銀行は再生法の趣旨に則り、善意かつ健全な借手との取引を維持し、中長期的に業務の運営を図るものとする。

(3)

 営業譲渡契約の締結時期は9月末を目処、営業譲渡日は来年3月末を目処。

(4)

 与信資産のうち、受け皿が引継ぐ資産は、金融整理管財人が善意かつ健全と認めた債務者への与信全額10,049億円、また、RCCに譲渡される額は8,191億円(いずれも11/12末現在残高)。なお、債務者の状況の変化等により、営業譲渡日までの間に修正されることがある。

(5)

 預金(11/12末現在残高11,668億円)等の負債については全て引継がれる。

(6)

 受け皿となる新銀行は、営業譲受の前提として、預金保険機構に預金保険法第59条に基づく資金援助を申し込む。

(7)

 その他詳細については、今後両者協議の上決定する。

 

. 今後のスケジュール
 
6月27日  基本合意書の締結

9月末日を目処

 営業譲渡契約書の締結

来年3月末日を目処

 営業譲渡

 


譲受のスキーム等

. 譲受スキーム

 Asia Recovery Fund L.P.(米国デラウェア州に本拠を置き、米ロスチャイルド社と提携関係にある投資ファンド、以下ARF)が中心となって、東京相和銀行及び幸k竝s譲受のための特別目的ファンド(仮称)日本さわやかパートナーズを組成。
 (仮称)日本さわやかパートナーズには、ARFのほか、ARFと同じ運用責任者の下にあるWLR Recovery Fund L.P.(旧Rothschild Recovery Fund L.P.、米国デラウェア州、以下WRF)、CALPERS(カリフォルニア州公務員退職年金基金)等の米国内外の機関投資家等が出資を予定。
 (仮称)日本さわやかパートナーズが銀行持株会社を経由して受け皿となる新銀行を2行設立、各々が東京相和銀行と幸k竝sの営業を譲受ける計画。
新銀行に対し、(仮称)日本さわやかパートナーズからの出資(350億円)のほか、公的資金による資本増強を希望。

 

. 経営陣等
 
(1)  ファンドの会長兼投資執行責任者(Chief Investment Officer)

 Wilbur L. Ross, Jr(ウィルバー L.ロス、ジュニア)

 米ロスチャイルド社の、倒産・破綻企業の再建アドバイザリーサービス部門の統括責任者を務め、米国内外の多くの倒産案件に、経営側・債務者側・株主側等、様々な立場で携わった経験を有する。本年3月末、同社のリストラクチャリング投資ファンド事業の全てを譲受け、東京相和銀行・幸k竝s譲受の中心となるARF及びWRFの運用を承継(なお、現在も両ファンドは米ロスチャイルド社と提携関係にあり、米ロスチャイルド社が両ファンドに一部出資している)。


(2)

 新銀行の経営陣
 
 最高顧問  ウォルター・モンデール元駐日大使

 代表取締役

 大手邦銀役員経験者から選任中

 その他、取締役会メンバーには弁護士等の社外取締役を交え、透明性の高い構成とする。また、業務運営は、代表取締役以下、実務に通じた執行役員が担当する。

 

. 譲受条件
 
(1)  承継する資産・負債

 与信資産については、金融整理管財人が善意かつ健全な債務者と認めた
 与信の全額(11/12末現在残高10,049億円)を承継
 預金(11/12末現在残高11,668億円)等の負債については、全てを承継


(2)

 承継する店舗

 現在の店舗(100店舗)のうち、56店舗以上を承継


(3)

 再雇用する職員数

 現在の職員(約2千名)のうち、1,085名以上(他パート315名以上)
 を再雇用

 


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(参考)営業譲渡に関する基本合意書

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