I |
.原則
○ |
協同組織金融機関への資本増強は、個別金融機関の救済ではなく、中小零細企業向け金融等の円滑化、地域経済の活性化を通じて、金融システム全体をより強固なものとすることを目的とする。 |
○ |
資本増強を契機として協同組織金融機関の実態に応じた再編が行われることにより、金融システムの効率化が図られることを期待する。 |
○ |
協同組織金融機関については、単位組織間の相互扶助の仲立ちや単位組織の機能の補完の面で全国連合会等の果たす役割が大きく、これらの機関による増資等への協力や支援を期待する。
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II |
.審査に当たっての考え方
○ |
存続可能性の要件や申請時の自己資本の区分の判定に当たっては、金融再生委員会告示にしたがって適切な引当て等が行われていることを検査結果等を踏まえて確認する。 |
○ |
相互扶助組織であるという性格に鑑みて、員外貸出の状況、融資が特定先に偏っていないか、会員・組合員等の自助努力による自力調達が行われているかどうかを考慮する。特に過少資本以下の自己資本の区分に属する金融機関については、こうした自助努力が十分に行われていることを前提とする。 |
○ |
次のような場合には、資本増強の規模や条件について優遇を行う。
・ |
その地域における当該協同組織金融機関の存在の重要性や地元による支援の状況に鑑みて、その存続が地域経済にとって必要であると認められ、資本増強により地域経済の活性化が見込まれる場合 |
・ |
資本増強を契機とした再編が行われる場合で、当該再編が地域の金融システムを強固なものにするため必要であると認められ、資本増強により地域経済の活性化が見込まれる場合 |
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○ |
経営健全化計画の内容については、収益性の向上により、投下資本の回収が確実となるものとする。なお、計画の記載内容については、協同組織金融機関の実態に応じたものとする。
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III |
.引受け条件等
○ |
資本増強に当たっては、不良債権処理の原資といった観点から劣後ローンより、資本勘定となる優先出資を基本とする。 |
○ |
優先出資の配当率等の決定は、以下の考え方によるものとする。
・ |
ペイオフ解禁に向けて更に強固な金融システムの構築が行われた状態をベースとした配当率等の水準とする。 |
・ |
協同組織金融機関の法的性格及び中小零細企業向け金融等に果たしている役割に鑑み、配当率等の水準に配慮する。 |
・ |
個別の協同組織金融機関について、経営健全化計画における不良債権の処理、業務再構築等による将来の財務内容・経営内容の改善の見込みに応じ、その信用リスクの低下を配当率等に反映させるものとする。 |
・ |
個別の協同組織金融機関について、地域経済の活性化への貢献度を評価した上で、配当率等に反映させる。
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IV |
.フォローアップ
○ |
資本増強を行った協同組織金融機関については、適切な検査・監督によりその健全性を確保するほか、年1回の決算期毎に、経営健全化計画の履行状況について早期健全化法第5条第4項に基づき報告を求め、これを公表する。また銀行の場合と同様、金融庁による四半期毎の定性的ヒアリングを行うこととする。
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V |
.その他
○ |
資本増強に当たっては、上記のほか、優先出資等の引受けの時期は決算期末に限定せず、申請があれば迅速に対応するなど、基本的には「地域金融機関の資本増強についての基本的考え方」と同様の考え方によることとする。 |
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