平成12年11月28日
金融再生委員会
大蔵省

「預金保険法等の一部を改正する法律」の一部施行に伴う政令案の概要の公表について

     

 「預金保険法等の一部を改正する法律」の一部施行に伴い、政令案について検討を行い、その検討結果の概要を別紙のとおり取りまとめましたので公表いたします。
 別紙についてご意見がありましたら、平成12年12月22日(金)までに、氏名、住所を付記の上、郵便、FAX又は電子メールにより下記にお寄せ下さい。ただし、電話等によるご意見はご遠慮願います。
 なお、いただいたご意見等につきましては、氏名又は名称を含めて公表させていただく場合があるほか、個別には回答いたしませんので、予めご了承ください。
    

郵便による場合
〒100-6013 東京都千代田区霞が関3−2−5 霞が関ビル31F
 金融再生委員会事務局金融危機管理課企画係
〒100-8940 東京都千代田区霞が関3−1−1
 大蔵省大臣官房信用機構課法規係
電子メールによる場合(金融再生委員会はホームページ経由)
アドレス: 金融再生委員会 http://www.fsa.go.jp/frc/
大  蔵  省 sin01@mof.go.jp


ご意見の募集は終了しました。ご協力ありがとうございました。
 

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預金保険法施行令等の一部を改正する政令案の概要

 

 預金保険法等の一部を改正する法律の一部の施行(平成13年4月1日)に伴い、預金保険法施行令その他の関係政令について、以下のとおり所要の改正を行うこととする。

1.預金保険法施行令関係

 (1 ) 預金保険の対象となる金融債
 金融債で権利者を確知できるものとして政令で定めるものは、債券の発行時において当該債券の応募者と発行者との間で命令で定めるところにより当該債券に係る保護預り契約がされているものとする。(預金保険法(以下「法」という。)第2条第2項第5号関係)

(2

) 劣後特約付社債、優先株式等に準ずるもの及び劣後特約付金銭消費貸借の定義
 資金援助の一環としての救済金融機関への資本増強及び金融危機対応における資本増強措置の対象となる劣後特約付社債、優先株式等に準ずるもの及び劣後特約付金銭消費貸借で政令で定めるものは、以下のとおりとする。(法第2条第6項、第8項関係)
(a)  劣後特約付社債 担保が付されてなく、かつ、償還が行われない期間が発行時から5年を超えるものであること
(b)  優先株式等に準ずるもの 協同組織金融機関の優先出資に関する法律に規定する優先出資
(c)  劣後特約付金銭消費貸借 担保が付されてなく、かつ、元本の弁済が行われない期間が契約時から5年を超えるものであること

(3

) 一般勘定における借入金の限度額
 平成13年度予算要求の考え方を踏まえ、預金保険機構(以下「機構」という。)の一般勘定における借入金及び預金保険機構債券の発行残高の限度額を6兆円(現行4兆円)とする。(法第42条第3項関係)

(4

) 保険料の額の計算上除かれる預金等
 保険料の額の計算上除かれる預金等から、公金預金・特殊法人預金を除き、金融債のうち募集債及び債券の交付がされたものを加える。(法第51条第1項関係)

(5

) 仮払金の限度額
 仮払金の限度額を60万円(現行20万円)とする。(法第53条第4項関係)

(6

) 仮払金の支払対象となる預金等
 仮払金の支払対象となる預金等は、普通預金に係る債権のうち元本とする。(法第53条第4項関係)

(7

) 保険金の支払対象となる利息等の範囲
 保険金の支払対象となる利息等の範囲は以下のとおりとする。なお、額の計算については命令で定める。(法第54条第1項関係)
(a)  預金契約に係る利息
(b)  定期積金契約に係る給付補てん金
(c)  掛金契約に係る給付補てん金
(d)  金銭信託(信託業法第9条の規定により利益を補足する契約がされたものに限る。)に係る信託契約に係る収益の分配
(e)  前記(d)以外の金銭信託(貸付信託を含む。)に係る信託契約に係る収益の分配のうち、預金者等に分配されることが確実なものとして命令で定めるもの
(f)  金融債(割引金融債を除く。)に係る利息
(g)  割引金融債の券面金額から払込金の合計額を控除した金額に相当するもの

(8

) 保険金の充当順序の基準となる金利
 付保対象となる預金等が複数あり、その元本の合計額が1千万円を超える場合において、保険金の充当順序の基準となる金利で政令で定めるものは、定期積金の利回り、掛金の利回り、金銭信託の予定配当率(貸付信託にあっては予想配当率)及び割引金融債の割引率とする。(法第54条第2項第3号関係)

(9

) 保険金の額の特例
 仮払金の支払及び法第127条第1項の貸付けに係る預金等の払戻しを受けている場合の保険金の額は、保険金の額に対応するそれぞれの預金等に係る債権の額から、それぞれ対応する仮払金の支払及び預金等の払戻しを受けた額を控除するものとする。(法第54条第3項関係)

(1

0)仮払金の払戻しの基準となる額の計算方法
 仮払金の払戻しの基準となる額は、支払われるべき保険金の額に対応する普通預金に係る元本の額の合計額とする。(法第54条第4項関係)

(1

1)保険金の支払の請求により機構が取得する債権
 保険金の支払の請求により機構が取得する債権は、保険金の額のうち支払われるべき保険金の額に対応する預金等に係る債権とする。(法第58条第1項関係)

(1

2)保険金の支払の場合の租税特別措置法の特例
 住宅財形及び年金財形に係る預金等について保険金が支払われた場合には、非課税措置の適用除外事由には該当しないこととする。(法第58条の2第2項関係)

(1

3)財務内容の健全性の確保等のための方策
 優先株式等の引受け等に係る資金援助の申込みに際し提出する計画に定めるべき財務内容の健全性の確保等のための方策は、以下のとおりとする。(法第64条の2第1項関係)
(a)  経営の合理化のための方策
(b)  優先株式等の引受け等に係る優先株式等及び借入金につき利益をもってする消却、償還又は返済に対応することができる財源を確保するための方策
(c)  財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営の確保のための方策

(1

4)緊急手続に関する規定
 法律の根拠規定が削られたことに伴い、関係規定を削る。

(1

5)預金等債権の買取りの対象から除かれる預金等
 預金等債権の買取りの対象から除かれる預金等から外貨預金を除く。(法第70条第1項関係)

(1

6)概算払額の計算上除かれるもの
 概算払額の計算上除かれるものとして、上記(7)(g)を追加する。(法第70条第3項関係)

(1

7)預金等債権の買取りの場合の基準日における元本額
 預金等債権の買取りの場合の基準日における元本額の計算に当たって、保険事故が発生した日において元本であったものの額に相当する金額から控除する金額に、法第127条第1項の貸付けに係る預金等の払戻しにより消滅した預金等債権の元本の額に相当する金額を追加する。(法第73条第1項関係)

(1

8)資本減少の場合に各別に異議の催告をすることを要しない債権者
 金融整理管財人による管理を命ぜられた銀行又は長期信用銀行(以下「銀行等」という。)が資本減少の決議をした場合に、各別に異議の催告をすることを要しない債権者で政令で定める債権者は、定期積金の積金者、掛金の掛金者、金銭信託の受益者、債券の権利者及び保護預り契約に係る債権者その他の銀行等の業務に係る多数人を相手方とする定型的契約の債権者で命令で定めるものとする。(法第89条関係)

(1

9)損失補てんを行うことができる協定承継銀行に生じた損失の額
 機構が損失補てんを行うことができる協定承継銀行に生じた損失の額は、承継協定の定めにより協定承継銀行の資産の買取りが行われた場合における当該資産に係る譲渡損に相当する金額と、協定承継銀行の損益計算上の当期損失として命令で定めるものの金額のうちいずれか少ない金額とする。(法第99条関係)

(2

0)経営の健全化のための計画
 金融危機対応における株式等の引受け等に係る申込みに際し提出する経営の健全化のための計画に定めるべき方策は、以下のとおりとする。(法第105条第2項関係)
(a) 経営の合理化のための方策
(b) 責任ある経営体制の確立のための方策
(c) 配当等により利益が流出しないための方策
(d)  株式等の引受け等に係る株式等及び借入金につき利益をもってする消却、償還又は返済に対応することができる財源を確保するための方策
(e)  財務内容の健全性及び業務の健全かつ適切な運営の確保のための方策

(2

1)負担金の決定に係る報告事項
 負担金の決定に係る報告事項で政令で定める事項は、危機対応業務を行うための費用として使用した金額、取得株式等又は取得貸付債権から生じた果実に相当する金額及びその他命令で定める事項とする。(法第123条第1項第5号関係)

(2

2)国庫への納付手続
 機構が危機対応勘定の損益計算上の利益金を国庫に納付するときは、国庫に納付する金額の計算書に、当該事業年度末の貸借対照表、当該事業年度の損益計算書その他命令で定める書類を添付して、翌事業年度の7月21日までに、これを金融庁長官及び財務大臣に提出するとともに、当該利益金を7月31日までに納付するものとする。(法第125条第2項関係)

(2

3)危機対応業務に係る借入金の限度額
 平成13年度予算要求の考え方を踏まえ、危機対応業務に係る借入金及び預金保険機構債券の発行残高の限度額を15兆円とする。(法第126条第1項関係)

(2

4)営業譲渡等の場合に各別に異議の催告をすることを要しない債権者
 資金援助の決定が行われた営業譲渡等又は付保預金移転がされたときに各別に異議の催告をすることを要しない債権者で政令で定める債権者は、債券の権利者及び保護預り契約に係る債権者その他の金融機関の業務に係る多数人を相手方とする定型的契約の債権者で命令で定めるものとする。(法第131条第3項関係)

(2

5)受託者更迭手続の場合に各別に異議の催告をすることを要しない信託
 資金援助の決定が行われた信託業務の承継に係る受託者更迭が行われたときに各別に異議の催告をすることを要しない信託は、多数人を委託者又は受益者とする定型的信託契約に係る信託とする。(法第132条第2項関係)

(2

6)新受託者の解任権を有しない信託
 資金援助の決定が行われた信託業務の承継に係る受託者更迭が行われたときに当該新受託者の解任権を有しない移転委託者に係る信託は、定型的信託であり、かつ、委託者が信託利益の全部を享受することとされている金銭信託とする。(法第132条第4項関係)

(2

7)保険料の額の端数計算等
 危機対応業務の実施に要した費用に充てるための負担金に係る規定を加える。(法第122条第3項、第4項、第138条関係)

(2

8)都道府県知事への通知
 一の都道府県の区域を超えない区域を地区とする労働金庫についての預金保険法上の措置に係る都道府県知事への通知を要する事項に関し、法改正により新たに措置された行政庁への報告等及び行政行為について、所要の整備を行う。(法第138条関係)

(2

9)金融庁長官へ委任される権限から除かれる権限
 金融庁長官へ委任される権限から除かれる権限は、機構の設立認可の権限及び金融危機対応会議の議を経て行われる金融危機対応のための例外的措置を講ずる旨の認定及び当該認定の取消しに係る権限(これらに係る一連の手続を含む)とする。(法第139条第1項第4号関係)

(3

0)平成13年4月1日から平成15年3月31日までの期間における保険金の額の計算上除かれる預金等
 平成13年4月1日から平成15年3月31日までの期間(以下「特例期間」という。)における保険金の額の計算上除かれる預金等は、恒久措置におけるもの(第6条)と同様とする。(法附則第6条の2第1項関係)

(3

1)特定預金
 預金等のうち為替取引に用いられるものとして政令で定める預金等は、当座預金、普通預金のほか、為替取引に用いられるものとして命令で定める預金とする。(法附則第6条の2第1項第1号、法附則第6条の2の2第1項関係)

(3

2)特例期間における保険金の額の特例
 仮払金の支払及び法第127条第1項の貸付けに係る預金等の払戻しを受けている場合の保険金の額は、保険金の額に対応するそれぞれの預金等に係る債権の額から、それぞれ対応する仮払金の支払及び預金等の払戻しを受けた額を控除するものとする。(法附則第6条の2第3項関係)

(3

3)特例期間における保険料の額の計算上除かれる預金等
 特例期間における保険料の額の計算上除かれる預金等は、恒久措置におけるもの(第3条)と同様とする。(法附則第6条の2の2第1項関係)

(3

4)協定の定めによる業務により生じた利益の額
 協定銀行が機構に納付すべき協定の定めによる業務により生じた利益の額は、(a)及び(b)の合計額から(c)を控除した金額とするとともに、当該金額があるときは、事業年度終了後3月以内に機構に納付するものとする。(法附則第8条第1項第2号の2関係)
(a)  譲受債権等のそれぞれにつきその取得価額を上回る金額で回収を行ったことその他の命令で定める事由により利益が生じたときは、当該利益の金額として命令で定める金額
(b)  下記(c)の損失が生じた場合において、当該損失が生じた事業年度の翌事業年度以後に当該損失の生じた譲受債権等の回収を行ったことその他の命令で定める事由により当該損失が減少をしたときは、当該減少をした損失の金額として命令で定める金額
(c)  譲受債権等のそれぞれにつきその取得価額を下回る金額で回収を行ったことその他の命令で定める事由により損失が生じたときは、当該損失の金額として命令で定める金額

(3

5)協定の定めによる業務により生じた損失の額
 機構が協定銀行に補てんすることのできる協定の定めによる業務により生じた損失の額は、上記(34)(c)の額から(a)及び(b)の合計額を控除した金額とする。(法附則第10条の2関係)

(3

6)一般勘定で経理する業務
 法附則第7条第1項に規定する業務のうち一般勘定で経理すべきものは、平成14年4月1日以降に開始する業務であって、特別資金援助、特例資産譲受人等の資産の買取り及び特例資産譲受人等に対する損失補てんに係るもの以外のもので、命令で定めるものを除くものとする。(法附則第18条第1項第3号、法附則第23条第4項第3号関係)

(3

7)特例業務基金の使用額の算定基準日
 特例業務基金の使用額の算定基準日に係る期日を1年延長する。(法附則第19条の3第2項関係)

(3

8)その他
 法改正に伴う文言整理等所要の改正を行う。

2.預金保険機構債券令関係

 (1 ) 債券の発行に係る監督庁
 危機対応業務に係る預金保険機構債券の発行を行う場合の認可申請書を提出する監督庁は、金融庁長官及び財務大臣とする。(法第126条第3項関係)

(2

) その他
 法改正に伴う文言整理を行う。


.証券取引法施行令関係
 公開買付けの目的の達成に重大な支障となる事情、上場会社等の業務執行を決定する機関の決定に係る重要事実及び上場会社等の子会社の業務執行を決定する機関の決定に係る重要事実としてそれぞれ規定する「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第68条の規定による申出」を「預金保険法第74条第5項の規定による申出」に改正する。(証券取引法法第27条の11第1項、第166条第2項第1号、第166条第2項第5号関係)


.信用金庫法施行令、協同組合による金融事業に関する法律施行令、労働金庫施行令関係
 協同組織金融機関の整理について、商法及び非訟事件手続法の規定を準用する場合における各法の規定に係る技術的読替えに関する規定を整備する。(信用金庫法第62条、協同組合による金融事業に関する法律第6条の2第4項、労働金庫法第66条関係)


.金融機関等の更生手続の特例等に関する法律施行令関係
 預金等債権から除かれるものは、預金保険法施行令における預金等債権の買取の対象から除かれる預金等(上記1.(15))と同様とする。(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第2条第7項関係)


.金融機能の再生のための緊急措置に関する法律施行令関係

 (1

) 平成13年度予算要求の考え方を踏まえ、金融再生勘定における借入金及び預金保険機構債券の発行残高の限度額を10兆円(現行18兆円)とする。(金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第65条第1項関係)

(2

) その他
 法改正に伴う文言整理を行う。


.金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律施行令関係
 平成13年度予算要求の考え方を踏まえ、金融機能早期健全化勘定における借入金及び預金保険機構債券の発行残高の限度額を16兆円(現行25兆円)とする。(金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律第16条第1項関係)


.資産の流動化に関する法律施行令、投資信託及び投資法人に関する法律施行令関係
 特定目的会社が発行する特定社債及び投資法人が発行する投資法人債について、商法上の社債とみなして適用される法令として信託業法を追加する。(資産の流動化に関する法律第113条第2項、投資信託及び投資法人に関する法律第139条の6第2項関係)

9.その他

 (1 ) 施行期日
 この政令は、平成13年4月1日から施行する。

(2

) その他
 所要の規定の整備を行う。
   

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