印刷用ページはこちら (PDF:161KB)

議事次第

9:30-9:35 開会挨拶中塚一宏内閣府副大臣(金融担当)
9:35-9:50 基調講演畑中龍太郎金融庁長官
9:55-11:15
セッション1世界金融危機後の金融市場改革とアジアへのインプリケーション

先般の世界金融危機では、これまでに通貨危機や不良債権問題を経験してきたアジアの金融市場においては、その経験からきた様々な施策を生かして金融危機の影響をある程度抑えることができたが、それまで世界の金融をリードしてきた欧米諸国では、未だその影響が続き、出口を模索している状況である。その結果、多くの金融機関が金融危機の前に比べてアジアの市場がより魅力的だと捉えるようになったものの、将来起こりうる新たな危機に対しては、個々の国々による対応のみならず、アジアの金融市場が全体として対応することが必要である。

本セッションにおいては金融危機後の規制改革の現状を、グローバルな視点並びにアジアからの視点で把握した上でアジアの金融市場での課題を抽出し、今後の金融危機防止策及びアジア諸国に対するインプリケーションについて議論を行う。

モデレーター

ジェーン・ディプロック
シンガポール取引所(SGX)社外取締役(前証券監督者国際機構(IOSCO)理事会議長)

パネリスト

スティーブン・マイヨール
欧州証券市場機構(ESMA)長官
ハンス・フーガーホースト
国際会計基準審議会(IASB)議長
ステファン・ポー
香港証券・先物取引監察委員会(SFC)シニア・ディレクター、証券監督者国際機構(IOSCO)市場仲介者常設委員会議長
リー・チュアン・テック
シンガポール金融管理局(MAS)アシスタント・マネージング・ディレクター
ジャスパル・シン・ビンドラ
スタンダードチャータード銀行グループ常務取締役兼アジア最高統括責任者
河野正道
金融庁金融国際政策審議官
11:20-11:35 基調講演ジュンス・キム韓国銀行総裁
11:40-12:55
セッション2アジア金融市場における適切な資金供給のあり方について

アジアの金融市場は、不動産担保による銀行借入という間接金融が中心であり、特に、中小事業者向け融資においては、そのリスクや収益性の分析が十分でなく、資金需要に適切に対応出来ていないという課題や、ベンチャーキャピタル等のリスクマネーの供給が十分でないだけでなく、安定的な社債市場も存在していないなど、直接金融が発達していないという課題も抱えている。また、クロスボーダーの資金の流出入は、各国の金融市場における資金供給の動向に大きな影響を与えている。

本セッションでは、こうした課題に対処するため、マイクロファイナンスを含めた中小事業者向け金融の現状を分析し、アジア金融市場の今後の発展のための方策について、適切な規制の枠組みを含め、議論を行う。

モデレーター

吉野直行
金融庁金融研究センター長、慶應義塾大学経済学部教授

パネリスト

エイドリアン・ブランデル‐ウィグナル
経済協力開発機構(OECD)事務総長スペシャルアドバイザー、金融企業局次長
アンドリュー・シェン
ファングローバルインスティテュート会長、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)顧問
ジョング・イ
国際弁護士 キム&チャング法律事務所シニア・アドバイザー(前韓国金融委員会(FSC)常任委員)
藤井健司
みずほ証券執行役員グローバルリスク管理グループ長
横井眞美子
経済協力開発機構(OECD)プリンシパル・アナリスト
岡田昌治
九州大学ユヌス&椎木ソーシャル・ビジネス研究センターエグゼクティブ・ディレクター、教授
13:00-14:00 昼食
14:10-14:25 基調講演ゼティ・アクタール・アジズマレーシア中央銀行総裁(ビデオ上映による)
14:30-16:00
セッション3アジアの市場統合〜競争か、協調か〜

今後も継続してアジアの金融市場の魅力を維持・発展させるためには、アジアの主要市場の統合は、もはや夢として語られるものではなく、その現実化を目的とした具体的な検討が急がれる時期にきている。そのためには、アジアの金融市場におけるインフラや規制の発展について、現状を改めて分析し、こうした動きと歩調を合わせた検討を行う必要があるだろう。

そこで、このセッションでは、アジア金融市場の統合という観点から、競争と協調をどのように進めていくかについて具体的な課題を検討した上で、アジアの金融市場を活性化させるための取引所同士の連携、競争のあり方や、そこから生まれる新しい証券ビジネスの可能性について議論を行う。

モデレーター

ザリナ・アンワー
マレーシア証券委員会委員長

パネリスト

斉藤惇
東京証券取引所グループ代表執行役社長
マドゥ・カナン
ボンベイ証券取引所(BSE)マネージング・ディレクター兼CEO
グレッグ・メドクラフト
オーストラリア証券投資委員会(ASIC)委員長
ジュリアン・パク
韓国金融監督院(FSS)局長
ラミン・トルーイ
PIMCOアジア エグゼクティブ・バイス・プレジデント ポートフォリオマネージャー
柏木茂介
野村HD リスク・アドバイザリー・グループ担当執行役員
16:00-16:30 コーヒーブレーク
16:30-17:45
セッション4アジア金融インフラの革新〜新しい決済システムのあり方について〜

中央清算機関を含む決済システムは、資金を経済全体に安全かつ円滑に流通させる重要な役割を担っており、これまでその革新を通じて安全性、効率性及び利便性の向上が図られてきた。同時に、決済システムはそれ自体が金融ビジネスとしての可能性を秘めており、また、新しいサービスの発展を促し既存のサービスに競争を促すという側面を有している。他方、それぞれが置かれている状況に応じて、それ自体の運営のあり方についても検討する必要がある。

このセッションでは、アジアにおける革新の事例として、事業資金調達の円滑化を目的とする電子記録債権、日銀ネット及び中央清算機関について取り上げ、決済システムのイノベーションの現状とアジア諸国におけるさらなる発展の可能性を模索する。

モデレーター

カニット・サングスバーン
タイ財務省財政政策研究所所長

パネリスト

マグナス・ボッカー
シンガポール取引所(SGX)CEO
タジンダー・シン
証券監督者国際機構(IOSCO)事務局次長
宮内篤
日本銀行決済機構局長
杉浦宣彦
中央大学大学院戦略経営研究科教授