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事例紹介

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事例紹介(ミネルバ・グロース・パートナーズ)2022年3月

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(左)長澤 啓 さま (右)村島 健介 さま ミネルバ・グロース・パートナーズ株式会社
代表取締役 マネージング・パートナー(創業パートナー)

聞き手:金融庁 2022年3月

会社概要
会社名:ミネルバ・グロース・パートナーズ株式会社
設立:2021年11月
主要業務:金融商品取引業(投資助言・代理業)
金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第3316号
ホームページ:https://minerva-growth.com/

ロゴ

ミネルバ・グロース・パートナーズ株式会社(以下、MGP)は、メルカリでCFOを務めた長澤啓と、モルガン・スタンレーでグローバルにインターネット・ソフトウェア業界を担当するグループの日本統括責任者を務めた村島健介が中心となり、Pleiad Investment Advisors Limited※により設立されました。

※Pleiad Investment Advisors Limited(以下、Pleiad)は、2014年に独立系資産運用会社として香港にて設立された香港証券先物取引委員会(SFC) 認可資産運用会社です。アジア太平洋地域(主に日本・中国及び韓国)の上場株式を投資対象として徹底した個別企業の調査を行い、厳選した銘柄選択をベースとした投資戦略に特化した投資運用業務を展開しています。2021年12月末現在で約3,600億円(31億米ドル)の資金を運用しており、日本のスタートアップにおいても、様々な新規上場成長銘柄への投資実績があります。
Pleiad Investment Advisorsのホームページ:http://pleiadadvisors.com

1.Pleiadの日本進出 ~Minerva Growth Partnersの投資助言・代理業登録~

このたびは投資助言・代理業ライセンスの取得、おめでとうございます。あらためてMGPの事業内容について教えてください。

MGPは、スタートアップ企業が株式公開による資金調達という選択肢に限定されず、未上場のまま大型の資金調達を実行し、事業の成長に対してより大胆に経営資源を投下できる選択肢を提供します。これにより、日本のスタートアップ企業が短期的な損益にとらわれず、中長期的なビジョンに基づいて大胆に投資を継続することで、日本の産業構造により大きな競争力・活力を注ぎ込んでいくと信じています。

MGPがプレIPOの出資をメインとしてIPO後も株式を継続保有し、上場株式を運用するPleiad がIPO時及びIPO後の長期保有をすることにより、プライベート・パブリックのクロスオーバーでの投資モデルを志向しています。

今回なぜ、日本で新たに投資助言・代理業を始めることにしたのですか?

当社の唯一の株主であるPleiadは、香港を拠点とする独立系の投資運用会社であり、アジア太平洋地域に特化した絶対リターン指向の株式投資戦略の運用をしています。メイン事業は上場株投資であり、日本株式も投資対象ですが、オンラインでも情報が取れる公開情報がベースとなるため、日本拠点を創ることは念頭にありませんでした。

その後、日本の未公開企業への投資機会があり、新たな事業展開について検討し始めたところで長澤・村島との出会いがあり(後述)是非一緒にやろうとなりました。法63条の適格機関投資家等特例業務の届出者として業務を開始したのですが、スタッフの人数も増え、日本で拠点として事業を継続できるようにするため、投資助言・代理業の登録を目指すことにしました。

MGPは、金融庁・財務局の拠点開設サポートオフィスを利用しての金融ライセンス取得第6号となりました。この英語での業登録のプロセスについてお聞かせ下さい。

相談した法律事務所から、英語での登録ができると聞きました。Pleiadの谷口は日本人ですが、他のスタッフは日本語ができないので、英語登録の方が翻訳する作業が発生しなくなる分、プロセスを短縮できると考えました。実務上、書類を作成するだけであれば日本語で作成することも可能かもしれませんが、色々な社員が関わるので、社内でのコミュニケーションが全て英語でできることには非常にメリットがありました。

経験のある法律事務所から、拠点開設サポートオフィスで色々と事前相談もできることなども聞いていたため、英語登録について特に不安はありませんでしたが、実際に経験してみたところ、想像以上にサポートが充実していると感じました。英語での業登録は、思っていたより短期間でスムーズにできて、満足しています。

MGPは、金融庁が新しく実施している「金融創業支援ネットワーク(以下、「モデル事業」)の第2号案件となりました。このサポートを利用した感想を聞かせて下さい。

当社には日本人スタッフがいるため、今回モデル事業による言語サポートは必要としていませんでしたが、何といっても拠点開設サポートオフィスという、海外から日本に拠点を開設する際に、英語でワンストップで相談ができる窓口が存在すること自体が大きいと思います。
それに加えてトライコージャパンなどサポートしてもらえる存在があること、すなわちアウトソースをしてより経験のある専門業者にお願いできることというのは昔の日本には無かったので、ここは非常に変わったなと感じるところです。

2.Pleiadとの出会い ~Minerva Growth Partnersの誕生まで~

長澤氏・村島氏が日本のプライベート・エクイティ(以下、PE)の魅力や課題に気付き、Pleiadと出会い、MGPが誕生するまでの流れを是非教えて下さい。

PleiadとMGPは不思議な縁で繋がっています。
長澤・村島はもともと三菱商事の新卒で机を並べていました。その後お互い投資銀行に転職をし、2010年前半にそれぞれゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーにおいて西海岸オフィスで仕事をしていました。シリコンバレーがIPOブームで沸いていた時期です。その後、上場株式を中心に運用していたアメリカのミューチュアルファンドやペンションファンドが、上場する少し前のプレIPOステージに投資をする流れが加速するのを目の当たりにしました。

しばらくして長澤はメルカリのCFOになり、村島はバンカーとしてメルカリの上場前の資金調達やグローバルIPOに一緒に取り組みました。それをきっかけに二人は、海外の機関投資家をもっと日本のスタートアップのPE投資に呼び込むには何をすべきかを議論し始めました。
模索していたのは「クロスオーバー投資」、プライベートで投資したものを上場後もホールドし続ける形です。そのためには、プライベートからパブリックまで一気通貫で投資を行うPE専門のチームを持ちながら、IPO後もその会社への投資の流れが続くように、上場株の投資家とも良いパートナーシップを組むことが必要だと考えていました。

そんな時、ちょうど日本のPE市場への参入を検討していたPleiadと話す機会があり、やりたいことが一致して意気投合し、パートナーシップが始まりました。村島はバンカー時代からアジアを代表する機関投資家であるPleiadとはずっと付き合いがあり、Pleiadはメルカリの株主でした。メルカリのグローバルIPOを通じて出会った三者でした。

長島・村島にとってこの出会いは、プライベートとパブリックを並走させる投資モデルが実現できることに加えて、ファンド管理機能を一からつくりあげるのではなく、Pleiadのファンド管理体制・インフラを共通基盤として使えるという、大きなメリットもありました。

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左から、長澤 啓(ミネルバ・グロース・パートナーズ株式会社 代表取締役 マネージング・パートナー(創業パートナー))、谷口 正樹(ミネルバ・グロース・パートナーズ株式会社 代表取締役 / プレイアド・インベストメント・アドバイザーズ・リミテッド COO)、村島 健介(ミネルバ・グロース・パートナーズ株式会社 代表取締役 マネージング・パートナー(創業パートナー))

3.日本のマーケットに期待すること ~中長期的な戦略マップ~

日本のPEマーケットに期待することを教えてください。

日本のPEは、海外の機関投資家からも、アセットクラスとして魅力的だと注目が高まっています。IPO前のPEレイターステージの時に、機関投資家のマネーが入るような案件も出てきています。そのような事例が増えていけば、プライベートからパブリックへのブリッジが滑らかになっていき、それを見た他の機関投資家も日本のPE投資を検討し始めるという流れができてくると思います。

日本はベンチャー・キャピタルが非常にアーリーなステージで投資をしたあと、未成熟(IPO-readyでない)ともいえるタイミングでもIPOを選択するパターンも多いです。グロース投資家が非上場のタイミングからエンゲージして、上場前から上場の先まで継続してサポートができるようなインフラが日本でも整うと良いと思っています。当社がそのような存在になれたら、PEに投資をしてIPOで終わりではなく、その先の先までサポートできる機関投資家も迎え入れ、会社と一緒に成長していくという絵が描けるのではないかと思います。そこには非常に魅力があるし、可能性も大きくあると思います。
そのためにも、プライベートからパブリックにお金が滑らかに流れる仕組みや、それぞれのステージに則した投資家にバトンタッチできるような法制度が、今後充実してくることにも大いに期待しています。

今後目指していることや、ビジョンがあれば教えてください。

第1号ファンドは、我々の経験や強みを直接的に活かせる分野として、投資機会としてもわかりやすい上場準備段階に入ったプレIPO企業を投資対象としています。

第2号以降のファンドでは、まだ明確な方針は決めていませんが、上場企業の私募増資引受けやバイアウト、またカーブアウトといった上場企業に対する投資や、日本以外のPE投資への新しいチャレンジも検討していきたいと思っています。

最後に、社名の由来を教えて下さい。

Pleiadは、プレイアデス星団(Pleiades:ギリシャ神話のアトラスの7人の娘たちが語源)から取りました。スタープレイヤーが創業して運用するという場合が多い中、我々はそうではなくてチームとして明るく輝きたい、という意味を込めました。

Minervaはローマ神話の女神(技芸・音楽・医学・教育の神)から取りました。アート(アーリーステージにおけるビジョンといった定性的な要素)とサイエンス(グロースステージにおける戦略の執行から投資成果の見極めといった定量的な要素)の双方の理解者として、”Growth Partners”すなわち成長を伴奏するパートナーでありたいという想いを込めました。

PleiadもMinervaも神話が由来で、良い組み合わせだと思っています。

長澤 啓 さま
ミネルバ・グロース・パートナーズ株式会社
代表取締役 マネージング・パートナー(創業パートナー)

三菱商事において金属資源分野における投資及び主にエネルギー、リテール、食品分野等の領域におけるM&Aを担当した後、2007年よりゴールドマン・サックス証券にジョインし、東京及びサンフランシスコにおいて主にテクノロジー領域におけるM&AやIPOを含む資金調達業務を担当。2015年6月にCFOとして株式会社メルカリに参画。日本初のユ二コーンとなる非上場企業としての2回の増資ラウンドを経て2018年6月にIPO。2020年9月に同社CFOを退任し、現在に至る。慶應義塾大学卒、シカゴ大学MBA。

村島 健介 さま
ミネルバ・グロース・パートナーズ株式会社
代表取締役 マネージング・パートナー(創業パートナー)

三菱商事においてIT分野における国内外の新規事業開発・投資業務に従事した後、2007年よりモルガン・スタンレーの東京及びシリコンバレー(Menlo Park)オフィスにおいて、テクノロジー/インターネット/ソフトウェア/メディア業界における上場・非上場企業の資金調達、IPO、M&A・戦略投資アドバイザリーを中心とする投資銀行業務に従事。LINE、メルカリ、ラクスル、freeeなどのIPOを手掛け、グローバルにインターネット及びソフトウェア業界をカバーするGlobal Internet Banking/Global Software Banking Groupの日本統括責任者を務めた。スタートアップ向けメンタリンググループ「rooftop」のファイナンス担当パートナー。慶應義塾大学卒、デューク大学MBA。

谷口 正樹 さま
ミネルバ・グロース・パートナーズ株式会社
代表取締役
(Pleiad創業パートナー/最高執行責任者COO)

ゴールドマン・サックス資産運用部門(東京・香港)及びスパークス・グループ(東京・香港)にて事業開発や商品戦略・商品開発部門の責任者、最高執行責任者などの要職を経て2014年よりPleiad創業パートナー・最高執行責任者(COO)に就任。資産運用業界にて20年以上の経験を有し、スパークスではグループ全体の最高執行責任者及び日本・香港法人の社長として経営全般に従事した経験を持つ。京都大学法学部卒、東京大学法学政治学研究科修士課程修了。