p1 コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方 第2 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方 2 合理的配慮(1)合理的配慮の基本的な考え方 番号 1 コメントの概要 今回追記部分のうち「加えて、合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとし、特に障害のある女性に対しては、障害に加えて女性であることも踏まえた対応が求められることに留意する」の記載に関して、性的マイノリティの方(自身の性別認識が女性である方)に対して、当該配慮は及ばないということを意図したものではない点を確認したい。 金融庁の考え方 ご理解のとおりです。 番号 2 コメントの概要  今回改定部分のうち「例えば、障害者本人が社会的障壁の除去のために普段講じている対策や、事業者が対応可能な取組等を対話の中で共有する等、建設的対話を通じて相互理解を深め、様々な対応策を柔軟に検討していくことが円滑な対応に資すると考えられる」について、「建設的な対話」については、事業者だけではなく、障がい者本人の参画も重要であることを示唆している内容との認識でよいか確認したい。 金融庁の考え方 ご理解のとおりです。 番号 3 コメントの概要  「合理的配慮の基本的な考え方」において、「加えて、合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとし、特に障害のある女性に対しては、障害に加えて女性であることも踏まえた対応が求められることに留意する。」とあるが、女性について特に対応を求めることが付記された背景・理由について伺いたい。 金融庁の考え方  合理的配慮については、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(令和5年3月14日閣議決定。)において基本的な考え方が整理・記述されており、これに即して定めることとされている本対応指針においても、同様の記述としております。 番号 4 コメントの概要  本改正案に追記されているとおり、事業者においては、障害者差別解消法における合理的配慮の提供の義務化を契機として、合理的配慮の必要性につき、組織全体として一層認識を深めることが肝要であると理解している。  一方で、同法に基づく合理的配慮の提供の定義や基本的な考え方自体に変更はないことから、事業者に対してこれまで以上に過重な対応が求められるものではなく、これまでと同様に、本改正案第2.2(3)「過重な負担の基本的な考え方」に掲げられた要素も考慮しつつ、必要かつ合理的な範囲で障害者に配慮したうえで、その利便向上等に向けて取り組んでいくことが求められているという理解でよいか。  (備考)合理的配慮の提供の義務化を契機に、事業者に対してこれまで以上に過重な負担を求めるものではない点について確認したい。 金融庁の考え方  ご理解のとおりです。 p2 第2 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方 2 合理的配慮(1)合理的配慮の基本的な考え方、(2)正当な理由の判断の視点 番号 5 コメントの概要  不当な差別的取扱いの基本的な考え方として「…合理的配慮を提供等するために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには当たらない」、また、正当な理由の判断の視点として「…正当な理由に相当するか否かについて、…具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要である」とされている。  「障害者に障害の状況等を確認するため」および「総合的・客観的に判断するため」の手段として、例えば、必要に応じて障害者から障害者手帳の提示を求めても差し支えないとの理解でよいか。  この理解でよい場合、(別紙)1(2)「正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例」において、対応の例示としてこうした点を明記いただきたい。  (備考)第1.2「障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方」において、障害者の範囲について、「障害者手帳の所持者に限られない」とされている。  一方で、現実には障害者であっても、その障害の程度に比して過度なサービスを要求するケース等もあることから、今回の改正内容に直接関連するものではないが、障害の状況等を総合的・客観的に確認する手段の一つとして、必要に応じて障害者手帳の提示を受けても差し支えない点について念のため確認したい。 金融庁の考え方  合理的配慮を提供等するために必要な範囲であれば、障害者に障害の状況等を確認する手段としてプライバシーに配慮しつつ必要に応じて障害者から障害者手帳の手帳の提示を求めることは、不当な差別的取扱いには当たらないと考えます。  「第2 1(1)不当な差別的取扱いの基本的な考え方」において、合理的配慮を提供等するために必要な範囲で、プライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いに当たらないことについて示されています。  いただいた御意見については、今後の参考とさせていただきます。 第2 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方 2 合理的配慮(4)環境の整備との関係 番号 6 コメントの概要  「第2 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方」「2 合理的配慮」「(4) 環境の整備との関係」では、「障害を理由とする差別の解消のための取組は、法や高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成 18年法律第 91 号)等不特定多数の障害者を対象とした事前的な措置を規定する法令に基づくこのような環境の整備に係る施策や取組を着実に進め、」とあるが、「このような」は不要かと考える。 金融庁の考え方  「このような」は、前段落で示している環境の整備の内容を指し示しているものですので、原案のままとさせていただきます。 番号 7 コメントの概要  「第2 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方」「2 合理的配慮」「(4) 環境の整備との関係」では、「障害を理由とする差別の解消のための取組は、法や高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成 18年法律第 91 号)等不特定多数の障害者を対象とした事前的な措置を規定する法令に基づくこのような環境の整備に係る施策や取組を着実に進め、」とあるが、特にインターネットを利用するサービスに関連した「事前的な措置を規定する法令」は特段定められていないものと認識している。インターネットを利用するサービスに関連した文書としては、総務省が「みんなの公共サイト運用ガイドライン」を公表し、ウェブアクセシビリティに関する考え方を示している。しかし、これは行政機関を対象とした文書であり、そのまま民間事業者に適用できるものではない。  金融庁から類似のガイドライン等をすぐに示すことは難しいと承知しているが、金融庁として事業者がどのように情報アクセシビリティに取り組むべきなのかについて、早期に方向性を示されることを要望する。 金融庁の考え方  いただいた御意見については、今後の参考にさせていただきます。 p3 第4 事業者における相談体制の整備 番号 8 コメントの概要  「一般回線も用意しておくことが望ましい」を、「連絡可能な一般回線の番号を伝える」に変更する。  意見の理由  今年度に、口座の開設や窓口での相談予約について、複数の銀行に連絡した。いずれも申し込みフォームはあったが、それ以上に何か確認したり予約を変更するには、電話をかけなければならない仕組みだった。そして、そのうちの一行は、窓口の電話番号としてナビダイヤルのみを記載していた。  電話リレーサービスでは、ナビダイヤルに電話をかけることができないため、窓口と連絡可能な一般回線の番号をたずねたが、「ナビダイヤル以外はお教えできない」という回答だった。この一行以外は、ウェブサイトに一般回線の番号も掲載されていたので、連絡をとることができた。  電話リレーサービスがあっても、「ナビダイヤル以外はお教えできない」という対応では、聴覚言語障害のある人は、連絡の手段がない。また、ナビダイヤルだけを設けていて事業者としての一般回線を一切もたない例は、稀ではないだろうか。例えば金融機関やコロナ予防接種予約システムなどは、もし窓口専用の一般回線はないとしても、事業者として、窓口と橋渡しができる、一般回線は持っている。このように考えて、上記の意見をお伝えする。 金融庁の考え方  ご指摘の記載は、ナビダイヤルでは公共インフラとしての電話リレーサービスを利用することができないことを踏まえ、単に、一般回線を用意することを述べるものではなく、利用者が公共インフラとしての電話リレーサービスを利用して相談することができる一般回線を用意することを述べるものになります。  いただいた御意見については、今後の参考とさせていただきます。 (別紙)障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の例 2 合理的配慮の例(1)合理的配慮に該当すると考えられる配慮の例 番号 9 コメントの概要  別紙では合理的配慮の例として、盲ろう者や知的障害のある顧客に対し、障害の程度に応じたコミュニケーション手段による対応を求めている。一方で「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」第5条において、特定の場合を除いて機微情報を取得しない旨の規定がある。  非対面でのみ顧客対応する部署において、複数スタッフで電話やメールなどの対応をしている場合、全ての対応にあたるスタッフが合理的配慮を行えるよう、例えば顧客から知り得た障害の程度を記録し保存しスタッフ間で共有することは、同規定に反しないという理解で良いか。 金融庁の考え方  本意見募集は、金融庁所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針(案)の内容に関するものであるため、御意見は、本意見募集の対象外と考えます。  なお、合理的配慮の提供に当たっては、別途法令等に従って適切にご対応いただく必要がございます。 番号 10 コメントの概要  「物理的環境への配慮の例」として挙げられている「○一般に顧客が来店する〜(略)」の各事例は、「環境の整備」に係るもので情報が混在しています。  当該箇所は、“「環境の整備」に係る事例” であることを明示した方が分かりやすいのではないでしょうか。 金融庁の考え方  御意見を踏まえ、御指摘の事例を含む環境の整備に係る事例については、「合理的配慮の提供と環境の整備の関係に係る例」の事例として記載させていただきました。 (別紙)障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の例 2 合理的配慮の例(3)合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例 番号 11 コメントの概要  本改正案に新設されている「正当な理由があるため、不当な差別的取扱いに該当しないと考えられる例」は全て削除すべきである。また、「合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例」を挙げる場合は、拡大解釈されないよう十分注意した上で慎重に行うべきである。 金融庁の考え方  御指摘の事例は基本方針に基づき記載したものであり、いずれも原案のとおりとさせていただきます。  なお、本対応指針に掲載されている例はあくまでも例示であり、個別の事案ごとに判断することが必要である旨記載しています。  いただいた御意見は今後の参考とさせていただきます。 p4 番号 12 コメントの概要  別紙の障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の例において、インターネットを利用するサービスについて踏み込んで言及されており、大いに評価できると捉えている。  その上で「2 合理的配慮の例」「(3)合理的配慮の提供義務に反しないと考えられる例」において、「インターネット専業でサービスを提供する事業者が、インターネットでは手続が難しいことを理由に対面での手続を求められた場合」とあるが、「インターネットでは手続が難しい」理由として、一般に必要とされるレベルのウェブアクセシビリティが確保できていないケースも考えられる。このように、事業者側の環境の整備が十分でないことが原因である場合に、事業者が合理的配慮の提供義務を負わないとすることは適切でないと考える。そのような誤解のないような文言への修正を希望する。 金融庁の考え方  御意見を踏まえ、文言を以下のとおり修正させていただきました。  「インターネット専業でサービスを提供する事業者が、例えば、テキストや画像を音声読み上げソフトに対応させるなど、ウェブアクセシビリティに配慮し、インターネット上での説明を行っているものの、その説明では内容の理解が困難であることを理由に対面での説明を求められた場合に、その対応はその事業の目的・内容とは異なるものであり、対面での説明を可能とする人的体制・設備も有していないため、当該対応を断る(事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないことの観点)。」 (別紙)障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の例 2 合理的配慮の例(4)合理的配慮の提供と環境の整備の関係に係る例 番号 13 コメントの概要  「(4)合理的配慮の提供と環境の整備の関係に係る例」において、「ATM、インターネットバンキング、スマートフォンアプリ等のサービス」とあるが、店舗に設置されているATMと、インターネットを介したインターネットバンキングやスマートフォンアプリが一括りにされていることに違和感を覚える。前者はハードウェアであり、後者はソフトウェアという分類もでき、サービス利用者の状況が大きく異なるものと考えている。またハードウェアの場合、ソフトウェアと比較して環境の整備にあたり必要な、事業者の費用・負担の程度が大きく異なることが見込まれることからも、両者を分けて例示することが適当と考える。 金融庁の考え方  ハードウェア・ソフトウェアという差異はありますが、御指摘の事例における「合理的配慮の提供」と「環境の整備」の内容及び関係性は、原案記載のレベルでは共通しているものと考えますので、原案のままとさせていただきます。 番号 14 コメントの概要  (1)「合理的配慮の提供と環境の整備の関係に係る例」として「ATM、インターネットバンキング、スマートフォンアプリ等のサービスが障害者にとって利用しづらいとの声があることを踏まえ、(中略)サービスを開発・改良するに当たっては、例えば、あらかじめ障害者の意見を聴取する等により、障害者にとって利用しやすいものにする(環境の整備)。」とあるが、「あらかじめ障害者の意見を聴取する等」とは、新規でのヒアリングや窓口の設置を求めるものではなく、サービスを運営する会社の事業規模やサービスの社会への浸透程度に応じ、各事業者が実態に応じて可能な範囲で対応すれば足りるとの理解で良いか。  (2)今後の対応指針の検討や合理的配慮の例示にあたっては、店舗などの対面で提供されるサービスだけでなく、インターネットを介し非対面で提供されるサービスも念頭において例示いただきたい。 金融庁の考え方  (1)御指摘の記載は、あくまで例示であり、あらゆる事業者が一律に対応する必要があるものではございません。  (2)貴重なご意見として承り、今後の参考にさせていただきます。 p5 その他 番号 15 コメントの概要  次の記述と、差別が影響している事例・差別にあたる事例の、いずれかを加える  記述 「あらゆる相談や接遇の最初に、本人の希望を聞きとり、それを尊重するルールをもつ。あらゆる偏見を廃して、本人の話をよく聞くことから始める。」  「障害福祉サービスの提供に当たっては、利用者の意向を踏まえ、本人の意思に反した異性介助が行われることがないよう取組を進める。」  事例  (事例)入院先で日常的に異性介助が行われている。女性の入浴や排泄や夜勤時の介助は女性の従事者にして欲しいと希望を出しても、対応されなかった。男性の介助を受けることを了承しなければ介助をしないと言われた。  (事例)被害について、警察に話したが、目が見えないのに加害者についてわかるはずがない、知的障害があるから確かな話ではない、などの見方をされ、自分の話を信じてもらえなかったことがある。  (事例)障害があるので妊娠や出産や子育ては大変だと、繰り返し言われてきたので、無理なのかなと思ってきた。  (事例)障害がなかったころは積極的に産むように言われていた。障害をもつようになってから妊娠したときには中絶を勧められた。  (事例)グループホームにて利用者がカップルで暮らすにあたって、妊娠の可能性があるとの理由から、施設側が不妊処置を勧め、結果として、利用者が不妊処置を選択した。  (事例)車いすユーザーの立場で、子育てについて福祉の窓口に相談した。障害のない保護者と同様に子どもと一緒に公園等に行きたいという願いが理解されず、外出時の育児支援はいまだに得られていない。  (意見の理由と補足)  上記のような記述と事例を入れることが、相談することや本人が希望を出すこと自体が困難になっている状況の打開につながる。障害者権利条約の柱である「他の者との平等」に向けて進むことができる。  第五次障害者基本計画に「障害福祉サービスの提供に当たっては、利用者の意向を踏まえ、本人の意思に反した異性介助が行われることがないよう取組を進める。」が新設された。あらゆる現場にかかわることなので、対応指針の本文にも加えられたい。  現状は選択肢が多数あるわけでもなく、また行政サービスが生活に直結している。その中で相談する、自分の意見を表明するには、十分なわかりやすい情報の提供が意思決定の前提であり、話しやすい環境を整える必要がある。  上記は障害のある人のなかでも複合的な差別を受けている女性において特に必要とされていることである。 金融庁の考え方  「第2 2(1)合理的配慮の基本的な考え方」において、障害者本人の意思を尊重しつつ、建設的対話を通じて相互理解を深め、様々な対応策を柔軟に検討していくことについて示されています。  いただいた御意見については、今後の参考とさせていただきます。 p6 番号 16 コメントの概要  次の記述を加える。かつ、課題の多い現状を伝える事例を加える。  記述  「包括的性教育の実施に取り組む。」  事例  (事例)特別支援学校で「虹の輪」という言葉で、他人と距離をとるように指導された。  (事例)教員に服を脱ぐようにいわれ、教員の言うことなので従うしかなく、性行為の直前で他者に発見された。本人(障害のある女生徒)はおかしい、いやだと思ってはいたが、教員にいわれたことは従うように教えられてきたため、抵抗したり、助けを求める声をあげたりすることはできなかった。  (事例)妊娠を望んでいなかったが、交際相手が避妊をせず、性行為をした。そのことに対して「抵抗もせず、何も言わなかった」ため、同意しているとみなされ、妊娠を回避できなかった。  (事例)妊娠の自覚があったが、医療機関に行って受診することができず、周囲に相談することもできなかった。  (意見の理由と補足)  包括的性教育とは、「身体の話だけでなく、社会的な規範の是非、差別や暴力、ジェンダーの不平等をなくす方法、性を安全に楽しむ権利、リスクに直面した時にアクセスできる期間など、幅広いテーマを包括的に扱う(渡辺大輔 2022 T-Navi Edu Vol.12 光文書院から引用)」。  包括的性教育では、YESやNOを自分の気持ちや考えに基づいてはっきり表明することが大切だと教えられる。包括的性教育は誰にとっても重要だが日本の公教育は実施していない。  妊娠中絶薬はようやく合法化に向かっているがアフターピルが手に入りにくいなど、女性の性と生殖に関する権利を守る体制が脆弱である。  特に障害のある人は、いやなことでも我慢し、教員などには従うように教育される中で、自分の意見を表明することは間違いだと学習する。身体と性と生殖の具体的な知識、交際と性的関係の合意・産むかどうかは自分で決めてよいことを、わかりやすい言葉で繰り返し学ぶ機会が提供されていない。医療を含む相談や必要な手続きはアクセスしにくいもので、支援やサービスを得るための情報や子育て経験例などの紹介も乏しい。  その結果、事例のように意見表明の権利や身体の自由の権利も侵害されることがあるが、それに気づくことも困難な状況におかれている。  障害者権利委員会からも勧告(54e)を受けている。取り組むことの記述と、実行が必要である。 金融庁の考え方  本対応指針は金融庁の所管事業分野についての対応指針であり、御意見の内容については、本対応指針の対象外の事項であると考えます。 p7 番号 17 コメントの概要  次の記述と、事例のいずれか(課題を示す事例および好事例)を加える。  記述  「女性からの相談は女性が受ける窓口態勢をとる。」「女性の接遇は女性がすることを基本とする。」「従事者の研修において、障害に加えて女性であることによる経験や課題について当事者から学ぶことを、必修プログラムに組み入れて実施し、業務や啓発に反映する。」  事例  (事例)月経時のことについて相談窓口に詳しく話さなければならない場面があって、担当者は男性ばかりだったので話しづらかった。  (事例)女性に対する暴力の相談にたずさわる担当者の研修に、毎回、「障害のある女性と複合差別」を設けて、それぞれ障害の異なる複数の女性を講師として招き、全員で意見交換を行っている。  (事例)災害の防止や救援にかかわる担当者の必修研修に、災害時の障害のある女性ゆえの経験をテーマに、地元で課題に取り組んでいる障害のある女性を講師に招き、意見交換し、業務に反映させている。  (事例)ガイドヘルパー予約の際に「買い物のガイドだから男性のガイドヘルパーでもいいですか?」と対応されがち。女性として同性のガイドヘルパーを希望する。“排泄や入浴などの介助ではないから男性でもいいでしょう”という見方から転換して、合理的配慮として認識してほしい。  (意見の理由と補足)  改定障害者差別解消法基本方針には「各種啓発活動や研修等の実施に当たっては、障害のある女性は、障害があることに加えて女性であることにより合理的配慮の提供を申し出る場面等において機会が均等に得られなかったり、不当な差別的取扱いを受けやすかったりする場合があるといった意見があること(中略)についても理解を促す必要があることに留意する。」と定められた。今後の対応指針には、この一文をふまえた記述が必要である。  接遇できる人が男性しかいないという理由で、外出先で公共交通機関などでのガイドヘルプを拒否あるいは放棄される経験をした、障害のある女性が複数いる。もし対応できる女性がいない場合には、今どうしたらよいか、本人の希望と意見を聞いたうえで、その時にできうるかぎりの合理的配慮の提供がされることが必要である。相談においても、本人の希望と意見、緊急性重大性をふまえたうえで、場合によって女性が対応できる日時に相談を設定するなど、あらゆる可能性を念頭においていただきたい。 金融庁の考え方  「第4 事業者における相談体制の整備」においては、相談時に性別、年齢、状態等に配慮することが望ましい旨、「第5 事業者における研修・啓発、障害を理由とする差別の解消の推進に資する制度等の整備」においても、性別や年齢等にも配慮しながら適切に対応することが重要である旨を記載しております。  いただいた御意見については、今後の参考とさせていただきます。 p8 番号 18 コメントの概要  次の記述を加える。かつ、下記の事例のいずれかを加える。  記述  「障害別および性別によって特定の職業や職種に結びつける対応や進路を狭める対応をしない。本人の希望と適性を職業選択に活かせるように対応する。」  事例  (事例)知的障害のある女性だからと、いつも手仕事が用意された。どんな仕事をしたいか、希望を聞かれたことがない。  (事例)「聴覚障害があるから、人と会話することがない、手を動かす仕事を」と、小学校低学年から推奨された。女性には縫製や理髪の職業コースがあった。本人の希望や適性とはかけはなれているために離職した人も多い。  (事例)「修士課程の次には博士課程に進み、大学で研究者として頑張りたい」と教員に伝えたところ、「あなたはろう者で女性だから大学への就職はできない。研究所にしか就職先はない」と言われた。  (意見の理由)  障害がある人に対しては、伝統的に「手に職を」という職業教育が行われてきて、本人の希望や適性以前に、あらかじめ特定の職業に誘導されることが多い。  事例にあるとおり、そのなかで性別による対応の違い(障害があり女性であることによる複合差別)もある。そのため上記意見のような記述が必要である。 金融庁の考え方  雇用分野における障害者差別を解消するための措置については、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)の定めるところによることとされており、本対応指針の対象外の事項であると考えます。  また、その他の御意見についても、本対応指針は金融庁の所管事業分野についての対応指針であり、御意見の内容については、本対応指針の対象外の事項であると考えます。 番号 19 コメントの概要  対応指針別紙に記載されている合理的配慮の例には、店舗窓口への来店時の対応を想定されているものが多くある。  店舗を設けていないネット銀行の場合、電話やチャット等の非対面窓口での対応や本社がテナントとして入居しているビルのバリアフリー対応に置き換えて、合理的配慮の提供とすることは可能か。 金融庁の考え方  店舗窓口での対応を想定している事例は、あくまで店舗を設けている事業者の参考として掲載しているものになります。  店舗を設けていないネット銀行の場合、非対面での対応を想定している具体例を参考にしつつ、障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮を行っていただく必要があると考えます。 番号 20 コメントの概要  自社でATMを保有しておらず提携ATMのみの場合、ATM利用・整備に関して提携先が合理的配慮を行っている場合は当社も合理的配慮の提供を行っていると判断することは問題ないか。 金融庁の考え方  御質問の趣旨が必ずしも明らかではありませんが、提携ATMの利用・整備に関し、当該ATMを提供する提携先事業者が合理的配慮の提供を行っている場合には、当該提携先事業者が合理的配慮を行っていることになると考えます。 番号 21 コメントの概要  「意思疎通の配慮」は、顧客対応を伴わないホームページの記載・表記は含まれず、対面・非対面(電話・チャット等)での問い合わせ時(顧客対応時)の配慮という解釈でよいか。 金融庁の考え方  合理的配慮の例の一つである意思疎通への配慮は、基本的には、対面・非対面を問わず、障害のある顧客が金融機関の従業員等とコミュニケーションをとる場合を念頭に置いております。