新 聞 発 表
平成10年9月8日
金 融 監 督 庁
「金融検査マニュアル検討会」第2回会合の開催について
本日午後、金融監督庁において「金融検査マニュアル検討会」の第2回会合が開催され
た。
本日の会合においては、金融検査の基本的考え方や内部管理のあり方等について議論が
行われた。
金融検査の基本的考え方に関しては、検査の目的を踏まえたうえで、自己責任原則と市
場規律重視の中で検査をどう位置づけるべきか等について議論が行われた。
内部管理のあり方に関しては、木村(剛)委員と中村委員より、それぞれレポートが行
われ、これらを踏まえて議論が行われた。
なお、前回会合(8月25日)の議事要旨は別添のとおりである。
| 金融監督庁 03-3506-6000(代) 検査部審査業務課 黒澤 内線 3269 |
(別 添) 「金融検査マニュアル検討会」第1回会合議事要旨
1.日 時:1998年8月25日(火) 14時00分~15時30分
2.場 所:中央合同庁舎第4号館 共用第1会議室
3.議事概要:
本検討会設立に至った経緯及び金融検査マニュアルを巡る現状等を踏まえ、審議が行
われた。
審議の概要については以下の通り。
(検査手法:内容関連)
○ 平成10年3月31日付「新しい金融検査に関する基本事項について」通達の考え
方をベースにして、マニュアル作成の考え方を整理すべきではないか。
○ リスク管理というものは外部から強制されて行うものではなく、自己責任原則の下
で各金融機関が創意工夫を図りながら、自らのフレームワークを作成するものではあ
るが、金融機関単体では、自らの水準がどの辺にあるのかを計りづらい。特に自己査
定については外部からみて分かりにくいという指摘もあるので、全て自己責任原則の
下でというのではなく、検査を通じて超えるべき最低基準等について調整をするべき
ではないか。
○ 現在は、新しい監督体制、あるいは金融機関自らの管理態勢を構築していく途上に
あるのではないか。そのことを踏まえ、理想論を標榜しながらも、業態の格差を考慮
し実態に即したマニュアルを検討する必要があるのではないか。
○ 今までの検査はリスク管理中心のものであり、検査対象が比較的実体として存在し
ていたが、コンプライアンス検査では、制度が存在するだけである。そういう意味で
もリスク管理検査とコンプライアンス検査とで、考え方の違いを設ける必要があるの
ではないか。
○ リスク管理検査とコンプライアンス検査との違いは、残高チェックとプロセスチェ
ックの比重の違いがあるだけで概念的には同じであるので検査の考え方について一本
にまとめることは可能ではないか。
○ 今回の19行検査のように総当たり制度の検査と銀行の管理態勢に係るメカニズム
をチェックする検査とではどちらが検査官の負担が大きくなるのか、現場の意見を聞
いて決めていくべきと考える。
○ リスクのカテゴリーの分け方については、諸外国の動向で概念が変わってきたりす
るので固定化しにくいが、問題意識を持って議論していってはどうか。
(検査手法:手続関連)
○ 諸外国での一般的な検査の仕組みについては、銀行が作成した内部管理のメカニズ
ムの過程をチェックし、それだけで不十分な場合に実務まで進んでいくというもので
あるが、この方が労力的にも好ましいのではないか。
○ 外国の監督当局の検査においては、検査の開始が支店から始める方法ではなく、経
営者から始める方法で行われている。このように、検査を枠組みから進めていくと、
内部管理の考え方、チェック方法について経営者からヒアリングを行い、それが機能
しているかどうかを実査するということになり、従来の検査の進め方が逆になる可能
性がある。
(監督当局の守備範囲)
○ 検査及び監督の目的が金融機関の健全性の確保にあり、不健全の究極の状態が破綻
だとすると、破綻しないためにどういう段階でチェックをかけるかというプロセスの
一つとして検査ということがあるので、検査及び監督の守備範囲の確定は難しいので
はないか。
○ 監督当局の守備範囲という問題については、日本では監督当局の行為義務という問
題になるが、ドイツでは、国家賠償の対象となってくる。その点も踏まえて、最低限
検査として何をするべきかを議論すべきではないか。
○ 検査に係る責任問題についていえば、立証責任は金融機関にあるわけであり、検査
はデュープロセスを果たせばいい。それでも問題があれば罰則を課す必要がある。責
任問題という部分についても議論する必要があるのではないか。
(注)本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。