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5 プリペイドカード関係
 

5−1  前払式証票の範囲等
 前払式証票の規制等に関する法律(以下「法」という。)に規定する前払式証票の範囲等について照会等があった場合には、以下のとおり判断するものとする。
 
−1−1 前払式証票に該当しない証票等
 
(1)  次に掲げるものについては、法第2条第1項に規定する前払式証票に該当しない。
 
マル1  「日銀券」、「収入印紙」、「郵便切手」、「証紙」等法律によってそれ自体が価値物としての効力を与えられているもの
 
マル2  本人であることを確認する手段等で証票等自体には価値が存在しないもの
 
マル3  「ゴルフ会員権証」、「テニス会員権証」等各種会員権
 
マル4  「トレーディング・スタンプ」等商行為として購入する者への販売であり、当該業者が消費者への転売を予定していないもの
 
マル5  磁気カード又はICカード等を利用したPOS型カード
 
(2)  前払式証票の規制等に関する法律施行令(以下「令」という。)第1条第3号の規定については、次のとおりとする。
 
マル1  「利用に際し発行される」とは、利用の都度その利用の時期に近接して、利用に必要な分だけ発行、購入され、基本的に残高が残らない場合をいう。
 
マル2  「利用者が通常使用することとされている」とは、原則としてその証票等以外のものでは役務及び物品の提供を受けられない場合をいう。
 
−1−2 法の適用を除外される前払式証票
 
 法第3条の規定による適用除外の取扱いについては、次のとおりとする。
 
(1)  令第5条第4号に規定する「一定の職域内」とは、次のものをいう。
 
マル1  職場の協同意識に基づく労働者の結合体で、同一の職場をその職域とするもの
 
マル2  同一職場ではないが、同一職種でかつ同一系統の結合体であるもの
 
マル3  同一職種でかつ同一系統でない職場の結合体であるもの
 
(2)  令第5条第4号に規定する「福利厚生施設」とは、従業員のための施設であって、社会通念上、福利厚生施設として認められるものをいい、具体的には、売店、食堂、診療所、理髪店、体育館、保養所等をいう。
 
(3)  令第6条第1号に規定する前払式証票とは、友の会が発行するお買い物券等をいう。
 
(4)  令第6条第2号に規定する前払式証票には、その発行自体は旅行業務として行われず、当該前払式証票を使用する段階で初めてその所有者が旅行業務に関する取引をすることとなるもの(いわゆる旅行ギフト券)は、該当しない。
 

5−2  基準日未使用残高の額
 法第13条第3項若しくは第5項の規定による届出又は法第17条による報告書の提出があった場合には、基準日未使用残高の額について以下のとおり取り扱うものとする。
 
−2−1 基準日未使用残高の算出方法
 
(1)  前払式証票の規制等に関する法律施行規則(以下「規則」という。)第2条の規定により基準日(法第2条第2項に規定する基準日をいう。以下同じ。)における基準日未使用残高の額を算出する場合、当該基準日の直前の基準日における基準日未使用残高(法第2条第1項第2号の前払式証票にあっては、その計算の基礎となった物品又は役務の数量を、当該基準日において金銭に換算した金額)に、基準期間発行額(当該基準日を含む基準期間において発行した前払式証票の発行額として当該基準日において規則第25条の規定により算出した額をいう。)から、当該基準日までに発行したすべての前払式証票の当該基準日を含む基準期間における回収額(法第2条第1項第1号の前払式証票にあっては代価の弁済に充てられた金額(前払式証票に係る有効期限の到来その他の理由により代価の弁済に充てられなくなった金額を含む。)をいい、同項第2号の前払式証票にあっては請求された物品又は役務の数量(前払式証票に係る有効期限の到来その他の理由により請求されなくなった物品又は役務の数量を含む。)を当該基準日において金銭に換算した金額をいう。)を控除した額を加えた額で計算することができるものとする。
 
(2)  上記(1)の基準日未使用残高には、財務諸表に税法による収益(いわゆる退蔵益)として計上された前払式証票の発行残高も含むものとする。
 
−2−2 基準日未使用残高の算出方法の特例
 
(1)  法の施行日現在で前払式証票の発行の業務を行っている者に関し、施行日より到来する最初の基準日(平成3年3月31日)における基準日未使用残高の把握が困難と認められる場合には、当該前払式証票(当該基準日において既にその有効期限が到来し又はその有効期間が終了しているものを除く。)の発行額(昭和62年4月1日以後において当該前払式証票の発行の業務を行った期間を基準期間とみなして規則第25条の規定により算出した額をいう。)を当該期間に含まれる月数で除し、これに12を乗じて得た額に60/100を乗じて計算した額を当該基準日における基準日未使用残高とみなすことができるものとする。
 
(2)  上記(1)の期間に係る発行額の把握が困難である場合には、その期間において終了した発行者の各事業年度(個人たる発行者にあっては各年。以下同じ。)における当該前払式証票の発行額(特定基準日において当該事業年度を基準期間とみなして規則第25条の規定により算出した額をいう。)の合計額を当該各事業年度に含まれる月数(当該前払式証票の発行を開始した日を含む事業年度にあっては、その日から当該事業年度の末日までの期間に含まれる月数)の合計数で除し、これに12を乗じて得た額に60/100を乗じて計算した額を上記(1)の基準日における基準日未使用残高とすることができるものとする。
 
(3)  クレジット与信業者と前払式証票の発行者が同一である場合で、クレジットで購入された前払式証票の代金が未収となっており、その額が把握できる場合には、当該未収部分の額を基準日未使用残高の額から控除することができるものとする。
 

5−3  自家発行型前払式証票の発行届出
 自家発行型前払式証票の発行届出書の処理を行うに当たっては、以下の点に留意するものとする。
 
−3−1 営業所又は事務所
 
 規則第7条第2項第1号に規定する「営業所又は事務所」とは、自家型発行者が自家発行型前払式証票の発行の業務の全部又はその一部を反復継続して営んでいる一定の場所をいうものとする。なお、登記されている営業所又は事務所については、法人登記簿謄本(添付書類)と照合するものとする。
 
−3−2 移管
 
 財務局長(福岡財務支局長を含む。以下同じ。)の管轄区域を越えて主たる営業所又は事務所の所在地を変更する場合、変更届出書の提出を受けた財務局長は、別紙様式1により作成した変更届出通知書に、当該変更届出書、別紙様式2による財務局(福岡財務支局を含む。以下同じ。)の意見書、従前の届出書及び添付書類等必要な書類を添付して、新たな主たる営業所又は事務所の所在地を管轄することとなった財務局長に通知するものとする。
 

5−4  第三者型発行者の登録
 第三者型発行者の登録に当たっては、以下の点に留意するものとする。
 
−4−1 営業所又は事務所
 
 規則第10条第1号に規定する「営業所又は事務所」とは、第三者型発行者が第三者発行型前払式証票の発行の業務の全部又はその一部を反復継続して営んでいる一定の場所をいうものとし、登記されている営業所又は事務所については、法人登記簿謄本(添付書類)と照合するものとする。
 
−4−2 登録申請書の処理
 
(1)  規則第11条の2の規定による登録済通知書については、次のとおり取り扱うものとする。
 
マル1  登録番号は、財務局長ごとに、決裁を終了した順に一連番号とすること。
 
マル2  登録がその効力を失った場合の登録番号は欠番とし、補充は行わないこと。
 
(2)  登録申請書における申請者の商号又は名称の審査に当たっては、次のとおり取り扱うものとする。
 
マル1  法第9条第1項第2号の「他の第三者型発行者と誤認されるおそれのある商号若しくは名称」とは、他の第三者型発行者の商号又は名称に著しく類似し、社会通念上前払式証票の購入者が当該他の第三者型発行者と誤認するおそれが極めて高いと判断される商号又は名称をいう。
 
マル2  他の財務局長が登録した第三者型発行者及び他の財務局長に登録の申請をした者の商号又は名称に留意して審査する。
 
マル3  財務局長は、上記のマル1及びマル2の審査に当たっては、全財務局登録分の使用状況を確認する。
 
マル4  前払式証票の購入者に公的機関若しくは著名団体のごとき誤解又はこれらと特別の関係があるかのごとき誤解を与え、取引の公正を害するおそれのある商号又は名称を使用している場合には、その是正を求めるものとする。
 
(3)  登録申請書における申請者の財産的基礎の審査に当たっては、次のとおり取り扱うものとする。
 
マル1  新設法人にあっては、開設時の貸借対照表で審査する。
 
マル2  規則第11条の3第2号に規定する「地域その他の範囲が限られたものと認められる場合」とは、市町村域内(政令指定都市等の大都市を除く。)を使用範囲とする場合をいう。
 
(4)  登録申請者に対し偽変造防止のためのセキュリティー対策や約款の有無等について別紙様式3を参考に、ヒアリングを行い、業務の適正な運営に関する注意喚起を行うものとする。
 
 
−4−3 登録済通知書の交付
 
 規則第11条の2に規定する登録済通知書を交付するときは、当該第三者型発行者が登録申請書を規則第29条の規定により財務事務所又は出張所を経由して提出した場合にあっては、当該財務事務所又は出張所において行うものとする。
 
−4−4 登録事項変更届出書の処理
 
(1)  新たに役員になった者が法第9条第1項第5号イからホのいずれかに該当することが明らかとなった場合には、届出者に対し、法第20条に規定する登録の取消し等の措置を行うものとする。
 
(2)  財務局の管轄区域を越えて主たる営業所等の位置を変更する場合の手続は、次により取り扱うものとする。
 
マル1  登録事項変更届出書の提出を受けた財務局長は、規則第14条第1項第6号の規定による添付書類(登録済通知書)を保管する。
 
マル2  上記マル1の変更届出書の提出を受けた財務局長は、規則第14条第3項の規定により新たに登録の権限を有することとなる財務局長に対し、別紙様式4により作成した変更登録通知書に、当該登録事項変更届出書、第三者型発行者登録簿のうち当該届出者に係る部分、別紙様式5による財務局の意見書、従前の登録申請書及びその添付書類並びに当該登録事項変更届出書の提出の直前に行った検査の報告書の写しを添付して、通知するものとする。
 
マル3  上記マル2の通知書の送付のあった財務局長は、遅滞なく、第三者型発行者登録簿に登録するとともに、従前の登録をした財務局長に別紙様式6により作成した変更事項登録済通知書により通知するものとする。
 
−4−5 登録の拒否
 
(1)  規則第11条の4の規定による登録拒否通知書には、拒否の理由に該当する法第9条第1項各号のうちの該当する号の番号又は登録申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載がある箇所若しくは重要な事実の記載の欠けている箇所を具体的に明らかにするものとする。
 
(2)  財務局長は、登録を拒否したときは、監督部長に対して別紙様式7による第三者型発行者登録拒否通知書に登録申請書の写しを添付して通知するものとする。
 
−4−6 登録証明書の発行
 
 登録を受けた第三者型発行者又は第三者型発行者であった者から公的機関に提出する必要がある等の理由により、その者の登録証明の申請があったときは、別紙様式8による第三者型発行者登録証明を行うものとする。
 
−4−7 第三者型発行者登録簿の縦覧
 
 規則第12条の第三者型発行者登録簿については、以下のとおり取り扱うものとする。
 
(1)  登録簿の作成
 規則第9条に規定する登録申請書(規則別紙様式第5号第2面から第10面まで)に基づき、その登録を行った第三者型発行者に係る登録簿を第三者型発行者別に整理し、登録簿に綴るものとする。
 
(2)  登録簿の縦覧
 
マル1  登録簿の縦覧に当たって、別紙様式12による登録簿縦覧申請書に所定事項の記入を求めるものとする。
 
マル2  登録簿の縦覧日及び縦覧時間は、次のとおりとするものとする。
 
 縦覧日は、土曜日及び日曜日、国民の祝日に関する法律第3条に規定する休日、1月2日及び同月3日並びに12月29日から同月31日までの日以外の日とする。
 
 縦覧時間は、財務局長が指定する時間内とする。
 
登録簿の整理その他必要がある場合は、上記の縦覧日又は縦覧時間を変更することができるものとする。
 
マル3  登録簿は、財務局長が指定する縦覧場所の外に持ち出すことができないものとする。
 
マル4  次に該当する者の縦覧を停止又は拒否をすることができるものとする。
 
 上記マル1からマル3又は係員の指示に従わない者
 
 登録簿等を汚損若しくはき損し、又はそのおそれがあると認められる者
 
 他人に迷惑を及ぼし、又はそのおそれがあると認められる者
 

5−5  発行保証金の供託等届出書に関する事項
−5−1 発行保証金の供託等事務
 
 規則別紙様式第11号に規定する発行保証金の供託等届出書を処理する場合には、以下の点に留意するものとする。
 
(1)  「評価率」欄には、規則第22条第1項に規定する有価証券を発行保証金に充てる場合における当該有価証券の価額を記載すること。
(2)  「評価額」欄には、次の算式により算出した額を記載すること。総額面×評価率/100
 
−5−2 発行保証金の取戻し
 
 令第10条第1項の規定による発行保証金の取戻しの承認については、次のとおり取り扱うものとする。
 
(1)  基準日において基準日未使用残高(法第13条第1項に規定する基準日未使用残高をいう。以下同じ。)が1千万円以下となった場合には、供託した発行保証金の全額の取戻しを認めることができるものとする。
 
(2)  基準日に係る法第13条第3項の届出日の翌日における発行保証金の額と同条第2項に規定する契約金額との合計額が基準日における基準日未使用残高の2分の1に相当する額を超えている場合には、当該発行保証金の額の範囲内において、その超える額に達するまでの額の取戻しを認めることができるものとする。
 
−5−3 発行保証金の供託に代わる契約の解除
 
 規則第17条第1項の規定による発行保証金の供託に代わる契約(以下「保全契約」という。)の解除の承認については、次のとおり取り扱うものとする。
 
(1)  基準日において基準日未使用残高が1千万円以下となった場合には、保全契約の全部の解除を認めることができるものとする。
 
(2)  基準日に係る法第13条第3項の届出の日の翌日における発行保証金の額と保全契約の契約金額との合計額が基準日における基準日未使用残高の2分の1に相当する額を超えている場合には、当該契約金額の範囲内において、その超える額に達するまでの額に係る契約の解除を認めることができるものとする。
 
−5−4 発行保証金の差替え
 
 前払式証票発行保証金規則(平成2年法務省、大蔵省令第1号)第4条の規定による発行保証金の差替えの承認については、法第13条第7項に規定する有価証券についてその償還期が到来しており、かつ、あらかじめ、これに代わる発行保証金を供託している場合に、認めることができるものとする。
 

5−6  前払式証票の発行に関する定期報告等
−6−1 前払式証票発行者に係る定期報告
 
 財務局長は、別紙様式9による届出・登録状況調査表及び別紙様式10による前払式証票届出・登録業者発行残高調査表を、各基準日の翌日から3ヵ月末までに監督部長に対して送付するものとする。
 
−6−2 第三者型発行者登録状況一覧表の提出
 
(1)  登録を行った全ての第三者型発行者について作成した登録状況一覧表を登録の都度更新し、四半期末時点での当該一覧表の写しを、四半期経過後20日以内に監督部長及び他の財務局長に対して送付するものとする。
 
(2)  当該一覧表には、下記の項目については必ず記載するものとする。
 
マル1  発行者名
 
マル2  発行者の住所
 
マル3  発行者の電話番号
 
マル4  前払式証票の交付等により受けられる商品又は役務の内容
 
マル5  前払式証票の金額表示・数量表示の別
 
−6−3 監督処分の通知
 
(1)  法第19条並びに第20条第1項及び第2項の規定による監督処分を行った場合は、監督部長に通知するものとする。
 
(2)  法第22条の規定による公告を行ったときは、当該公告に係る官報の写しを、監督部長及び他の財務局長に対して送付するものとする。
 
−6−4 営業所等の所在の確知
 
(1)  登録を受けた第三者型発行者に対して、法第20条第2項の規定により営業所等の所在を確知するため必要な場合には、法第18条第1項の規定に基づき、別紙様式11による営業所等に係る所在報告書、営業所等に関する権利を証する書面又は営業所等の地図等の報告を求めることができる。なお、当該報告は、当該営業所等の所在地を管轄する財務局に、提出させることができるものとする。
 

5−7  発行届出書等の書類の保存
 発行届出書、変更届出書、承継届出書、発行廃止・解散等届出書、登録申請書、登録事項変更届出書及びそれらの添付書類は、永久保存するものとする。
 

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