(1) |
顧客への書面交付の電子化
〇 |
取引過程のペーパーレス化は電子取引のメリットの一つである。一方、現行の業法の規定上は取引過程において書面の交付が前提とされている場合があるため、各書面の果たしている機能に即して、電子媒体による代替を検討することが望ましい。
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○ |
その際、交付された情報について、紙媒体の書面により交付された場合と同等の利用可能性が確保されるよう、○顧客の包括的同意及び情報保存手段の確認、○非電子的手段による連絡手段の明示、○紙形態での書面交付を求められた場合の対応、○顧客が情報を受領したことの確認などが求められる。
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(2) |
電子的手段によるディスクロージャー
〇 |
ネット取引を行う顧客への充分なディスクロージャーを行うという観点から、紙媒体を店舗に備え置くことによって開示されているのと同等の内容の情報を同じタイミングでホームページに掲載すべきである。また、電子媒体によるディスクロージャー特有のメリットとして、時間を問わず利用できること、タイムリーな開示が可能となること等があげられる。
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〇 |
今後、電子媒体によるディスクロージャーの充実を図る上では、○レイアウト・操作性等の工夫、○開示の時期・頻度及び内容の充実といった点を考慮すべきである。
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〇 |
現在、ディスクロージャーの電子化にむけた業界・業者の取組が見られるが、今後の電子金融取引の拡充に合わせ、電子媒体によるディスクロージャーの一層の充実が求められる。インターネット取引を行う業者についてディスクロージャーの電子化を義務づけ、また、インターネット専業銀行等については、店舗への備置きを免除し電子媒体のみでの開示を容認するという法制面の整備を行うことも考えられる。
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(3) |
販売・勧誘時の説明・情報提供
〇 |
電子金融取引であっても、利用者保護の必要性の程度は一般の取引と異なるものではなく、業法上の説明義務は等しく適用されるべきである。
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○ |
その際、非対面性という特性を踏まえ、電子メール等により顧客が説明を受けたことを確認すること及び顧客に質問する機会を与えることによって、実質的な説明が確保される。このことは、ひいては、顧客が安心して電子取引に参加する環境整備に資するものと考えられる。
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〇 |
マネー・ローンダリングの防止等の観点から行われている顧客の本人確認等については、非電子的手段を用いることを含め、その実効性を確保することが必要である。
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(4) |
トラブル対応等
〇 |
電子金融取引が国民の間に定着するためには、各業者においてトラブルの未然防止と対応のために適切な措置がとられなければならない。また、システム障害に基づくトラブルについては、そのような場合の責任分担のあり方や連絡方法等について、業者から利用者に予め確実に情報を提供しておく必要がある。
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○ |
幅広い利用者が正しい知識に基づき電子金融取引の利便性を享受できるよう知識の普及を図る必要があるとともに、電子金融取引に伴うリスクやトラブルが生じた際の連絡先等を利用者へ周知することが望ましい。その方法としては、監督当局のホームページを活用することも有用である。
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(5) |
越境取引への対応
〇 |
外国の金融サービス業者が国内利用者と電子取引を行うに当たっては、利用者に対し適切な情報提供がなされなければならない。そのため、業者はそのホームページ上に所在地、免許取得国・地域等の利用者のための情報を掲載することが望ましい。
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〇 |
監督当局は、利用者が越境取引を行う上で知っておくべき情報を、ホームページ上で提供することが望ましい。また、外国業者に向けて、どのような行為が我が国の規制に抵触するかという判断基準を示すことについても検討すべきである。
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〇 |
国際的な監督体制の充実に向け、我が国としても、国際的な協力体制の強化について具体的に検討することが急務であると同時に、国際的なルール作りに積極的に参加していくことが望ましい。
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第三者の関与
〇 |
電子金融取引は、インターネット・サービス・プロバイダーに依存した取引であることにかんがみ、業者は十分なリスク管理対策を講じるとともに、顧客に対してもリスクの存在についての情報提供を行う必要がある。監督当局の検査・監督においては、これら対策の実施状況をチェックする必要がある。
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〇 |
システム部門を中心に金融サービス業者による非金融サービス業者へのアウトソーシングが拡大しているが、この場合、業者は委託者としての責任を免れることはできない。また、アウトソーシングに伴うリスクに対する業者の管理態勢について、実効的な監督が担保できるよう検討を行う必要がある。
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新たな金融情報サービスと金融サービス業
〇 |
金融サービス業者のホームページのリンクにあたっては利用者による誤認が生じることを防止する手当てが必要とされる。また、ホームページ上の幅広い情報提供等は、それ自体が業務を営んでいるといえない範囲で行われていれば、業法上の他業禁止規定に抵触しないといえよう。
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〇 |
インターネット上において、リンクや検索を活用した新たなタイプの金融情報サービスが行われるようになっている。今後の金融サービスを考える上では、従来の制度の枠組みが想定していないような新しい金融商品販売チャネルやサービス提供者の拡がりをも視野に入れることが不可欠となってくるものと考えられる。
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店舗・営業所の役割と電子化
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電子金融取引が急速に普及し営業店舗を有しない金融サービス業者も登場しているが、従来、店舗・営業所が果たしてきた機能は、適正なルール及び態勢の整備等を行えば、他の手段で代替可能である。
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したがって、営業店舗を有しない業者に免許・登録を認めることについて、「店舗・営業所の役割」という観点からは基本的な問題はなく、その可否はより総合的な判断によるべきである。なお、電子取引以外にも、電話等のチャネルの重要性が増す等銀行等の店舗・営業所の役割をめぐる状況は変化しており、これに対応し、営業所という概念に基本を置いた現状の規制を見直すことが望ましい。
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