平成12年5月24日
金 融 監 督 庁
 

ドイチェ証券会社東京支店に対する行政処分について

  

.ドイチェ証券会社東京支店に対する当庁検査(平成12年2月15日付通知)の結果、以下の法令違反行為が認められた。
 
(1)  認可を受けることなく、有価証券店頭デリバティブ取引の媒介業務を行っていた。(外国証券業者に関する法律第7条第1項違反)
 
(2)  平成10年11月30日以前において、承認を受けることなく、複数の証券業以外の業務を行っていた。(旧外国証券業者に関する法律第17条第1項違反)
 
(3)  11年3月期決算において、当庁に対し正確な営業報告書を提出していないほか、正確な計算書類を記載した説明書類を公衆の縦覧に供していなかった。(外国証券業者に関する法律第15条第1項及び第3項違反)
 
(4)  当庁に対し、証券業以外の業務の開始等、必要な届出を行っていなかった。(外国証券業者に関する法律第12条第1項、第14条第1項、第22条第1項違反)
 
(5)  顧客からの債券先物取引の受託取引に際し、正確な内容の注文伝票を作成していなかった。(証券会社に関する命令第60条第2項違反)
 
.証券取引等監視委員会より、以下の法令違反行為が認められたことから、行政処分を求める勧告が行われた(平成12年5月15日付)。
 
(1)  平成9年9月及び同年3月、複数の法人顧客に対し、当該顧客の保有するほとんど無価値の償還期日直前の有価証券について、専ら顧客に生ずる損失を先送りすることを目的とした、新たな有価証券を取得させるスキームを提示し、当該顧客が実現損を表面化させないことを可能にすることを約して有価証券の取引の勧誘を行った。(旧証券会社の健全性の準則等に関する省令第2条第2号に該当)
 
(2)  平成10年11月から同11年10月までの間、ドイツ銀行東京支店から受託した有価証券先物取引の委託注文の一部について、自己勘定の取引として処理をし、本来、ドイツ銀行東京支店が負担すべき委託手数料を徴せず、取引証拠金を負担したほか、当該取引に係る取引報告書を交付しなかった。(証券会社の行為規制等に関する命令第12条第5号(平成11年3月31日以前の行為については、同年総理府令・大蔵省令第8号による改正前の第6号。平成10年11月30日以前の行為については、旧証券会社の健全性の準則等に関する省令第2条の2第6号)及び外国証券業者に関する法律第51条第3号(平成10年11月30日以前の行為については、旧外国証券業者に関する法律第37条第3号)に該当)
 
.以上のことから、本日、ドイチェ証券会社東京支店に対し、以下の行政処分を行った。
 
(1)  平成12年11月24日までの間(6か月間)、有価証券店頭デリバティブ取引の認可申請の禁止。
 
(2)  平成12年5月29日から6月9日までの間(12日間)、自己の計算による債券の売買業務(勧誘を伴わない保護預り有価証券の売付けの受託等を除く)及び在日グループ会社からの債券の受託業務の停止。
 
(3)  平成12年5月29日から6月2日までの間(5日間)、以下の業務の停止。
 
 スワップ取引(顧客の事情による既存契約の解除を除く)
 
 金銭債権の売買(顧客の事情による既存契約の解除を除く)
 
 貸出参加契約の締結(顧客の事情による既存契約の解除を除く)
 
 他の事業者の経営に関する相談に応じる業務(既存契約の履行を除く)
 
 有価証券に関する情報の提供又は助言に係る業務(既存契約の履行を除く)
 
(4)  平成12年5月29日から5月30日までの間(2日間)、国債先物取引の受託業務の停止(決済に伴う取引の受託等を除く)。
 
(5)  平成11年3月期の営業報告書の訂正広告等の新聞への掲載
 
(6)  内部管理体制の充実・強化、法令遵守の徹底、再発防止策の策定及び責任の所在の明確化。
 
 問い合わせ先
監督部証券監督課 TEL 03−3506−6000
  課 長 補 佐  水口  内線 3351
  モニタリング係長  佐藤  内線 3364

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