平成12年6月20日

金 融 監 督 庁
   

保険会社に係る検査マニュアル(案)に対するご意見等の公表について

 

 平成12年4月25日付でパブリック・コメントに付した標記の件につきましては、5月25日をもってコメントを締め切らせていただき、お寄せ頂いたコメントをも踏まえ本日最終的な「保険会社に係る検査マニュアル」を通達として各検査官及び各財務(支)局に発出し、併せて公表いたしました。ご協力ありがとうございました。

 お寄せ頂いたコメントの概要及びそれに対する考え方等は別紙の通りです。

内容についての照会先

金融監督庁 TEL 03-3506-6196
  検査部審査業務課

藤本 (内線6069)


(別紙)

コメントの概要 コメントに対する考え方
〔全般〕
○検査の初期段階に会計監査人の見解を直接確認する
 機会を設けるべき。(個人)
○会計監査人の見解については直接確認するよう盛
 り込んでいる(85ページ II )。
[基本的考え方等]
3ページ 3
○検査の際には生保会社の自主性を最大限尊重し、十
 分な意見交換を行うべき。(社団法人生命保険協会、
 個人)
○検査に際しては機械的・画一的な運用に陥らないよ
 う検査官に対し趣旨の徹底を図るべき。(損害保険
 労働組合連合会)

○ご意見については本マニュアル案に盛り込んでい
 るところであり、検査官に対しても周知徹底を図
 っていきたいと考えている。
[法令等遵守態勢の確認検査用チェックリスト関係]
10ページ III -2
○苦情等に対し、本社相談窓口を営業拠点から独立し
 た消費者相談窓口として一本化し、早急かつ適切な
 対応を図るべき。(個人)

○組織的対応の必要性に関しては、別途、受付・処
 理体制の整備、速やかな処理、本社への報告等の
 項目を盛り込んでいる(21ページ II -4-(1)、(2))。
10ページ III -2
○営業拠点へ苦情申し出があった場合、処理の進捗状
 況を含め、統括本部への十分な報告が行われるべき。
 (個人)

○別途、本社への報告の項目を盛り込んでいる(21
 ページ II -4-(1)-マル2、(2))。
同上
○保険契約は長期継続的契約であり、苦情に対応する
 ため、契約に関する過去の証拠書類の保全を図るべ
 き。(個人)

○別途、契約保全・管理等の適切性確保の項目(18
 ページ I -6-(3)-マル4)、苦情等に対する処理体制整
 備の項目(21ページ II -4-(1)-マル1)を盛り込んでい
 る。
10ページ III -2-(4)-マル3、20ページ  II -3-(1)-マル5、145ペ
ージ II -3-(1)-マル1
○刑罰法令に抵触している恐れのある事実についての
 警察等関係機関等への速やかな通報は、最優先で実
 施すべき。契約者保護のための対応に際して、被疑
 者の拘束、黙秘権行使は有益とは言えない場合も出
 てくることから、極めて社会性が強い場合、再発や
 波及の懸念がある場合などに行うこととすべき。
 (社団法人日本損害保険協会)


○刑罰法令への厳格な対応はコンプライアンスの基
 本であり、特に公共性を高く求められている保険
 会社にあっては速やかな通報が求められる。
10ページ III -2-(7)、38ページ I -2-(7)
○独立した営業主体等においてやむを得ない理由によ
 り職場を離れる方策を採り得ない場合の対象に、保
 険代理店および外務員が含まれることを明確化すべ
 き。(社団法人日本損害保険協会)

○独立した営業主体等にはご指摘の募集形態が含ま
 れているが、職場を離れる方策を採り得る場合に
 は本方策の採用を慫慂するものであり、また第一
 段落の「職員(管理者、保険募集人を含む)」との
 平仄をとる観点から原案のままとする。
同上
○代理店は保険会社の委託を受けて保険の募集を行う
 独立の事業者であり、自己の事務所を拠点として営
 業を行っていることから、職場を離れる方策の対象
 に馴染まないことを明確化すべき。(社団法人日本
 損害保険代理業協会)

○ご指摘の募集形態においても本方策の採用を慫慂
 するものであるが、あわせて、やむを得ない理由
 により職場を離れる方策を採り得ない場合は事故
 防止等の観点を踏まえた実効性ある方策を講じて
 いるかを検証する旨を盛り込んでいる(本項後段)。
11ページ IV -(3)
○法令等違反行為を行った取締役等及び会計監査人等
 に対する責任追及は、対象となる法令等やそれに基
 づく責任が大きく異なることを踏まえるべき。(公
 認会計士)

○保険会社において法令等遵守状況の点検体制が機
 能しているかを検証するものであり、責任追及は
 それぞれの根拠法令を踏まえることが前提である。
14ページ V -4
○重要事項に該当する項目が約款・証券に明示される
 べき。(個人)

○別途、契約内容、重要事項等の説明・表示・確認
 の項目(21〜22ページ III -(2)〜(4))、契約者に十
 分理解を得られる表示・商品の特性に応じた表示
 などの項目(25〜26ページ I -(5)〜(12)、28ペー
 ジ II -(5))を盛り込んでいる。
同上
○消費者の混乱を招かないよう、広告等に保険会社の
 商号または名称が明示されるべき。(個人)
○消費者が商品の基本的性格を知るためにも、パンフ
 レット等に保険種類が明示されるべき。(個人)

○別途、契約者に十分理解を得られる表示・商品の
 特性に応じた表示の項目を盛り込んでいる(25ペ
 ージ I -(5)、28ページ II -(5))。
同上
○他人の生命の保険契約においては、団体保険、個人
 保険を問わず、被保険者の意思確認に保険会社によ
 る相当の注意義務が尽くされるべき。(個人)

○別途、他人の生命の保険契約に係る適切な募集行
 為、適正な契約確保の項目を盛り込んでいる(25
 ページ I -(7))。
[保険募集管理態勢確認用マニュアル関係]
全般
○生命保険を巡り、転換契約など消費者とのトラブル
 や保険金詐欺事件が続発する背景には、生保会社の
 業績最優先の営業体制、法令遵守意識の欠如がある
 ことからり、営業担当者が契約時の営業成績だけで
 評価される体制を改めるべき。(個人)

○取締役、管理者等の法令遵守への理解・認識(17
 ページ I -1、3、4)、業績評価・人事考課等への的
 確な反映(18ページ I -5)を盛り込んでいる。
同上
○生保会社、損保会社の法令遵守指導部門は、営業部
 門からだけでなく社内から一定の距離を置いたセク
 ションとし、違反者には厳しい指導を行える社内体
 制と権限を持たせるべき。(個人)

○コンプライアンス担当部門、検査部門の位置付け、
 営業推進部門に対する牽制確保等(17ページ I -1、
 2、19ページ II -1-(1)〜(3))、抵触者等への責任
 追及(20ページ II -3-(1)3-マル4マル5)を盛り込むと
 ともに、こうした態勢確立の責任を担う取締役に
 対し、別途、監査役会による経営監視の項目を盛
 り込んでいる(6ページ I -3)。
17ページ I -2
○営業推進・募集に関する規定等へのコンプライアン
 ス担当部門による関与について、同部門がこうした
 規定を自ら作成することはほとんどないことから、
 リーガルチェック等の検証に止めるべき。(社団法
 人日本損害保険協会)

○規定が営業推進優先となることを牽制する上で、
 関与方法として作成、検証のいずれであるかを特
 定する必要はないと考える。
18ページ I -6-(3)-マル1マル2
○募集用の資料等に関して、損保会社においては、商
 品の多岐性やこれまでの各社の取組みを踏まえ、コ
 ンプライアンス担当部門によるリーガルチェックの
 実施や、適切な指示・指導・研修のための専担部門
 の設置に限らず、別途の方策を認めるべき。(社団
 法人日本損害保険協会)

○募集用の資料等は、保険契約者が商品内容を理解
 し契約の是非を判断するための重要なツールであ
 り、その適切性確保のため営業推進に影響されな
 い方策を採ることは、保険契約者からは生保・損
 保の別を問わず行われるべきもの。なお、各保険
 会社での具体的方策は検査の際に検証することと
 なる。
18ページ I -6
○営業拠点の独自パンフレットにおいて、例えば保険
 以外の契約についてあたかも保険会社が提携関係に
 あるかのような誤認を招く内容のものが本社の知ら
 ないうちに作成されるなどの事態が生じないよう、
 管理は厳重に行われるべき。(個人)

○営業拠点及び保険募集人が独自に用いる募集用の
 資料に対する本社承認等の項目(18ページ I -6-
 (3)-マル3)、別途他業制限への抵触の項目(13ペー
 ジ V -2-4)を盛り込んでいる。
19ページ II -1-(4)-マル1
○検査部門による検査に加え、担当部門等が別途自主
 的な検査を行っている場合には、その基準・要領に
 ついて検査部門の承認を得る必要はないと考える。
 (社団法人日本損害保険協会)

○内部検査はコンプライアンス、リスク管理の柱で
 あり、取締役会に直結しする担当部門から独立し
 た検査部門を中心に体系的に行われる必要がある。
 担当部門による検査であっても、その内容がコン
 プライアンス、リスク管理に資するものとなって
 いるかを検査部門が検証することが必要。
19ページ II -1-(4)-マル3
○生保会社の支部・営業所に関しては、拠点数が多く
 また主に保険募集人で構成されていることから、支
 社等が同等以上の頻度で検査を実施する方が法令遵
 守の実効性が上がると会社が判断する場合には、検
 査部門による検査が年1回以上行われていなくとも、
 検査の有効性確保の取組みや問題点の是正において
 同等の位置付け、実効性が確保されていれば認めら
 れるのか。(社団法人生命保険協会)

○支部・営業所と支社等との間で適切な指揮・統括
 関係が構築されていることを実地に確認すること
 は検査部門の重要な役割と考える。なお、支社等
 が支部・営業所に対する検査の主体となる場合は、
 十分な牽制機能の確保、有効性確保への取組み・
 問題点の是正における同等の位置付け・実効性の
 確保が必須と考える。
20ページ II -2-(2)-マル1、40ページ III -1-(7)、145ページ 
II -2
○検査結果について、特に問題点がないにもかかわら
 ず取締役会への報告を義務付けても実効性が上がる
 か疑問であり、定例的な報告については取締役会等
 への報告で足りるとしても特に弊害はないと考える。
 (社団法人日本損害保険協会)


○適切な内部検査の実施により会社の実態を客観的
 に把握することは、コンプライアンス、リスク管
 理の柱であり、検査で問題点が発見されても既に
 手後れであったといったことが生じないよう、経
 営主体である取締役会自身が、検査結果を通じ会
 社の実態を日頃から的確に把握し、対応を議論す
 る必要がある。
21ページ II -4
○苦情について本社で十分な原因調査を行い適切な対
 応が図られるべき。(個人)

○受付・処理体制の整備、速やかな処理、本社への
 定期的な報告とともに、保険契約者の利益が著し
 く阻害される事項については定期報告を待たずに
 本社へ速やかに報告する旨盛り込んでいる(21ペ
 ージ II -4-(1))。なお、報告先としてコンプライ
 アンス担当部門を追加する。
21ページ III
○保険契約者の本人の契約意志確認、実在の確認のた
 め、住民票の住所に保険証書を本社から直接送付す
 る等によりチェックする体制が求められるべき。
 (個人)

○保険証書の本社直接送付(21ページ III -(1))とと
 もに、別途、他人の生命の保険契約に係る適切な
 募集行為、適正な契約確保の項目を(25ページ I
 -(7))盛り込んでいる。
同上
○保険の不正受給防止には、火災保険のように告知書
 によって他社契約の有無を告知させることが、生命
 保険・傷害保険・医療保険でも有効と思われる。
 (個人)
○契約期間中の契約者、受取人の変更による契約内容
 者登録制度のチェック回避などを踏まえた対応が図
 られるべき。(個人)

○不正な保険契約発生の防止の項目を盛り込んでい
 る(21ページ III -(1))が、ご指摘の内容は、先ず、
 保険業界、保険会社自身において検討されるべき
 もの。
同上
○現状の申込書は差入方式が一般的であり、契約後、
 証書を受け取るまでの間に契約内容を確認できない
 ことから、保険契約者の手元に申込書控えが残るシ
 ステムとし、また、その他の交付書面は少なくとも
 契約終了まで保存されるようにすべき。(個人)

○契約書の方式は、先ず、保険業界、保険会社自身
 において検討されるべきもの。なお、契約保全・
 管理等の適切性の項目を盛り織り込んでいる(18
 ページ I -6-(3)-マル4)。
同上
○まず重要事項説明書を作成し、消費者に書面を読み
 上げて説明した上で該当箇所のチェックをし、消費
 者にその書面を交付すべき。(個人)

○契約内容、重要事項等の説明・表示・確認の項目
 を盛り込むとともに(21〜22ページ III -(2)、(3))、
 別途、契約者に十分理解を得られる表示・商品の
 特性に応じた表示の項目を盛り込んでいる(25ペ
 ージ I -(5)、28ページ II -(5))。なお、説明の具
 体的方法を規定することは、保険検査マニュアル
 の範疇を超えるもの。
同上
○転換契約のトラブル等に鑑み、不招請勧誘の場合、
 顧客に迷惑を及ぼす勧誘販売は禁止されるべき。本
 来、保険契約においても不招請勧誘は禁止されるべ
 き。(個人)

○不適切な募集行為を排除する項目を盛り込んでい
 る(21ページ III -(2)、24ページ I -(4)、28ページ
  II -(4))。不招請勧誘の一律禁止は、結果として
 道徳的危険の高い保険契約者の相対的増加により
 保険料の高騰など善良な契約者の利益を侵害する
 おそれもあり、極めて慎重な検討が必要。
22ページ III -(3)-マル1
○保険業法施行規則に基づく対応で適正な保険契約確
 保は十分図られており、その他の場合に保険契約者
 の確認印を取り付ける必要はないと考える。(社団
 法人日本損害保険協会)

○法令及び事務ガイドラインを踏まえた対応が行わ
 れているかを検証するものである。
22ページ IV 、164ページ V -1-(5)
○インターネット募集においても、書面による申込み、
 保険約款等の申込前交付、適切な本人確認など、適
 切な対応が図られるべき。(個人)

○当該項目において盛り込んでいる。
[保険募集管理確認用マニュアル・別表関係]
24ページ 〜
○現状の複雑な商品による大規模な販売合戦は消費者
 に混乱をもたらしており、従来の保険に比べて著し
 く優良であるかのような表現は回避されるべき。
 (個人)

○別途、保険契約に関する表示について契約者に十
 分理解を得られる表示・商品の特性に応じた表示
 の項目を盛り込んでいる(25ページ I -(5)、28ペ
 ージ II -(5))。
27ページ I -(13)-マル9
○「支払い処理関係」「貸付処理関係」について回避、
 是正に努めるべきことは「支払処理遅延」「貸付処
 理遅延」と理解してよいか。(社団法人生命保険協
 会)

○ご意見を踏まえ修正する。
[リスク管理態勢の確認検査用チェックリスト(共通編)関係]
36ページ I -1-(11)-マル1 、43ページ I -1-(4)-マル2
○保険計理人の意見書等について、どの様な場合にお
 いても外部の会計監査人あるいは独立アクチュアリ
 ー(コンサルタント)による相互検証を求めるべき。
 (個人)

○リスク管理をどのような手段で行うかは各社の経
 営判断であり、検査マニュアルで一律に定めるべ
 きものではない。
同上
○「独立」とは、「無関与」あるいは「非所属」とい
 う意味ではなく、「収益管理部門・商品開発部門の
 責任者ではない」との理解でよいか。(社団法人生
 命保険協会)

○責任者でなかったとしても、当該責任者の指揮監
 督下にある場合は「独立」していないと考えられ
 る。
同上
○取締役会が保険計理人の業務を検証することでその
 適切性が確保されると考えるがどうか。(社団法人
 日本アクチュアリー会、社団法人生命保険協会、個人) 

○取締役会が保険計理人の業務を検証することにつ
 いては、当該業務が専門性の高い業務であること
 に鑑み、適切な手続き・十分な実効性確保が不可
 欠であり、手続きの適切性・検証の実効性につい
 ては実際にできるのであれば問題ないが、あまり
 現実的ではないと考えている。その実効性につい
 ては検査の際に確認することとなる。
36ページ I -1-(11)-マル1マル2、47ページ II
○生保会社と損害保険会社では保険計理人の業務範囲
 が異なることを明確化すべき。(社団法人日本損害
 保険協会)

○ご意見を踏まえ修正する。
36ページ I -1-(11)-マル2、48ページ I -1-(4)-マル2マル3
○取締役会が保険計理人の指示に無条件で従うことを
 求めるような文言は不適当。(個人)

○ご意見を踏まえ修正する。
36ページ I -1-(12)-マル4
○監査役会が独立の立場にある会計監査人を「活用」す
 るとの表現は不適当。(公認会計士)

○監査役会等がその職務の実効性を確保するため、
 会計監査人や法律事務所等の外部監査人などを活
 用する必要があると考える。
39ページ  II -3
○外部監査が、会計監査人による監査を意味するので
 あれば、「不断に検証」するとの文言を削除すべき。
 (公認会計士)

○リスク管理上、会計監査人や法律事務所等の外部
 監査人を活用し不断に検証を行う必要があると考
 えている。
40ページ  III -1-(3)-(3)
○内部監査担当者を現地法人に設置することは、現地
 法制、監督規制に反する可能性があることから、現
 地法人には適用されないと理解してよいか。(社団
 法人生命保険険協会)
○保険会社の海外営業拠点の規模・形態・リスク状況
 を踏まえると、一律に内部監査担当者を設置するこ
 とは、経営効率の観点から現実的ではないのではな
 いか。(社団法人日本損害保険協会)

○親会社が、現地法人に対し親会社の職員である内
 部監査担当者を設置することまで意味しているも
 のではない。なお、相応の規模を有する海外営業
 拠点現地法人においては、それに見合った内部監
 査担当者による適切な内部管理を行う必要がある
 と考える。
41ページ  III -2
○「内部管理体制」には保険計理人のリスク管理の役
 割に関する事項も含むと理解してよいか。(個人)

○ご意見の通りである。
[保険引受リスクに関する検査に係るチェックリスト及びマニュアル関係]
43ページ I -1-(4)-マル1
○リスク管理の観点からの牽制態勢や社内規則等の仕
 組みが整っていれば、保険引受リスク管理部門が収
 益管理部門・商品開発部門から独立していなくとも
 よいのか。(社団法人生命保険協会)

○本マニュアル案においても明記している通り、相
 互牽制機能が確保されていることが肝要。なお、
 その実効性については検査の際に検証することと
 なる。
同上
○収益管理とリスク管理は表裏一体であり、これを同
 一部署で行う方がより効率性、実効性を確保できる
 のではないか。(個人)

○両者は利益相反の関係となるため、相互牽制機能
 の確保を求めているものであり、リスク管理部門
 において収益の状況を分析・把握することを妨げ
 るものではない。
44ページ I -1-(6)
○取締役会は、保険計理人より保険引受リスクが会社
 の収益に与える影響についても意見聴取すべき。
 (個人)

○検査マニュアルにおいて、法令で定められている
 保険計理人の業務範囲を拡大することはできない。
 なお、本マニュアル案においては当該事項につい
 て保険引受リスク管理部門が検討しているかを検
 証することとしている。
44ページ II -2-(1)-(1)
○保険の団体性から、危険団体ごとすなわち保険種目
 ごとに保険引受リスクを把握するのが合理的。(社
 団法人日本損害保険協会)

○リスク管理上、料率設定の最小単位ごとに収支状
 況を把握する必要があると考えている。
45ページ II -2-(1)-(4)
○リスク管理部門が、一件一件の契約について料率の
 妥当性をチェックすることは現実的でない。また、
 認可された範囲内で運用されている個別契約の料率
 の妥当性等は保険会社の裁量で判断すべき事項であ
 り当局の検査対象とすべきでない。(社団法人日本
 損害保険協会)

○一件一件の契約をチェックすることまでを想定し
 ていない。また、本マニュアル案は、自己責任原
 則に基づく保険会社自身のリスク管理状況につい
 て、検査でチェックすることを前提としている。
46ページ II -4-(1)、49ページ I -2-(1)-マル1マル2
○「適切に」とは「法令等に則ること」と理解して良
 いか。(社団法人生命保険協会)

○ご意見の通りの趣旨であり、明確化を図るため「
 適切に」を削除する。
47ページ II
○責任準備金等及び支払備金について、その積立の正
 確性のみならず「適正性」の検証も行うべき。
 (個人)

○ご意見を踏まえ、また文言の統一の観点から「正
 確性」を「適切性」に修正する。
48ページ I -1-(4)-マル1
○「意見書等」とは「意見書その他附属報告書等関連
 資料」と理解してよいか。(社団法人生命保険協会)

○ご意見を踏まえ、「意見書、附属報告書及びその
 他の参考資料」と修正する。
49ページ I -3-(1)、(2)
○監査役、監査役会のみではなく会計監査人にも責任
 準備金等及び支払備金に対する監査を求めるべき。
 (個人)

○会計監査人については、51ページ III -2に盛り込ん
 でいる。
50ページ II -2-(3)
○「社員に対する剰余金」には「契約者配当」も含ま
 れるとの理解でよいか。(社団法人生命保険協会)

○ご意見の通りであり、「剰余金の分配」の次に「
 又は契約者配当」を加える。
51ページ III -2
○会計監査人の検証を求める場合を限定すべきではな
 い。(個人)

○ご意見を踏まえ修正する。
同上
○外部監査について、ここでは会計監査人監査のみを
 想定しているのであればその旨明確にすべきではな
 いか。(公認会計士)

○ご意見を踏まえ、「監査を」を「会計監査人の監
 査を」に修正する。
[資産運用リスク管理態勢の確認検査用チェックリスト関係]
全体
○資産運用リスクの管理に関して保険計理人の関与を
 明記すべき。(個人)

○検査マニュアルにおいて、法令で定められている
 保険計理人の業務範囲を拡大することはできない。
 なお、保険計理人が資産運用リスクの管理業務を
 行うことを妨げるものではない。
同上
○不動産証券化商品につき、新しい商品ゆえ混乱を避
 ける意味でリスク管理上の考え方を明示すべき。
 (個人)

○本マニュアル案では、個別商品のリスク管理につ
 いて具体的な手法を示すというアプローチはとっ
 ていない。なお、 I -1-(6)においてリスク管理上
 の考慮なく安易に新商品を導入していないかを検
 証確認することとしている。
53ページ I -1-(4)-(4)
○収益管理とリスク管理は一体の関係であり、資産運
 用リスク管理部門を収益管理部門から独立させる必
 要はない。また、保険会社の資産規模、運用体制に
 鑑みても不適切。(社団法人日本損害保険協会)

○両者は利益相反の関係となるため、相互牽制機能
 の確保を求めているものであり、リスク管理部門
 において収益の状況を分析・把握することを妨げ
 るものではない。
54ページ I -2-(1)-(1)
○リスク管理関連規定の全てを取締役会等で承認する
 ことは不要かつ非現実的である。(社団法人日本損
 害保険協会)

○リスク管理は経営上極めて重要な事項であり、リ
 スク管理関連の規定には当然取締役会等が責任を
 持つべき。
54〜56ページ II -1-(1)-(1)、 II -2-(1)-(1)、 II -2-(2)
-(2)
○連結ベースでのリスク管理では、連結対象の規模・
 特性に応じて対象を絞り込んでも合理的かつ有効で
 あれば認められるか。信用リスクも同様か。(社団
 法人生命保険協会)


○合理的かつ有効であれば不適切とするものではな
 い。信用リスクも同様。
55ページ II -1-(3)-(3)
○有価証券の信用リスクを格付で判断することは合理
 的であるため、さらに実質的な信用リスクを検討す
 る必要はない。(社団法人日本損害保険協会)

○格付が信用リスクを反映していない可能性のある
 有価証券等(クレジットリンク債等)については
 実質的なリスクの検討が必要。
[市場関連リスク管理態勢の確認検査用チェックリスト関係]
61ページ II -1-マル2-(2)
○生保会社の資産運用は、負債特性に鑑み長期的視点
 に立つべきであり、必ずしも高い頻度でリスクの把
 握を行う必要性はない。(社団法人生命保険協会)

○保険会社における市場関連リスクの管理は、通常、
 そのリスク量等から考えて預金等受入金融機関と
 同等あるいはより厳重に行うべきと考えているが、
 その手法、頻度等は各保険会社の規模や特性に応
 じた十分なものであれば不適切とするものではな
 い。
73ページ  II -2-(2)-(10)-マル1-(ロ)
○店頭デリバティブの価格算定についてだけ外部監査
 人のチェックが必要な理由は何か。全般的な表現と
 整合性を取るためには削除すべき。(公認会計士)

○当該項目は公正性を確保するための例示である。
 店頭デリバティブの価格算定には恣意性の働く余
 地もあるため、その公正性を確保することが特に
 重要である。
[信用リスク管理態勢の確認検査用チェックリスト関係]
80ページ II -1-(2)
○新商品、新規業務の導入に当たってのリスクの評価
 結果は、必ずしも全て取締役会に報告を要するもの
 ではないと理解しているがよいか。(社団法人生命
 保険協会)

○ご意見の通りであり、趣旨を明確にするため「取
 締役会等及び資産運用リスク管理部門に報告し、」
 に修正する。
81ページ II -3-(2)、(3)
○与信監査部門、リスク管理部門の専担の体制につい
 ては、国際統一基準適用金融機関並の基準とするの
 は不適切。(社団法人日本損害保険協会)

○信用リスクの適切な管理の観点から、与信監査部
 門及びリスク管理部門は融資部門等に対して相互
 牽制機能を確保する必要がある。
81ページ II -4-(1)
○問題債権を管理・回収する部門を専担の体制にする
 ことは極めて非効率であり、他の部門と利益相反が
 生じる可能性が少ないことから、必ずしも専担の体
 制である必要はないのではないか。(社団法人生命
 保険協会、社団法人日本損害保険協会)

○ご意見を踏まえ、「専担の体制となっていること
 が望ましい。」に修正する。
85ページ 信用リスクに関する検査について(冒頭)
○信用格付の整備とこれを前提にした信用リスクの計
 量化を銀行と同水準で求めることは不適切。(社団
 法人日本損害保険協会)

○信用格付は原則必要であると考えるが、保険会社
 の規模等により合理的な理由があれば行わなくと
 も差し支えないものとしているところ。なお、信
 用リスクの計量化は、各項目においてすでにベス
 トプラクティスとしているところ。
90ページ 別表1、1-(1)(オフバランス項目、信用格
付)
○オフバランス項目の自己査定、及び信用格付を行わ
 なくとも差し支えない場合が明確でないため例示す
 べき。(公認会計士)

○各保険会社が取り扱っているオフバランス取引及
 び債権の規模(リスク量等)によって判断すべき
 事項である。
95ページ 別表1-(3)-マル5、104ページ 別表1-(7)-1-マル4
-ハ(破綻先)
○平成12年4月1日で和議法、特別和議法は廃止され
 (経過措置あり)、新たに民事再生法が施行されて
 いるため、例示にその旨を追加したほうがよいので
 はないか。(公認会計士)


○現在のマニュアル案においても読めると考えてい
 る。
105ページ 別表1-(11)(連結対象子会社に対する債権)
○「連結対象子会社」との表現は一般的ではなく、連結
 の対象となりうる子会社なのか、連結の対象となっ
 た子会社なのかが明確でない。(公認会計士)

○一般の債務者と比較して、連結対象子会社や関連
 ノンバンクはより実態を把握した上で債務者区分
 及び分類を行うべきものとの趣旨で用いたもので
 ある。よって、会計上の文言とは必ずしも一致し
 ない。
107ページ 別表2-(3)-マル1、108ページ 別表2-(4)-マル1
(分類対象外株式、分類対象外外国証券)
○有価証券について、インサイダー規制との関係や、
 低価法による評価額は市場における処分可能な価格
 であることなどから、債務者区分との整合性を図る
 必要はない。(個人)


○会社として統合的なリスク管理が適切に行われた
 結果、債権の債務者区分との整合性が図られるこ
 ととなると考えている。
110ページ 別表3-(2)-マル1マル2(営業用動産・不動産、
投資用不動産)
○一物件で営業用と投資用の2つの用途で利用してい
 る場合、2つの基準で、別々に分類されることとな
 り現実的でない。(社団法人日本損害保険協会)


○リスク管理上、用途が混在しているビルを、自己の
 基準において「営業用」と「投資用」に明確に区
 分することが必要。
同上
○投資用不動産については IV 分類の対象となる可能性
 のあるものとして「少なくとも売却予定のもの」と
 記載しているが、営業用不動産には記載がない。取
 扱いを統一すべきではないか。(公認会計士)

○預金等受入金融機関の所有動産・不動産と同様の
 取扱いとしたものである。
111ページ 別表3-(3)(ゴルフ会員権)
○「金融商品会計に関する実務指針(中間報告)」で
 は、ゴルフ会員権についても必要な場合減損処理を
 行うこととされているので、これに対応すべきでは
 ないか。(公認会計士)

○企業会計審議会の意見書に基づく金融商品の時価
 評価を保険会社に適用すること保険会社に対する
 時価会計の導入については、現在結論が出ていな
 いため盛り込んでいない。
112ページ 別表3-(6)、(8)、(9)(外国代理店貸、外国
再保険貸、代理業務貸)
○海外の保険関係債権を財務状況に基づき分析するこ
 とは実務上困難であるため、簡易な基準を記載して
 ほしい。(社団法人日本損害保険協会)


○個々の取引先の財務状況に基づき自己査定を行う
 ことが原則と考えている。
[(別紙)ソルベンシー・マージン比率等に関する検査関係]
137ページ III
○会計監査人は会計帳簿等の記録を監査証拠として監
 査意見を表明するため、会計帳簿以外のものから誘
 導されるソルベンシー・マージン比率について予想
 を基に認識を一致させることは困難。(公認会計士)

○本項目は、ソルベンシー・マージン比率の前提と
 なる追加償却・引当、責任準備金等及び支払備金
 の追加積立を行った結果、翌決算期に当該比率が
 どの程度の水準になるか会計監査人も認識すべき
 であるとの趣旨である。
[事務リスク管理態勢の確認検査用チェックリスト関係]
148ページ  III -3-(1)-マル5
○損害調査の実施状況については、代表取締役ではな
 く担当取締役に報告し、その中で経営に重大な影響
 を与える問題については取締役会に報告する形態と
 すべき。(社団法人日本損害保険協会)

○所管部門を超えて対応を行う必要がある場合にそ
 の対応を迅速に行えるのは、包括的権限を有する
 代表取締役にしかないということを重視したもの
 である。ただし、代表取締役が構成員となってい
 る取締役会に直接報告するという形態を採っても、
 当然に当該項目の趣旨を満たしていると考えてい
 る。
153ページ IV -3-(1)
○生保会社においては、保険事故の事実の確認は請求
 手続きがなされた後に行っているため、本規定の「
 請求手続処理遅延」は、当該確認自体に遅延(確認
 処理遅延)を起こさないよう留意しているか、との
 意味と理解してよいか。(社団法人生命保険協会)

○ご意見の通りの趣旨であり、明確化を図るため「
 請求手続後確認処理遅延」に修正する。
〔システムリスク管理態勢の確認検査用チェックリスト関係〕
164ページ V -1-(5)-マル3
○インターネットによる保険募集の際、個人情報の管
 理として、電磁波による情報漏洩対策を求めるべき。
 (個人)

○情報漏洩対策の必要性については当該項目に盛り
 込んでいる。なお、各保険会社のリスクに応じた
 具体的・技術的な対策については、検査において
 検証することとなるご意見の趣旨については、当
 該項目に包含されている。

(注

)本表において、ページ数は4月25日に公表した「保険会社に係る検査マニュアル(案)」による。

(参考)

保険業法施行規則等の改正に伴う修正
  

 保険業法施行規則及び事務ガイドラインの改正(5月12日付)に伴い、マニュアル案より以下のとおり修正ないし追加を行った。

[保険募集管理態勢確認用マニュアル関係](「別表」を含む)

 保険契約者に対する書面交付、死亡保険等契約時の保険金額妥当性の確認・「契約内容登録制度」の利用等、及び共同保険契約等の保険会社等誤認防止に関して、所要の修正ないし追加を行った。

[信用リスクに関する検査に係るチェックリスト及びマニュアル]

 新たに債権区分ごとの開示を義務付けたことに伴い、債権区分の定義付けや債務者区分と債権区分の関係の明確化等を行った。


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