第20回会合議事要旨 第21回会合議事要旨 第22回会合議事要旨

「金融検査マニュアル検討会」第20回(再開後第6回)会合議事要旨
 

1. 日  時: 1999年3月18日(木) 14時00分〜16時35分
 
2. 場  所: 中央合同庁舎4号館 共用第2特別会議室
 
3. 議事概要:  検討会再開後に行われた各団体からのヒアリングや検討会における審議、平成11年2月23日付新聞発表「金融検査マニュアル案の見直しの検討方針について」における検討項目の整理を踏まえ、議論が行われた。

審議の概要については以下のとおり。

 

(検査マニュアルの基本的性格の明確化等について)

 

(取締役会等の役割について)

 

(信用収縮懸念への対応について)

 

(金融機関の規模・特性に対する対応について)

 

(関連会社との統合的な信用リスク管理について)

 

(オフバランス資産について)

 

(注)本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。


「金融検査マニュアル検討会」第21回(再開後第7回)会合議事要旨
 

1. 日  時: 1999年3月25日(木) 14時00分〜15時50分
 
2. 場  所: 中央合同庁舎4号館 共用第2特別会議室
 
3. 議事概要:  総論部分である「基本的考え方」について議論が行われ、引き続き、「市場関連リスク」、「流動性リスク」、「事務リスク」、「システムリスク」、「信用リスク」に関して、チェックリスト(案文)に基づき審議が行われた。

審議の概要については以下のとおり。

 

(基本的考え方について)

  •  検査の現場では、これまでも意見交換はしてきているが、さらに充実させる必要がある。なお、このマニュアルは検査官向けのものなので、そこに金融機関が説明できるかどうかといったことを書くわけにはいかないのではないか。
  •  マニュアルの適用にあたって、個々の項目のチェックのみに重点が置かれると、画一的な適用につながりかねない。金融機関の規模・特性に応じたリスク管理態勢が全体として構築されているかどうかが重要である旨をマニュアルに盛り込むべきではないか。

 

(チェックリスト全般)

  •  協同組織金融機関においては、金融の専門家でない非常勤理事も存在していることや、非常勤理事が構成上多いという実態に鑑みれば、常勤、非常勤の違いについてもマニュアルにおいて配慮する必要があるのではないか。
  •  協同組織金融機関の理事について、法令上は、常勤、非常勤の区別はなされておらず、また、バブル崩壊以降むしろ非常勤理事の責任こそを問う声も強くなってきているのではないか。そのような状況下にあって、法的位置付けが同じ常勤と非常勤理事に対して違う扱いをすることは、おかしいのではないか。
  •  マニュアル上のミニマムスタンダード、ベストプラクティスについては、検査でチェックする項目であるという位置付けは同じであるので、マニュアルにその違いをあえて盛り込む必要はないのではないか。
  •  マニュアルの記載からミニマムスタンダードの記載をなくすことは、金融機関の規模・特性に応じたチェック項目がどういう趣旨であるかを不明確にすることになる。また、マニュアルの記載については、世間一般からどのような評価を受けるかということにも配慮する必要があり、マニュアルが大きく後退したとの印象を与えることは、市場の反応を考えても避けた方が良いのではないか。

 

(信用リスク)

  •  関連会社との統合的な信用リスク管理について、守秘義務という観点から困難な部分もあるが、法令上、ディスクロージャーで要求されている項目でもあり、当然に適切な管理が行われるべきではないか。
  •  関連会社に守秘義務があるが故に金融機関として統合的な信用リスク管理が困難である場合においても、どのような管理態勢を構築しているかについて金融機関は挙証責任がある。守秘義務があるというだけの理由で統合的なリスク管理に向けた努力を行なわなくてよいとも受け取られかねないような書き振りは避ける必要があるのではないか。
  •  マニュアルを理由とする貸し渋りが行われていないかについて検証することは、貸し渋りの定義が明確になっていないことから、金融機関自身がチェックできない恐れがあり、チェック項目としては不適当なのではないか。
  •  マニュアルを理由とする信用収縮については、経済界からも強い懸念が表明されている。マニュアル上どのような表現で記載するかについては検討の余地はあろうが、できる限り具体的に貸し渋りに関する項目をマニュアルに盛り込む必要があるのではないか。

 

(注)本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。


「金融検査マニュアル検討会」第22回(再開後第8回)会合議事要旨
 

1. 日  時: 1999年3月30日(火) 14時00分〜16時35分
 
2. 場  所: 中央合同庁舎4号館 共用第2特別会議室
 
3. 議事概要:  前回議論が行なわれた、「基本的考え方」及び「市場関連リスク」等にかかるチェックリスト(案文)について再度審議が行なわれ、引き続き、「法令等遵守」、「リスク管理(共通編)」の各チェックリスト(案文)及び「信用リスク」のマニュアル(案文)に基づき審議が行なわれた。

審議の概要については以下のとおり。

 

(基本的考え方について)

  •  検査結果にかかる異議申し立て制度について、マニュアルのあり方を検討する金融検査マニュアル検討会の「最終とりまとめ」に盛り込むべきではないか。
  •  異議申し立て制度は行政組織の枠組みの話であり、この点について、マニュアルの総論部分に盛り込むことは、検査官の手引書であるマニュアルの位置付けから考えてもおかしいのではないか。

 

(チェックリスト全般)

  •  マニュアル上でミニマムスタンダードと記載することは、言葉が一人歩きをして、検査官の画一的運用を招く恐れがある。また、ミニマムスタンダードと記載しないことによって、チェックリストとしてのマニュアルの趣旨がはっきりするのではないか。
  •  ミニマムスタンダードはあくまでもミニマムリクアイアメントではないのだから、金融機関を義務づけるという意味にはとれないのではないか。
  •  マニュアル上の書き振りについて、仮にミニマムスタンダードという用語を避けたとしても、検査官の検査手法が制限されるものではなく、リスク管理にかかる挙証責任が金融機関にある以上、検査の実態は変わらないのではないか。
  •  パブリックコメントの中には、金融検査は厳しくするべきだという意見も多くあり、マニュアルの内容をあまりに後退させると、対外的に悪い印象を与えることになるのではないか。

 

(法令等遵守)

  •  コンプライアンスは非常に重要であるが、その詳細な基準の策定までを取締役会に諮る必要はないのではないか。取締役会に諮るかどうかについては、自己責任に基づき金融機関自身が決定すべきものではないか。
  •  代表取締役を牽制する基準を、取締役会で決定せずにその下部組織で決定するということは、考え方の整理がつかないのではないか。どこまでが取締役会に委ねるべき基準かという点については整理する必要があるが、基本的には取締役会で決定すべきではないか。
  •  取締役会の議事録及び原資料の整備については、取締役会の議事録以外のバックデータの整備をマニュアル上求める必要はないのではないか。
  •  取締役会の議事録及び原資料の整備については、第三者による事後的検証が可能かどうかという点から重要なのではないか。

 

(リスク管理共通編)

  •  リスク管理の方針は取締役会で決定するべきであるが、極めて大まかな方針のみを取締役会で決めて、その実質的な内容の決定を下部組織に委任するということでは、実質的に白紙委任であり問題がある。細目の決定を下部組織に委任している場合は、決定された方針や委任の方法が適当であるか否かについても、検査官が検証する必要があるのではないか。

 

(資産査定について)

  •  信用リスクの検査について、自己査定の適切性のみに着目し過ぎると、自己査定は、適正な財務諸表を作成する準備作業に過ぎないという位置付けを不明瞭なものとすることとなる。重要なのは償却・引当額の総額やその水準が妥当であるか否かを検証することであるということをマニュアル上強調するべきではないか。
  •  個人向けの定型ローンについては、自己査定が償却・引当の準備段階であるとの前提に立てば、企業向け融資と同じように債務者区分を決定した上で分類を行なう必要性は必ずしもないのではないか。
  •  個人向けの定型ローンであったとしても、債務者区分は行なう必要があるのではないか。査定上の簡易な基準は、債務者区分と債権分類が連動して行なわれているというだけであり、債務者区分自体を行なわなくてもよいということではないのではないか。
  •  金融機関の所有不動産については、本来保有すべきでない資産として商法上の流動資産の概念が適用されているのであれば、原価法採用金融機関における株式の査定と同様に、商法上の強制評価減の考え方である回復可能性についても考慮する必要があるのではないか。
  •  破綻懸念先に対する正常な運転資金については、認められる場合もないわけではないが、あくまで例外的な場合に限定されるべきであり、拡大解釈がなされないように書き振りを検討する必要があるのではないか。
  •  破綻懸念先の認定基準について、定量的な基準を見直すとした場合、定性的な基準のみとなる可能性があるが、金融機関や現場の検査官が当惑することになるのではないか。
  •  債務者区分は、定量的な基準に合致したからといって、即決定されるものではなく、あくまで債務者の実態に応じて決定されるべきものであることから、定量的な基準を見直しても特に問題はないのではないか。

 

(償却・引当について)

  •  正常先に対する貸倒引当金の見積もるべき予想損失額については、債権が毀損していない状況にあることから、収益と費用の期間対応の原則に基づき1年が原則であるという考え方でよいのではないか。
  •  貸倒引当金については、将来の予想損失額を見積もるということであり、全ての債権について、平均残存期間分を見積もるということが原則的な考え方なのではないか。また、監督当局として安全性を考慮した基準を設定する必要性もあるのではないか。
  •  償却・引当について、決算関連部門を実務から除外することは、ガイドラインがない当時は関与を排除するために有効であったが、マニュアルにより一定の基準が定められた現状においては、決算関連部門の関与できる余地は少なくなってきており、必要ないのではないか。また、償却・引当作業について、決算関連部門が全く関与しないということは実務上困難なのではないか。
  •  償却・引当作業について、決算担当部門がコントロールしてきたのが現実であり、相互牽制機能が必要である。要は、決算担当部門が償却・引当の実務に関与しているか否かが問題なのではなく、十分な牽制機能が働いていることがマニュアル上求められているのではないか。
  •  海外債権に対する引当について、各種リスクに応じそれぞれの引当金を積むということは、過剰引当につながるのではないか。
  •  特定海外債権引当勘定が求めているのは、個別の信用リスクを考慮したうえで、各国のリスクを別途考慮するべきであるということではないか。個々のリスクが存在しているというのであれば、それに見合った引当金は当然積む必要があるのではないか。

 

(注)本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。


Back
メニューへ戻る