(1)我が国金融の自由化・国際化の進展 バブル経済以前の我が国経済は、企業の資金調達の変化、国債市場の拡大等を背景 に、金融分野の自由化が進められてきました。例えば,預金金利の自由化、子会社形 態による証券・銀行の相互乗り入れ等の規制緩和が進展しました。 (2)バブル経済の発生・崩壊 1990年をはさんでバブルが発生、崩壊していく中、金融機関における不良債権処理 は、喫緊かつ重要な課題となってきました。 このようにバブル崩壊後に各種市場問題が顕在化する中、マーケットルールやディ スクロージャーの徹底、監視機能の強化が図られました。また、地価下落の中、金融 機関の不良債権処理・破綻処理が行われ、処理スキーム・法制度が整えられました。 (3)欧米市場との比較 一方、欧米の金融市場はこの間着実に発展を続けていました。アメリカはS&L危 機等を乗り切り、経済も金融・証券市場も順調に拡大しています。欧州では、今世紀 末には統一通貨「ユーロ」が実現します。 外国為替取引や株式取引における東京、ニューヨーク、ロンドン市場の状況をみて も、最近においては東京市場は他の市場に比べて、伸び悩みがみられているのも事実 です。 また、主要国の個人金融資産を見ると、我が国はアメリカに次いで1200兆円もの額 に上っています。これらの金融資産が我が国経済にとって有効かつ効率的に使われ、 国民にとって有利な運用である必要があります。 こうした背景を受け、我が国金融市場を2001年までにロンドン、ニューヨーク並み の国際金融市場として再生するための「金融システム改革」すなわち日本版ビッグバ ンの必要性が認識されました。