「金融システム改革」の現状整理

事項名

検討内容及び検討状況等

FREE(市場原理が働く自由な市場に)

(商品)

 
幅広いニーズに応える多様な商品
 

デリバティブ商品の多様化

 個別株オプションの導入、株式関連デリバティブ取引等のための環境整備(証券取引審議会デリバティブ特別部会、金制・金融機能活性化委より、本年6月までに報告を得る。)

投資信託の利便性の向上や多様化

 MMF等についての商品性の改善(含む「証券総合口座」)、銀行等の金融機関店舗での販売を含む投信の販売チャンネルの拡大、会社型投信の導入の可能性の検討(証券取引審議会総合部会、金制・金融機能活性化委より、本年6月までに報告を得る。)

債権の流動化の環境整備

金制・金融機能活性化委より、本年6月までに報告を得る。

商品投資に係る事業規制

(1) 商品以外の投資対象の組入限度に係る規制の全面的見直しについては、本年4月中に、商品や商品先物の証拠金等に運用財産の総額の2分の1超を運用する限りは、その残りの資産を運用することについての規制を撤廃する。ただし、証券・金融先物に係る証拠金等への運用は運用財産の総額の3分の1以内とする。

(2) 投資家保護策の一層の充実を前提に、本年10月1日から、最低販売単位を500万円まで引き下げる。さらに、公衆縦覧型ディスクロージャー、公正取引ルールの適用を前提に10年度のできるだけ早期に規制を撤廃する。

企業向け火災保険の付加率アドバイザリー制度の対象範囲の拡大

 企業向け火災保険の付加率アドバイザリー制度の対象範囲について、本年1月1日に対象最低保険金額を300億円から200億円に引き下げたほか、10年4月に70億円に引き下げる。

リスク細分型自動車保険商品の認可

 算定会の料率算出上のリスク区分と異なる料率による自動車保険商品の販売を本年9月に認める。

損害保険商品の届出制の対象範囲の拡大

 本年1月1日より、保険料率及び特約の届出制の対象に新たに13種目を追加した。

(金融仲介者)

 
新しい活力の導入、幅広いニーズに応える多様なサービス
 

証券業等への参入に係る規制の抜本的見直し

 十分な新規参入を図るための方策の在り方について、免許制の在り方の見直しを含め、検討(証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。)。

銀行・証券・信託の子会社方式による相互参入促進

 以下の措置を3月末に実施。
 9年度下期より(1)証券子会社に現物株式を除く全ての業務、及び(2)信託子会社に年金信託、合同金銭信託を除く、全ての金銭の信託業務を解禁する。
 残余の業務制限の見直しについても、金融システム改革全体の中で完了させる。

保険業と他業態との参入促進

 保険審・基本問題部会より、本年6月までに報告を得る。

生・損保子会社による相互参入の範囲の見直し

 子会社による第3分野の相互参入については、主要分野の規制緩和を実施した後、遅くとも2001年までに現在の激変緩和措置を終了する。

持株会社制度の導入・活用

 証券取引審議会総合部会、金制・金融機能活性化委及び保険審・基本問題部会より、本年6月までに報告を得る。

証券業における業務範囲の制限の見直し

 証券会社の業務範囲の自由化及びディーリング業務はブローカー業務の補完との考え方の見直し(証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。)

保険の銀行等による販売

 保険審・基本問題部会及び金制・金融機能活性化委より、本年6月までに報告を得る。

専門金融機関制度に関わる規制の撤廃

 金制・金融機能活性化委より、本年6月までに報告を得る予定。
 なお、外国商業銀行の円建て債券発行については、本年4月に解禁した。また、普通銀行本体での劣後債発行については、本年6月までに解禁する。

ノンバンクの社債等の発行による資金調達の自由化

 ノンバンク懇で検討の上、金制・金融機能活性化委より、本年6月までに報告を得る。

地域金融機関の役割

 金制・金融機能活性化委より、本年6月までに報告を得る。

多様なサービスと多様な対価
 

売買委託手数料の自由化

 証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。

算定会の改革等、自由化措置

 算定会改革については、8年12月の日米保険協議の決着内容を踏まえ、保険審・基本問題部会の審議及び所要の法律改正を経て、10年7月までに算定会料率の使用義務の廃止を実施する予定。

個人貯蓄の効率的運用
 

投資信託に係る制度の整備

 証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。
 なお、未登録・未上場株式の投資信託への組み入れについては、ファンド解約への対応や日々のファンドの純資産価額の適正な評価が可能となるような方策を検討し、9年度のできるだけ早期に解禁する。

年金信託の資産運用

 信託銀行の年金投資基金信託について、本年4月に、未公開株式への運用を解禁した。

適格退職年金の運用

 適格退職年金にかかる資産運用規制(いわゆる5:3:3:2規制)を本年3月に撤廃した。

(市場)

 
市場機能の向上
 

取引所集中義務の見直し

 証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。

株式店頭市場の整備

 証券会社の仲介活動の活性化を促進すると同時に、店頭市場全体の流通活性化を図るため、信用取引制度や借株制度を9年度早期に導入する。

貸株市場の整備

 証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。

未上場・未登録株の取扱いの見直し

 未上場・未登録株式の証券会社による投資勧誘等については、適正なディスクロージャー、公正取引ルール、適正な価格情報の提供等の環境整備を図った上で、9年度のできるだけ早期に解禁する。

金融先物取引の在り方

 金制・金融機能活性化委より、本年6月までに報告を得る。

短期金融市場の整備

 金制・金融機能活性化委より、本年6月までに報告を得る。


事 項 名

検討内容及び検討状況等

FAIR(透明で信頼できる市場に)

会計・ディスクロージャーの制度の整備等
 

複雑化・高度化した企業活動や金融商品に対し、投資家がリスクとリターンを適切に判断できるための会計ディスクロージャー制度の整備等

 連結財務諸表制度の見直しについては、企業会計審議会において検討中。本年6月を目途に意見書を取りまとめる予定。
 金融商品、企業年金、研究開発費等に係る会計処理基準については、企業会計審議会において検討中。来年夏頃を目途に最終意見書を取りまとめる予定。なお、金融商品については、本年6月を目途に中間取りまとめを予定。
 会計士監査の充実については、公認会計士審査会・会計士監査懇談会において検討中。

自己責任原則を投資家に求めていく前提としての、投資家に対する情報提供の在り方の改善等

 証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。

信頼して取引できる仕組み
 

公正取引ルールの整備

 事前予防的な行政から転換し、証券市場の自由化を推進していく上で重要となる公正取引ルールの整備につき検討中。

監視・処分体制の充実

 事後チェックを中心とした監督手法への転換に伴い必要とされる監視・処分体制の充実につき検討中。

紛争処理制度の拡充

 事前予防的な行政手法からの転換に伴い、民事上の紛争の増加が見込まれることを踏まえた紛争処理制度の充実につき検討中。

 

以上3項目については、証券取引審議会総合部会より本年6月までに報告を得る。

有価証券定義の再検討

 証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。

金融機関の顧客・消費者保護

 金制・金融機能活性化委より、本年6月までに報告を得る。

証券会社の健全性のチェックの充実

 証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。

投資家の不測の損害を防ぐための投資家保護制度の整備

 顧客からの預かり資産の分別義務や寄託証券補償基金制度の整備拡充の徹底につき検討中。証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。

早期是正措置

 早期是正措置に関する検討会の中間取りまとめを受けて、本年6月頃までに詳細を固める予定。

保険会社のトレーディング勘定への時価評価の適用

 保険審・基本問題部会より、本年6月までに報告を得る。


事 項 名

検討内容及び検討状況等

GLOBAL(国際的で時代を先取りする市場に)

会計・ディスクロージャー制度の整備

 我が国企業の多角化・国際化の進展や我が国市場への海外投資家の参加の増大等を踏まえ、会計基準の整備を進めるとともに、国際的な動向を踏まえて、効率性にも配慮したディスクロージャー制度を整備する(企業会計審議会において検討中。)。

決済制度等のインフラ整備

 証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。
なお、株式新規公開時のブックビルディング方式の導入については、一顧客当たりの配分株式等の制限についての見直しを含め9年度のできるだけ早期に導入する。

企業による資金調達の円滑化と資本の効率的利用を促進するための法整備

 企業における円滑な資金調達と資本の効率的な利用を促進するとの観点から、ストック・オプション、自己株消却、ABS、DR、等の導入や利用の拡大に向けて検討中。証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。
 なお、MTNについては、9年度早期に、発行登録制度の改善を行う(取締役会の包括決議に関する商法の解釈の明確化については、8年度に公表済。)。

電子マネー、電子決済

 電子マネー懇で検討中であり、本年5月を目途に取りまとめを行う予定。

証券分野における電子化への対応

 証券取引審議会総合部会より、本年6月までに報告を得る。

(その他)

個人投資家を株式市場に呼び戻す観点からの株式の投資価値増大のための検討
 

 証券取引審議会総合部会において検討中。

税制についての検討

 金融関係税制については、公平・中立・簡素の税制の基本理念及び課税の適正化の観点も踏まえ、税制全体の中で所要の検討を行う。
 まず、外為法令の改正にあわせ、海外送金等に係る資料情報制度を整備するため、所要の立法準備中。
 なお、有価証券取引税については、上記の観点等を踏まえ、証券税制全体の中で本年末までに検討し、平成10年度改正において適切に対処。


 外国為替及び外国貿易管理法の改正
本年1月の外為審答申を受けて、3月4日に閣議決定・国会提出し、現在、審議が行われているところ(平成10年4月1日施行予定)。

FREE(市場原理が働く自由な市場に)

内外資本取引等の自由化
 対外決済や資本取引に係る事前の許可・届出制度を原則廃止。
外国為替業務の完全自由化
 為銀制度、両替商制度、指定証券会社制度を廃止、外為業務に着目した規制を撤廃することで、外為業務への自由な参入・退出を確保。

FAIR(透明で信頼できる市場に)

経済制裁等の国際的要請への対応
 国際的な要請に応じて、経済制裁等を機動的かつ効果的に実施し得るメカニズムを確保。
マネーロンダリング防止等に対する国際的要請への対応
 高額の海外送金や両替について銀行等や両替業務を行う者に本人確認を求める義務を課すとともに、高額の支払手段等の輸出入について税関に対する事前報告制度を導入。
事後報告制度の整備
 国際収支統計の作成、市場動向の的確な把握等のため、内外資本取引等に関する効率的かつ実効性のある事後報告制度を整備。

GLOBAL(国際的で時代を先取りする市場に)

内外資本取引等の自由化

 内外市場の一体化が図られ、内外金融システムの連動が強化されることにより、東京市場全体がグローバル化・活性化。


担保不動産等流動化総合対策の策定(平成9年3月31日)
1.  本対策は、担保不動産等の流動化を進め、不良債権問題の処理を促進し、市場の活性化を図っていくため、関係省庁等が連携し、総合的な流動化対策として発表。

2.

 本対策の主な内容は、(1) 担保不動産の収益性の向上、(2) 担保不動産の証券化、(3) 担保不動産の情報化の推進、(4) 民間における担保不動産の有効利用促進の要請、(5) 本対策の推進に係る関係省庁間の情報交換の場の設置。

3.

 それぞれの施策の迅速な実現を図っていくことにより、土地の有効利用、証券化及び情報化が進展し、我が国経済の活力が維持される。

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