1 昨年6月に総合部会(座長:蝋山昌一 大阪大学教授)が設置された、同部会 では、21世紀に目を向けて、中長期的な観点から証券市場の整備を行うことが重 要な課題になっていることを踏まえ、証券市場、市場仲介者たる証券業及び証券 行政の将来のあり方について、総合的な審議を行った。 こうした総合部会の審議を踏まえ、本年6月13日に、証券取引審議会は、市場 改革の全体像と改革のスケジュールを明示した最終報告書「証券市場の総合的改 革」を取りまとめた。この報告書は、(1)市場関係者すべてに対してそれぞれが取 り組むべき課題解決の道筋を示した包括的な改革パッケージを具体的な実施スケ ジュールと共に示しているものである。なお、このスケジュールについても、(2) 金融システム改革の目標である2001年を待たず、殆どの措置を98年度中に達成す るなど、前倒しのスケジュールを提示しているとともに、(3)法改正を要しないも のについては、本年度より多くのものに着手することとなっている。 2 今後、これらの報告書に盛り込まれた改革項目について、実現を図っていくた め、(1)公正取引部会(座長:神崎克郎 神戸大学教授)においては、公正取引ル ールの整備・拡充の項目等について、(2)総合部会を発展的に改組し設置された市 場整備部会(座長:蝋山昌一 大阪大学教授)においては、その他全体的項目 (証券会社の免許制から登録制への移行、手数料の自由化等)について、法整備 面を中心に審議を行うとともに、改革の進捗状況のフォローアップを行っていく こととしている。