「金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律」の概要並びに同法に基づく政令案及び命令案等の概要の公表について
「金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律」の概要を作成するとともに、同法に基づく政令案及び命令案等について検討を行い、その検討結果の概要を別紙のとおり取りまとめましたので公表いたします。
別紙についてご意見がありましたら、平成11年5月12日(水)までに、郵便、FAX、電子メールにより下記あてお寄せ下さい。
○ 郵便による場合 〒100−8940 東京都千代田区霞が関3−1−1 大蔵省金融企画局企画課法規第5係 ○
FAXによる場合 ○ 電子メールによる場合 |
新 聞 発 表 |
平成11年4月21日
大 蔵 省
金 融 監 督 庁
「金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律」の概要並びに同法に基づく政令案及び命令案等の概要の公表について
「金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律」の概要を作成するとともに、同法に基づく政令案及び命令案等について検討を行い、その検討結果の概要を別紙のとおり公表し、外部の意見を求めることといたしました。
なお、外部の意見は平成11年5月12日(水)まで求めた上で、「金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律」に基づく政令及び命令等を策定する予定です。
問い合わせ・連絡先 大 蔵 省 (TEL 3581−4111) 金融企画局 企画課 岡 本(内線 6129) 金融企画局 信用課 長 田(内線 6213) |
金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律の概要
I . | 趣 旨 | |
現在、いわゆる金融業者が社債の発行等により不特定かつ多数の者から貸付資金を受け入れることは出資法で禁止されているが、本法律は、ディスクロージャーの充実等、投資者保護の観点からの措置を講じつつ、この規制を撤廃し、金融業者の社債の発行等の直接金融による資金調達を自由化することにより、企業等への資金供給チャネルを多様化するものである。 |
II . |
法律の概要 |
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1. |
登録制度の実施 金融業者(貸金業規制法に規定する貸金業者等)は、登録を受けた法人である金融業者(以下「特定金融会社等」という。)でなければ社債の発行等による貸付資金の受入れをしてはならないこととする。 |
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(a) | 一定の財産的基礎(最低資本金基準)、人的構成等を登録の要件とする。 | ||
(b) | 特定金融会社等の名称、資本金額等を登録した登録簿を公衆の縦覧に供する。 | ||
2. |
ディスクロージャーの充実 特定金融会社等に対し、「証券取引法に基づく有価証券報告書等に融資業務の特殊性に対応した貸付状況等の項目を明確に表示する」ための会計の整理を義務付ける。 |
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3. |
監 督 この法律の施行に必要な限度において、特定金融会社等に対して報告徴収を行うことができることとする。 |
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4. |
出資法の改正 本法律の附則において、以下のとおり出資法の改正を行う。 |
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(a) | 第2条第3項(貸金業者による貸付資金調達のための社債の発行を禁止する規定)を削 除する。 | ||
(b) | 第2条第2項(名義のいかんにかかわらず預り金を禁止する規定)の名義の例示として 社債を追加し、悪質業者が「社債名義」を使って預金まがいの勧誘を行うことを出資法上 明示的に禁止する。 | ||
III . |
施行期日等 ○ 法律可決成立 平成11年4月14日 ○ 法律公布 平成11年4月21日 |
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この法律は、公布の日から起算して1月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。 |
金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律施行令案の概要
1. | 目 的 |
金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律(以下「社債法」という。)の施行 に伴い、金融業者の定義、特定金融会社等の貸付資金の受入方法その他同法の施行に必要な事 項を定める。 | |
2. |
内 容 |
○ |
金融業者として、貸金業者、短資業者、住宅金融会社、商品代行会社及び質屋を定める。 (法第2条関係) |
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○ | 貸付資金の受入方法として、社債の発行及びCPの発行等を定める。 (法第3条関係) | |
○ | 特定金融会社等として登録する際の資本又は出資の額は、10億円以上とする。(法第6条関係) | |
○ | 特定金融会社等として登録する際の人的構成に係る基準は、金銭の貸付けに係る審査の業務に3年以上従事した者が2名以上その金融会社等の金銭の貸付けに係る審査の業務に従事していることとする。(法第6条関係) | |
○ | 廃止の届出等を行う者として、合併により消滅した場合、破産により解散した場合等廃止の理由の場合に応じ、その特定金融会社等を代表する役員であった者等を定める。(法第8条関係) | |
○ | 登録取消し等の後もなお特定金融会社等とみなされる一般承継人から除外する者として、 銀行、長期信用銀行、保険会社及び証券金融会社を定める。(法第14条関係) | |
○ | 登録取消し等の後も債務の履行を完了する目的の範囲内においてなお特定金融会社等とみなされる債務として、特定金融会社等が社債の発行等により貸付資金を受け入れることによって負担した債務等を定める。(法第14条関係) | |
○ | その他所要の規定を設ける。 | |
3 |
施行期日 |
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この政令は、社債法の施行の日から施行する。 |
金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律施行規則案の概要
1. | 目 的 | ||
社債法施行に伴い、特定金融会社等の貸付資金の受入方法、登録の申請に係る事項その他同 法の施行に必要な事項を定める。 | |||
2. |
内 容 |
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○ |
社債の発行及びCPの発行に準ずる貸付資金の受入れ方法として、以下のような場合を定める。 |
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(a) | 第三者による社債の発行及びCPの発行により当該金融業者のために受け入れた金銭を 受け入れる場合。 | ||
(b) | 特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律に規定する特定目的会社に対する貸 付債権の譲渡の対価としての金銭の受入れであって、当該特定目的会社による特定社債券 又は特定約束手形の発行により得られる金銭がその対価に充てられる場合。 | ||
(c) | 証券取引法施行令第3条の4第4号に掲げる特定有価証券を定める省令第1号イに規定 する特別目的法人(同号イに規定する譲渡資産として指名金銭債権を含むものに限る。) に対する貸付債権の譲渡の対価としての金銭の受入れであって、当該特別目的法人による 有価証券の発行により得られる金銭がその対価に充てられる場合。 | ||
○ |
特定金融会社等の登録を受けようとする者は、その者の主たる営業所等を管轄する財務局長等に申請書を提出しなければならない。 |
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○ |
登録申請書には、商号又は名称、住所、資本又は出資額の他、代表する役員の氏名及び住所、金銭の貸付けに係る審査の業務に従事している者の氏名等所要の内容を記載する。 また、金銭の貸付けに係る審査の業務に従事している者の業務経歴書、登記簿謄本等申請書の記載事項に応じた添付書類を提出する。 |
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○ |
登録を行った財務局長等(以下「管轄財務局長」という。)は、登録した者に対して登録済通知書により通知を行う。 また、登録を拒否したときには、登録拒否通知書により通知を行う。 |
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○ |
管轄財務局長は、特定金融会社等登録簿を当該特定金融会社等の主たる営業所等の住所を管轄する財務局等に備え置き、公衆の縦覧に供する。 |
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○ |
特定金融会社等は、法第4条第1項各号に掲げる事項に変更があったときは、変更届出書 に登記簿謄本等の変更事項に応じた書類を添付して管轄財務局長に提出しなければならない。 また、変更の届出があった場合(営業所地の変更であって管轄財務局長の管轄区域外に特定金融会社等の主たる営業所等の所在地を変更する場合を除く。)は、管轄財務局長は所要の手続を行う。 |
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○ |
営業所地の変更であって管轄財務局長の管轄区域外に特定金融会社等の主たる営業所等の所在地を変更する場合は、管轄財務局長は所要の手続を行う。 |
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○ |
廃止の届出をしようとする者は、廃止等届出書に登記簿謄本等の書類を添付して、管轄財務局長に提出しなければならない。 |
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○ |
所在不明者及び監督処分の公告は官報によるものとする。 |
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○ |
その他経由官庁、標準処理期間等所要の規定を設ける。 |
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3. |
施行期日 |
特定金融会社等の経理状況等の開示の充実のための規定の整備の概要
I . | 趣 旨 | |
社債法においては、特定金融会社等の発行する社債等の購入者の保護を図るため、第9条に会計の整理に関する規定を設け、特定金融会社等に対し、貸付業務に係る経理の状況等を明確に表示する財務諸表の作成を義務付けている。 上記を踏まえ、社債法第9条の規定に基づく総理府令・大蔵省令を定め、特定金融会社等の会計の整理に関する事項を定める。併せて、このように整理された経理の状況や特定金融会社等の貸付業務等の状況が適切に有価証券届出書等において開示されるよう、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下「財務諸表等規則」という。)の改正等の所要の措置を講じる。 |
II . |
内 容 |
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1. |
特定金融会社等の会計の整理について、以下の事項を定める。 |
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(1) | 勘定科目 | |||
特定金融会社等は、貸付業務に着目して必要な勘定科目を設ける。 (貸付金、貸付金利息、貸付金に係る資金調達費用等) |
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(2) |
注記 |
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(a) | 不良債権の注記 破綻先債権、延滞債権、三カ月以上延滞債権又は貸出条件緩和債権に該当する貸付金がある場合、その旨及び金額を注記する。 |
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(b) | 関係会社に係る注記 関係会社に係る貸付金が資産総額の100分の1を超える場合、関係会社に対する貸付けに係る貸付金利息が貸付金利息総額の100分の20を超える場合、及び貸付金に係る関係会社からの資金調達費用が貸付金に係る資金調達費用総額の100分の20を超える場合は、それぞれその金額を注記する。(関係会社とは財務諸表等規則に規定する関係会社をいう。) |
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2. |
特定金融業(特定金融会社等が業として行う金銭の貸付けをいう。)を財務諸表等規則の「別記事業」とすることにより、特定金融会社等が証券取引法に基づき提出する有価証券届出書等の財務諸表が、上記1に従い作成されたものになるようにする。 なお、特定金融会社等が、特定金融業以外の他の事業を併せ営む場合であって、当該他の事業が主たる事業の場合についても、特定金融業に関わる事項については、上記1に従い財務諸表を作成する。 |
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3. |
特定金融会社等の貸付業務等の状況が明らかとなるよう、次に掲げる事項を有価証券届出書等に記載する。 |
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4. |
施行期日等 |
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社債法の施行の日から施行し、上記1の会計の整理に関する規定は、平成12年3月31日以後終了する事業年度から、上記3に関する規定は、施行の日以後提出される有価証券届出書等から適用する。 | ||||
5. |
経過措置について |
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社債法の施行日以後、上記1の会計の整理に関する規定の適用を受ける財務諸表が開示されるまでの間の投資者保護を図る観点から、以下の経過措置を設ける。 | ||||
(経過措置期間) 社債法の施行の日以後、上記1の会計の整理に関する規定の適用を受ける財務諸表が開示されるまでの間 |
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(対象者) 上記期間中に社債法第3条の登録を受け、社債の発行等により貸付資金の受入れを行おうとする者 |
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(開示事項) 直近の事業年度について、上記1.(2)(a)に掲げる不良債権に該当する貸付金がある場合には、その内容を有価証券届出書又は発行登録追補書類の「証券情報」に「事業の概況等に関する特別記載事項」の項を設け、記載する。 |
(参考)
金融業者の貸付業務のための社債の発行等に関する法律
目 次 |
第一章 総則(第一条・第二条) |
第二章 登録(第三条−第八条) |
第三章 会計の整理(第九条) |
第四章 監督(第十条−第十三条) |
第五章 雑則(第十四条−第十七条) |
第六章 罰則(第十八条−第二十三条) |
附則 |