「CPのペーパーレス化に関する研究会」 |
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日 時: |
平成11年5月27日(木) 14時00分〜16時40分 |
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場 所: |
大蔵省会議室 |
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議 題: |
(1) 米国の証券決済に関する法制度 (2) ドイツの証券決済に関する法制度 (3) 今後の主な検討事項 |
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議事内容 |
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○ |
始めに、神田座長から米国の証券決済に関する法制度について説明があり、それに関連して事務局から、米国のDTC(Depository Trust Company)について説明があり、その後質疑が行われた。 |
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○ |
次に、神作教授からドイツの証券決済に関する法制度について説明があり、質疑が行われた。 |
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○ |
最後に、今後の研究会の主な検討事項(ペーパーレス化されたCPの商品性、ペーパーレス化されたCPの発行、流通、償還システムの評価基準等)について事務局から説明が行われた。 |
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メンバーからの主な意見等 |
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○ |
米国ではsecurityの権利者となる法制として、(1)DTCなどを経由する間接保有(indirect holding)についてはsecurity entitlementの権利者となる、(2)直接保有(direct holding)については発行体の帳簿における名義人となる(券面発行、不発行のいずれにも対応可能)方法をとっている。 |
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○ |
米国の統一商法典では券面不発行が可能とされているにもかかわらずDTCが券面を保管しているのは、幾つかの州の会社法が株式の券面発行を要求していることが影響しているか、あるいは単にこれまでの経緯によるものかもしれない。 |
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○ |
米国におけるCPのマスターノートはCPプログラムに基づいて発行される全てのCPを表章しており、複数の券面を束ねただけの大券とは本質的に異なるのではないか。 |
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○ |
無券面化の法制を検討する場合に、米国のように直接保有と間接保有で法制を分けるのがよいかについては他国の例も参考に考える必要がある。 |
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○ |
ドイツでは、無記名債権証券を無券面化した場合、(1)登録制度の創設に相当のコストがかかる、(2)権利者に券面がある場合と同様な保護を与えるためには大規模な立法作業が必要、更には、(3)現物に対する投資家のニーズの存在、等を理由に、通説は完全な無券面化には否定的である(実体は保管振替機関が大券化された1枚の有価証券を保管している。) |
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○ |
ドイツの無記名債権証券に似た規定として民法473条の無記名債権などの証券的債権の規定があり、今後の検討の参考となるのではないか。 |
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○ |
無券面化を行い、登録機関の帳簿上の記載に権利発生等の法的効果を与える場合、登録機関の中立性が問題となるのではないか。一方、登録事項の通知など投資家によるコントロールの手段が与えられていれば問題はないとの考えもある。 |
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○ |
階層構造をとる場合、法律構成により、最終投資家、仲介者がそれぞれどのような権利を有するのか十分な検討が必要。 |
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○ |
新しい券面を必要としない証券的な権利を作るのであれば、実務的には流通制度の検討が中心となるのだろうが、一番法的に難しいのは発行・償還をどうするかである。 |
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○ |
実務者の立場からすれば、DVP、デリバリーリスクの低減を目指し、できるものをやっていくというスタンスが一番ありがたい。 |
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○ |
DVPにもいろいろな方法があり、必ずしも米国方式にこだわることなく、海外の動向をよくみながら制度設計を考えていく必要がある。 |
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