「支払保証制度に関する研究会」第3回会合議事概要

                                                                              
1.日  時      平成9年2月20日(木)14時00分〜                          
2.場  所      大蔵省第一特別会議室(四号館12F)                          
3.議事概要                                                                    
  ・  「支払保証制度の保証対象をどうするか。[保証対象となる請求権]、[保証限度
      の設定]」を中心に自由討議が行われた。                                  
  ・  自由討議で出された意見は、概ね以下の通りである。                        
                                                                              
  (保証対象となる請求権について)                                            
    ・  保険契約上の請求権を保証対象とすることが適当ではないか。              
    ・  解約返戻金については、良好な保険集団を維持するとの観点から、一定期間は保
      証対象から除外するという方法、あるいは、直ちに保証対象とするが解約控除を大
      きくするといった方法があるのではないか。                                
    ・  配当金についてはモラルハザードを抑止する観点から保証対象としないことが考
      えられるのではないか。                                                  
    ・  配当金を保証対象とし、予定運用利率が高いものについては見直すということが
      考えられるのではないか。                                                
    ・  配当金を保証対象としない場合には予定運用利率によって保証対象が変わってく
      ることから保証対象とすることが考えられるのではないか。                  
    ・  配当金を保証対象とするならば、保険契約について過去に遡って再計算をするこ
      とによって予定運用利率が異なる保険契約者間の公平を確保することが可能になる
      のではないか。                                                          
    ・  貯蓄保険料と保障保険料の比率によって配当金を保証対象とするか否かを区分す
      るという方法があるのではないか。                                        
    ・  配当金については、割当後に具体的な金銭債権となったもの、割当を受けたもの、
      割合を受ける以前のものがあることを認識して検討する必要があるのではないか。  
    ・  配当金については、配当金のままで積み立てられているものと保険の買い増しに
      当てられたものを区別して考えることができるのではないか。                
                                                                              
    (保険限度の設定について)                                                
    ・  基本的には何らかの保証限度を設定すべきではないか。                    
    ・  自賠責保険は一般国民に加入を強制するものであり、保証限度を設定するべきで
      はないのではないか。                                                    
    ・  自賠責保険の他に、開業するにあたって加入が必要とされる賠償責任保険等につ
      いてどう考えるかといった問題があるのではないか。これらの保険は、第三者の保
      護をどの程度まで勘案するかという点や、担保として国債等を提供するといった保
      険とは異なる方法を選択できる点において、自賠責保険と性格が異なるのではない
      か。また、自賠責保険には無保険者ひき逃げの場合の保障基金制度があることも考
      慮すべきではないか。                                                    
    ・  支払保証制度は社会保障的性格を有すること、モラルハザードに関して問題とな
      るのは主に大口の保険契約者であることから、保証限度については一定額方式とす
      ることが適当ではないか。                                                
    ・  保険金額は保険契約者がどの程度必要かによって決められるものであり一定率方
      式がなじむのではないか。新しい保険商品が今後出現することを考えると一定率方
      式には無視できない利点があるのではないか。                              
    ・  一定額方式の場合には、保証限度の設定にあたっては、モラルハザードの抑止の
      実効を図るために、請求権毎に保証限度を設定することが必要ではないか。    
    ・  モラルハザードの抑止の実効を図るためには、一般的な基礎率を参考にして契約
      条件を変更するなど保険契約を修正し、これをベースに保証限度を適用することが
      必要ではないか。                                                        
    ・  保険契約のうち保証対象になる部分を超える部分の破綻会社における持分につい
      ては、支払保証制度が保険契約者を一部代位すると考えると、支払保証制度に帰属
      するということは考えにくいのではないか。                                
    ・  限られた財源の中で多くの人を救済するとの観点からは、保険契約のうち保証対
      象になる部分を超える部分の破綻会社における持分については保証機関が保証した
      限度において保証機関に帰属させることが適当ではないか。                  
                                                                              
      なお、次回研究会は平成9年3月18日(火)14時00分からとなった。      

                                                                以        上  

担当者 : 大蔵省銀行局保険部保険第一課調査室 服部、胡桃沢
連絡先 : 電話(代表) (3581)4111 内線 5173
本議事要旨は暫定版であるため今後修正がありえます。