1.日 時:平成9年2月19日(水) 14時00分〜16時00分
2.場 所:大蔵省第2特別会議室(合同庁舎四号館4階)
3.議 題: 金融商品に係る会計処理基準について
4.議事内容: 金融商品の評価、ヘッジ会計等について検討を行った。
5.主な意見
審議に際して出された主な意見は次のとおり
○ デリバティブ取引はオフバランス処理されていることから透明性に欠けるとい
われており、オンバランスすることを前提に考えていくべきである。この場合、
契約時点ではネット・キャッシュフローはゼロなので両建では記帳しなくても、
その後の時価の変動を資産・負債として認識していく方法が適切ではないか。
○ 金融商品はだれが持っているかにより将来のキャッシュフローが変わるもので
はないという考え方がある。また、換金可能性や貨幣類似性という面に着目する
と時価評価を行うことが妥当と考えられるのではないか。
○ 金融資産と営業資産は性格が異なる。一般投資家への意思決定情報の提供とい
うことを前提にすると、営業資産のように売買を目的としない性格の金融商品ま
で時価評価することは適当でないと思う。
○ 投資者サイドから見ると、基本的には金融商品については時価評価をする方向
が望ましいと思われるが、関係会社有価証券や長期保有有価証券のように、実物
投資に近いものは時価評価に馴染まないとすれば、これらを区別する際に恣意性
を排除するための明確なルールが必要である。
○ 金融商品を時価評価することとしても、必ずしもその評価損益が当期の純利益
になるという考え方ばかりではなく、包括利益とする考え方や損益計算書を通さ
ずに剰余金とする考え方もある。
○ ヘッジ会計については、今後の方向性として必要になってくるのは確かである
。ヘッジ要件を検討する場合には、具体的取引を踏まえて決めていく必要がある
と思う。
○ 貸倒引当金の見積方法の一つとして、割引現在価値を利用することも取り入れ
ていくことが適当と考える。
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