1.日 時 : 平成8年12月20日(金) 13時30分〜15時30分
2.場 所 : 大蔵省第一特別会議室
3.議 題 : 金融商品に係る会計処理基準のあり方について
4.議事内容: 国際会計基準委員会(IASC)における金融商品委員会の審議状
況についてヒアリングを行った。
5.主な意見
審議の際して出された主な意見は次のとおり
○ IASC金融商品委員会では、取得原価主義の枠内で採算を考えリスクを管理
している企業もあるという議論もあったが、負債をも含めた時価評価という結論
に達している。ディスカッションペーパーが2月頃公表されるので、各界の意見
を聞いた上で再度検討ということになる。
○ 借り入れた資金を金融資産に投資した場合には、負債と資産を対応させ両者と
も時価評価することも考えられるが、設備に投資した場合にも負債だけ時価評価
することはバランスを欠く。負債まで全部時価評価する考え方には問題がある。
○ IASC金融商品委員会では、金融商品は他の実物資産とは異なり、経営者の
努力次第で将来のキャッシュ・フローを変える余地が乏しく、取得した時点で将
来のキャッシュ・フローが決定してしまうという観点から、金融商品は他の実物
資産とは異質であり、経営者の意思を排して全て時価評価で統一するという結論
に到達した。
○ 従来は経営者の主観を認めて金融商品の評価基準を考えていたが、IASCで
は主観主義から客観主義に振れているという印象を受ける。この方向で行くと、
金融商品以外の全ての資産についての時価基準ということになるのではないかと
いう危惧がある。
○ IASC金融商品委員会では、例えば、金利変動があった後に負債を償還する
と償還損益が発生するが、このような損益は償還によって発生するのではなく、
金利変動という事実によって発生したものであるといった考え方をしているので
はないか。ただし、有形固定資産の減価償却の問題や取引所の相場のあるような
コモディティは議論の対象外となっている。
| 担当者及び連絡先 大蔵省証券局企業財務課 寺田、平松 TEL 03-3581-4111 |