研究開発費に係る会計処理基準の検討について〔要約〕


                                                                            

  1.検討の背景と経緯                                                      

                                                                            

   (1)  平成8年6月の企業会計審議会総会において、金融商品・企業年金・研究開

      発費等に係る会計処理基準の在り方について検討を行うことが決定された。こ

      のうち、企業年金、研究開発費に係る会計処理基準の検討については、企業会

      計審議会での審議に資するため、企業財務懇談会において論点の整理を行うこ

      ととされた。                                                          

                                                                            

   (2)  企業財務懇談会は、平成9年2月から、研究開発費に係る会計処理基準の検

      討にあたっての論点の整理について審議を開始し、諸外国の会計処理基準、我

      が国における会計処理及び開示の現状、コンピュータ・ソフトウェアの会計処

      理及び表示等について検討し、今般、「研究開発費に係る会計処理基準の検討

      にあたっての論点の整理」を取りまとめ、企業会計審議会においてこれを発表

      したものである。                                                      

                                                                            

  2.論点整理の概要                                                        

                                                                            

   (1)  企業の研究開発活動及び研究開発費に関する適切な情報提供を行うため、国

      際的調和の観点から会計処理基準・ディスクロージャー制度の整備が必要であ

      る。主要な論点は以下のとおりである。                                  

      ○  研究開発の定義、範囲の明確化                                      

      ○  ソフトウェアを含む包括的会計処理基準の設定                        

      ○  研究開発費を構成する原価要素の明確化                              

      ○  資産計上の是非                                                    

      ○  研究開発費の総額の注記及び研究開発活動に関する情報開示              

                                                                            

   (2)  なお、現行の繰延資産(試験研究費、開発費)のうち、研究開発費に係る会

      計処理基準の対象外とされるものがある場合には、この部分の取扱いについて

      検討する必要がある。