金融制度調査会・第30回総会議事概要


                                                                              

1.日  時    平成9年1月21日(火)10時00分~12時00分                  

2.場  所    大蔵省第二特別会議室(4号館4F)                              

3.議  題    金融機能活性化委員会の審議状況について                          

              日本銀行法改正小委員会の審議状況について                        

                                                                              

4.議事概要                                                                  

                                                                              

    本会合においては、金融機能活性化委員会の審議状況及び日本銀行法改正小委員会

  の審議状況それぞれについて、事務局より説明を行った後に自由討議が行われた。  

    各委員の主な意見は概ね以下の通り。                                        

                                                                              

(金融機能活性化委員会の審議状況について)                                    

  ・  今回の金融システム改革を進めていくにあたっては、(1).新しい金融商品・サー

    ビスの開発等を妨げるおそれのある規制に関する最大限自由化、(2).こうした自由

    化によって生じるリスクを適切な管理、を基本方針とすべきであるとの意見があっ

    た。                                                                      

  ・  所得と雇用が国外に流失することが改革が遅れた場合の大きな問題点であるとの

    意見があった。                                                            

  ・  金融システム改革に伴い新しい金融商品・サービスを提供できるようにするとい

    う観点から、子会社や持株会社を通じた相互参入が議論されるであろうが、こうし

    た方式による業務の自由化は、地域金融機関の場合、コストの割りには十分な需要

    が確保されないことが考えられる。このような場合には、結果として相互参入が実

    現せず、地域住民等の利便性の向上を実現することができない。よって、このよう

    な事態に対応するため、地域金融機関については、本体で行える業務範囲の緩和を

    行うことが考えられるのではないかとの意見があった。                        

  ・  現在検討されている外為法改正が実現すると、海外金融機関との競争が一層激し

    くなってくるため、海外の金融機関は提供できるにも係わらず、国内の金融機関は

    規制によりそうした商品を提供できないということがないよう、商品や業務分野に

    係わる規制は出来るだけ緩和すべきであるとの意見があった。                  

  ・  公的金融の見直しについては、検討の場として金制が相応しいか否かは別として、

    金制の大部分の委員がその必要性を認識しているところであり、このことをはっき

    り書くべきではないかとの意見があった。                                    

  ・  金融システム改革を進めていく上で、預金者保護には是非とも努めてほしい。ま

    た、自己責任で金融機関を選択するためには、リスクの所在が明確になっている必

    要があり、ディスクロージャーを進めていくべきであるとの意見があった。      

  ・  世界と競争できる魅力と活力を備えた市場を目指すためには、有取税の撤廃など

    税制の改正が是非必要であるとの意見があった。                              

  ・  金融システム改革を進めていくにあたっての原理原則を定めておくことは重要で

    あり、その原則は「競争の促進」及び「その成果の利用者への還元」であるべきで

    はないかとの意見があった。                                                

                                                                              

(日本銀行法改正小委員会の審議状況について)                                  

  ・  日銀法改正にあたっては、中銀研で示された「独立性と透明性の向上」という理

    念にそった改革を進めてことが重要であり、理念型としては、自ら明らかにしたル

    ールに従い自主的な判断で政策を決め、業務を行い、この結果を国民にディスクロ

    ーズすることを通じ、日銀の政策及び業務のチェックを行っていくことが望ましい。

    法律改正にあたっては、日本の法制度との折り合いをつける必要があるだろうが、

    認可法人であるということで法制上の仕切りをしてほしくないとの意見があった。  

  ・  日銀法改正は、(1).グローバル化が進展する中で、グローバルスタンダードに収

    束するという流れがあること、(2).制度の目的は明確かつ厳格に規定されているこ

    とが望ましいこと、を基本的な視点として進めていくべきであるとの意見があった。  

  ・  各国とも監督権限があるところが検査を行っており、我が国でも監督に基づく検

    査に一元化すべきと考えるが、今般の日銀法改正では考査は存続との方向性が出さ

    れており、一元化は将来的な課題である。そうだとすれば、検査と考査は目的が異

    なることを明確にし、情報交換等、効率性を持った仕組みの検討が必要であるとの

    意見があった。                                                            

  ・  日銀特融の実施について政府が要請した場合、仮に政策委員会が政府と違う決定

    をしたときにはどのように対処するのか。信用不安を惹起することなく、適切に処

    理していくためには、政府と日銀の密接な連携が重要であり、機動的・効果的に対

    処していくための万全の仕組みを仕組んでおく必要があるとの意見があった。    

  ・  日銀法改正においては、金融政策における政府と日銀の関係が焦点であり、中銀

    研報告を踏まえ、議決延期の問題等、どのように法制化できるのか小委員会で現在

    まさに検討している最中であり、今後報告をまとめていく上で更に議論していく必

    要があるとの意見があった。                                                

                                                                              

                                                                              

                                                                              

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                |  担当者:  大蔵省  銀行局  調査課        松  村、阿久澤    |

                |  連絡先:  TEL 03-3581-4111   (内線2801)                    |

                |                                                            |

                |    本議事概要は暫定版であるため今後修正があり得ます。      |

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