電子マネー及び電子決済に関する懇談会第1回会合の模様(概要)


                                                                                

1.日  時    平成8年7月10日(水)10時00分〜12時00分                    

2.場  所    大蔵省第2特別会議室(合同庁舎4号館4階)                        

3.議  題    ・情報ネットワークと金融について                                  

              ・わが国における電子マネーの導入について                          

                                                                                

4.議事経緯                                                                    

    7月10日(水)、電子マネー及び電子決済に関する懇談会第1回会合が開催された。

  会合の模様はおおむね以下のとおり。                                              

                                                                                

  (1) 各委員の紹介の後、銀行局長・国際金融局長より挨拶。その後、木下委員(金融情報

    システムセンター総務部長)より「電子ネットワークと金融について」と題して、電子マ

    ネーに対する関心の高まりとその背景、電子決済の特性と実現に向けての課題、金融行政

    上の課題等について説明があり、その後自由討議が行われた。                        

                                                                                

  (討議の概要)                                                                  

   ・電子決済については現行法制よりも民間の実態が先行しており、約款ベースでのデファ

     クトスタンダード化が進んでいる。しかし、不特定の者が参加するスキームとする場合は

     、利用者保護という面で約款でカバーできる範囲には自ずと限界があり、何らかの法制度

   ・商慣行が必要である、                                                          

   ・諸外国の例をみると、電子マネーと一言でいっても、法律構成からみると電子データ自

     体に貨幣価値がありそれが転々流通するという点で現金に近いもの(モンデックス)と転

     々流通せず個別金融機関に対する預金の支払指図に近い形で構成されるもの(ゲルドカル

     テ)と様々な種類のものがある。海外の事例を検討する場合、そのような違いを踏まえて

     議論を整理していく必要がある、                                                  

   ・本懇談会で検討する電子マネーを、既存の決済システムの外で決済が行われるような転

     々流通型のものと想定するのか、あるいは取引の度に銀行等を通して決済される都度還流

     型のものとするのかで議論の広がり方が異なってくるが、現段階では両方を睨みつつ、ど

     ちらの型について検討するのがよいかを考えていくのが妥当であろう、                

     との意見があった。                                                              

                                                                                

  (2) さらに、真壁参考人(さくら銀行ネットワーク業務部副部長)からは、「我が国にお

    ける電子マネーの導入について」と題して、電子マネーとは何か、欧米と日本の電子マネ

    ーに対するニーズの違い、銀行業務への影響、実現に向けての法的諸問題、今後の検討課

    題等について説明があった。                                                      

      また、米国において電気通信事業者が電子決済業務に参入している現状をどのように考

    えているか、との委員の質問に対し、                                              

   ・特にAT&Tの場合、子会社として銀行を所有しており、それを通じての参入であると

     見ることもできる、                                                              

   ・電気通信事業者と銀行との適正な競争の中でものごとを判断していただきたい、      

   ・そのような競争が行われる際には、銀行にとっては、長年培ってきた信用力という財産

     が競争力の源泉となる。今後、さらに信用力を維持・発展させることが銀行の使命である

     と考えている、                                                                  

    との発言があった。                                                              

                                                                                

                                                                                

                                                                              (以上)      

                                                                                

                                                                                

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    |    大蔵省  TEL 03-3581-4111(代)  銀行局  総務課金融市場室(内線5657)    |

    |                                    国際金融局  調査課(内線2887)          |

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    |    本議事概要は、暫定版であるため今後修正がありえます。                    |

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