電子マネー及び電子決済に関する懇談会第3回会合の模様(概要)


                                                                                

1.日  時    平成8年9月18日(水)10時00分〜12時15分                    

2.場  所    大蔵省第2特別会議室(合同庁舎4号館4階)                        

3.議  題    ・臨海副都心におけるリンテリジェントICカードシステム            

              ・仮想プリペイドカードシステムについて                            

              ・VISAインターナショナルの電子マネーの取り組みについて        

                                                                                

4.議事経緯                                                                    

    9月18日(水)、電子マネー及び電子決済に関する懇談会第3回会合が開催された。

  会合の模様はおおむね以下のとおり。                                              

                                                                                

  (1) まず、町田参考人(富士銀行マルチメディア業務部長)より「臨海副都心におけるイ

    ンテリジェントICカードシステム」と題して、既存の銀行キャッシュカードの多機能化

    サービスの一環として臨海副都心で実施されているICカードシステムの概要を中心に、

    本格的な電子マネーや電子決済の実用化に向けての、取引ルールの確立、プライバシー保

    護や犯罪防止対策、リモートバンキングを念頭に置いた制度的な整備等、環境整備の必要

    性について説明があった。                                                        

                                                                                

      また、委員からの質問に答えて、                                                

    ・実務上、システムのセキュリティ・レベルは利用者の利便性との関係で設定することに

      なるが、現在はあまり高度なものとしていない(取引履歴の集中管理を行っている反面、

      個々の取引に暗証番号を要求する仕組みにはしていない。)、                        

    ・利用者が増え、利用範囲が広がるようなより本格的な電子マネーにおいては、暗号技術

      や認証等の取引の安全性のために技術的に解決すべき課題がある、                    

      との説明があった。                                                              

                                                                                

        委員からは、概念としてはカードすら用いないシステムも可能だが、技術的な実現容易

      性を考えるとICカード型が採用されやすいのではないか、との意見があった。        

                                                                                

  (2) 次に、平野参考人((株)ユーカード常務取締役企画部長)、立原参考人(同社営業推

    進部エレクトロニックコーマス担当部長)より「仮想プリペイドカードシステムについて

    」と題して、従来からあるプリペイド・カードの仕組みをベースに開発された同システム

    について、パソコンによる実演を交えて説明があった。                              

                                                                                

      その中で、                                                                    

    ・ネットワーク型のプリペイド方式の決済システムは、少額の情報サービスへの支払いに

      適している、                                                                    

    ・クレジットカードとは利用額のターゲットの違いにより棲分けが可能ではないか、    

      との説明があった。                                                              

        委員からは、出版業界などでは、論文1つ単位のダウンロードといった出版物の将来像

      を考える上で、ネットワーク上の小口の支払い手段を求める声は大きいが、その場合、利

      用料金の設定が重要な問題となる、との発言があった。また、既存の銀行による為替業務

      との関係を明確にすべきとの意見があった。                                        

                                                                                

  (3) 続いて、近藤参考人(VISAインターナショナル日本総支配人代理)より「VIS

    Aインターナショナルの電子マネーの取り組みについて」と題して、VISAグループの

    電子マネーに対する取り組みについて、アトランタでの実験や、クレジットカード会社間

    での規格統一の動きを含めて説明があった。                                        

                                                                                

      その中では、アトランタの実験では、市内約2000箇所に機器の設置を行ったが、地下鉄

    やファーストフード店での利用を除くと、利用者からはこの程度の数では不十分ととらえ

    られ、利用者がどこでもすぐに使えるというインフラの整備なしには評判も芳しくなかっ

    た、との説明や、クレジットカード会社にとっては、あくまでクレジット業務が事業の中

    心であり、電子マネーは既存の加盟店網と機器インフラ、情報処理システムを兼用して扱

    えることが前提となる、また、少額支払いをターゲットとする電子マネーでは、クレジッ

    トカードの場合以上に加盟店店頭での情報処理のスピードが重要になる、等の説明があっ

    た。                                                                            

                                                                        (以上)

                                                                                

                                                                                

                                                                                

    次回(第4回)会合の日程については未定。                                        

                                                                                

                                                                                

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    |    大蔵省  TEL 03-3581-4111(代)  銀行局  総務課金融市場室(内線5657)    |

    |                                    国際金融局  調査課(内線2887)          |

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    |    本議事概要は、暫定版であるため今後修正がありえます。                    |

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