電子マネー及び電子決済に関する懇談会第5回会合の模様(概要)


                                                                                

1.日  時    平成8年11月8日(金)10時00分〜12時10分                    

2.場  所    大蔵省第1特別会議室(本庁舎3階北359)                        

3.議  題    ・検討課題(案)                                                  

4.議事経緯                                                                    

    11月8日(金)、電子マネー及び電子決済に関する懇談会第5回会合が開催された。

  会合の模様は概ね以下の通り。                                                    

                                                                                

  ○  事務局より、当懇談会における検討課題(案)についての説明があり、その後、各委

    員からこれに対する意見が述べられた。                                            

                                                                                

    各委員からの意見のうち、主なものは以下のとおり。                                

    (総論的な意見)                                                                

    ・電子マネーや電子決済は、現在、実証実験から普及に向けた発展の揺籃期にあり、規制

      により民間の技術革新を抑えることのないよう留意すべきである。                    

    ・将来、既存手段に代替するまでになった段階では中央統制が必要ではないか。        

    ・電子マネーによる国際的な取引が予想され、アメリカとヨーロッパの連携が進みつつあ

      る中で、日本独自の仕組みや規制は意味がないものとなる可能性がある。欧米との調和の

      視点が重要である。                                                              

    ・ネットワーク型のものは、小口のストアードバリュー型のものと比べて普及した場合の

      影響が格段に大きいという点に留意が必要。                                        

    ・電子マネーとは何かという基本的な問題を取り上げるべきではないか。貨幣論、金融論

      の立場から、従来の銀行業務との異同や関係について検討が必要である。              

                                                                                

    (電子化された決済手段について)                                                

    ・暗号技術を含め、安全性については絶対ということはないので、補償や保険の仕組みも

      検討すべきである。                                                              

    ・電子マネーの安全性確保は非常に重要であるが、絶対視するのではなく、利便性との関

      係や現金等既存のものとの比較において検討されるべきである。                      

    ・インターネットを利用するサービスについては、金融機関のコンピュータへの不正アク

      セスを防止するための十分な安全対策が必要である。                                

    ・電子マネーを利用するマネーロンダリングや脱税に対応すべく、取引履歴の追跡可能性

      の確保や暗号鍵の寄託(キーエスクロウ)の仕組みを検討すべきである。              

    ・プライバシーの問題は一般的な個人情報保護の一環と位置付けて議論する必要がある。

    ・電子マネーの発行者の経営破綻を考えると、発行者は金融機関か金融機関と同等の規制

      に服する者が望ましい。                                                          

    ・電子マネーについては、システムの安全性にとって技術の持つ意味が非常に大きい点に

      留意が必要。                                                                    

                                                                                

    (電子的な方法による決済について)                                              

    ・インターネット上では事故に対する責任の所在が曖昧になりやすい。また、ハッカーの

      侵入を許す危険も伴う。インターネットバンキングには慎重であるべき。              

    ・広く利用されるためには、メリット、デメリットの双方について、利用者に十分説明す

      る必要がある。                                                                  

    ・認証機関には社会的、技術的、経済的な信用力が必要とされる。準公的な機関が担うこ

      とも検討すべきである。                                                          

    ・消費者保護に関連して、個人の企業とでは情報の非対称性があるので、これに応じて規

      制のあり方も非対称となることもやむを得ない。                                    

                                                                                

    (電子的な資金取引の金融政策等に与える影響について)                            

    ・金融政策への影響については、当面、余り問題とならないのではないか。            

    ・電子マネーの発行にともなうシニョリッジの問題がある。                          

    ・ネットワーク型の外国通貨建て電子マネーが利用されるようになると為替管理面への影

      響が出てくることに留意。                                                        

                                                                                

                                                                             (以上)  

                                                                                

     次回(第6回)会合は12月5日を予定。                                          

                                                                                

    +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+

    |    大蔵省  TEL 03-3581-4111(代)  銀行局  総務課金融市場室(内線5657)    |

    |                                    国際金融局  調査課(内線2887)          |

    |                                                                            |

    |    本議事概要は、暫定版であるため今後修正がありえます。                    |

    +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+