未定稿


第6回金融審議会第一部会議事要旨

 

1.日時 : 平成11年4月23日(水) 10時00分〜12時00分

2.場所 :

大蔵省第3特別会議室

3.議題 :

○ 金融システム改革の進捗状況
○ 「金融商品」の範囲について
 (1) 金融サービス法の対象となる「金融商品」(池尾和人委員)
 (2) 「金融商品」の範囲について(事務局)
 (3) 自由討議

自由討議での主な意見


 投資性のある商品を購入するのが嫌だという人のためにある種の安全地帯として保護された商品を設けることは社会的に意味があるのではないか。


 従来日本では、株式市場は別として、金融契約=負債契約という形であった。負債契約が中心だとしても、約定内容の履行についての信用リスクを計るのは難しいため、それについての商品情報の獲得を支援するということはありうるのではないか。ましてや、複雑な商品については、商品情報の獲得、ガバナンスについて法が積極的に支援することが必要ではないか。


 金融関係者以外の多くの人達は他に仕事を持っており、その中で金融を煩わしいと思っている人達にも自己責任を強要すべきなのか。


 株式への投資家にガバナンスの権利があるとしても、形式的権利となってしまっていては駄目で、実質的権利の保障の仕組みを作ることが必要であり、また、市場によるエンフォースメントの制度がないと意味がないのではないか。


 金融に煩わされたくないというニーズがあるということは、ビジネスチャンスがあるということであるから、政府が安全地帯としての預金等のセーフティネットを用意するとしても、第一次的にはビジネスで応えていくべきであり、最初から国が出ていくべきではないのではないか。


 完全に安全な金融商品を作るなら公的セーフティネットが必要だが、そのセーフティネットをどう維持するかが難しく、多くの国では成功していない。安全地帯を設けることに伴って別の問題が生じていることがセーフティネットの問題ではないか。


 米国でも実質上は預金は保護されており、日本は理想形に走りすぎているのではないか。ペイオフの議論は、ハイリスク・ハイリターンに走ってしまう金融機関が出てしまうリスクをどう抑えるか、というものであるなら、それを金融検査官等によるチェックによって防ぐことができるのではないか。


 金融商品の要件について、複数の要件を同時に充たさなければならないとすると、金融の分野では要素分解の技術が進んでいるので、規制がかからないように個々の商品を同時に充たす商品を別々に作り、それを同時に買うということも可能であるので、金融商品の基本要素を一つでも充たしたら金融商品とするということが良いのではないか。


 郵便貯金のように政府が完全に代行しているものについても、金融サービス法の対象として開示義務、勧誘規制、受託者責任が課せられ、消費者によるコントロールが及ぶことになるのかどうか。


 国が保証する商品についても、金融サービス商品である以上金融サービス法の対象となるべきではないか。


 投資性のない保険商品は金融サービス法の適用除外とするべきという指摘があるが、保険商品の利用者への信頼、時代の流れ等を考えると、保険商品については一括して適用対象とし、個別の商品の特殊性に応じて具体的な中身のルールを変えていくというやり方が良いのではないか。また、共済についても金融サービス法の対象とするべきではないか。


 伝統的な保険商品は、集団投資スキームに含めるべきとの見方もあるが、投資性商品との明確な違いを見極めるべきではないか。ルールを考える際には、供給者側と消費者側の両方の視点が必要であり、保険の側面から考えたほうが分かり易い面もあるのではないか。


 金融サービス法的なものを作るなら、できるだけ広い商品に統一的にかかりうるルールにするべきではないか。特に統一的な売り方のルールについては、基本的に決められるのではないか。保険商品等特殊性があるものについては、保険法制の中で配慮するとするべきではないか。


 金融サービス法の対象は広ければ広いほどよく、入口では排除せずに、その先で特殊性を考慮すべきではないか。


 金融サービス法は、対象を広くすべきだと思うが、あまり広くすると「商品サービス法」となり、焦点がぼやけてしまうので、コアの観念が重要ではないか。

 

問い合わせ先
大蔵省金融企画局企画課  森田、安藤
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