未定稿


第9回金融審議会第一部会議事要旨

 

1.日時 : 平成11年6月11日(金)15時00分〜17時00分

2.場所 :

第4合同庁舎 共用第一特別会議室

3.議題 :

(1)

前回部会における議論の紹介等
(2) 「ルールの実効性の確保」、「ルールの形成・運用」、「業者の適格性等に関するルール」について

<自由討議での主な意見>


今後の検討においては、ホールセール・リーテイルWGのプロ・アマの区分と同様に、どこまでを金融商品の範囲として区切るのか、また各商品にどのルールを適用するべきか、といった具体的な線引きの問題が重要になるのではないか。


今後の金融取引は、インターネットを通じたElectronic Tradingや新聞広告等を用いたダイレクト取引といった非対面取引が主流になってくるのではないか。このような世界では、利用者の多くはプロ指向であると思われ、ホールセールとリーテイルを分けるコストは小さくなる。また、業者は利用者の属性が分からない。その際に必要となるルールの方を考えるべきではないか。


Electronic Tradingにおいては勧誘という概念は成り立たないことから、英米における広告と勧誘が融合したPromotionという概念を参考にしながら、広告・勧誘の概念について見直す必要があるのではないか。


Electronic Tradingにおける取引主体の区分けについても、業者による顧客の確認が困難なこと等を考えると、自己申告による方がよいのではないか。また、選択・転換ルールについても本人の意思を重視したメカニズムにするべきではないか。


我が国では対面型取引のルールも不明確であったため、まずはこのルールを明確にした上で、Electronic Tradingのルールを考えるべきではないか。


Electronic Tradingにおいて、確認画面で顧客がOKをクリックしても、それが我が国の民事法制上、顧客の意思表示として有効か否か疑義があるのではないか。これを明確化しなければ、業者は取引に躊躇してしまう。従って、この問題を我々の議論に照らして考えた場合には、どのような手続きを経れば業者は免責されるのか、明確化する必要があるということではないか。


Electronic Tradingに関するルールについては、今までの対面型取引に関するルールをベースとした上で、追加的なルールを考えていくのか、異なる取引類型として整理した上で別のルール体系を考えるのか。一般の電子商取引と同じルールを適用することは考えられないのか。


諸外国で問題となっているように、Electronic Tradingを悪用する場合の防止方法についても議論が必要ではないか。


Electronic Tradingの議論は、暗号や電子認証の議論等にもつながることから、今後の課題と位置付けた上で、本格的に議論を行っていくことが必要ではないか。


何が集団投資スキームか、といった点について、ビークルが運用する資金に自己資本が含まれているかどうかといった基準が考えられないか。


資金をデットで集めるスキームとエクイティで集めるスキームとを区分して議論する必要性はないのではないか。「資本」の概念が入った議論には、プルーデンスの維持といった観点が入り込み混乱している場合が多い。


集団投資スキームにおいて、海外で組成された金融商品に対するルールの適用についてはどう考えるか。


海外で組成された金融商品については、(1)minimum harmonization(各国間におけるルールの共通性の確保)と(2)mutual recognition((1)の要件を満たしたものに対する各国の共通認識の形成)が重要になるのではないか。


我が国におけるオンブズマン制度の導入については、必要性が叫ばれていても実際にはなかなか導入が図られていない。単に必要性を指摘するのではなく、こうした現状を踏まえて議論を行うべきではないか。


自主規制機関については、業者だけではなく消費者や行政も参加した合議制の機関として、簡易紛争処理だけでなく、各社のコンプライアンスに助言できるような幅広い機能を持ったものを考えられないか。


業者のみならず、消費者や行政も参加するような自主規制機関については、費用負担の問題等を考えると、実現は難しいのではないか。また、ルール形成を行いつつ、裁判外紛争処理制度の運営も担うといった権限を有することが果たして妥当であるのか。


金融システム改革により新規参入が促進される状況では、全ての業者が任意で自主規制機関に加入することは想定しにくくなるのではないか。


ルールの実効性の確保の問題は、そのルールが崩れると市場全体に影響が及ぶような場合と個別のケースにとどまる場合とに分けて考えるべきではないか。一方で、個別のトラブルへの対応が、商品開発の現場にフィードバックされるようなシステムも必要ではないか。


議論の前提としている投資者像は、現在の我が国における実際の投資者に本当に合致しているのか。最近の投資者の行動をみても、相場の変動等に対応した投資判断をキチンと行っているのではないか。

 

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