未定稿

第5回金融審議会第二部会議事要旨

 


日 時 :

平成11年5月7日(金)10時00分〜12時00分

場 所 :

大蔵省4階第3特別会議室

議 題 :

(1)

 金融システム改革の進捗状況等について
(2)  「個人信用情報保護・利用の在り方に関する合同作業部会」における審議状況の紹介
(3)  「保険相互会社の株式会社化ワーキング・グループ」における論点と審議状況の紹介
 

 

 最初に、倉澤部会長より開会の挨拶があった。



 その後、金融システム改革の進捗状況等について事務局より資料に沿って説明があった。


 次に、ワーキング・グループからの報告に移り、「個人信用情報保護・利用の在り方に関する合同作業部会」における審議状況について、座長から資料に沿って説明があり、その後討議が行われた。委員の意見は以下の通り


 個人信用情報については、半ば強制的に提供される個人情報を保護するという問題と、個別与信業者が独自に審査を行うコストを節約するために業界内で情報を共有するといった効率性という問題がある。効率性についても無視するわけにはいかないが、基本的には個人情報の保護をベースに考えるべきである。


 個人信用情報保護を法制化することとなれば、刑事法、行政法および民事法といった様々な法規制の手法をミックスすることとなろうが、罰則や行政的な規制は極力拡大しないこととし、民事的なところで広く規制をかけていくべきである。


 虚偽の情報提供によって与信を受けた場合には、破産手続上不利益に取り扱うことも考えられ、現在行われている倒産法の全面改正作業との整合性を図っていくべきである。


 次に、「保険相互会社の株式会社化ワーキング・グループ」について、まず事務局から資料に沿って基礎的事項に関する説明があり、引き続き座長より審議状況について紹介があり、その後討議が行われた。委員の意見は以下の通り。


 国際的には、保険契約者に対する「一律補償部分」を設けて株式会社化を行う手法 がスタンダードとなっているが(アメリカ、イギリス、オーストラリア)、「共益権に対する補償といった程度しか理論的説明ができず、正面から取り入るのは困難ではないか。


 株式会社化の過程において、分配財産が過少であるため、十分な経済的補償を受けられない社員が極めて多数にのぼる可能性を考慮すれば、それを回避する手段として「一律補償部分」を設ける手法は、非常に有用なのではないか。


 今一度、ここ十年来の議論を振り返りつつ、「何故保険相互会社の株式会社化について議論する必要があるのか」について整理すべきなのではないか。


 社員に対する株式割当を行う過程で発生する端株・端株未満部分の処理については端株制度創設時には想定されていなかったケースであるとことに加え、有限会社の株式会社化とは比較にならない大規模な作業であることから、弾力的な扱いを行うのも合理的ではないか。ただ特例的処置を取り入れ過ぎることは避け、出来るだけ現行法制、とりわけ商法との整合性を保つ方向で議論すべきである。


 株式会社化の過程での株主の分散化に関しては、単に株主総会の運営の効率化という観点からだけではなく、商法の背景にある公正性や株主の権利の保護といったコーポレートガバナンス上の観点も踏まえた上で、慎重に検討を行うべきではないか。


 保険相互会社の株式会社化により新たに生まれる株式会社の社員に対して端株を割り当てるということは、商法上の端株制度とは発想を異にするものであり、理論的にも特例的処置を考えていく必要があるのではないか。


 最後に、自由討議が行われ、委員からは以下のような意見が出た。


 ペイオフを当初の予定通り単純に実施することも、単純に延期することも困難と考えられるが、今後、当審議会でも検討を急ぐべきではないか。


 現行法制や政府の方針によれば、ペイオフの実施は既定路線となっており、それを変更するのは困難である。ただ、ペイオフは破綻の際の原則ではなく、あくまでも選択肢の一つとしての制度である。
 
  問い合わせ先
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