4.議事内容
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- 始めに、事務局から「公開前規制の見直し」について、資料に基づき報告があった。
- 続いて、「預金保険制度に関するワーキンググループ」での議論について、同ワーキンググループの座長を務める神田秀樹[かんだ ひでき]委員及び事務局より報告が行われるとともに、質疑が行われた。
- 最後に、「個人信用情報保護・利用の在り方に関する作業部会」での議論について、同作業部会の座長を務める堀部政男[ほりべ まさお]中央大学教授より報告が行われるとともに、質疑が行われた。
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<一般質疑での主な意見>
1.預金保険制度について
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- 預金保険制度のあり方とは、それ単独で論じるべきものではなく、早期是正措置等を含めた銀行監督制度全体のあり方と合わせて論じるべきものではないか。預金保険制度を銀行規制システムの軸とするのか、それとも補完的制度として位置付けるのかによって、預金保険制度のあり方自体が大きく変化するのではないか。
- 今後の預金保険制度を考えるに当たっては、ペイオフコストを最小化することを基本的な視座とすべきではないか。
- 「ペイオフ」という言葉が、「破綻処理手法の一つとしての保険金支払」という本来的な意味ではなく、「預金の1,000万円を超える部分についても保護するという特例措置の廃止」という意味で用いられていることが、預金保険制度を巡る議論を混乱させる要因の一つとなっているのではないか。
- 日本の銀行は国際的にみると規模が大きく、預金口座数が非常に多いことや、参入規制が厳格に運用されていることに鑑みると、破綻処理手法としての保険金支払は、現実的な選択肢ではないのではないか。その際、より現実的な破綻処理手法としては、P&Aが有力候補なのではないか。
- 破綻処理手法として保険金支払方式を多用すべきでないことは同感であるが、ペイオフコストを超える処理コストを要する破綻は発生し得るのであるから、処理引き伸ばしのリスクを避けるために、使い勝手のよい破綻処理の仕組みを整備するとともに、それを国民に周知しておくことが必要なのではないか。
- ペイオフコストを超える資金援助を行わないと宣言するに当たり、迅速な名寄せの実施にコンピュータ対応出来るのか等の点について、検討が必要ではないか。
- P&Aにせよ、保険金支払にせよ、破綻処理手法について検討する際には、早期処理と迅速性の確保という観点が極めて重要なポイントなのではないか。
- システミック・リスクを回避するための例外的措置についても、制度整備が必要ではないか。また、その際には、アカウンタビリティが十分に確保されるような制度とすることが重要ではないか。
- 日米の預金保険制度のあり方を比較する際には、資金の借り手に対するコミットの程度等、日米の銀行制度の相違という観点も必要なのではないか。
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2.個人信用情報保護・利用の在り方について
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- 個人信用情報については、一般の個人情報と比較して、重要かつ秘匿性が高いものであるとともに、その「保護」だけでなく「利用」に関しても検討すべきであるという特質があるので、一般の個人情報保護とは別個の制度を考えていくこともできるのではないか。
- 個人信用情報については、その「保護」だけでなく、多重債務者の抑止等の観点から、保護の範囲内での「利用」について検討すべきであり、「保護」と「利用」とを全体として総合的にとらえることが求められるのではないか。
- 個人信用情報の利用についての法的な措置をとるとした場合、蓄積情報の精度や情報の蓄積方法の異なる信用情報機関相互の情報交流について、法令でどこまで義務付けることができるかが論点の一つになるのではないか。
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