金融審議会第1回総会議事録

 日時:平成10年8月6日(木)14時00分〜16時10分
 場所:合同庁舎第四号館(4階)共用第一特別会議室

○津曲調査室長 では、ただいまから、第1回金融審議会総会を開催させていただきたいと思います。
本日は、皆様、御多忙のところ御参集くださいまして、ありがとうございます。また、金融審議会委員への御就任をお引き受けくださいましたことにつきまして、重ねて御礼申し上げます。
本日は、第1回目の会合でございまして、会長及び会長代理が決まっておりませんので、それをお決めいただくまでの間、当審議会の事務局が金融企画局の企画課となっておりますので、本日は私、企画課調査室長の津曲と申しますが、議事の進行役を務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
ここで、事務局の伏屋金融企画局長より御挨拶申し上げます。
○伏屋企画局長 皆様方におかれましては、この金融審議会の発足に際しまして、委員への御就任を御多忙の中とは存じますが、快くお引き受けいただきまして、まずもって厚く御礼申し上げます。
さて、皆様御案内のとおり、去る6月22日に、これからは明確なルールに基づく、透明で公正な金融監督の担い手としての金融監督庁の発足とともに、私どもの方の大蔵省におきましても、従来の証券局、銀行局が廃止されまして、金融に関する企画・立案等の担い手として金融企画局が設置されました。これに伴いまして、これまでの証券取引審議会、金融制度調査会及び保険審議会も、それぞれ40年近きにわたる歴史に幕を閉じまして、本日のこの金融審議会に統合されることとなりました。
 このような行政の組織の変更に加えまして、金融システム改革の進展等により、金融市場や行政のあり方の枠組み自体が今や大きく変わろうとしております。
また、近年の一連の金融制度改革や、デリバティブをはじめとした金融技術の発展によりまして、従来の金融の業態間の垣根も低くなってきておるわけでございます。さらに、情報・通信や金融の技術は日進月歩で発展しており、また、金融のグローバル化が一層進展する中で、当局といたしましても、市場の改善に向けて、引き続き不断の努力をしていく必要があると考えております。
このような背景の下で、当金融審議会におかれましては、我が国金融市場を内外の利用者にとって、魅力的で活力ある国際的な市場とすべく、我が国金融のあり方につきまして、証券・銀行・保険と、金融全体にわたり幅広く御審議を賜ればと考えております。
今後、よろしく御指導のほどをお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私の御挨拶とさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 続きまして、当審議会の設置につきまして、私から委員の皆様に御説明申し上げます。
 お手元の総会の資料、1−3「金融審議会資料」と少し厚い資料がございますが、ここの1ページを御覧いただきたいと思います。
 この金融審議会は、金融行政組織の改変、監督・検査を金融監督庁に、企画を担当するとして銀行局、証券局企画部門を金融企画局に統合したということに伴いまして、従来、金融制度調査会設置法による金融制度調査会、それから、証券取引法に基づきます証券取引審議会、国家行政組織法に基づく大蔵省組織令で設けた保険審議会という三つの審議会が発展的に統合されまして、今般、この金融審議会というものが、やはり国家行政組織法と大蔵省組織令で設けられたというものでございます。
 その所掌は、この資料の2ページを御覧いただきますと、大蔵大臣の諮問に応じて、金融制度及び証券取引制度の改善に関する事項その他金融制度等に関する重要事項について調査審議し、及びこれらに関し、必要に応じ大蔵大臣に対して意見を述べるということでございます。
 また、その組織や構成につきましては、横に書いてございますが、金融審議会令に書いてございまして、その第2条では、委員は20人以内と。それから、特別の事項を調査審議するためには臨時委員を置くことができる。それから、専門の事項を調査させる場合には、専門委員を置くことができるということになっております。
 また、その次の会長は、互選ということになっております。
 それから、委員の任期は、2年ということで、再任は可能であるということになっております。
 それと、これの第5条では、部会も当審議会の下に置くことができるということになっております。
 なお、この所掌の中で、「保険」という言葉が入っておりませんが、これは「金融制度」という言葉で含まれているというふうになっております。
 以上がこの金融審議会の御説明ということでございます。
 続きまして、次に、当審議会の委員の皆様を、伏屋局長より御紹介させていただきたいと思います。
 なお、全体の名簿につきましてはお手元にお配りしてございますので、御覧くださいませ。
○伏屋企画局長 それでは、本日御出席いただいております委員の皆様を私から御紹介申し上げます。
 向こうの方から、石 弘光委員でいらっしゃいます。
 それから、井上定彦委員でいらっしゃいます。
 それから、江頭憲治郎委員でございます。
 それから、翁 百合委員でございます。
 それから、貝塚啓明委員でいらっしゃいます。
 それから、片田哲也委員でいらっしゃいます。
 神田秀樹委員でいらっしゃいます。
 倉澤康一郎委員でいらっしゃいます。
 それから、杉田亮毅委員でございます。
 それから、高橋伸子委員でいらっしゃいます。
 それから、田島優子委員でいらっしゃいます。
 それから、原 早苗委員でいらっしゃいます。
 それから、吉野直行委員でいらっしゃいます。
 それから、蝋山昌一委員でいらっしゃいます。
 なお、大塚宗春委員、田中直毅委員、福間年勝委員、堀内昭義委員は、本日、御都合により御欠席されております。
 以上でございます。どうぞ皆様方よろしくお願い申し上げます。
 続きまして、当審議会の私ども事務局のメンバーを御紹介申し上げたいと思います。
 皆様の方から向かいましてこの会長席の左の方で、まず、この金融企画局の三國谷企画課長でございます。
○三國谷企画課長 三國谷でございます。よろしくお願い申し上げます。
○伏屋企画局長 それから、今まで司会をやっております津曲企画課調査室長でございます。
○津曲調査室長 よろしくお願いいたします。
○伏屋企画局長 今ちょっと所用で席を外しておりますが、山本官房審議官が席を外しておりまして、その次が金井関東財務局東京証券取引所監理官でございます。
○金井監理官 金井でございます。よろしくお願いいたします。
○伏屋企画局長 それから、柏木総務課長でございます。
○柏木総務課長 柏木です。よろしくお願いします。
○伏屋企画局長 それから、玉川大臣官房企画官でございます。
○玉川企画官 玉川でございます。よろしくお願いいたします。
○伏屋企画局長 次に、皆様方から向かってこちら側でございますが、窪野大臣官房参事官でございます。
○窪野参事官 窪野でございます。よろしくお願いいたします。
○伏屋企画局長 それから、楠市場課長でございます。
○楠市場課長 楠でございます。
○伏屋企画局長 それから、2人ちょっと今所用ですが、八田大臣官房企画官でございます。債権等流動化室長を兼務しております。
○八田企画官 八田です。よろしくお願いします。
○伏屋企画局長 なお、今申し上げました山本官房審議官、内藤大臣官房参事官、山崎大臣官房参事官、木下信用課信用機構室長、西村市場課投資サービス室長は、今、仕事の都合によって、この会は欠席させていただいております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○津曲調査室長 それでは、ここで当審議会の会長の選任をお願いしたいと思います。
 会長は、金融審議会令第3条の規定によりまして、委員の互選によることとされておりますので、どなたか会長の御推薦をお願いしたいと思います。
○吉野委員 貝塚先生に会長をお願いしたらいかがでございましょうか。
○津曲調査室長 ただいま吉野委員から御提案がございましたが、皆様の御意見はよろしゅうございますでしょうか。
            〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○津曲調査室長 ありがとうございます。それでは、御異存がございませんようですので、貝塚委員の御承諾を待って、会長就任をお願いしたいと思いますが、貝塚委員、いかがでしょうか。
○貝塚委員 ただいまの吉野委員の御発言、それから、委員の皆様の御推挙によりまして会長ということでございますので、謹んでお引き受けいたしたいと思います。
○津曲調査室長 どうもありがとうございました。
 それでは、貝塚会長、会長席の方にお移りをお願いいたします。
            〔貝塚会長、会長席に着席〕
○津曲調査室長 それでは、貝塚会長より御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○貝塚会長 一言御挨拶申し上げます。
 現在の我が国の金融は、社会の高齢化及び経済のストック化、そして、情報・通信技術の高度化などの進展によりまして、激しい環境変化の波に直面しております。
 また、最近の日本経済はバブル経済の負の遺産と言うべき不良債権問題や金融システム不安に直面しておりまして、信頼できる金融システムの構築が国民経済上喫緊の課題となっております。
 こうした中で、21世紀に向かって、在り得べき金融の将来像について広く議論を行い、その成果を積極的に世に問うていく組織である金融審議会の会長職をお引き受けいたしまして、その責任の重大さを痛感しております。
 これまで我が国の金融制度改善のためには、金融制度調査会、証券取引審議会、そして保険審議会の歴代会長同様、私も、こういう審議会は今まで非常に多くの成果を上げられてきたわけですが、私も我が国の金融システムを魅力あるものにするために、非力ではございますが、全力を尽くしてまいる所存でございます。
 何とぞ委員の皆様の御協力を仰ぎながら、円滑な運営に努めてまいりたいと思います。何分にもどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、手続に従いまして、金融審議会の会長代理を指名させていただきます。
 金融審議会令第3条によりますと、会長代理は会長から指名させていただくこととなっておるようでございますので、証券取引審議会や金融制度調査会の金融活性化委員会等で長年の間御活躍いただきました蝋山委員を会長代理に指名させていただきたいと存じます。
○蝋山委員 お引き受けいたします。どうぞよろしくお願いします。
○貝塚会長 それでは、大蔵大臣から御挨拶及び当審議会への諮問をいただくことになっておりますので、しばらくお待ちください。
               〔大蔵大臣着席〕
○貝塚会長 それでは、大蔵大臣がお見えになりましたので、大臣より御挨拶及び当審議会への諮問をいただきたいと思います。
○宮澤大蔵大臣 先般、大蔵大臣に任命されました宮澤喜一でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 本日、金融審議会の第1回総会の開催にあたりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 21世紀の高齢化社会におきまして、我が国経済が活力を保っていくためには、我が国の社会経済システムを構造的に変革することが必要であります。このため、政府として、金融システム改革の実現につき、全力を挙げて取り組んできたところでありますが、去る6月には改革を本格的に進めるための金融システム改革法が成立いたしました。
 金融システム改革の進展により、国民の有利な資産運用と円滑な資金調達が達成されることが期待されます。同時に、金融システムの改革の流れの中で、行政のあり方や規制の枠組みとしても、今後は市場規律と自己責任原則を軸として、事前調整型から事後チェック型の行政へと転換していくこととなります。
 こうした転換を背景に、6月22日には金融監督庁が発足するとともに、大蔵省におきましても証券局と銀行局が廃止され、金融企画局を設立するという機構改革が実施されました。大蔵省といたしましては、金融監督庁とも協力しつつ、金融システム改革の円滑な実施に向け、引き続き全力で取り組んでまいる考えであります。
さらに、我が国経済を再活性化し、また、この金融システム改革を成功させるためには、金融機関の不良債権の抜本的な処理を促し、経済の血液である金融が本来の機能を早急に回復することが求められております。
このため、先般、我が国金融を再生させるための総合的な施策を提示する金融再生トータルプランが取りまとめられました。この金融再生トータルプランに盛り込まれました諸施策を一体的に実施するため、大蔵省が準備していた金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律及び預金保険法の一部を改正する法律案を含む6本の関連法案が昨日国会に提出されたところであります。
 このように我が国金融を取り巻く環境は大きく動いております。さらには、経済・金融のグローバル化が進み、また、情報・通信や金融の技術が発展する中で、21世紀を見据え、金融システムの安定性や利用者の適切な保護に万全を期しつつ、利用者にとって安心で活力ある金融システムを構築するためにはどうしたらよいか、行政としても真摯に検討し、不断の努力を続けていく必要があると考えております。
 こうした金融システムの構築に向けた検討にあたりまして、この分野について高い見識を有しておられます金融審議会の委員の皆様のお力をお借りしたいと考えておるわけであります。
 以上、申し上げましたような点を踏まえて、金融審議会に対する以下のような諮問を申し上げたいと思います。
 21世紀を見据え、安心で活力ある金融システムの構築に向けて、金融制度及び証券取引制度の改善に関する事項について、御審議を求める。
 以上でございます。どうぞ格段の御協力をお願い申し上げます。
 それでは、会長に私から諮問文を差し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。
               〔諮問文手交〕
               〔大蔵大臣退席〕
○貝塚会長 それでは、ここで、金融審議会令第7条に基づきまして、金融審議会議事規則及び当審議会における議事録の扱い等につきまして定めたいと思いますが、それに先立ちまして、事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。
 どうぞ。
○津曲調査室長 では、当審議会の議事規則の(案)、お手元にお配りしてございます総会資料の1−1でございます。読み上げさせていただきます。
(会議の招集)
第1条 会議は会長が招集する。
(議長)
第2条 会長は、会議の議長となり、議事を整理する。
2 会長に事故がある場合には、あらかじめ会長の指名する委員が、議長の職務を代理する。
(議決)
第3条 議事を決する場合には、出席した委員及び臨時委員の過半数によることを要する。
2 可否同数のときは、議長の決するところによる。
(意見の聴取)
第4条 議長は、必要に応じ、学識経験者、関係行政機関の職員その他適当と認める者の出席を求め、その意見を聞くことができる。
(議事録の作成)
第5条 会議の議事録は、会議の都度作成するものとする。
(その他)
第6条 この議事規則に定めるもののほか、議事手続その他会議の運営に必要な事項は、会長が定める。
 これが議事規則の(案)でございます。
 それと、総会資料の1−2を御覧いただきたいと思いますが、これは御提案でございますが、「金融審議会の運営の透明性の確保について」ということでございますが、まず、議事の公開でございます。
 議事録の扱いでございますが、これまで議事録は、証取審、金融制度調査会、保険審、いずれも非公開とし、議事要旨のみ公開してきておりますが、審議会の透明化、見直しなどについての閣議決定とか、行政改革会議の最終報告などにおきまして、議事録は原則公開すべきであるということにもなっておりますので、金融審議会につきましても、公表することとし、ただ、その公表の時期は、一定期間経過後、例えば一定の報告がまとまる、もしくは審議に一定の区切りがついたというようなところで公表することとしてはいかがでしょうかというように考えております。
 なお、議事要旨は、時を置かず出すということでどうでしょうか。
 それと、この会議自体でございますが、もし議事録が公表されるということでございますとすると、そういうことがある。それから、自由闊達な議論を行う雰囲気を損なうおそれもあるかもしれない。それから、審議中、機微に触れる話が出てくるかもしれないということもございまして、会議そのものの公開は見送ってはいかがであろうかというふうな案を考えております。
 それと、この○の二つ目でございますが、意見の受付けでございます。
 これは、当審議会から報告、答申をいただく場合に、その草案を国民にまず公表して、それを国民から意見を求めて、審議会の参考として、それを踏まえて、もう一回審議をしていただいて、それから報告もしくは答申という形に持っていったらどうだろうかというふうに考えております。
 こちらの御説明は、以上でございます。
○貝塚会長 ただいまの金融審議会議事規則と、それから、金融審議会の運営の透明性につきまして事務局から御説明いただいたわけですが、後者の運営の透明性につきましては、一定期間後、公表するということでありまして、会議そのものは非公開にしたいということで、従来と違いますのは、従来は非公開、最終的に公表されていないということでありますが、そういうふうに事務局の方の御提案があったのですが、ただいまの点につきまして、委員の皆さん、何か御意見ございませんでしょうか。
 杉田委員。
○杉田委員 ちょっと質問なんですが、私自身は今おっしゃったことについてほとんど異議はないんですけど、ただ、一定期間というのがどのくらいかなと。例えば、この答申がいつ頃を目指しておられるのかよくわからないんだけど、答申が出ると、これは任期は一応2年でしょう。2年後というのはちょっと遅過ぎると思うんですよね。例えばですよ。ですから、区切りというのがどんな感じで区切るかだと思うんですけど、やっぱり2年ぐらいたってから公表するのでは、ちょっと透明性という点でやっぱり問題があるんじゃないかという気がしますから、どうですか、半年に1回ぐらい、会長の御判断で。それは1カ月、2カ月ずれてもいいと思うけど、年を越えて遠くなるというのは、透明性という点からいかがなと。そこだけですね。
○貝塚会長 ほかに御意見ございませんでしょうか。
 石委員。
○石委員 技術的な話ですけど、方々の審議会で今公開し出しましたよね。そのときに、発言者の名前を書くのか、書かないのかとか、あるいはそうなるとチェックさせるのかさせないのかとか、いろんなテクニカルな話があるんですよ。それどうお考えですか。
○津曲調査室長 私どもの案では、公開される議事録につきましては、〇〇委員がしかじかこれこれ意見を発表されたという形で委員の名前とその内容。それから、もちろん正確を期すために、その前に委員の先生には御覧いただくということを考えております。
○貝塚会長 ほかに何か御発言ございませんか。
 井上委員、どうぞ。
○井上委員 先ほどの最初の委員の御発言に賛成したいと思います。やはりこの金融審議会の議論というのは国民的にも大変注目されておりますし、確かにいろんなタイムの問題あるかもしれませんが、半年に1回ぐらいはというような御提起もありましたけれども、できる限りやはり公開するということを基本にする必要があるというふうに思います。
 また、会議そのものは公開しないということについても、無理からぬ面もあるわけですけれども、これも一体全て公開しないということでいくのか。例えば税制調査会ですと、時々公開した議論することもございます。総合的に少し工夫をしていただけるとありがたいなと思います。
○貝塚会長 杉田委員あるいは井上委員の御発言の趣旨は、もう少し幾らか頻度を高めて議事録の公開をしたらどうかという御発言です。
 どうぞ、蝋山委員。
○蝋山委員 何カ月というふうにカレンダーで公開するということに関して、私は必ずしも賛成しません。やはり議論には節目節目というものがあるわけであって、今日御諮問いただいた課題というのは非常に抽象的で茫漠としていて、どういう議論が今後展開されるか。恐らく今日議論されるかどうか知りませんけれども、場合によっては、非常に早急に我々の意見がまとまるというケースも考えられるでしょうし、延々とやってもなかなかという場合もあるでしょう。やはりそれは会長が御判断になって、節目節目に適宜公開をするという抽象的なルールの方が私はいいと思います。半年とか3カ月とかというふうにカレンダーで決めてしまいますと、その公開のために議論をするなんていうことになるかもしれない。それでは非常にまずいと思います。
 それから、もう一つは、議事録についてですが、私は委員はチェックすべきでないというふうに思います。公開することを前提に、今日おいでの方はそういうことはないとは思いますが、やはりチェックをしますと、場合によっては、よく座談会なんかであるわけですけれども、会議の席上でしゃべったことと随分ぼやかし直してされる。それの方がいろいろな点で、後から考えてみると、やっぱりそれはちょっとまずいと思うので、私は基本的に、ケアレスミステークはあると思うので、それは事務局がきちんとチェックしていただければいいわけであって、そうでない限りは、私はそのまま委員がチェックせずに出すべきだ。逆に言えば、我々はここで発言するときには、それだけの重みがあるということを肝に銘じておかなければならないんじゃないかと私個人は考えます。
 それから、技術的なことかもしれませんけれども、まず、議事録の、今まで私どものやりました証取審もそうですけれども、インターネットを使っております。議事録の公開をインターネットでされますかどうか。それは随分違うというふうに思います。
 それから、恐らくいろんな形で、総会はいいと思うんですけれども、様々な部会とか、あるいは小委員会とか、そういうもの全部についてカバーするルールなのか、それともそうでないのかという点もちょっとお考えを御説明いただきたく思います。
 それから、いろいろ言って申し訳ありませんが、意見の受付けについても、ぜひチャネルをフィックスしていただきたい。例えばファックスの番号、それから電話の番号、そして、インターネットのEメールのアドレス、そういうような意見を受け付ける場合の回路をフィックスした方がいいのではないかというふうに考えます。
 3番目は、今までの審議会は、それぞれ陪席される方がおられました。陪席についてのお考えはどういうふうなんでしょうか。もちろんこの金融審議会は、これまでと違いまして、委員の名簿を御覧になるように、いわゆる業界の方は入っておられない。あるいは密接に関係すると思われる日本銀行の方も入っておられない。そういう方々に対して非常に直接の利害が伴うことでありまして、我々がどういう議論をしているかということは、議事録の公開をすればわかるのかどうか。その辺は我々の判断だろうとは思いますけれども、どんなふうにいわゆる陪席というもののルールをお定めになるのか。この点もお聞きしたいというふうに思います。
 以上です。
○貝塚会長 ただいま蝋山委員から幾つかの点を言われたんですが、最初に議事録の公開についてですが、私の意見としては、事務局の案よりは頻度を高めて、そして、しかるべき節目に、要するにある一定の中間報告あるいはそういうものがまとまった、その後がやや微妙なところありますけれども、一応まとまったところで公開できればありがたいというふうに思いますが、いかがなんでしょうか。やはり機械的にルールを置くよりは、そういうふうにさせていただいてよろしゅうございますか。
 それから、あとは、公開の範囲というのは細かい点になりますが、個別の委員会というのはどうなんでしょうか。とりあえず事務局としてはどういうふうに考えておられますか。総会プラス、あるいは非常に大きな会合、ちょっとその辺のところ私よくわかりませんが。
○津曲調査室長 部会は正式に設置されるものだと思いますので、部会も公表だろうと思います。もちろんその部会とか、部会以外のいろんな検討会とかあり得ると思いますが、それは必ずしもすぐそのまま公表ということでは私どもまだ考えておりません。ただ、そこはまた委員の先生方の御意見はその場であるかもしれないとは思います。
○貝塚会長 それから、非常に細かい点で恐縮ですが、議事録について発言者のチェックを求めるかということで、私の案は、事務局で全部もちろんとられるわけですね。要するに、文章が発言のところで極めて機械的なミスがあれば、その点は事務局の方が、これは非常にインフォーマルで、ここはこういうふうになっていますが、こういうふうに変えますという、極めて事務的な訂正で、あとはそのままというのはいかがですか。
 ほかに何かもし御意見あれば。
 どうぞ。
○石委員 ルールが一つあって、やっぱり話言葉でわあわあやって、そのまま速記してもらっても読めないんですよね。要するに文章として。議事録というのは、皆リーダーブルに読んでもらわなきゃいけないわけですよ、読みたい人がね。そこで当然のこと、内容まで変えてはまずいと思いますが、さはさりながら、てにをは間違っているものもあるし、1回自分の趣旨を明確に伝えるという趣旨から、必要最小限度直すというのは、特に税調なんかはそういう形で、てにをはを中心に直せと。だから、てにをはまで任せてもいいんいすよ、事務局に。ただ、微妙なところもありますからね、僕は、そこは紳士的ルールで、そんなやたらに変えちゃまずいですよ。まずいけれども、趣旨を歪曲しない程度に、若干リーダーブルという視点から、少し手を入れるぐらいの方が、議事録としては。とりあえず送ってこられると、わけのわからないところが随分あるんですよ。僕もかつていろんなところで見せてもらうと。そこまでしっかり責任を持ってやってくれるなら、僕は蝋山さんが言ったとおりでいいと思いますけど、ただ、そうならないですね、必ずしも。だから、その辺は難しい。グレーゾーンもあると思いますけど、とりあえず若干のそういったてにをは中心の直しというのはやむを得ないんじゃですか。
○貝塚会長 原委員、どうぞ。
○原委員 私もいろんな委員会に出ておりますけれども、例えば、資源エネルギー調査会の原子力部会なんかは、どういう発言をしたかというのが非常に注目をされていまして、一応その議事録公開にはなっているんですけれども、必ず事前にチェックをしてほしいということが来ます。だから、その発言の趣旨は、もちろん全員の中で聞いていますので、変えるわけにはいかないんですけれども、やっぱり主語を入れた方がわかりやすくなるとか、発言をしているとき主語を落としてしゃべったりしているようなのがあるんですけれども、そういう話言葉で話しただけではなくて、文章にしたときに、わかりやすい表現というんでしょうか、それは最低限必要ではないかなというふうな感じがいたします。
 今おっしゃられたように話が少し、その場ではきちんとした厳しいやりとりだったのが、ちょっとぼかされたりとかという、そういう話ではなくて、本当に基本的なわかりやすさというところでのチェックは必要ではないかなという気がいたします。
○貝塚会長 何かほかに御発言ございませんか。
 江頭委員。
○江頭委員 議事録の書き方ですけれども、税調は私は知りませんけれども、金融関係の審議会の議事録を拝見しておりますと、大体読めるんですね。かなり手が入っているのかなと思いますけれども、私がむちゃくちゃにしゃべったんじゃないかと思われるのも一応読めるようになっておりますので、今までのを前提にしますと、チェックしないでいいんじゃないかなという感じを私は持っております。
○貝塚会長 一応御意見よろしゅうございますか。
 私、一応次のようにさせていただいたらどうかと思います。大体そのまま議事録とって、あと、事務局の方で幾らか最小限の編集をして、それで、何かどうしても気になるところで、もし必要あれば、発言者の人にチェックをお願いする。基本的にそういうやり方でいかがですか。
            〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○貝塚会長 では、そういうふうにさせていただきます。
 これで手続を終わりまして、よろしいですね。
 インターネットはどうされます?
○三國谷企画課長 これまで、例えば証取審の例なんかでございますと、議事録、そのときに作るものはタイムリーにインターネットで流しておりますが、議事録そのものを今回初めてのケースでございますので流したことはないという形になっております。ここのところは、インターネットで流すかどうか、これはスペース等の問題もございますので、もう少し状況を見ながら考えさせていただく。あるいは議事録ということで相当のニーズには対応できるかと思いますし、議事録そのものをニーズがある場合には、また直接いろんな形で配布するということも考えられますので、その辺は、とりあえず要旨だけはインターネットで流すというような形で取り進めさせていただければと思います。
 それから、もう一点、陪席の問題を御指摘いただきましたのですが、委員の皆様の御意見をお伺いするようなお話かなという感じもするんです。
○貝塚会長 どうも失礼しました。
 この審議会は、先ほど蝋山委員おっしゃいましたように、いわゆる金融界の方は委員に入っておられないわけです。そういう点がありまして、陪席という場合に、その辺のところが非常にある意味で微妙な話になると思いますが、その点について皆さんの率直な御意見を伺った方がいいと思いますが、どうぞ、その点について。
○三國谷企画課長 その陪席という場合に、議論を一言だけまず整理させていただきたいと思いますのは、委員の皆様方が随行として一緒においでいただく方の陪席の問題と、それ以外の陪席の問題と二つに分けました場合に、前者は前者でどうするか、後者は後者でそういたしますと一体どこで線引きするのかと。そうすると、例えば、いわば業界だけだったらオーケーだけれども、そこはどうするのかと。そのようないろんな外延の問題がございまして、そうすると、公開の問題にも立ち至るといった問題があろうかと思います。
 いずれにしても、この問題を2点に整理して御議論いただくことが必要ではなかろうかなと事務局としては考える次第でございます。
○貝塚会長 石委員。
○石委員 審議会というのはインフォーマルな格好でいつも陪席の人がいるケースが多いんですよね、これまで。今回はもう議事録公開して、オープンなルートから情報を流そうというルールを今作ったわけですよね。その陪席のルールというのは非常にインフォーマルで不透明なんですよ。流れ方が、また歪な形である領域に流れているということは多々あるんですね、私のこれまでの経験上。
 今おっしゃった二通り分けるのも難しいですよね。どこまでが随行で、どこまでがその他関係者として参加させるかと。僕は個人的な意見ですが、そういうふうに新しい情報公開を決めたんだから、陪席のルートから情報を流すのはよくないと思いますね。
○貝塚会長 どうぞ。ちょっと追加。
○三國谷企画課長 1点だけ補足させていただきますと、日本銀行と金融監督庁につきましては、後ほどまた会長からなり御紹介させていただきたいと思いますが、次回以降、この両者はオブザーバーとして御参加いただくと。当然議決権はございませんが、それぞれ全体の金融行政に大きな役割を演ずる者として、そういう形で御参加いただくことを考えていることを申し添えたいと思います。
○貝塚会長 オブザーバーというのは、ある意味で正確に考えると非常に複雑になるんですが、何か御意見ございませんでしょうか。
 杉田委員。
○杉田委員 なるべくたくさん意見を聞かれた方がいいと思いますが、私も今の石先生の意見に基本的に賛成ですね。やっぱり業界の方が後ろで聞いておられて、事前に方向性をある程度察知されるというのは、どうかな。やっぱりフェアなのかなという感じがちょっとありますよね。
 それから、また、どうもあの委員は、うちの業界にとってまずい意見言っているとなると、そこに対するやっぱり攻めがなかなか大変だろうと思いますよ。だから、そういうことも考えますと、そういう点で、ディスクローズというのは結構大事なことで、やっぱり会長の御判断で、例えば結論が出てないまでも、途中段階で延々と1年ぐらいいく場合もあるわけでしょうから、問題によっては。そうすると、その結論は出てないけれども、この段階でちょっと途中の公表しておこうと、これは僕は会長にお任せしたいと思いますけど。そういうことでディスクローズして、関係者がそこをちゃんと見ておくということがとっても大事なことなんで、私は業界の利害関係者の陪席というのは基本的に反対ですね。
○貝塚会長 ほかにこの点について何か御意見。
 片田委員、お願いします。
○片田委員 おっしゃるように業界の方の陪席というのはない方がいいと思います。ただ、三國谷課長が言われたように、私は、実は後ろに我が社の財務部長が来ておるんです。これは随行者なんですね。これもこだわりませんけれども、やはりこの金融関係の問題というのは、私自身は特別の専門家でもありませんし、皆さんの御議論を消化して、自分なりに意見をまとめて、ディスカッションするために専門家を随行させておるんでして、そういうことまで規制されるのかどうか。別に規制されるとまずいとは申しませんけれども、先ほどからの御議論と全然別の問題なんですよね。いかがでございましょうか。
○貝塚会長 私のこの件についての考え方は、もともと今度の金融審議会というのは、委員の方に業界の方は入っておられないんです。それ自身はかなり重要なことなんですね。今までいろんな行きがかりがありまして、いろんなことあったんですが、やはり現在の金融行政の置かれている状況ですね、ある種のスタンスをはっきり示すという意味で業界の方が入っておられないというのは、それははっきりした原則があると私は思っています。
 したがいまして、やはり業界の方がここに陪席されるというのは、その筋とは違うということで、業界の方が入らないというのは当然のことだというふうに理解しておりますが、それはよろしゅうございますか。
 それから、業界の方が心配されるというのは、もっともですが、それはいろんな形で、参考人とかそういう形で業界の方の御意見は当然伺うということはあり得ます。ですから、そういうことではないかというふうに理解します。
 それから、細かい点で恐縮ですが、片田委員のおっしゃる点は私の個人的な意見としては、別段問題がないというふうに思いますが、いかがでしょうか。片田委員は別に業界という意味ではありませんで、産業界一般のやはりフェアな御意見を伺うという趣旨で入っていただいておりますので、その点はよろしいんじゃないかと思いますが、ほかにただいまの件の取扱いで、もし御意見あれば。
 どうぞ。
○高橋委員 私は秘書の方の随行も含めて、なしにした方がいいだろうという意見を持っております。といいますのは、やはりもう金融の自由化で一般事業会社も金融の方にいらっしゃるわけですから、そういう意味では全てなしの方がフェアではないか。
 今まで参加してきた審議会でも、議事要旨の公開の前に翌日にいろんな業界から、もう既に議事要旨が作成されて、中身が違うものも含めて、流布されているという状況を知っておりますので、やはりルールを新しくやるのであれば、全てなしの方がいいと私は思います。
○貝塚会長 蝋山委員。
○蝋山委員 あえて申し上げれば、議論の一つのイシューだと思うんですが、自主規制機関というのをどう考えるかという問題。皆さんは業界と言うと、私的利益の追求ということをまず念頭に。それはその限りにおいて間違いではないというふうに思いますが、広い意味での金融行政において、自主規制機関というのの存在は無視できない。そういう方々にやはり変わってもらわなきゃいけないわけですね。要するに今までの自主規制機関は、法律的に定められているものは証券取引法の中にある日本証券業協会と証券取引所であります。
 しかし、事実上は、デファクトには全国銀行協会なり、それぞれの業界団体というものが自主規制機関的な機能を果たしている。そういう方々は、しかし、余りにもこれまで業界団体であり過ぎたわけですね。そういう方に変わってもらわなきゃいけないわけです。そういう点を考えると、先ほどの金融監督庁と日本銀行まではいいけれども、というところの線引きは非常に曖昧になってくる。ある種の我々の一つの考え方だろうとは思いますけれども、現実的に考えれば、私はそうした業界、とりわけ自主規制団体というものがちゃんとしてもらいたいという、これは私、意見の先取りをしているわけですけれども、そうだとすれば、私は少なくとも自主規制団体の方には御参加いただきたい。陪席することは構わないんじゃないかというふうに思っております。しかし、余りこだわりません。
○貝塚会長 ただいまの蝋山委員の御発言を多少私流に説明しますと、自主規制機関というのは平たく言えば、規制をある意味で権限を協会に委任しているケースがあり得るわけですね。ですから、日本でも当然ありますし、イギリスの場合なんかほとんどそういう形になっておりますので、そういう場合に自主規制機関の方が陪席されるというのは、ある意味で行政の部分を担っておられるという点で、そういう趣旨で言われたということを申し上げておきます。それ以上は別にありません。
 何かただいまの論点、あるいはそれ以外でももし御発言ありましたら、どうぞ御自由に。
 ただいまの点について、今私にすぐこういうふうにやったらいいという案が必ずしも思い浮かびませんので、ちょっとすみませんが、ただいまの要するに自主規制機関の方の陪席の点についてはちょっと検討させていただきまして、基本的には先ほど来、陪席は、それから、片田委員にもですが、秘書の方もそういう形になれば、やはりその方が非常にあっさりして、明快でありますので、そういうふうにさせていただきますが、自主規制機関の点につきましては、ちょっと検討させていただきます。
 何かありますか。
○三國谷企画課長 この審議会は、保険、金融・銀行、それから証券、3審議会が統合されたものでございまして、昔のそれぞれの審議会によっていわば自主規制機関なるものもいろんな態様があるわけでございます。そういったもので、それぞれ実態問題として、それでは、しからば、どこで線を引くかというのは、それぞれ証券なら証券、銀行なら銀行だけで見た場合と、全体のことを考えますと、また非常に微妙な問題も一方では抱え込むということがあるわけでございます。
 しからば、日銀、金融監督庁はどこで線を引くかというのも当然の御指摘でございますが、やはりここはまだまだこの二つというのは、すみません、非常に論理的ではない話でございますが、日本銀行法に基づくもの、あるいは国家行政組織法に基づくもので幅広く金融全体に関与するというところで、この二つは現実的に考えましても、オブザーバーとして参加していただくのが一番よろしいのではなかろうかと思っております。
 したがいまして、それから先の問題は、なお検討ということで、実際問題の線引き等も難しい点もございまして、とりあえずこの二つだけは、後ほどの議題になるかと思いますが、オブザーバーにさせていただくことをお許しいただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
○貝塚会長 石委員、どうぞ。
○石委員 今のオブザーバー論、賛成です。そこは大体コンセンサスが得られるんだと思いますけど、それ以外の場合ですね。今ちょっと議論が分かれちゃっていますけど、僕は冒頭申し上げたのは、随行の方も含めて、ルールも変わったんだから、やめた方がいいんじゃないかというのが僕の趣旨であります。僕も余りこだわりませんけどね。
 というのは、随行の方のルートを通じて、どうも丸の内界隈とかいろんなところにいろんなニュースが、今からやられるということじゃないですよ。これまでの経験から言うと、やっぱり流れているんですよ。それで、最近、発言が多いですねとか、少ないですねとか、何か言ってますよなんていうことを、ある会合で言われることがあるんですよ。それは非常に曲がった形の情報の伝達の伝えだと思っていますので、まして今度はマクロでオープンにやろうと言っているんだから、僕はそこまで含めてと思いますけどね。
○貝塚会長 ただいまの点、三國谷企画課長から御説明ありましたように、金融監督庁及び日本銀行は、基本的にやはり公的な性格を持っておりますので、この種の会合にオブザーバーとして参加されるのは、常識で考えても問題ないと思いますが、よろしゅうございますか。それ以外のところについては、多少検討させていただくということで、ちょっとお待ちいただきたい。今の段階ではそういうことにさせていただきたいと思います。
 何かほかに運営の点につきまして。
 高橋委員。
○高橋委員 審議会委員の行動規範といいますか、何かそういうものがあるのかどうなのか。以前、法律にどういう形でうたわれているのかとか、今随行がどう、陪席がどうのという話がありましたけれども、こういう時期ですので、公職としてどうなのかということを知りたいところがあるわけでございまして、例えばこの中で知り得た内容について云々というふうな条項が入っているケースもあると思うんですが、この金融審議会についてお聞かせいただきたいんです。
○貝塚会長 ただいまの件は、例えば守秘義務に近いようなものがあるとか、そういう感じのことでございまして、何かその点について。
○三國谷企画課長 今、条文を確認いたしますが、審議会の委員の皆様には守秘義務がかかることとなっております。ただ、議事録がオープンになりますので、この守秘義務というのがいかなる意味合いを持つのかというのは、若干性格が変わってきているかもしれませんが、やはり一応公権力に関与される方という形になるわけでございます。
 それから、先ほど来のいわば随行の方の話につきましては、私どもとしては物事を決めるのは申し上げにくいというか、申し上げるべき領域を越えているかと思いますので、それこそ委員の皆様の合意に従うべき話かなと思っております。
○貝塚会長 随行の方につきましては、私少し検討したいと申し上げましたけれども、やはりせっかく御意見が出たところで、今の段階でどういうふうにするか、多少意見が分かれた。今日そのまま私の普通の感覚で言うと、どっちかに決めてしまうというのは少し問題があると思いますので、次回までに検討させていただいて、次回の最初にその点は皆さんの御了解をとりたいと思いますので、よろしゅうございますでしょうか。
 どうぞ、井上委員。
○井上委員 多少くどいようですけれども、やはりこういう議論に関わって一番大切なことは、国民の側、利用者の側から見たより良き金融のあり方を議論するというのがこの審議会の目的であります。それだけに、先ほどの議事録の公開の問題、あるいはインターバルをどのように置くのか、なかなか難しいところでありますけれども、また、議事要録の出し方にもやっぱり工夫があると思うんですね。完全にロジックがとれないような出し方だとやっぱりまずいわけで、本当は議事要録の公表の仕方によって論議に実際に国民が参加できるわけですから、当初からややくどいんですけれども、やはりできるだけ公開ということでないと、この内容を我々自身が守秘義務を持つものであればあるほど、それを例えば極端な話、半年や1年に一度も中身が公開されないというようなことであるとすると、国民の側から見て、一体どういう議論なんだろうかということになると思いますので、実際事務局の運用面が大きいと思いますが、ぜひその点はよろしくお願いしたいと思います。
○貝塚会長 ほかに御意見ございませんでしょうか。
 事務局、何か補足されることありませんでしょうか。
 それでは、今日は大分時間が過ぎまして、お手元に資料がお配りしてあると思いますが、最近の金融を巡る問題について、事務局の説明をごく簡単にお願いしたいと思います。一つは、金融システム改革の進展、それから、現在の不良債権問題と金融再生トータルプランについて、ちょっとウェイトを置いて、時間がかなりたちましたので、よろしくお願いします。
○三國谷企画課長 それでは、金融システムの改革の進展及びそのトータルプラン関係につきまして御説明申し上げたいと思います。
 まず、金融システム改革の進展につきまして、津曲から簡単に御説明いたします。
○津曲調査室長 金融システム関係改革の進展につきまして御説明申し上げます。
 お手元の資料、「金融審議会資料」の1−3を御覧いただきと思います。11ページに主な出来事というのが書いてございますけれども、平成8年に総理が金融システム改革を指示したということでございまして、その後、証券取引審議会、企業会計審議会、金融制度調査会や諸々の審議会の方で御検討が進められまして、18ページでございますが、今年の5月に、これらを受けまして、金融システム改革法が国会で成立したということになっております。その中身については、既にもう委員の先生方よく御存知のところでございますので、詳しい説明は省かせていただきます。
 なお、15ページから17ページにつきまして、各項目につきまして、そのスケジュールなどが書いてございます。原則といたしまして、このシステム改革法、今年の12月1日施行ということで予定されております。
 なお、平成9年6月の3審議会の報告、答申におきまして、今後の引き続きの検討課題とされたもの、あるいはその後の審議や懇談会などにおきまして検討されたものというものがございますが、その中には、例えば幅広い金融サービスに対して整合的な規制を行う法的な枠組みを今後議論する。いわゆる金融サービス法、それから、電子マネー・電子決済、それから、消費者信用を行う全ての業態に対し横断的に適用される消費者信用保護に関する法制の構築、それから、保険業に関して相互会社から株式会社へ組織変更といったものが挙げられておりまして、他方、銀行局長の懇談会で、金融システム安定に関する基本論についての検討が行われております。
 資料は厚うございますが、中身は大体御存知のところでございますので、省かせていただきます。
 続きまして、課長、お願いします。
○三國谷企画課長 続きまして、金融再生トータルプラン関係でございますが、これにつきましては、お手元の資料、48ページ以降に資料が載っているところでございます。トータルプランにつきましては、2次にわたる取りまとめが行われまして、一つは第1次、これは平成10年6月23日に政府・与党で取りまとめられたものでございます。
内容的には、項目だけ御紹介させていただきますと、49ページ、土地・債権流動化と土地の有効利用。その中には債権債務関係の迅速・円滑な処理。この中にマル1で臨時不動産関係権利調整委員会の創設といったもの、あるいは債権放棄に係る税務上の取扱いの明確化。マル3デュー・デリジェンスの確立。マル4競売手続の迅速・円滑化。マル5サービサー制度の創設。マル6共同債権買取機構の機能拡充等。マル7金融機関の自己競落会社の機能拡充。マル8資産担保証券の流通市場の整備といったことが並んでおります。
 ?でございますが、土地の整形・集約化と都市再開発の促進。マル1都市再開発を強力に進めるための仕組みづくり。マル2住宅・都市整備公団の積極活用。マル3民間都市開発推進機構を活用したプロモート体制の構築でございます。
?では、公的土地需要の創出というところがございます。
さらに54ページの2.で金融機関の不良債権の実質的処理、経営健全化等という項が立ちまして、?は金融機関の不良債権の実質的処理。ここに最後のところで、主要19行に対し、集中的に検査、こういったこともうたわれております。
?金融機関の経営健全化。
 ?で、ここでいわゆる「受皿銀行構想(ブリッジバンク構想)」につきまして、文章を読み上げますと、金融機関がその不良債権のディスクロージャーを徹底し、適切な償却・引当を進め、バランスシートからの抹消等の実質的処理を進めていく場合、経営困難に陥る金融機関が出てくることも懸念される。この場合、前回の預金保険法改正により、預金者保護のため整理回収銀行が受け皿になり得る措置が講ぜられたので、民間の受皿銀行が見出せなくとも、預金者保護には支障がないが、一方、健全でありながら新たな取引銀行を見出せない借り手に対する更なる適切な配慮が必要となる。このような配慮を行いつつ、破綻処理の一層の円滑化を図り、内外の信認を得られるような金融システム再生の道と健全な借り手保護を両立させる方途を検討することが重要である。このため、いわゆる「受皿銀行構想(ブリッジバンク構想)」について、負担や資金調達の問題及び借り手のモラルハザードの問題等も踏まえ、十分な検討を行い、7月のできる限り早い時期に具体的内容を明確にする。こういったことがうたわれたわけでございます。
 続きまして、56ページに移らせていただきまして、金融再生トータルプラン(第2次取りまとめ)でございます。
 ここに至りまして、「はじめに」のところで、真ん中辺でございますが、トータルプランの第1次取りまとめとして公表した。さらに、いろいろな中でこうした問題意識の下、当協議会では、今回以下の施策を取りまとめたとありまして、一つ、不良債権の積極的な処理、金融機関の迅速なリストラ、透明性及びディスクロージャーの向上、銀行監督と健全性原則の強化を柱とする包括的、詳細な取り組みの体制が整うこととなった。こういう具合になっております。
 その中で具体的施策といたしまして、57ページでございますが、不良債権の積極的処理促進の制度的枠組み整備で、?不良債権等の流通市場の整備、?不良債権等の処理のためのインフラ整備。58ページの2.に至りまして、透明性及びディスクロージャーの向上。3.銀行監督及び健全性基準の強化ということでございます。ここで一つは、金融監督庁の発足とともに、?主要行への集中的な検査というところがうたわれております。?は早期是正措置に基づく厳正な対応でございます。?は検査・監視・監督のための体制強化でございまして、一番最後の3行でございますが、金融監督庁の検査・監視・監督体制については、諸外国の金融検査監督当局の体制も参考に早急に見直しを行い、大幅な拡充を含む計画的な体制強化を図るということがうたわれているところでございます。
 その次に、4.金融システムの安定化と機能強化ということで、いわゆるブリッジバンク制度の導入構想がここで、この取りまとめの中にうたわれた次第でございます。中身につきましては、また後ほど説明させていただきますが、62ページにまいりまして、ブリッジバンク以外のことといたしまして、これに絡むわけでございますが、貸し渋り対策として、政府系金融機関の13兆円の資金の活用。?金融安定化2法で措置された30兆円の活用による金融機関の再編・リストラ。それから、?で破綻金融機関の経営者及び株主責任の明確化ということがうたわれておりまして、金融機関の破綻処理に当たっては、経営者の退任及び民事・刑事上の厳格な責任追及や株主の損失負担の原則を貫くものとする。こういったものがうたわれているわけでございます。
こういった一連の流れを受けまして、現在、5種6法でございまして、私どものブリッジバンク法案は、これは6本のうちの一つでございまして、内政審議室からは不動産の権利関係調整に関する法律、それから、議員立法といたしましてはサービサーに関する法律、競売の手続の簡素化に関します民事執行法等の関係が2法、それから、整理回収銀行あるいはCCPC等に対します根抵当権の処理の円滑化を図る法律、こういったものに関する議員立法も併せまして、昨日国会に提出されているところでございます。
 そのうちの一つが、私どもの方で各法2号で提出させていただきましたブリッジバンク法案でございまして、これは資料1−4にこの概要が示されているわけでございます。
 これにつきましては、もう一つお手元にポンチ絵風の一枚紙の図が添付されているかと思いますが、この2枚を中心に御説明させていただきたいと思います。
 なお、この概要は、どちらかというと、説明用に作ったものでは、これでもなお難しいところもございますが、お手元にある分厚いものは、いわば5点セットと申しまして、要綱、法案、それから新旧対照表、参照条文全部説明したものでございます。こちらの方は法律的な説明になっております。所々こちらも引用させていただきたいと思います。
 まず、「金融機能安定化緊急措置法等改正法案の概要」に従いまして、全文を読み上げさせていただきます。
 今後、行政は市場規律と自己責任を基軸としたルールに基づく行政へと転換していくが、金融機関が抜本的に不良債権処理を図る過程で、経営困難に陥る金融機関が出てくることも予想される。こうした場合においても、預金者保護及び金融システムの安定性確保、更には善意で健全な借り手に対する適切な配慮に万全を期す必要がある。
 ここで用語といたしましては、預金者保護、金融システムの安定性確保、善意で健全な借り手に対する適切な配慮、こういった言葉が出てくるわけでございまして、これはまた基本的考え方、1.でございますが、
? 金融機関の破綻に際して、民間の引受金融機関が登場しない場合でも、金融システムの安定と預金者保護を確保し、迅速に金融の危機管理を行える体制を整備して万全を期すこととし、金融システムに対する信頼を一刻も早く回復させる必要がある。
? また、民間の引受金融機関が登場しないために善意かつ健全でありながら新たな取引銀行を見いだせない借り手の対策に資する体制を整備する必要がある。
? このため、破綻後直ちに、その銀行の業務を公的に管理できる制度を整える。さらに、民間の引受け手が登場しない場合でも、善意かつ健全な借り手に融資を維持・継続できる公的な新銀行をブリッジバンクとして設立できる制度を整える。この場合、あくまでこの制度により破綻処理の円滑化を可能とし、金融システムの安定や預金者保護を図ることを最終的な目的とすることが基本であり、この観点から、預金保険機構を活用する。
? なお、厳正な審査機能を有するチェック体制を整備する。
 ここで、1枚のこのポンチ絵に従いまして御説明させていただきますと、このポンチ絵の下に左側にA銀行、B銀行というのがあるわけでございます。あくまでもこの究極の目標が、A銀行、B銀行を右側の民間金融機関、ここにできるだけ速やかに営業譲渡等、あるいは合併等によりまして金融機能を継承させまして、それとともに、そういうことによりまして金融機能を維持しながら、その中で善意かつ健全な借り手対策も考えながら、預金者保護も図りながら、承継をいかにスムーズにさせるかというためのスキームでございます。
 これにつきましては、流れが三つございまして、一番左、破綻が起きた段階のときでございますが、この段階で、即時性を求められる段階で金融管理人をA銀行に派遣し、法人格は変わりますが、それを金融管理人が執行権を行使することによって公的な管理体制に入る。これがA’銀行という段階でございます。
 その次に、このA’銀行というのは、いずれにしても、できるだけ速やかに他の民間金融機関への営業譲渡等が望ましいわけでございますので、この民間金融機関へ営業譲渡等をいかにスムーズに行うかということで、ぎりぎり民法、商法との調整を図った各種の特例措置を講じているところでございます。
 その次は、第3点目の流れは、一番右側の公的ブリッジバンク体制の流れでございまして、これは預金保険機構を活用しながら、このような受皿を整備する。
 この大きく三つの流れになっております。
 これにつきまして、概要に戻らせていただきまして、まず具体的な内容、2.でございますが、以下によりブリッジバンク(つなぎ銀行)制度を創設するというところでございます。
? 最初のステージでございますが、金融管理人による破綻した金融機関の業務管理
マル1 金融機関が破綻した場合において、必要があると認めるときは、金融監督庁長官は、直ちに破綻金融機関の業務及び財産の管理をさせるため、金融管理人を選任する。                                という具合に指示しているところでございます。
 なお、この金融管理人につきましては、既に保険業法で保険管理人というスキームがございまして、それと基本的に同一の構成となっております。なお、この保険管理人につきましては、実は、つい最近の話でございますが、日産生命が97年4月25日にこの保険管理人制度が適用された、非常に発動事例としても目新しいものがあるケースでございます。
 その次に、
マル2 金融管理人の管理下に置かれた金融機関−−これを被管理金融機関と称しますが−−の代表権、業務執行権、財産管理・処分権は金融管理人に専属する。
 したがいまして、その会社の執行権というのは、これは金融管理人にこの段階から移行する。したがって、旧取締役の経営権は実質的になくなるということでございます。
 また、金融管理人は、破綻に至った経緯、被管理金融機関の業務及び財産の状況、他の金融機関への業務承継の見込み等を調査し、金融監督庁長官に報告しなければならない。
 そのための主要な検査権等があるわけでございます。
マル3 被管理金融機関は、金融管理人の定めた方針に従い、資産の健全性の確保に努めつつ、善意かつ健全な債務者に対して、融資を維持・継続する。
マル4 金融管理人は、被管理金融機関の業務を、できる限り速やかに引受け手としての民間金融機関に承継するよう努める。−−これがA銀行のケースでございます。民間の引受金融機関に承継出来ない場合には、公的ブリッジバンクに承継する。−−これがB銀行のケースでございます。                 なお、「善意かつ健全」という言葉でございますが、法律用語として「善意」と書きますと、これは知らなかったということになってしまいますが、ここは債務の履行状況がしっかりしているかどうかを善意とし、それから、財務の状況を「健全」という言葉で記しているところでございまして、もし条文であれば、24条の2というところにそれが出ているところでございます。詳しい説明は省略させていただきます。
 続きまして、マル5でございますが、これはいかに民間金融機関等への移行をスムーズにするかというところでございまして、
マル5 被管理金融機関の業務の他の金融機関への承継が円滑に行われるようにするため、株主総会等の特別決議に関する特例、減資に係る債権者保護手続の特例、根抵当権の移転の円滑化のための特例など民商法の特例措置を講ずる。
 御案内のとおり、執行権は仮に金融管理人に専属させることといたしましても、会社が基本的に生きている間は株主権との調整という問題がございます。アメリカにおきましては、この辺をえーやっとやっているようでございますが、日本の法制度に照らしまして、株主の意識といたしましても、ここのところはぎりぎりの調整を図る必要があるわけでございます。
 まず最初は、営業譲渡等を行う場合に、特別決議があればそれでいいわけでございますが、現実の破綻したいろんな機関を見ますと、株主総会を開催するための定足数が集まらないと、大変これが深刻な問題になっているわけでございます。したがいまして、そのように権利を行使しなかった段階におきましては、集まった株主の3分の2の議決をもちまして、仮決議をすることができる。それを一月以内にまた同じ3分の2で承認しますと、それは効力を持つということでございまして、これは旧商法の規定並びに類似した制度といたしましては、フランス商法を参考にしながら、こういった制度をこしらえているわけでございます。
 次に、債務超過という形になりますれば、その段階では株主の残余財産の分配請求権等もなくなるような状態でございますので、そういった債務超過という状況において、しかも裁判所の許可を得るという二つの装置の中で、裁判所の許可で営業譲渡等もできるようにするということもやっております。
 なお、既存の会社につきましては、株主の損失負担を明確化を図る観点から、減資ということも想定されるわけでございまして、その場合に、個別の債権者に対する催告とか、そういった手続の簡略化、公告による代替とか、こういったものも考えているところでございます。
 さらに、根抵当権とございますが、現実に根抵当権の移転のためには債務者の承諾が必要でございまして、それをやるだけで半年も1年もかかる。そこは公告と異議という組み合わせで、その辺の円滑化を図るといった工夫もしているところでございます。
 続きまして、?は、3番目の公的ブリッジバンクの設立の体系でございまして、
マル1 預金保険機構は、被管理金融機関の業務を承継し、その業務の暫定的な維持・継続を図ることを主たる目的とする銀行(「公的ブリッジバンク」)の経営管理を行う銀行持株会社「平成金融再生機構(仮称)」を公的資金により設立する。
 これは、その表の中の2段目にある「平成金融再生機構」でございます。これが子会社として新B銀行あるいは新C銀行とのブリッジバンクをこしらえていくということでございます。
マル2 平成金融再生機構(仮称)は、金融危機管理審査委員会の議決を経て、上記公的資金により、被管理金融機関の業務を承継する公的ブリッジバンクを子会社として設立・組成する。
 この設立というのは、新たに会社を作るような場合でございますし、組成というのは、一たん減資等で株主責任を一応とったものにつきまして、増資の引受け、あるいは株式の取得等によりまして子会社化すると、こういったものを組成という具合に呼んでいるところでございます。
 3ページに入らせていただきまして、
(注2)当該公的ブリッジバンクに対し民間出資も可能とする。
とありますが、当然制度上は排斥されておらないところ、こういったもので民間出資があれば、それは受皿として期待もできるということでこういった道も残しております。
マル3 金融危機管理審査委員会の下に置かれた審査判定委員会は、−−これが重要な役割を果たすわけでございまして、被管理金融機関から公的ブリッジバンクに承継される善意かつ健全な債務者に対する債権とそれ以外の債権との仕分けを、金融危機管理審査委員会−−佐々波委員長の委員会でございますが−−が定めた適正な基準に従って行う。
 したがって、判定はここがきっちり行うということでございます。
 次に、融資はその下にあります平成金融再生機構の融資審査委員会がきっちり行うということでございまして、
マル4 公的ブリッジバンクは、平成金融再生機構(仮称)に置かれた融資審査委員会が定めた融資ガイドラインに従い、融資審査委員会の承認を受けて、被管理金融機関から承継した善意かつ健全な債務者に対し、一定期間、融資を維持・継続する。
マル5 預金保険機構は、公的ブリッジバンクの資金調達を補完するため、金融危機管理審査委員会の議決を経て、上記公的資金13兆円の枠組みを活用し、必要に応じ平成金融再生機構(仮称)を通じて公的ブリッジバンクに資金を貸し付けるとともに、公的ブリッジバンクに係る業務により発生した損失を補てんする。
この公的ブリッジバンクについては、預金保険機構がバックボーンになるということでございます。
マル6 公的ブリッジバンクは、あくまでも「つなぎ」・時限的なものであり、被管理 金融機関から承継した業務を、金融管理人による管理の開始から原則2年以内 (ただし、1年ごとに3回までの延長可)に、営業譲渡等により民間金融機関に移管する。
 この2年の始まりは、ブリッジバンクを設立したときではございませんでして、最初の破綻選任のときからでございます。したがいまして、この一連のスキーム全体を原則2年で行うということでございまして、延長も決してむやみやたらに考えているものではございません。できるだけ早目にこういったものの区切りをつけたいのですが、やむを得ない場合に備えまして、但書もあるということでございます。
? また、この制度の整備及び運用に当たっては、善意かつ健全な債務者の仕分けに関する判定基準や融資ガイドラインなどの公表及び金融危機管理審査委員会の議事内容の公表を義務付けることにより、必要な透明性を確保する。
? その他、公的ブリッジバンクへの資産の移転に係る登録免許税等の課税上の特例措置を講ずるほか、所要の罰則規定を設ける。
 以上、粗っぽく御説明申し上げましたが、御案内のとおり、6月の末から7月2日のトータルプランまで、政治も含めまして、大変な迅速の状態でこのような方針が出まして、これまで鋭意法案の提出作業に取り組んでまいりまして、昨日、閣議で国会に提出されたところでございます。その意味で、審議会の御審議をいただいた案件ではございませんし、政治主導との関連もありながら進めてきた法案でございますけれども、この場を借りまして御報告させていただきたいと思います。
○貝塚会長 ただいまのブリッジバンク法案に関連する御説明でありまして、これはかなりスキームとしては複雑であります。どうぞ御自由に、多少時間が残っておりますので御質問あるいは御意見。これから国会で審議されるという非常に重要法案になるわけですが、皆さんの御質問あるいは御意見ございましたら、どうぞ御自由に御発言ください。どなたからでも。
 翁委員。
○翁委員 幾つか感想と意見ということで申し上げたいんですが、一つは、やはりこのスキームというのは、金融管理人などの人材をどのように確保していくかというのが非常に重要なポイントになってくると思うんですけれども、その点は現状どのような対応をお考えになっておられるのかというのが一つでございます。
 それから、二つ目は、融資の継続の審査基準というのが一番ポイントになってくると思うんですけれども、今伺ったところですと、一番最初につきましては審査判定委員会が判定し、そして、その後の融資の審査、ブリッジバンクが融資を継続していく際には融資審査委員会というところがその審査を行っていくというように窺えたんですが、その2年間の中でも融資先がおかしくなってくるというようなこともあると思うんですが、そういった場合の対応というのは、どちらの委員会が責任をとるような形になっていくのかということが二つ目です。
 それから、三つ目の点ですけれども、これは最終的に民間の金融機関に営業譲渡をするということを考えているわけですけれども、そこでやはり非常に重要なのは、公的資金をバックにしておりますので、その処理コスト、公的資金を小さくするということが非常に重要だと思うんですが、そのブリッジバンクを最終的に民間金融機関に営業譲渡する場合、どういうやり方を考えているか。例えば、プライシングをさせて、入札というのを非公開の形ででもやっていって、プライシングというものを考えてやっていくのか。そういうようなことをしていけば、リストラとか、そういったブリッジバンク自体をどういうふうに再構成していくのかということにもつながっていくと思うんですが、その最終的な営業譲渡の仕方などについても少しお伺いしたいと思っております。
○貝塚会長 どうぞ。
○三國谷企画課長 まず、金融管理人でございますが、これは表の中で人材派遣リストというのがございますけれども、金融の情勢に明るい方、あるいは弁護士の方、あるいは公認会計士の方、こういった立派な方々のリストアップを進めまして、いざという場合には即時に対応できるような体制をこしらえておきたいと思っております。
 それと同時に、この金融管理人につきましては、複数でも大丈夫でございますし、代理人を置くことができますし、また、法人もなることができる。法人として行動を行うこともできる。さらにはまた、預金保険機構もその資格を持つと、これも条文に明記しているところでございますが、そういった形で、いろんなケースが考えられると思いますが、そのケースに則しまして、一つは機動性、もう一つは実効性、こういった両面に対応できるように対応してまいりたいと思っております。
 御指摘のとおり、ここが一番実は大変なところでございまして、優れた立派な方、あるいは優れたシステム、これが金融管理人として適切に機能発揮していただく、これがこの制度を生かす一つの大変大きなポイントかと思っておりますので、十分心して、実際の運用はまたこれからになりますが、対処していくべき事柄だと思っております。
 次に、審査基準と融資基準の関係でございますが、若干法律的に、お手元の分厚い5点セットがございますが、そこの後ろの方に新旧対照表というのがございまして、これで御説明するのが一番正確かと思いますが、その中で、まず34ページというところを御覧いただきたいと思います。
34ページに24条の2というのがございまして、これが審査判定基準でございます。ここで審査委員会というのは佐々波委員会でございますが、そこが一つの基準をあらかじめ定め、公表することになっておりますが、2項で、前項の基準は、判定の対象となる債権に係る債務者の債務の履行状況、これが善意という趣旨でございます。及び当該債務者の財務内容の健全性に関する基準を含むものでなければならない。後者が健全というところでございます。
 一転翻りまして、今度は20ページをお開きいただきたいわけでございますが、20ページ、この9条の3の基本協定というのが、預金保険機構と協定持株会社と書いてありますが、平成金融再生機構との両者間の基本的な協定でございます。その3号、前号の指針は、資金の貸付けその他の業務の暫定的な維持継続を図るという承継銀行等の目的を踏まえ、第24条の2第1項に規定する基準、これが先ほど申し上げました基準ですが、これとの整合性に配慮しつつ、承継銀行等の業務の健全かつ適切な運営を確保する観点に立って作成されるものであること。その前号というのは、融資審査委員会において業務の指針を作成するということでございます。
 したがいまして、全体を通じまして、基本的には善意かつ健全な借り手ということで資産の振り分け、その融資もそういった基準に従って行うということでございます。ただ、実際難しいのは、それでは、しからば、これは具体的な事例といたしまして、どれに該当するか、該当しないかという認定、これはやはりいろんな諸般の要素があると思います。そこは審査判定委員会という金融の専門家、あるいはその道の精通者、こういった方々の委員会で適正に判定していくということにつながるわけでございます。
 3点目の御指摘は、健全、善意と申しましても、実際企業というのは生きているわけでございますから、ブリッジバンクに入ったところでもいろんなことがあり得るのではないというのは、そのとおりかと思います。
 これに対しましては、まず第1点は、何と申しましても、この履行期間、これは金融管理人、それから、公的ブリッジバンク全体を通じまして、移行をできるだけ速やかにする。決してここで止めておくのがこの制度の本意ではございませんでして、言うなれば、不良資産部分というのは整理回収銀行の方に売りまして、残った部分というのは相当グッド部分が残っているわけでございます。であるとすれば、当然相当魅力を増すはずである。非常に以遠的な話になるかもしれませんが、したがって、できるだけ早く民間金融機関を見つけ、営業譲渡等をするというのが、まず第一に追求すべき道かなと考えております。
 ただ、それにしても、そういった過程でいろいろな損失等が出た場合でございますが、それは先ほど申し上げました概要の3ページでございますが、3ページのマル5に、「預金保険機構は、公的ブリッジバンクの資金調達を補完するため、金融危機管理審査委員会の議決を経て、上記公的資金13兆円の枠組みを活用し、非常に応じ平成金融再生機構を通じて公的ブリッジバンクに資金を貸し付けるとともに、公的ブリッジバンクに係る業務により発生した損失を補てんする。」と、こういう具合に預金保険機構が最終的にはバックボーンになっているわけでございます。もとよりそのような公的資金が、できるだけというより、もちろんそれをないくらいの気持ちでこういったものを効率的に、大事な公的な資金でございますから、ロスを最大限に縮小するようなそういう気持ちも合わせ持ちながら、できるだけこの承継をスムーズに行っていくべき事柄かと考えております。
大変重要な御指摘、ありがとうございました。
○貝塚会長 翁委員、よろしゅうございますか。
 ほかにどうぞ御質問。
原委員。
○原委員 2点質問があるんですけれども、今回のこのブリッジバンク法案なんですが、緊急措置法というふうに書かれておりまして、不良債権の処理のための緊急的な、避難的な措置だと思うんですが、これは例えば、何年間かを限ってこの不良債権を処理するためという時限的なものなのか、それともやっぱりある程度常態化していくものとしてお考えなのかというのが1点です。
 それから、もう一つ、2年という、最短で2年で、1年ごとに3回の延長ということは最長5年になるのかと思うんですけれども、その場合、民間の金融機関にというお話ですが、この民間には外国の金融機関の参入ということも当然考えられるのでしょうか。その2点です。
○三國谷企画課長 まず、時限性の問題でございますけれども、これは分厚い5点セットの1ページ、資料「総会1−6」と書いてあります1ページ、そこの真ん中辺に「金融管理人による管理」という言葉がございますが、その中でマル1で、「内閣総理大臣は、平成13年3月31日までを限り」とこう書いてございます。これが過ぎますと例のペイオフの時期とも重なってくるわけでございますが、この要綱全体にこの時期を限りというのが随所に出ておりまして、したがって、それまでにこの問題は解決するという、そういった気持ちで対処しているところでございます。
 その次に、2年、5年の問題でございますが、2年が最短とは考えておりませんで、2年以内でさらに短く、できるだけやりたい。アメリカの事例を見ますと、これは数カ月、最長で30カ月ちょっとというのが1件だけありますけれども、ただ、アメリカと日本は法制度が違うという点もございまして、必ずしも同一レベルで比較することは困難でございますが、できるだけ早くそういったものをしたいと思っておりまして、そのため、実は法務省とも随分相談させていただきまして、各種の民商法の特例措置を講じているところでございます。
 その次に、民間の最後の受皿に外資系が入るかということにつきましては、制度上は当然そこで日本法人に限るとかということは全然法律にはないわけでございます。
○貝塚会長 よろしいですか、原委員。
○原委員 はい。
○貝塚会長 ほかに御質問あるいは御発言ございませんでしょうか。
 私は、ちょっと感想めいていますが、これはアメリカの制度がありまして、アメリカのS&Lがたくさんつぶれて、最終段階で新しい法律を作ったときの一つの中にこのブリッジバンクというのが入っていまして、結局、アメリカの場合は、私の理解では、コミュニティで銀行があるわけですね。そこでその銀行がつぶれちゃうと、その地域に銀行が存在しなくなる。そうすると、したがって、その銀行が、平たく言えば、不良債権があって、実際はある意味では経営としてはつぶれちゃっているわけですが、しかし、やっぱり銀行業務をやっているところがないと非常に困るというのがあって、ある種のやや人為的にブリッジバンクというのをこしらえて、融資を継続する。
 大体そういう感じで話がありまして、日本の場合は恐らくコミュニティという話でなくて、その辺のところはなるべくそうでないことを望みますが、いろんなタイプの銀行がありまして、やはり今まで借りていた人がいろんな企業がありまして、しかも優良な、先ほど健全かつ優良か、そういう貸し手に対して、それからまた、実を言うと預金者の保護もそういう問題があるはずなんですが、日本の場合は預金は確か今のところ全部保証されていますが、そういうものとして一応理解して大体いいんですか。そういうふうな趣旨じゃないかというふうに思っております。
 井上委員。
○井上委員 この種の議論というのは、私、95年の頃の住専問題の議論を思い出すんです。つまり、非常に今局面が違うということをようやく国民の中での議論が進んで、ある程度理解がいった。つまり、これは非常に緊急の事態で、世界的な金融市場にも連動するような非常に難しい局面にあるわけです。事態は早く処理しなければならぬ。
しかしながら、同時にあの住専のときの、やや今から見ると過剰な反応の議論もあったわけです。つまり、一体、一般の消費者や利用者から見て、自分の個人の住宅ローンの破産の場合とか、こういうことと照らし合わせて、やっぱり何となく納得がいかないというような理解する方も多いわけです。ここ数日の新聞のこの種についての議論に関しても、事態の必要性を認めながら、これが本当にフェアなんだろうかという問い返しが繰り返し出てきていると思うんですね。
そういう点で、例えば、破綻したときの認定基準であるとか、保護すべき借り手の判断基準などについて、確かにこれは実はかなりデリケートな問題ですから、ある程度の裁量の余地を残さなきゃならぬと同時に、可能な限り説明をしなきゃならぬ。あるいはこういう一連の機構というのは非常に良くシステマテックに考えられているわけですが、同時に、システマテックなだけに、またこの事態の処理の責任はどこに一体あるんだろうかと、わからなくなる面がある。こういう理解が多いわけです。
したがって、そういう幾つかの今世論で出ているようなことについても、きちんとした反論や説明ができるような、そういう工夫をしていただきたいということで、今二つの例。例えば、破綻の認定基準や保護すべき借り手の判断基準というのを一体どこまで明確にできるのか、もし何か御見解があれば伺いたいと思います。
○三國谷企画課長 まず、破綻の基準でございますが、これは分厚い資料の方の1ページ目にございますけれども、ここはマル1の説明、やや専門的になりますが、内閣総理大臣は、平成13年3月31日までを限り、金融機関がその業務若しくは財産の状況に照らし預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合又は金融機関が預金等の払戻しを停止した場合、これを破綻と考えているところでございまして、実はこの概念は、預金保険法におきます破綻金融機関の概念と同じものでございます。その場合であって、次に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、その金融機関に対し、金融管理人による業務及び財産の管理を命ずる処分をすることができることとする。
これはイ又はロでございまして、一つは、金融機関の業務の運営が著しく不適切であること、そういうケースか、あるいはロでございますが、基本的に後ろ2行でございますが、そういった状態で解散等が行われました場合に、金融機関が業務を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること、こういった場合にできるということになっているわけでございます。
 もう一つ、これには2項におきまして、金融機関は、文書をもってその旨を申し出なければならないこととするという申し出主義というのもあるわけでございます。このマル1は職権、マル2は申し出でございますが、これは両立している話でございまして、申し出がなくてももちろん職権でもできるわけでございますが、通常ケースであれば、それは自らのことは一番自らが知っている。したがって、申し出に従って職権が発動されるということが非常に多いのではなかろうかと考えております。
 しからば、それを外形的にどうするかということでございますが、そこは、インターバンクにおける資金の状況とか、いろんなことを勘案するわけでございますが、その辺は日銀等からの資料、情報入手、そういったことを通じまして外形的に把握することはございますでしょう。
 ただ、いずれにいたしましても、この破綻というのは、そういった預金の払戻しが緊急差し迫るといった事態でございまして、いろんなケースが想定される。そういった中でいろんなケースに対応しつつ、かつ、基本的な考え方ということをお示しするとすれば、法律としてはこのような形で規定させていただいているというものでございます。                                   その次に、この理解という点でございますけれども、この表全体共通して御覧いただきますとおり、最終的に破綻したA銀行、B銀行というのは、法人格も経営者も株主も別の民間金融機関に移るというのが基本スキームでございまして、このスキームというのは、冒頭まくら言葉にありますとおり、一つには預金者保護、一つは金融危機システム、金融機能の維持、継承、そして、また、善意かつ健全な借り手に対する対策と、この3点の機能でございまして、その過程で元の銀行というのは、いわばその実態は法人格はなくなるということが一つの流れでございます。
 そういった中で御指摘のとおり、この振り分けというのは、これは大変難しい問題でございます。難しい問題でございますが、当然一方では公的資金を使うということと金融機能の維持、このぎりぎりの判断が必要なわけでございまして、それにつきましては、この預金保険機構にあります審査判定委員会、これが佐々波委員会の下、そこはいろんな事情に応じまして、厳正、適正に行っていくということになろうかと思います。
 なお、この全体のスキーム、どのようにこれから各般に御理解をいただくかということにつきましては、私どももその御指摘を十分に受け止めまして、またいろいろなことを、これは党とも相談しながらという話でもあるわけでございますが、また、委員の各位の皆様にもよろしくそういったことについての御理解等を賜れば幸いに存ずる次第でございます。
○貝塚会長 よろしゅうございますか、井上委員。
 吉野委員。
○吉野委員 2点あるんですが、1点は、今、井上委員とか翁委員からの話ですけど、このブリッジバンクの場合に、優良な債権だけを残せば残すほど受皿金融機関へのブリッジがやりやすくなりまして、本当に灰色のところで、ぎりぎりのところまで2年以内で止めてしまいますと、あるいはもう少し長期でやれば助かる企業もそこで切らざるを得なくなってしまうような気がいたしまして、ですから、良いところをどんどん縮めていけばいくほど、受皿機関は見つかりやすい。しかし、灰色のところを殺してしまう可能性があるのではないかと思いまして、ぜひここは注意深くやっていただきたいというふうに思います。それが印象です。
 2番目は、金融再生トータルプランの方で経営者の退任とか、あるいは民事、刑事上の責任追及、それから株主の損失負担というところは、この図でいきますと、破綻が終わって金融管理人に移るところでそれが行われるというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○三國谷企画課長 後者の経営者の問題でございますが、まず、金融管理人が選任された段階で、事実上、経営者の執行権はなくなってしまう。しかし、それが民事上、刑事上の責任かというと、そこは直ちにつながりません。これは、したがって、概要のところにございますように、概要の2ページのマル2の3行目、「また、」以下でございますが、金融管理人は、破綻に至った経緯、これは当然過去の経営者がどういったことをやってきたかということの解明も含むものでございます。そのためにいろいろな検査権等もあるということでございます。
 さらに、この分厚い方の2ページ目でございますが、?に犯罪があると思料する場合の措置。金融管理人は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発に向けて所要の措置をとらなければならないこととする。
 したがいまして、例えば背任とか、業務上横領とか、そういったことがありとすれば、こういったスキームの中で行っていく形になると思います。
 御質問の点が、もし役員の地位という問題であるとすれば、それは地位は株主総会の権限でございます。株主総会の権限でございますので、提案まではできるとしても、そこは直ちに法的にその効果が生ずるということにはなりませんが、大体こういった場合には、自ら退任するケースということが想定されると思いますし、その決議につきましても、特別決議であるとすれば、先ほどの仮決議とかというような道も方法論としては準備されている。いずれにいたしましても、そういった経営権につきましても、それぞれの法体系の中でのぎりぎりの措置ということでございます。
 一方、株主権との関係につきましては、やはり基本的に株主の権利というのも考慮しつつ、迅速性のために各般の措置を講じているところでございまして、ただ、債務超過という事態になった場合には、そのときには裁判所の許可を得るという形でこれを行う。裁判所の許可でいろんな措置も講じることができる。会社更生法等でもそういった状態になれば株主権は凍結される。さらにこちらの方でも裁判所の許可を絡めると、こういった構成になっているわけでございます。この辺は法務省とも十二分に調整させていただいた上でこのような措置を講じているところでございます。
○貝塚会長 まだ御質問あるかと思いますが、大体時間が参りまして、もう一つ皆様に御了解いただきたいことがあるんですが、それは、本日、金融審議会が発足いたしまして、いろいろ皆様方から御意見いただいたのですが、やはり金融審議会はこれから、どういうつもりで、何をやるのかということを世の中にはっきり言っておく必要があると思いますので、そういう意味でやや形式的であるかと思われるかもしれませんが、会長談話というのをまとめまして、後で新聞記者の方にそれを申し上げたいと思います。大変恐縮ですが、今案をお配りいたしますので、そして、事務局から読み上げいただくことになると思いますが、よろしくお願いいたします。
              〔会長談話案配付〕
○貝塚会長 では、どうぞ。
○事務局 それでは、お手元にお配りさせていただきました会長談話につきまして、 私より朗読させていただきます。
[ はじめに ]
 我が国金融は大きな転換点を迎えている。目下、2001年までに、我が国金融市場をニューヨーク、ロンドン並みの国際市場へと再生させることを目指す金融システム改革が進められている。行政の在り方も事前調整型行政から事後チェック型行政へと転換することが求められており、去る6月22日には、明確なルールに基づく透明で公正な金融監督の担い手として金融監督庁が発足した。
 さらに、経済・金融のグローバル化が進む中で、我が国金融市場の在り方についての海外の関心も高まっている。
 このような我が国金融を巡る状況の中で、金融審議会に与えられた責務と期待は大きい。本日の審議会で、私は会長に選ばれたが、今回の金融審議会の発足に当たり、会長として、現下の金融市場を巡る問題及び今後の金融審議会の運営について、所見を申し上げたい。
1.現下の金融市場を巡る問題
 現下の金融市場を巡る問題のうち、喫緊かつ最大のものの一つは金融機関の不良債権の処理であろう。不良債権の早期かつ抜本的な処理は、我が国金融を再生させ、我が国経済を回復させるために不可欠である。
 この問題の解決のため、先般、金融再生トータルプラン(第1次及び第2次)が取りまとめられた。金融再生トータルプランは、マル1債権・債務関係の迅速・円滑な処理等により土地・債権流動化と土地の有効利用を促すための施策、マル2金融機関の不良債権の実質的処理と経営の健全化を促すための施策、更には、マル3不良債権の抜本的処理を進める過程で金融システムの安定化と機能強化を図るための施策等、幅広い施策を含む、総合的なパッケージとなっている。また、トータルプランのうち、ブリッジバンク制度は、金融機関が抜本的な不良債権処理を進めるにあたり、金融システムの安定性確保と預金者保護、更には善意かつ健全な借り手に対する適切な配慮に万全を期すために必要な制度であり、内外からも期待されている。このブリッジバンク制度の整備・運用にあたっては、金融危機管理に迅速かつ機動的に対処し得るようにするとともに、ルールに基づいた公正かつ透明な運用がなされることを望みたい。また、ブリッジバンク制度の導入が、却って経営者や株主、更には借り手のモラルハザードをもたらし、我が国金融市場における市場規律と自己責任原則を損なうことがあってはならない。この観点から、破綻金融機関の経営者の厳格な責任追及や株主の損失負担の原則を貫くとともに、中立・公正かつ規律ある借り手対策を講じていくことが重要であろう。
 金融再生トータルプランには、不動産関係権利等調整委員会の創設、サービサー制度の創設、競売手続きの迅速・円滑化、ブリッジバンク制度の導入等に係る法案を今国会に提出する旨、スケジュールが明記されているが、こうした施策を早急にかつ一体的に実施することが重要である点を指摘しておきたい。
 なお、こうした施策を前提に、金融機関の側でも、ディスクロージャーを進めるとともに、積極的に抜本的な不良債権処理を進めていってもらいたい。
2.金融審議会の今後の取り組み
 情報・通信技術や金融技術が急速に発展している。また、世界的な市場間競争も高まってきている。こうした中で、我が国金融市場が内外の利用者にとって魅力があり、かつ透明で安心して取引が行うことのできる市場であり続けるためには、制度の不断の改善に向けて、見直しが必要である。更には、我が国金融市場が世界の金融イノベーションの発信地となる、最先端の市場となることも望まれている。我が国金融市場が活力ある国際的市場として再生することは、円の国際化にも資することとなろう。
 なお、本日、大蔵大臣から、金融審議会に対し、「21世紀を見据え、安心で活力ある金融システムの構築に向けて、金融制度及び証券取引制度の改善に関する事項について、審議を求める」との諮問を頂いたところである。
 私としては、この諮問を踏まえ、金融審議会において、安心で活力ある金融システムの構築に向け、21世紀の金融サービスの姿なども検討の視野に入れながら、各委員の御協力も得て、金融制度の中長期的方向や大きな枠組みなどを中心に、精力的に審議を行ってまいりたい。
[ おわりに ]
 金融システムの改革に当たっては、広く、利用者や実務関係者の方から直接御意見を頂くことも重要であると考えている。金融審議会の運営に当たっては、委員とも相談しつつ、出来る限り透明性を確保し、積極的に情報を発信してまいりたい。そのうえで、国民の皆様に金融審議会の審議に関心を持って頂き、御意見を事務局にお寄せ頂ければと考えている。皆様の御協力を宜しくお願いしたい。
 以上でございます。
○貝塚会長 ただいま読み上げていただいた案でございますが、委員の皆様、内容に特に御異論がないようでしたら、こういう会長談話という形で発表させていただきたいと考えておりますが、何かこれについて御意見ございませんでしょうか。
 石委員。
○石委員 基本的にこの文章を読み上げて御説明いただくのもいいだろうと思いますが、ただ、この先をちょっと知りたい。というのは、この審議会、我々委員に今日選出されましたけど、何をするかというと、まだ漠としているんですよ。漠としているのがいいのかもしれないけれども、どういうことかといいますと、やっぱりここでやるのは、「金融制度の中長期的方向や大きな枠組み」をという話ですよ、2枚目に書いてある。これは伏屋さんからもそういうあり方論だというし、大蔵大臣からもそういうことだと聞きましたけど、ただ、事態は極めて流動的な話を我々は扱わざるを得ない面もあるわけですね。とりあえず政治家主導でどんどん来る話もあるし、それから、マーケットがどんどん動いちゃうこともあるわけですよね。そうすると、我々のんびり大きな枠組みとか、中長期的なんていううちに、やっていることは陳腐になっちゃって、事態がどんどんいっちゃって、1年ぐらいたってやっていることは、さらに実践されて動いちゃっているというようなこともあり得るので、そこで、僕の質問は、カレントな、今解決しなきゃいけないという問題もこの審議会で議論するのか。それはネグっちゃって、どうぞ、事態の推移にお任せしますということで、何か大きなことをやるのか。僕はこれは非常に難しいと思うんですよ。どういうお考えですか。
○貝塚会長 今の点、局長、何か御発言ありますか。
 多少私の感じで申し上げれば、要するに、今日は今の話を。しかし、これはやや例外的というふうに考えています。要するに、とりあえずいろんな問題というのはここで毎回議論するということでありませんで、長期的な話。ですから、非常に簡単に申し上げますと、前にビッグバンと言われているものの改革案が出たわけですが、それをやはり法律的にきちっと仕組むためには、今の日本の金融システムの従来の仕組みとは大分違った、例えばの話、金融サービス法とか、かなり統一的な透明な法律を作って、そうしないと、日本の中でやっている限りはいいんですが、外国の人もみんな来るわけでしょう。そこで、やっぱりきちっとシステムを、その非常に基盤的なところをきっちりさせたいというのが一番の眼目です。
○石委員 そうすると、俗に言われる金融ビッグバンの裏付けというか、基礎固めとか、そういったフレームみたいのを、過去を少し反省しつつ、事態を見ながら、とりあえずノーマティブというか、あり方論的に議論していきたいと、こういうふうなイメージでいいんですか。
○貝塚会長 そうです。割合と中長期的なことが、短期的なことを我々はそんなに得意ではありません。
○石委員 ええ。もしか局長、何かあれば。
○伏屋企画局長 今、貝塚会長が言われましたように、私どもも先ほどの大臣の御諮問にありますように、やはり21世紀、しかも、利用者というのですか、消費者というのですか、安心で活力ある金融システムの構築に向けて、まだまだいろんな角度から検討していただかなければいかぬと思います。
 全体の中で全体像というのですか、姿も、今いろんなことをとりあえず順番にやってきたというところなものですから、もう一度またいろいろ整理していただいて、やはり長い目で見て、経済なり社会の根幹でもあり、血液でもあるものですから、そういう点で先生方のいろんな御意見、お力をお借りして、私どもの企画・立案の役目を果たしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○貝塚会長 よろしゅうございますか。
 ほかに。
 神田委員。
○神田委員 私も今、石先生がおっしゃったこと非常に大事だと思いますので、ちょっとこれは感想と希望なんですけれども、幾つか申し上げたいと思うんです。
 中長期的にまさに先ほど大臣からの諮問に応じて審議をするということは大事なことだと思いますけれども、それには全く反対でありませんけれども、その中長期的な方向感の中で、具体的にやれること、あるいはやるべきことというものが出てきた場合には、それは具体的な項目を審議していただいた方がいいと思うんですね。そういう意味で、どういう項目が考えられるか、私もいろいろ個人的には感ずることはありますけれども、それは次回以降、具体的に皆さんで御議論いただいて、ただ、若干例として申し上げますと、今まで議論してきた中で言いますと、例えば、先ほども室長からちょっと言及がありましたけれども、いわゆる金融サービス法ということで今まで議論してきた中でも、早くやれるものはやった方がいいのではないかという議論は可能かもしれません。
 それから、電子マネーの分野につきましても、電子決済について、今、先進諸外国で法制がないのは日本だけという状況でありまして、外為法改正もありましたし、インターネットを使ってクロス・ボーダー決済ということも出てきて、このままの状況でいくと、日本だけないという、そういう状態にあるのも現実なわけですから、そういうところで何かできるのか、すべきなのかという議論も可能だと思います。
 それから、今日のトータルプランというか、このブリッジバンクも、これ自体はこの後、政治の場で、国会で議論がされると思うんですが、こういう仕組みというのは果たして、平時、有事という言葉を使わせていただきますと、2001年までの有事の話なのか。2001年以降は一般の破産法、会社更生法の世界でいいのかという問題があると思うんですね。
 仕組みだけ言いますと、私の感じでは、破綻した銀行の資産をグッドアセットとバッドアセットに分けて、グッドアセットを承継し、バッドアセットを償却していくという、こういうやり方自体は私は平時にもあっていいと思うんですね。アメリカは現にそうなっている。
 そういうことを言いますと、今回はこれは有事の仕組みになっているのは、どこが有事かといいますと、先ほど感想で申し上げるべきだったのかもしれません。2点で有事だと私は理解します。
 一つは、国がやる。いわば収用的発想がある。一時的にせよ。一般の破産や会社更生ですと管財人の手に渡りますけれども、それは理論的に言えば、株主からコントロールが会社の債権者に移るということを意味しているにすぎないので、民、裁判所のもちろん監督ということはありますけれども、国がやる。
 もう一点は、同じことですが、公的資金が入るということなんです。国がやるということと公的資金が入るという点を除けば、こういう仕組みというのは平時でも使えるかもしれないわけですね。そうだとすれば、一般の金融機関については破産法とか会社更生法というのを適用しない。今回でも、対抗して預金者が例えば一般の破産とか更生の申立てされたら、どうなるんだという問題が実はあるので、本来は法律的には、破産、更生申立てはすることができないという条文を私は入れるべきだと前から主張してきているんですけど、それはともかくとしまして、平時の制度としてこういうブリッジバンクの仕組みというのは、あるのかないのかというのは、やっぱりここで議論できると思うんですね。それは今回の有事の制度の審議を見ながら、我々としてはというか、この審議会としては中長期的に議論していける重要なテーマの一つだと思いまして、今三つは例ですけれども、その一般的な中長期的な方向感を示す中でも、そういう個別具体的なものは早くやれるものは早くやるべきであるというような議論もできると思いますので、その点はやはり具体的に明確な議論をして、世の中にそういう意見を紹介するとか、そういうことをやっていくという姿勢を示した方が私はいいと思います。
○貝塚会長 ほかに。
 蝋山委員。
○蝋山委員 私も神田さんの今申されたこと、基本的に賛成なわけですが、しかし、いかに有事だろうとも、やはり平時のというか、あるいは将来を見据えたビジョンとできるだけ整合的であることが望ましいと思うんですね。いかに有事だろうとも。しかし、残念ながら、一体どういう方向に日本の金融全体を基本的なフィロソフィーで捉えていくのかという点に関しては、まだまだ確立されてないと思うんです、考え方が。
 そういう点を会長が言われたことと軌を一にするとは思いますけれども、もう少し我々としては、比較優位がある分野だと思うんですね。こういう基本的な考え方を持つべきだということをきっちりさせる。そして、いかに有事だろうとも、やはりできるだけそうした基本的な考え方に沿った方針を作っておくべきだ。
 先ほど翁さんが、民間金融機関へ最後の段階でグッドパーツ、グッドバンキングを売るときに、入札にするんですかどうですかということに関して、三國谷さんはお答えなかったわけですけれども、もしも基本的な考え方をできるだけマーケットの総意というものを反映させようといったら、そこですかさず、当然入札ですよと、そういう答えが出てきてもいいと思うんですね。これは一つの例であります。
 しかし、いろんなところで非常に具体的な問題で、そういう基本的な考え方が問われていると思うんです。御承知のような寄託証券補償基金の後に予定されております12月1日からの投資者保護基金の運営についても、その基本的な考え方どうなんだということが国際的ないわば問題になっている。やっぱり一つ一つ具体的な問題もあるわけですね。そういう点で、ぜひそうした個別具体的な問題と基本的なラインというものとをコンスィステントにつなげるような議論を我々はしていかなければいけないと思うし、それをいわばリークじゃなくて、よくちゃんと公開して、実際の任に当たられる方、全てが今行政がタッチしているわけじゃないわけで、影響を与えていかなければいけないんじゃないかというふうに思います。
 もう一つ、非常に細かい点ですが、重要だと思う点は、言葉をちゃんと使いませんか、この審議会で。前から言っているんですが、金融機関て何ですか。ここでいう今日の会長談話にあるのは比較的丁寧に書かれているわけですが、それでも諮問の内容、「金融制度及び証券取引制度」と書いてあるんですね。そして、元の審議会の報告を見ると、(以下「金融制度等」という。)と書いてある。ところが、後で全然等と使ってないわけです。それで、金融機関と言った場合に、それは銀行のことを言っているのか。銀行というのは銀行法の銀行を言っているのか、もう少し経済的なファンクションで銀行と言っているのか。いろんな形にとれるように書いてある。
 やっぱりこれから金融審議会は、ちゃんとしたコンセプトをぴちっと使って議論して、曖昧なところを残さないようにするべきだというふうに私は思います。ですから、銀行は銀行と言うべきだし、そして、金融制度というのは非常に広く使うべきである。金融機関というのは生保も、保険会社も金融機関でしょう。しかし、ここは銀行ですよ、当然でしょうというような態度は、やっぱり将来のビジョンを語るときに、そぐわないんじゃないんですかね。
○貝塚会長 率直に申せば、確かにそういう部分がありますね。破綻金融機関と言ったとき、これは多分銀行を想定しておられる。ほかの保険会社も証券会社もあり得るわけですね。何かありますか。
○三國谷企画課長 非常に大事な点ばかり、痛いところを指摘されたと思っておりますが、このブリッジバンク法案における金融機関というのは、預金保険法における金融機関という定義を引いている。この金融機関の中には預金保険機構の適用になるそのものが概念的に法律の世界だけでがっちりしているものでございますから、こういう表現になっている。ただ、おっしゃるとおり、金融審議会の中で、しからば、何をもって「金融」という言葉を使い、保険と証券とはどうやるか。では、さらにいくとノンバンクとか町金融はどうなんだとか、そこまでいっちゃうと思うんですが、そこは実はかなり深い議論があるかと思いますので、御指摘を十分踏まえまして、私どもいろんな事務的な作業をするときはやらせていただきたいと思います。
 それから、もう一点でございますが、何と申しましても、これまで証券・銀行・保険と三つにまたがった審議会がこういった形で一つに統合されたという形でございまして、その意味で、テーマとしては、三つのものを一緒に抱えた。一方で長期的なものも考えながら、また、一方でいろいろ御指摘がありますような個別の問題もある。これは当然委員の皆様、それから、会長の段階でお決めいただくことでございまして、私どもが事務的に申し上げるのは僣越でございますが、そういったものを睨みながら、しからば、どういった実際の枠組みがあるのか。例えば、そういった中でも、物によっては小委員会という方式もあるのかどうか。この辺も十分に検討させていただきたいと思っております。
 それから、神田先生の御指摘というのは、私ども今回の作業で非常に基本的なところでございまして、ただ、今の現実の民法、商法の段階でこれを可及的速やかにワークさせるとすればということで今のスキームを考え出したいわけでございまして、もともと私法の根っこの問題に入りますと、今のより深い問題は、多々あろうかと思っております。
 ただ、そこは、今そういった議論をするより、議論で時間をかけるということよりも、とにかく、今は既存の民法、商法のスキームにぎりぎりのところでこのいろんな特例を仕組んだということでございまして、また、この辺につきましては、先生、それから、江頭先生にもいろいろ御指導、御鞭撻いただきながら、問題意識等も一方で時間もある程度かかる話かもしれませんが、法務省でもいろいろ一般に検討されるという話も、これは金融機関に限らず倒産法の研究もされるという話も聞いておりますが、私どもも問題意識を持っていきたいと考えております。どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。
○貝塚会長 時間が大分過ぎまして、大変恐縮ですが、あるいは御発言あるかと思いますが、今日のところはこの辺で終わらせていただきたい。どうもいろいろありがとうございました。いろいろ貴重な御意見をいただきまして、今後この審議会の運営にいろんな形で取り入れさせていただきたいと思います。
 それでは、今日は、どうもありがとうございました。
                                (以 上)