金融審議会第7回総会議事録



日時:


平成12年6月27日(火)15時00分〜16時26分
場所: 大蔵省本庁舎(4階)第三特別会議室




貝塚会長
 それでは、時間が参りましたので、第7回金融審議会総会を開催いたします。
 皆様、御多用のところ御参集くださいまして、ありがとうございます。
 審議の開始前に、オブザーバーの交代がございますので、御紹介申し上げます。


内藤企画課長 オブザーバーとして御参加の増渕稔日本銀行理事でございます。どうぞよろしくお願いいたします。


貝塚会長 どうぞよろしくお願いします。
 それでは、議事に入ります。
 本日は初めに、本日答申として取りまとめを予定しております「21世紀を支える金融の新しい枠組みについて(案)」の概要を、蝋山第一部会長及び事務局から御説明いただくことにいたします。


蝋山第一部会長 それでは、御紹介いたしますが、第一部会長の蝋山ですが、発足以来1年半にわたりまして、「21世紀の金融のあり方」というテーマで、極めて熱心にこの御討議をいただきました。そして、このたび、これまで議論いたしました内容を、答申案、皆様方のお手元に配付されておると思いますが、「21世紀を支える金融の新しい枠組みについて(案)」というものをまとめた次第であります。
 以下、これを取りまとめました内容につきましては、初めに事務局から説明をお願いしたく思います。その上で私から若干の補足をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。


貝塚会長 それでは、内藤企画課長、お願いします。


内藤企画課長 企画課長の内藤でございます。
 それでは、「21世紀を支える金融の新しい枠組みについて(案)」の概要につきまして御説明いたします。
 資料の総会7−1を御覧いただきたいと思います。
 この中を御覧いただきますと、金融審議会の答申ということでこの案の内容がございまして、その後に、構成としましては、第一部会の下でのホールセール・リーテイルに関するワーキンググループの報告書、これは6月9日に既に公表されたものでございますが、これが添付されております。更に、証券決済システムの改革に関するワーキンググループ報告、これは6月16日に発表されたものでございまして、これも中に入っております。
 それで、ピンクシートを1枚めくっていただきまして、この答申の内容でございますが、最初に名簿がございまして、それから、審議会の構成の図がございまして、それから、総会の審議経過ということで、10年8月6日に第1回の会合が持たれまして、それ以降の審議経過について記載しております。それから、更に次のページは第一部会の審議経過ということで、御覧いただくような形でこれまで参ったわけでございます。で、目次がございまして、1ページというところで、「はじめに」というところでございます。
 それでは、簡単に御説明をさせていただきます。
 まず、金融審議会は、平成10年8月に大蔵大臣から「21世紀を見据え、安心で活力ある金融システムの構築に向けて、金融制度及び証券取引制度の改善に関する事項について、審議を求める」という諮問を受けて以来、二つの部会を設けまして審議を進めてまいりました。第一部会では、金融システム改革の進展を踏まえつつ、21世紀を見据えた金融のルールの枠組みや証券市場の在り方、第二部会では安心で活力ある金融システムの構築を目指し預金保険制度、保険会社の基本問題等についての検討を行い、逐次、その成果を公表してまいりました。
 この成果を踏まえまして、先般の通常国会におきまして、セーフティネット関係の2法案、それから、金融インフラ関係の3法案が、政府から提出され、5月に成立をしたところでございます。
 次が、3ページを御覧いただきますと、ここからが「金融サービスのルールに関する新しい枠組みについて」というところの記述に入ってまいります。この答申案は二つの構成になっておりまして、金融サービスのルールという問題と、それから、証券決済制度に係る部分、この2本立ての構成になっております。
 まず第1の部でございますが、「経緯」がございまして、金融システム改革に関する平成9年6月の金融制度調査会答申や証券取引審議会報告書におきまして、金融システム改革の進展状況を踏まえながら、金融サービスを幅広くとらえ、これに整合的に対応し得る新しい法的な枠組み、これをいわゆる「日本版金融サービス法」というふうに呼んでいまして、これの検討の必要性が指摘されたわけでございます。
 これを受けまして、13省庁等の共同勉強会でございます「新しい金融の流れに関する懇談会」というものが組織をされまして、今後の新しい金融法制・ルールの枠組みの検討がスタートいたしまして、10年6月に「論点整理」が取りまとめられました。その後は、この金融審議会に引き継がれたということでございます。
 このいわゆる「日本版金融サービス法」の必要性でございますが、4行目あたりでございますが、従来の我が国金融法制は、業法中心の枠組みの下で、金融商品・サービスが各関係業法により業態別に縦割りで規制される体系となっており、主として、業者に対して行為規制とか健全規制等を行いまして、監督当局による監督・是正措置というものを通じまして、円滑な金融取引と利用者保護を達成する仕組みというふうになっております。
 しかしながら、これについては、以下のような問題があるというふうに指摘されたわけでございます。
 まず第1が、利用者保護の観点からでございますが、やはり適用される業法が異なるということになりまして、規制内容に不整合が生じる。その結果、金融商品の如何によって保護の程度に差も生じてくるということがあり得るわけです。それから、業法に基づく行政当局の監督は、業者に対する制裁とか抑止力ということで機能いたしますけれども、利用者等のそのものに対して私法上の救済というような面では不十分であるということでございます。それから、金融の自由化等の進展で的確なリスク説明が求められるという中で、特に、業法の適用がないような場合には利用者保護が十分に図られないという問題もございます。
 次に、業者の立場から見た問題でございますが、業法の枠組みを超えた新しい商品・サービスというものを開発していくという場合に、法律関係が不明確である。それから、金融商品が異なると適用する業法も異なってくるということで、取引主体もそれに応じて異なってくるわけですが、そういったところでの参入というものが十分促進されていないということになりますと、実質的に業態を超えた競争が阻害されると。これは、ひいては利用者利便の向上にもつながらないというようなおそれがあるわけでございます。
 とりわけ、仕組み型の金融商品というふうに言われております、いわゆる市場型間接金融の中枢となる集団投資スキームにつきまして、投資商品ごとの特定された縦割り法制となっている。利用者利便の向上につながるような自由なイノベーションが困難だと、こういう指摘もあるわけでございます。
 そこで、機能別・横断的なルールとしての「日本版金融サービス法」が必要だということが指摘されています。
 次に、ルールの基本的な枠組みとしまして、これまでの金融審議会の審議を整理いたしますと、ルールの類型化としまして三つの側面があると。
 まず第1が、この1行目から2行目でございますが、金融取引の当事者間の私法的な権利義務関係の明確化に関する「取引ルール」というもの、それから、業者に対する行為ルールとしての「業者ルール」、それから、市場の取引参加者全てに適用される一般的な行為ルールである「市場ルール」、こういう3類型があると。
 それぞれについての考え方でございますが、まず第1の取引ルールでございますが、これまでは一般民商法によって委ねられてきたわけでございます。ただ、業者と利用者の情報格差という問題、こういう金融取引の特性を踏まえますと、利用者保護に必ずしも十分ではないという指摘がございます。従って、最後の行ですが、一般民商法を強化するルールを整備していく必要があるんだということでございます。
 第2が業者ルールでございますが、これはいわば利用者被害の予防とか、公正取引の確保等を図るために取引ルールを補完するという位置付けでございまして、5ページにまいりますが、各業法間の整合性を図りながら、またルールの横断化を進めていくと、こういう考え方がとられているわけでございます。
 それから、3点目が市場ルールでございまして、この市場ルールにつきましても、各金融取引における価格形成機能の違いなど、当然、市場が広範に存在するというもの、あるいはそうでないもの、いろいろまちまちございますが、特に市場の組織化の程度を踏まえながら市場取引参加者の守るべき行為ルールの横断的な整備を行うという考え方を示しております。
 この2.の「これまでの法整備」というところでございます。大きく二つの制度改正が行われたと、こういう整理をしておりまして、まず第1は平成10年〜11年の金融システム改革、第2が今般の、昨年の12月の「中間整理(第二次)」を踏まえた法整備というものでございます。
 まず第1が、「金融システム改革における対応」でございますが、金融システム改革におきましては、縦割りの法体系を残しつつも、利用者利便の観点を重視しながら、それまで大きな課題とされてきた業者の参入ルールの大幅な緩和、具体的には、証券取引所における証券会社というものが、免許制から登録制に移行したということが挙げられると思いますが、更に、市場ルールを含めた包括的なルールが整備されている証券取引法の活用によってルールの横断化が進められたということでございます。
 具体的にはマル1マル2でございまして、銀行、信託銀行、保険会社、証券会社の間での相互参入、業態間の競争を促進するということでございます。とりわけ、証券会社については、登録制への移行や専業義務の撤廃により、相互参入だけでなく他業からの新規参入を容易にしたと。第2点が、証券取引法が対象とする金融商品の拡大を行う。銀行等に対し証券取引法を一部適用しつつ証券投資信託の窓販を認める等の措置を講じたという形でのルールの横断化というものを図ったわけでございます。
 二つ目の柱が、「「中間整理(第二次)」を踏まえた法整備における対応」でございますが、6ページを御覧いただきたいと思います。
 今回の法整備につきましては大きく二つの柱がございます。まず第1が、マル1の「金融商品の販売・勧誘ルールの整備について」というところでございまして、「金融商品の販売等に関する法律」を制定しまして、今後新しい商品が登場した場合等にもこれを幅広く適用対象にしていくということで、政令指定をその都度行っていく、そういう仕組みを、今回、この法律に基づいて導入をしたわけでございます。販売業者等の説明義務違反に対しては損害賠償責任──これを取引ルールというふうに呼ぶことができるわけでございまして──を定め、同時に制定された「消費者契約法」とも併せて、利用者の民事上の救済を充実し、ルールの強化を図ったと。
 それから、適合性の原則や不招請勧誘等の不適切な勧誘への対応につきましては、業者に勧誘方針の策定・公表を義務付け、適正な勧誘を確保するための業者による自主的な取組みを促した。
 第2点が「集団投資スキームの整備」でございまして、これも幅広い資産を運用対象とするような一般的な仕組みを導入いたしました。それから、2行目あたりですが、運用業者に対する行為規制、あるいは、いわゆる受託者責任の明確化といったことも規定をいたしまして、縦割りでない機能別規制の導入を図りました。
 それで、最後の下のパラグラフですが、今回のこれらの改革は、機能別・横断的法制に向かっての努力によるものであると。特に、民事法制の特則として位置付けられる取引ルールの制定、それから、一般的な集団投資スキーム法制を整備して、資産運用業者への行為規制を定める。それから、証券取引法において規定されている業者ルール・市場ルールを適用していく、こういうことでルールの横断化を図ってきたという点に特徴があるというふうにされております。
 次に、7ページでございますが、「ルールの実効性の確保と消費者教育」というところでございます。
 金融取引の適正化を実現していくためには、ルールの策定というものを今申し上げましたが、これに併せまして、消費者保護のためにはルールの実効性を確保するというための制度の整備が不可欠であると、こういう考え方に立ちまして、消費者に必要な知識や情報が容易に入手できる仕組みを完備するということが大きな重要な課題であるということでございます。
 そこで、この(1)で「金融分野における裁判外紛争処理制度の整備について」という検討でございます。
 この制度につきましては、司法制度の使い勝手の悪さ等の問題という認識も踏まえながら検討に入りまして、「ホールセール・リーテイルに関するワーキンググループ」に、金融分野における裁判外紛争処理制度の在り方についての検討を依頼いたしまして、先ほど申し上げたような報告書という形で取りまとめられたわけでございます。
 次の(ロ)でございますが、金融分野での消費者トラブルの解決には、一般に、迅速性・簡易性が求められる。当時者双方の納得が特に重視される。それには、金融の専門家の活用や解決過程への当事者の積極的参加を可能にする等、柔軟な対応が求められる。こうした点を考慮いたしますと、金融トラブルに裁判制度のみで対処することには限界があるということで、裁判外の簡易・迅速な紛争解決を図る、こういう処理の方式が期待されるところが非常に大きいということでございます。
 そこで、8ページにまいりますが、1行目から2行目でございますが、「苦情処理・相談等、申立の初期段階での対応をも重視し、そうした全過程を通して、裁判外での合意による解決の意思を醸成できる体制の整備が必要である。」。検討をいろいろいたしまして、基本的にはこういう形でこの裁判外紛争処理制度の強化を図っていく考え方をとったわけでございます。
 この裁判外紛争処理制度の確立は、業者にとってもプラスであると。すなわち、コンプライアンスの観点から問題是正のための重要なツールである。また、積極的な取組み姿勢を行えば、市場での業者の評価につながる。ひいては取引の円滑化、金融市場の健全な発展にも資する、こういう考え方をとったわけでございます。
 (ハ)でございますが、ワーキングでの議論としましては、様々な検討をいたしまして、(ハ)の最後の3行あたりの、なお書きでございますが、「なお、統一的・包括的な第三者型機関を設立するメリットは少なくなく、中長期的には一つの理想型として評価すべき、との議論がなされた。」。ただ、各論点については、非常に論点も広範でございまして、必ずしもこの意見を一致させるということができませんでした。
 ただ、(ニ)としまして、「以上の結果、将来的な統一的・包括的制度も視野に入れつつ、既存機関の運用面での改善等、現時点で取り得る効果的な方策を早急に実施することが、先ずは重要である。」ということで、少なくとも、次のような対応をとっていくべきであるということでございまして、まずマル1個別紛争処理における機関間連携の強化、マル2苦情・紛争処理手続の透明化、マル3苦情・紛争処理事案のフォローアップ体制の充実、マル4苦情・紛争処理実績に関する積極的公表、マル5広報活動を含む消費者アクセスの改善、を早期に実施することが求められる。マル6といたしまして、「これらの着実な実施を担保するとともに、業態の枠を超えた情報・意見交換等を行い、」、更にこの制度の改善につなげていくというために、「金融当局、消費者行政機関、消費者団体、各種自主規制機関・業界団体、弁護士会等の参加する「金融トラブル連絡調整協議会(仮称)」を設置すべきである。」と。
 「なお、こうした施策の実現に当たっては、既存の紛争処理機関の自主的努力だけではなく、国や地方自治体の様々な面でのサポートが不可欠であり、行政の積極的なリーダーシップが期待される。」というふうな方向づけがなされております。
 それから、(2)で「金融分野における消費者教育の推進について」というところでございますが、ここでまず最初に、あるべき消費者像というようなところの記述がございまして、「消費者が主体的に商品を選択し、そのメリットを享受していくためには、消費者が金融の仕組みや取引ルール等に対する知識を深め、多数の選択肢の中でその商品がどのように位置付けられているかを理解するよう努めることが基本である。」ということでございます。
 その2行あたり下に、「一方、」というところでございまして、「消費者がこのような対応を適切に行っていくためには、金融商品・取引について十分な知識や情報が消費者に対して提供されることが前提となる。」。
 そこで、「消費者教育については、」ということで、これまでも地道な努力が関係者の間で、行政機関、業界等による地道な努力が行われてまいりましたけれども、それぞれ個別主体ごとの取組みであるということで、今後は、よりそれをネットワーク化していこうというふうな考え方が述べられておりまして、下から3行目の「先ずは、」というところでございまして、「業界、消費者団体、地方公共団体、関係省庁等が参加する貯蓄広報中央委員会・都道府県貯蓄広報委員会のネットワークを活用し、消費者教育を体系的・効率的に実施することが重要である。」ということでございます。
 最後の3行のところですが、「これらの施策の実施も含め、今後、金融庁を中心とする関係当局は金融分野における消費者教育に積極的に取り組むべきであり、そのための具体的対応の検討が期待される。」というふうに結んでおります。
 次に、「新しいルールの枠組みに向けた今後の取組み」でございますが、基本的な考え方としましては、今回の「中間整理(第二次)」を踏まえた法整備によりまして、いわゆる「日本版金融サービス法」の第一歩が記されたというふうにしておりまして、更に、二つ目のパラグラフの下ですが、「したがって、21世紀の金融を支える新しいルールの枠組みとして、取引ルール・業者ルール・市場ルールについての機能別・横断的法制の整備・拡充は、引き続き重要な政策課題である。」というふうにしております。
 次に、「今後の課題」でございますが、「いわゆる「日本版金融サービス法」の理念型は、すべての金融商品に横断的な取引ルール、業者ルール、市場ルールが整備されることである。今後も、これに向かっての着実な努力が必要とされる。一方、情報通信技術(IT)革命、グローバル化による非対面取引、クロスボーダー取引の発達や金融再編といった金融環境の急速な変化にも迅速かつ現実的に対応することが求められる。」というふうに認識を述べまして、この具体的な課題としては以下のようなことが考えられるということで、マル1以降になりますが、まず取引ルールでございますが、これはまず金融商品販売法で今後政令の策定等が待っておりまして、更に、新しい金融商品が登場した場合には速やかに政令指定していく。それから、適合性の原則、不招請勧誘等の不適切な勧誘への対応につきましては、勧誘方針の策定・公表を行って、自主的な業者の取組みを促していくということが基本でございますが、更に、この真ん中あたりでございますが、「今後の非対面やクロスボーダー取引等の更なる進展もあるなかで、業者の取組み状況いかんによっては、実効性確保の方策について更に検討することも考えられる。」ということでございます。すなわち、こういった取引ルールにおける対応、あるいは各業法の見直しなど業者ルールの強化によって改善を図ることなども可能と考えられ、必要に応じて、このような対応を検討すべきであると。
 そしてまた、その下に、資産運用業者等のいわゆる受託者責任の問題について述べておりまして、今回、集団投資スキーム法制の整備を図りましたが、今後更に、それ以外の管理業者等の、そういった分野も含めた、更なる取組みが期待されるということでございます。
 マル2が業者ルール、市場ルールでございますが、これは集団投資スキームに関し幅広い資産を運用対象とする一般的な仕組みを導入いたしました。今後は、金融市場の展開等に応じまして、利用者保護等の観点から、各業法の整合的な整備というものが望まれると。更に、参入規制の大幅な緩和等が進む中で、有価証券等に関する横断的な法制としての、証券取引法について、その見直しを含め、一層の証券取引法の活用ということを検討していくことも考えられるというふうにしております。
 12ページでございますが、2行目あたりですが、今後、銀行、保険会社の業務範囲の見直しということも求められておりますが、このような場合においても、機能別・横断的な考え方、誰が行うのかではなく、何をするのかに立った対応が必要であるということでございます。
 マル3は、現在、政府で高度情報通信社会推進本部で検討されております個人情報保護の観点でございまして、個人信用情報保護のための望ましい制度を整備することが求められるということでございます。
 最後の結びでございますが、「以上のような今後の課題に積極的に取り組んでいくことこそが、我々が理想とする一覧性のある機能別・横断的法制に着実に進む道である。こうした努力を積み重ねていくことにより、その理想とする具体的法制の姿が明瞭に視野に入ってこよう。」ということでございます。
 13ページでございますが、今度は、「21世紀の我が国証券市場を支えるインフラ整備の在り方について」ということで、証券市場のインフラ整備でございますが、「証券市場のインフラ整備の重要性」というところで、高齢化社会を目前に控えまして、個人金融資産のより有利な運用が求められる。次代を担う新規産業への資金供給が重要になってきております。また、発展途上国を含む世界への円滑な資金供給という、国際的な役割もあるということで、そういう認識を踏まえまして、我が国証券市場は、国内外から要請されている利用者利便の向上に的確に応えていくことが重要である。また、取引の決済リスクの低減を通じまして利用者保護の徹底や取引の円滑化などを図っていくことが求められている。証券市場のインフラ整備を積極的かつ継続的に行っていく必要があるということで、これが、いわば21世紀を支える金融の新しい枠組みのもう一つの大きな柱であるということでございます。
 「これまでの取組み」でございますが、第一部会では、昨年11月、真ん中あたりでございますが、「証券取引所の組織形態の在り方等に関するワーキンググループ」を設置しまして、証券取引所等の組織形態として株式会社を可能とすることについての検討を行ったわけでございます。これにつきましては、14ページにまいりますが、先の国会で証券取引法等の改正が行われたわけでございます。
 次に、「一方、」というくだりでございますが、証券決済システム改革につきましては、平成9年の証券取引審議会の報告の中で、中長期的観点から進めていくべき課題として位置付けられておりましたが、その後の金融機関等の破綻を契機といたしまして、決済リスクに対する意識が非常に高まってきた。それから、金融システム改革の進行等により市場関係者の決済コストや流動性に対する意識が高まってきた。あるいは諸外国の動き、こういった状況の変化を踏まえまして、昨年9月にワーキングを設置し、検討を行ってまいりました。
 2.以降がその考え方の整備でございますが、「統一的な証券決済法制の整備」ということで、我が国の現在の証券決済は、有価証券の種類ごとに異なる法制に基づいて行われておりまして、株式について、あるいは社債等一般債、あるいは国債、それぞれがばらばらの決済が行われております。このため、証券決済機関も有価証券の種類ごとにそれぞれ別々に存在しているという状況でございます。
 これについての問題点としては、マル1が、利用者のニーズを十分に満たしたサービスを提供することができないだけでなく、範囲の経済を活かした決済事務の効率化を図ることができないという問題点。マル2が、証券決済機関の利用者の立場から見ますと、最後の行ですが、「それぞれの有価証券を扱う証券決済機関の参加者となる必要があり、その結果、有価証券全般を横断的に取り扱う証券決済機関が存在すれば不要と考えられる重複投資が発生するおそれがある。」。
 こういったことで、次のパラグラフの2行目ですが、共通に適用される新たな証券決済法制の整備が不可欠である。また、証券決済機関の担い手の如何にかかわらず、こういった法制が適用されることも必要であるということでございます。
 (2)で「有価証券の無券面化を可能とする法制の整備」ということで、現在の株式で行っております保管振替制度でございますが、これは、株券等の預託が前提となっておりまして、実際にこの株券を発行するという手続が必要になってまいります。そうしたコストも生じております。従って、効率化を図っていくためには、その最後のパラグラフでございますが、「権利者(利用者)の保護を確保しつつ、現物証券の存在を不要とする(無券面化)法制の整備が必要である。」というふうにしております。
 それから、次に、「証券決済機関の在り方の見直し」ということで、統一的な証券決済法制に基づき、多様な有価証券を取り扱う証券決済機関が実際に現れることが望ましいということでございます。その下から3行目でありますが、そのために対応すべき課題としましては、利用者の意見の適切な反映などガバナンス機能の充実、それから、この機関の相互間の競争可能性の確保といったものも必要であると。特に、証券保管振替機構の運営についてのガバナンス機能等の問題の見直しを進める必要があるということでございます。
 次に、16ページでございますが、「電子化の推進およびDVPの実現等」ということで、まだまだ証券取引における実際の事務は人手を介して行われているものが多いわけでございますので、更なる電子化のための取組みが必要であるということで、DVP、資産の引渡しと資金の支払いとを相互に条件を付けながら、同時履行を確保する、そういう仕組みを実現していくことが不可欠だというふうにしております。
 今後の課題でございますが、まずは、その法制の整備ということでございます。金融行政当局においては、立法化に必要な検討を早急に進めるべきである。ただ、法整備だけでは不十分であって、この4行目から5行目でございますが、「幅広い市場関係者が主体的かつ積極的に改革の努力を行うことが不可欠である。」と。
 その更に2行下でございますが、特に、米国では、具体的な目標時点(現時点では、2002年6月)を設定しておりまして、T+1という翌日決済の実現を目指しております。こうした状況も踏まえますと、差し迫ったまさに課題であるということでございます。そうした観点から、速やかに検討を進め、実現させなければならないと。
 17ページ、最後でございますが、「おわりに」というところで、「以上、21世紀を支える、金融サービスのルールに関する新しい枠組みと証券市場のインフラ整備について、金融行政の企画立案部門が大蔵省から新たに発足する金融庁に移管されることを一つの節目として、これまでの検討のとりまとめを行った。」ということでございます。
 今後の金融の様々な環境変化が見込まれる中で、真ん中あたりでございますが、「機能別・横断的法制の更なる推進を基本軸とすることによって、利用者保護の徹底に努めることが更に重要となってこよう。」。それからまた、その2行下でございますが、「電子取引・決済等の進展、国際的な市場間の競争の高まりに伴い、ルールの明確化が一層求められよう。」ということで、「市場インフラの整備に積極的に努めることが、引き続き重要である。今後、金融庁においては、利用者保護の確保、業者間の競争促進や技術革新等を通じた利用者利便の向上、取引の円滑化や市場の安定等の観点を踏まえ、21世紀を支える金融の新しい枠組みを構築するための努力を続けていくことにより、我が国金融市場の一層の発展につなげることを期待したい。」ということで結んでおります。
 以上でございます。


貝塚会長 それでは、蝋山部会長、どうぞ、補足をお願いします。


蝋山第一部会長 用意されたものはないんですけれども、この1年半の議論を振り返ってみますと、当初は、いわゆる「日本版金融サービス法」というものの理想を求めて議論を重ねてきたという思いが強くいたします。しかし、議論の成果を具体的に法制化しようとしますと、それはなかなか容易ではないということも分かってまいりました。そして、やや戦術を変えて、個別具体的な問題について、理想を追い求めるという姿勢を失うことなく、個別具体的な制度の改善というものを実現させていこうと。こういうことで、金融商品の販売・勧誘に関するルールの明確化、あるいはSPC法の改正や、証券投信法人法の改正、こういった集団投資スキーム法制の整備といった努力を実現させてきたわけであります。
 21世紀の金融は、我々共通の考え方と思いますが、もっともっとマーケットのメカニズムというものを活用するという方向で、日本の金融を生き生きとしたものにしなければならない。金融サービス業の活性化を図らなければならない。しかし、同時に利用者の保護ということもきちんと対処しておかなければならない。こういう、フェアネスと、それから、エフシェンシー、更に、グローバルな動きの中での対応ということを考えてみるときに、機能別・横断的な規制が必要である、あるいはルール、制度といったものが必要であるということについては、大方の意見は一致しているというふうに思います。
 問題はまだまだたくさん残されておるわけでありまして、今日の答申案に明示的にされております裁判外紛争処理制度の問題、あるいは証券決済制度の改善の問題、これは幾つか考えられる諸問題の中での具体的な例にほかならないわけであります。今後、大蔵省の所管から離れて金融庁に移行する金融審議会において、あるいは金融庁そのものにおいて、ここで提起された問題の早期の実現を図ると同時に、更に、残された課題、様々な課題、ここで列挙することは差し控えますけれども、具体的な問題を一つ一つ解決していっていただきたい。しかし、そこで見失ってならないのは、機能別・横断的なルール、制度というものをきちんと整備するということ。従来の縦割り型、業態別の規制というものから、少しずつでも、問題に応じて脱皮していくということが必要なんじゃないか。そういうことを通して、きちんと利用者が保護され、その上で金融システムの活性化と金融サービス業の効率化というものが進むことを期待したいというふうに思っております。
 やや主観的な補足意見でありますけれども、今日の答申案の補足的な説明といたしまして、こういう考え方を述べさせていただきます。ありがとうございます。


貝塚会長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの蝋山部会長と事務局の御説明を踏まえまして、お配りされております資料の「21世紀を支える金融の新しい枠組みについて(案)」に関して御意見、御質問を御自由にお出しください。どなたからでも結構です。
 第一部会の委員を兼務されております井上委員や大塚委員、あるいは神田委員、高橋委員、田中委員、原委員、福間委員、もし何か多少補足的なことでもありましたら、どうぞ。
 原委員、どうぞ。


原委員 私はもっと主観的に、蝋山先生より主観的ですが、私も、もう少し横断的、それから、統一的なシステムということを考えて、1年半前ですね、まあ2年近くになりますけれど、スタートして、私の印象としては、やはり時間がまだ1年半ぐらいでは短かったということと、それから、やはり確固として業態が、やっぱりそれぞれしっかり存在をしているというところで、何て言うんでしょうか、まだ道半ばという印象を持っております。蝋山先生がおっしゃったように、だからといって理想を下げたということではありませんので、理想は、こういう形がいいというのは、こう高く掲げたままというふうに私は認識しておりまして、ですから、ちょうどまだ道の本当に半ばだというふうに思っておりますので、これをぜひ引き続いて検討ということの俎上にはあげておいていただきたいというふうに思っております。


貝塚会長 ほかに、どうぞ。御意見がございましたら、どうぞ御自由に。
 福間委員、どうぞ。


福間委員 意見というよりは感想に近いものになりますが、この審議をやっている過程で、金融の世界でもITといいますか、テクノロジー、イノベーション、グローバル化がどんどん進んでしまって、いつも取り残されているような感じを持ちながら議論していたわけです。しかし今回の答申には、先ほど蝋山さんが仰ったように、21世紀を展望した課題・キーワードがぴしっと入っております。この議論をはじめたときよりも、今のほうがグローバル・マーケットの動きは非常に早くなっていると感じておりますので、この答申の内容のインプレメンテーション、あるいはルールのエンフォースメントをいかにスピーディに国際競争力を持ってやっていくか、ということがこれからの重要な課題だろうと思います。


貝塚会長 ほかに御感想あるいは御意見、どなたからでも。
 井上委員、どうぞ。


井上委員 今までの各委員の感想とほとんど一致しているんですけれども、この部会は、ここに書かれているように、「日本版金融サービス法」の第一歩が記されたと。第一歩が記されたにとどまったということかもしれません。そういう点で、ぜひこの次の金融庁のお仕事で、前向きな検討をお願いしたい。
 なぜそれを申し上げるかといいますと、これは第二部会を中心に、今後の日本の金融システム、いろいろな、こういう時代になるとリスクがますます上がるわけですが、リスク対応の様々な点については、かなり十全な制度的な手だてが、昨年12月までの審議である程度打たれたと思うんです。つまり、これまでの金融問題のこの10年間の処理について、かなり大きな財政負担が国民の側に回るわけです。今後も回り得る。そして、この10年間、失われた10年ということを考えたときに、この残された第一歩から、早く日本の金融システムが近代的な効率を持ち、そして世界の金融市場と対等に渡り合える、国民への負担のツケが少ない、またリターンの多い、そういう金融システムに、強い勇気を持って取り組んでいただきたいという感想を述べておきます。


貝塚会長 ほかに、御発言ございませんでしょうか。
 高橋委員。


高橋委員 私は第一部会及びワーキンググループの委員としまして、消費者教育こそ最大の消費者保護という前提で、消費者教育の推進について繰り返し意見を述べさせていただいてきました。また、ワーキングとか第一部会で発表の場をいただきました。
 今回、報告書に一部取り入れていただいておりますけれども、やはり金融の仕組みや取引ルールに関する知識をしっかり持って、リスクとリターンを正しく判断して、主体的に商品を選択して、そのメリットを享受できる消費者というのが、あるべき消費者像として挙げられていて、そうした消費者を増やすためには、しかるべき教育が必要であると。今までの教育は、どちらかというと、そうした消費者育成に十分な状況ではないので、ああしてほしい、こうしてほしいということを申し上げてきたんですが、この報告書では、貯蓄広報中央委員会とその各地委員会のネットワークを活用したものは今すぐできるから、してほしいということと、インターネットを活用した情報発信、学校教育における取組みも期待したいという書き振りになっておりますけれども、やはりこうした取組みというのは、金融庁を初め関係当局の積極的かつ具体的な取組みというのがかなりのスピード感を持って行われるということが必要だと思います。
 私は、これも再三申し上げてきたんですが、実働開始を2002年の4月ぐらい、それを、難しいにしても2003年ぐらいをめどに開始していただきたいと。ビッグバン先進国のイギリスの例でいえば、消費者教育の実態調査から始まって約2年で教育プログラムを作成し、もう実施が始まっているという状況でございますので、日本もそのぐらいの取組みが必要であるというふうに思います。どこがリーダーシップをとるかについては、とりあえず貯蓄広報中央委員会というふうになっておりますけれども、金融庁ができることですので、金融庁の中に消費者対応のデスクを設けていただくことであるとか、そのための予算措置というのが早く講じられることをぜひお願いしたいと思います。
 以上でございます。


貝塚会長 ほかに、御意見あるいは御発言はございませんでしょうか。
 ただいま各委員、あるいは部会長が言われたことで、私のやや個人的な意見ですが、金融サービス法は、最近イギリスでは新しい金融サービス法ができまして、日本の場合は、やっぱり重要なパーツができ上がったということは、私はそうだろうと思うんですね、横断的な。全体としてのサービス法を作るというのは、これからのまさに我々の仕事なんですが、まだいろいろ幾つか難しい課題があるというふうには思っておりますが、新しい金融庁で努力していただきたいというふうに思います。
 ほかに御意見はございませんでしょうか。
 それでは、ここで「21世紀を支える金融の新しい枠組みについて(案)」、この報告につきまして、本問題に関する最終的取りまとめとして、当審議会総会の答申といたしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

貝塚会長 ありがとうございます。それでは、そういうふうにさせていただきたいと思います。この答申案を、金融審議会答申として正式に了承することにいたしたいと思います。
 この答申は、この後、金融審議会答申として大蔵大臣に提出いたしますとともに、本日の会議終了後、私と蝋山、倉澤両部会長で行う予定の記者会見の場において対外公表をさせていただくことといたします。
 それから、続きまして、第二部会報告「保険会社のリスク管理について(保険会社会計を巡る論点整理)」の概要につきまして、倉澤第二部会長及び事務局から御説明をいただきます。
 倉澤部会長、どうぞ。


倉澤第二部会長 第二部会長の倉澤でございます。
 第二部会におきましては、「安心で活力ある金融システムの構築」というテーマの下に、昨年8月以降、保険の基本問題につきまして、ワーキンググループを設置する形で検討を行ってまいりました。そのうち、保険会社のリスク管理と倒産法制の整備につきましては、昨年12月に中間的な取りまとめを公表したところでございますが、今般、保険会社会計を巡る問題につきましての論点整理を作成いたしましたので、これを御報告申し上げる次第でございます。
 以下、この取りまとめの具体的な内容につきまして、事務局から説明していただくことといたします。どうぞよろしくお願いいたします。


菅野保険企画室長 保険企画室長の菅野でございます。
 それでは、「保険会社のリスク管理について(保険会社会計を巡る論点整理)」の概要につきまして、御説明申し上げます。
 お手元に白表紙で、「保険会社のリスク管理について(保険会社会計を巡る論点整理)」、この冊子が配られているかと思います。まず、この報告書の全体を御覧いただくため、中ほどの赤い紙の次のページにあります目次をお開き願いたいと存じます。
 報告書は、全体4章立てとなっております。このうち、第・章が「保険会社を巡る会計にかかる問題」でありまして、本報告書の中心的なテーマとなっているところであります。この中では、「保険にかかる国際会計基準の策定の動き」と「「金融商品の時価評価」に関する保険会社会計の問題」に関しまして論点整理がなされております。また、第・章は「「中間取りまとめ」以降の取り組み」といたしまして、昨年12月に第二部会から公表されました「保険会社のリスク管理と倒産法制の整備(中間取りまとめ)」に指摘されていた事項を中心に、その後の関係者による取組みをフォローする内容となっております。
 それでは、ポイントとなる点を中心に御説明いたします。
 まず、2ページをお開きください。「「中間取りまとめ」以降の取り組み」についてでございます。
 「金融監督庁による監督上の措置の見直し」についてですが、まず第1パラグラフで、「中間取りまとめ」において、標準責任準備金制度及びソルベンシー・マージン基準について見直しの方向、その他について指摘があったことを述べ、第2パラグラフ以下では、これらの指摘を踏まえて、実施された監督上の措置の見直しが挙げられております。標準責任準備金制度につきましては、標準予定利率の算定方式の適正化など、ソルベンシー・マージン基準につきましては、ソルベンシー・マージンへの劣後債務の算入限度額の厳格化などの措置がとられております。また、「(3)相互会社の社員配当に係る規制の見直し」や「(4)ディスクロージャーの充実」につきましても、所要の措置がとられております。
 次に、2の「保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律について」では、金融審議会第二部会の報告であります「保険相互会社の株式会社化に関するレポート」及び「中間取りまとめ」を受けて、法案が取りまとめられ、先の国会で成立したところであることを記述してございます。法案の内容につきましては、ここでの御説明は省略をさせていただきます。
 4ページでございます。「日本アクチュアリー会による将来収支分析にかかる実務基準の見直し」ですが、将来収支分析による責任準備金の十分性の確認は、責任準備金の積立てを将来のキャッシュフローの下で検証するものであり、保険会社のリスク管理において極めて重要であるとの認識の下で、「中間取りまとめ」におきまして指摘が行われたところであります。
 これを受けて、日本アクチュアリー会において行われた検討についての紹介がされております。ポイントとなる点について御説明をいたしますと、まず、将来シナリオの設定についての明確化と恣意性の排除のための見直しが行われております。また、不足相当額を積み立てない場合の経営改善計画についても厳格化が図られるとともに、経営改善計画は即時実行の上、次年度以降の意見書でフォローアップが行われることとされております。更に、事業継続困難の申出の基準に係る確認につきましては、従来はこの種での確認は行われていなかったわけでございますが、これを実施することとされております。
 次に、将来収支分析についての実効性確保のための措置について記述されております。まず、実務基準の見直しについて、任意シナリオを用いるような場合、どのようなシナリオを用いているかなどについて、保険会社は情報開示をするべき等の指摘をしております。
 6ページ、「今後の課題」では、この「中間とりまとめ」以降の取組みに関しまして、今後の課題を指摘しております。
 まず(1)では、これらの監督上の措置について、今後、不断の見直しや、倒産法制の整備に関連して、保険会社の破綻に伴う損失が大きくならないうちに必要な対応がとられることについて指摘が行われております。
 (2)はディスクロージャーに関しまして、一層情報開示について引き続き検討が行われるべきであるとしております。
 (3)は、将来収支分析について、試行により、更に完成度の高いものが策定されることを期待すること、また実務基準の法令上の位置付けの明確化が望ましいこと、保険計理人の意見書について、保険計理人によるフォローアップと監督当局による継続的なモニタリングの重要性などを指摘しております。
 それでは、8ページでございます。「保険会社を巡る会計にかかる問題」について御説明いたします。
 「はじめに」では、近年、我が国の会計基準についての改革と、国際会計基準の見直しの動きの中、保険会社の会計の在り方について検討することが重要な課題となっているという問題提起を行っております。
 2番目の「我が国の保険会計制度の概要」では、(1)の「保険会社会計に求められる役割」と(2)の「保険会社会計の法的位置づけ」について概括的にまとめてございます。このうち、(2)の「保険会社会計の法的位置づけ」におきましては、まず、「保険業法と商法の関係」について述べております。特にここでは、商法第32条の「公正ナル会計慣行」を斟酌すべしという条文の解釈が問題になり得るところでありますが、これにつきまして、企業会計原則を初めとする企業会計審議会が公表する企業会計の基準が参酌されることになると解されること、一方、保険業の場合、その特殊性を考えれば、保険会社にとっての「公正ナル会計慣行」が企業会計原則と必ずしも同じであるとは限らないと考えられることが述べられております。
 更に、「証券取引法上の取り扱い」について見てみますと、後段でございますが、今後、仮に保険業法上の経理規定が見直されるような場合には、証券取引法の観点からは、それが受け入れられるものであるかどうか検討される必要があることが指摘されております。
 さて、ここからは、国際的あるいは国内的な会計基準の見直しの動きに対しての保険会社に係る対応について論点整理を行っているわけでございます。
 まず、3の「保険に係る国際会計基準策定の動き」につきましては、国際会計基準委員会の保険プロジェクトについて紹介しております。現在、論点書が公開され、これについてのコメントが募られている段階でありますが、今後のスケジュール感、また議論の動向については、まだはっきり見通しが立たない状況であります。
 「論点書の基本的考え方」につきましては、ここにポイントを御紹介しておるところでありますが、まず、資産・負債のアプローチの採用、一般的な目的の会計基準の策定、保険契約に基づく負債も公正価値による評価を行うといったところが中心となっております。
 「論点書に対する今後の検討の視点」でありますが、以下列挙してございますような点などの問題がありまして、慎重な検討が必要と思われるということが述べられております。
 一方、一番最後のパラグラフでありますけれども、国際会計基準が承認された場合を考えれば、我が国保険会社の経営や監督の在り方にも大きな影響を与える可能性があるため、我が国保険関係者としても主体的な取組みを行っていく必要があることを指摘しております。
 次に、「金融商品の時価評価」に関する問題であります。
 まず(1)で、昨年1月に企業会計審議会から意見書が公表され、企業会計の分野に金融商品の時価評価が平成12年4月以降開始する事業年度より導入されることとなったことが紹介されてございます。
 次に、(2)で、保険会社に意見書に従った時価評価を適用した場合の問題点が指摘されております。すなわち、保険会社の場合、保険契約に由来する超長期の負債(責任準備金)を有する一方、健全性維持の観点からの資産運用行動をとる結果、資産面では長期の債券等の占める割合が高くなるという特性が見られるところであります。このような資産負債構造を有する保険会社が、「意見書」に従った時価評価を行った場合、金利の動向によっては多額の評価差額が生じることになり、一般事業会社においては余り意識する必要のない金利の変動による評価差額の発生が、極めて大きなインパクトを持って保険会社の決算に影響を及ぼす可能性があることになります。
 本来、保険会社は負債の金利リスクを減少させるために長期の債券を取得していることを考えれば、このような会計処理が保険会社のリスク管理活動を適切に表すものとなっていないのではないかなどの問題があるというようなことが指摘されてございます。
 なお、13ページの一番最後のパラグラフになりますけれども、責任準備金も時価評価をすればよいのではないかという考え方につきましては、契約者の権利保護の観点からの問題や、市場が存在しない責任準備金の公正価値とは一体何かといった問題もあるため、今後十分な検討が必要であるとしております。
 (3)は諸外国の状況についての御紹介ですが、簡単に申し上げますと、諸外国における取扱いは様々であります。14ページの最後のパラグラフが、いわばまとめでございますけれども、債券の時価評価をしているのは米国の一般目的の企業会計でありますGAAP、英国のその中でも監督会計、オーストラリアだけとなっております。また、その評価差額が資本に計上されるのは米国のGAAPのみであります。
 (4)では、「保険会社にかかる「金融商品の時価評価」に関する対応案」を示しております。ここでは、第2パラグラフにありますように、保険会社の「金融商品の時価評価」に関する情報については、仮に「意見書」に示された基準をそのまま適用しない場合であっても、注記等の形で開示することは必要と考えられることが、まず指摘されております。
 ここで、具体的な対応案でありますけれども、マル1は、「金融商品の時価評価」を保険会社にも導入する一方で、計算書類の利用者に対して、会計情報の利用には注意すべき点があることの周知を図るという対応であります。ただし、これについては、金利の変動による資本の変動、これが必ずしも保険会社の実態を表さないものとなるのではないか、などといった問題があることに留意する必要があることを述べております。
 マル2は、責任準備金に関する評価の考え方が整理されるまでの間、原則として従来の評価方法を継続させるという対応であります。このような考え方による場合でも、負債(責任準備金)と異なるリスク特性を有する株式などについては、時価評価が採用されるべきとの指摘がございました。
 マル3は、保険会社が負債の長期性に由来するリスクをヘッジするため、長期の債券等を保有するという、そのリスク管理活動に着目した会計上の取扱いをするという対応であります。具体的には、ヘッジ効果について明確な基準を策定の上、これに該当する資産について、 i .の償却原価法、又は ii .のヘッジ会計に準じた取扱い、のいずれかを採用するというものであります。
 17ページの(5)のところになるわけですが、これらの対応の方策につきましては、今後、具体化を図りつつ検討され、適切な対応策が選択される必要があることが述べられてございます。また、証券取引法上の取扱いについても、整合的な取扱いとなることが望ましいこと、更に、監督上の措置の見直しの必要性についても触れられております。
 5.の「まとめ」でございますが、これまでに触れられている事項について総括を行っております。特に(3)におきましては、「金融商品の時価評価」に関する対応につきまして、中ほどでございますが、早急な検討と結論を得ることの必要性が指摘されているところでございます。
 以上、大変駆け足でございましたけれども、報告書のポイントについて御説明をさせていただきました。


貝塚会長 どうもありがとうございました。
 どうも、座長の不手際で時間が押し詰まりまして、大変恐縮ですが、質疑は後でちょっとやっていただくということで、大変恐縮ですが、大臣に御予定がございますので、報告を大臣にお渡ししたいと思います。

〔大蔵大臣着席〕

貝塚会長 それでは、宮澤大蔵大臣がお見えになりましたので、金融審議会答申「21世紀を支える金融の新しい枠組みについて」及び第二部会報告を提出させていただきます。

〔答申・報告手交〕

貝塚会長 それでは、ここで大臣から御挨拶をいただきたいと思います。


宮澤大蔵大臣 宮澤喜一でございます。一言御挨拶を申し上げます。
 委員の皆様におかれましては、日頃より御多忙のところ、金融審議会の活動に御参加、御尽力をいただきまして、誠にありがとうございます。
 金融審議会におかれましては、平成10年の発足以来、21世紀を見据えた金融のルールの枠組み、証券市場の在り方等々について、また、安心で活力ある金融システムの構築を目指した、預金保険制度、保険会社の基本問題等について検討を行っていただきました。
 この間、これまでの総会・部会・作業部会等合わせますと、計164回に及ぶ会合を開催されたと伺っております。
 こうした審議の成果を取りまとめて公表されました幾多の答申・報告は、国民的議論の契機となり、国会でも幾たびも議論せられまして、先の通常国会でセーフティネット関係2法、それから、金融インフラ関係3法として法制化されたわけでございます。
 更に本日、このような形で答申「21世紀を支える金融の新しい枠組みについて」をまとめていただきました。
 このように、極めて多くの成果を残されました審議会の運営の労を取られました貝塚会長、蝋山・倉澤両部会長を初め、委員の皆様方のこれまでの御尽力に、改めて深く感謝を申し上げる次第でございます。
 なお、金融審議会は、7月1日以降、金融庁へ移管されることとなります。
 皆様方におかれましては、今後とも、従来と同様、御指導・御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。
 いろいろ誠にありがとうございました。


貝塚会長 大臣、どうも本日はお忙しいところ、わざわざ御臨席いただきまして、誠にありがとうございます。改めて感謝申し上げます。
 大臣はこれから、お忙しいので御退席されるということでございます。


宮澤大蔵大臣 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。誠にありがとうございました。

〔大蔵大臣退席〕

貝塚会長 それでは、大変恐縮ですが、やや変則的でございますが、先ほどの部会報告、保険会社のリスク管理につきまして、先ほど御説明がありましたが、何か御質問あるいは御意見はございませんでしょうか。
 保険会社の会計、つまり資産内容ですか、非常にある意味では金融機関の中ではかなり違っておって、それに対応して、やはりいろいろな考え方があって、必ずしも時価評価、その他についても統一的な見方というのはないということであろうと思いますが、何かもし……。
 大塚委員。


大塚委員 この「論点整理」に書かれておりますことは非常によく分かります。改めて、このまとめに書いてある事柄を私もお願いしたいというふうに思うわけです。それは、やはり保険会社というのは、極めて普通の会社とは違う特殊な資産負債構造を有しているということですので、どういうような会計処理を行ったら、一番、要するに企業の実態が開示できるのかと。そういう観点から、改めて議論していただきたいということをお願いしたいと思います。
 それから、もう一つは、やはりどうしても、今、国際会計基準というのが、一種の水戸黄門の印籠みたいな感じがありまして、どうしてもこれを抜きには考えられないということがありますので、ぜひその動きも十分斟酌されて、御検討いただきたいということだけお願いしたいと思います。


貝塚会長 ほかに御感想あるいは御意見ございませんでしょうか。
 部会長、何か発言があれば……。


倉澤第二部会長 この「論点整理」の基調に、金融商品の時価情報についての必要性というか、あるいは、それを開示することの適当性ということが基調にあるわけですけれども、今、大塚委員からもお話がありましたように、企業の貸借対照表で企業の財産状態とか期間損益というものの真実を表そうというときに、御承知のように、負債の側に責任準備金というものが入っておりまして、それとバランスをとるという難しい問題があるということで、いろいろ選択肢のあるような取りまとめになっていると。非常に御苦労を、殊にワーキンググループの方々にはいただいたことを感謝したいと思います。
 以上であります。


貝塚会長 どうもありがとうございました。
 それでは、本日の最後の議題になりましたが、事務局より、金融行政機構改革と金融審議会についての説明があります。よろしくお願いします。
 三國谷総務課長。


三國谷総務課長 総務課長の三國谷でございます。よろしくお願い申し上げます。
 本日をもちまして、大蔵省の下におけます金融審議会というものが一応一つの区切りを迎えます。また7月1日から私どもの組織も新たに金融庁という形になるわけでございます。
 お手元にございます資料でございますが、ここにあります資料自体は特段目新しいものはございません。ポイントだけ申し上げますと、1ページ目、これがいわゆる新しい1府12省庁の姿でございまして、13年1月のとろの上から三つ目、ここのところに金融庁というものが出てくるわけでございます。現行は右の方にあるように、現在、金融再生委員会の下にありますが、これが13年1月から金融庁という形になるわけでございます。
 2ページ目ですが、これも再三いろいろなところで報道等もされているように、現在の姿から、一たん平成12年7月、これは金融庁が全体の中央省庁再編前に前倒しという形で設置されまして、13年1月に全体の中央省庁再編とともにまた若干の衣替えをするということでございます。この段階で、金融庁と財務省という形になるわけでございます。更に細かい説明は省略させていただきます。
 次のページですが、これは時系列的に金融再生委員会、金融監督庁並びに大蔵省の金融企画局がどのような形になっているかといったものを表にしたものでございます。
 その次のページを開いていただきますと、まず、大蔵省の金融企画局と金融監督庁が統合いたしまして、金融庁という組織になりまして、金融再生委員会の下に置かれるという状態になっております。
 更にもう1枚めくっていただきますと、最終的には、13年1月から、特命担当大臣、副大臣、あるいは政務官、そして長官という体制の下に、最終的な姿になるというところでございます。
 続きまして、金融審議会はどうなるかということですが、これも実は2段階に分かれます。と申しますのは、平成13年1月には、省庁再編の中で全体としての審議会、これは、当審議会に限りませず、全体の審議会の整理統合が行われます。ここからは口頭で御説明させていただきます。
 211ございます審議会が、その段階では90に統合されることになります。従いまして、最終的な姿といたしましては、ここの金融審議会も、いろいろな他の審議会を吸収するような形になるわけでございまして、一つは金利調整審議会、あるいは公認会計士審査会及び自動車損害賠償責任保険審議会の政策審議事項、この部分は金融審議会の傘下に入ってくると。一方で、公認会計士審査会と自動車損害賠償責任保険の執行部門といいますか、法施行部分というのは、従来どおりそういった審議会の方で取り扱われるといった形になるわけでございます。現在の金融審議会が扱っていることにつきましては、13年1月では、金融審議会の大きな傘の下、金融分科会という形になるわけですが、従来の金融審議会がそういった形で引き継がれていくことになるかと思います。
 この引継ぎに当たりましては、そういった審議会の姿と、メンバーの引継ぎの問題と、諮問がどう引き継がれるかという三つがございますが、12年の7月、今度の7月1日からは、まず、金融再生委員会及び金融庁の下に金融審議会が置かれますが、委員の先生方につきましては、みなし規定によりまして、総会の先生方は引き続き、前委員の残存期間、これは7月29日まででございますが、みなし規定によりまして、そのままになります。諮問等につきましては、改めて行われる必要があります。
 13年1月になりますと、新しい形での金融審議会という形になりますので、委員等の身分につきましても調整が行われますが、その段階では、諮問については引き継がれることとなっております。若干、13年1月と12年7月、それぞれ、組織、メンバー、諮問等がやや入り交じって非常に複雑な形になっておりますのは、それぞれの引継ぎ、あるいはみなし規定等が、個別の法律で決められている場合と全体の中央省庁再編の中で決められているものとが入り組んでいることによります。いずれにいたしましても、7月からは金融再生委員会設置法の下に、諮問者は金融再生委員会、金融庁長官、大蔵大臣という形になりまして、その下で部会が行われ、委員の皆様方につきましては、7月29日まで、みなし規定によりまして、その身分が引き継がれると、こういった状態になります。13年1月につきましては、また新たな段階を迎えるということがポイントでございます。
 ちょっと複雑な話でございますが、以上、概略説明させていただきました。


貝塚会長 どうもありがとうございました。
 かなり複雑な、2段階ぐらいかな、3段階か、よく分かりませんが、非常にプロセスが複雑で、私どもは7月29日、とにかく一応任期はそういうことになっておりまして、その後、新体制に移るということでございます。何か御質問ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、本日の議事は一通り、以上のところで終了いたしました。
 これもある種のセレモニーで、私が挨拶をしろということになっておりますので、挨拶をさせていただきますが、本日をもちまして、大蔵省における金融審議会の活動は終了となります。今後は、先ほど御説明がありましたように、金融庁に設置される審議会に引き継がれるというわけです。ここで一区切り、役所としては本当に完全に一区切りになるわけで、審議会としても区切りがつくということになりますので、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 一昨年6月の金融行政組織改編を受けまして、金融審議会が発足いたしまして、ほぼ2年がたったと思います。その間、金融再生に向けた枠組みの整備や金融システム改革法、また業界の再編等、大変、金融環境を巡る変化には目まぐるしいものがございました。
 先ほど宮澤大蔵大臣から、私どもは、「21世紀を見据え、安心で活力ある金融システムの構築へ向けて、金融制度及び証券取引制度の改善に関する事項について、審議を求める」そういう形で諮問をいただきまして、今まで議論してまいりまして、金融制度の中長期的な方向あるいは大きな枠組みについて議論を重ねてまいりました。
 検討項目は本当に、御存じだと思いますが、広範多岐にわたる中で二つの部会、第一部会は「21世紀の金融システムやサービスのあり方」、第二部会におきましては、「安心で活力ある金融システムの構築」をテーマといたしまして、部会はそれぞれ、27回、それから19回という、精力的に審議を重ねてまいりました。それから、たくさんのワーキンググループがございまして、これは専門的・実務的な問題整理をしていただきまして、数次にわたり部会への報告あるいは素材提供をいただきました。これらを合わせました会議の回数は、先ほど宮澤大蔵大臣も触れられましたが、全部足し合わせると160余りということでありまして、この間の成果は、本日のものを含めまして、2回の答申、それから、二次にわたる第一部会の「中間整理」、それから、保険会社関連の第二部会報告等々、多くの報告書として公表されてきました。先の通常国会におきましては、セーフティネット関連2法、金融インフラ関連3法も成立いたしました。
 金融審議会が取り組んでまいりました課題は、本日公表させていただくものを含め、我が国の金融を魅力的にして、今後の我が国の金融システムのあり方を左右する重要なテーマであったと考えております。
 わずか2年の間に具体的な法制化を含め、これだけの実績が上がり、また答申を取りまとめることができましたことは、メンバーの皆様が非常にお忙しいのにかかわらず、一貫して熱心に御参加、御尽力をいただいたことにほかなりません。ここで、皆様方に改めて御礼申し上げて、私の挨拶にかえさせていただきます。どうもありがとうございました。
 一応、ここであれなんですが、あと、御連絡済みかと思いますが、メンバーの方あるいは事務局の労をねぎらう意味で、本会終了後6時より、審議会の総会及び部会参加者と事務局の懇親会が企画されております。場所は、隣の第四合同庁舎の一番上に「エパ」という、喫茶店というのかな、そこで開かれますので、短時間でも御都合がつかれる方はぜひとも御参加いただきたいと思います。
 それから、最後に事務局の方から事務連絡をお願いしたいと思います。


内藤企画課長 先ほど会長からお話がございましたとおり、本日御了承いただきました答申につきましては、この後、会長と両部会長により行われます記者会見の席上にて公表される扱いとなります。
 また、第二部会の「保険会社のリスク管理」で、先ほど御説明した点でございますが、このレポートにつきましては、今後パブリック・コメントの手続に付すこととなっております。期限は8月15日までというふうにしております。
 なお、金融庁移管後の審議会の活動等につきましては、現段階では未定でございます。追って事務局から御連絡が個別にあろうかというふうに存じます。
 それから、最後になりましたが、会長の御判断によりまして、前回総会以降、議事録公開のための準備を進めてまいりましたが、この度、昨年末までの部分の準備が完了いたしました。近日中に大蔵省のホームページに掲示される予定でございます。その後の部分につきましても、今後適宜作業を進めていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。


貝塚会長 どうもありがとうございます。
 それでは、本日の会合は散会いたしたいと思います。

(以 上)