金融審議会「第一部会」第8回会合議事録
日時:平成11年6月7日(月)10時00分〜12時06分
場所:大蔵省本庁舎(4階)第三特別会議室
○蝋山部会長 ただいまから、第8回金融審議会「第一部会」を開催いたします。
お忙しい中お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
大変暑くなりまして、湿気も高いようですから、私どもさっさと脱いでおりますが、上着を自由に脱いでいただきまして、リラックスして審議に御参加ください。
今回から、第二部会より倉澤部会長、江頭部会長代理に御参加いただいております。御紹介したいと思います。
〔倉澤部会長 立礼〕
〔江頭部会長代理 立礼〕
○蝋山部会長 倉澤部会長、江頭部会長代理です。
もともと金融審議会の二つの部会の委員の皆様は自由に相互の部会に参入できると、こういうことになっていたわけでありますけれども、現実には必ずしもそれは活発でありませんでしたが、それぞれの部会で中間的な議論の整理、取りまとめが行われる段階に至りましたので、今回の部会から特に部会長、部会長代理は相互に部会に参加するという相互参入を促進して、議論を活発にしようというわけでございます。両部会の検討は、いずれ金融審議会の総会へ、貝塚会長の方へ報告されることになるわけですが、各部会における中間的な議論の整理の段階から、こうした相互の意見交換の機会を設けることは意義があるのではないかと考えます。どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、お手元の議事次第に従いまして、本日の議事を説明したいというふうに思います。
まず第1に、4月23日の部会で、この第一部会で「金融商品」の範囲について議論をしたかと思いますが、本日は、議題の第1といたしまして、「金融商品」の範囲について、改めて議論をしてそれを深めていきたいと考えます。これはいわゆる金融サービス法の対象をどの範囲とするかという論点と重なっておりまして、大変重要な入口のところでの大事な問題だと考えます。この部会の二つのワーキンググループで報告いただきましたルールのあり方といったことを踏まえまして、より一層の「金融商品」の範囲についての御議論をお願いしたいというふうに思います。
二つ目は、現在、ホールセール・リーテイルあるいはcollectiv
investment vehicle
、こういう二つのワーキンググループにおいて、レポート案の取りまとめのために検討が進められておりますが、その際に利用しました「議論のためのたたき台」につきまして、それぞれのワーキンググループの議事進行役を務めていただいている委員の方から説明をいただきたいというふうに思います。特に今回は、ホールセール・リーテイルWGの議事進行役を務めておられます山田神戸大学教授にも御参加いただいておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
この金融審議会第一部会は、「新しい金融の流れに関する懇談会」でまとめられました「論点整理」の問題意識を受けまして、いわゆる金融サービス法のあり方を念頭に置きつつ、その具体的な内容を詰めるという検討を行っております。二つのワーキングWGに検討をお願いしております事項、すなわちホールセール・リーテイルという問題、あるいは集合的な投資スキームという問題、こういう事項はこの第一部会のテーマの非常に大きなパーツでありますが、そのパーツを専門的な観点からきれいに磨いていただこうというわけでございますが、その出来上がったパーツを、いわば両ワーキンググループでの議論を消化・統合いたしまして、うまく全体の金融サービス法というシステムの中に組み入れる、こういう体系的な整理を行うのはこの役割であります。
そういう意味で、部会としても、21世紀の金融の姿を睨んだ今後の金融サービス法のあり方について総論的、基本的内容を取りまとめた論点整理を作成することが必要と思われます。現在、事務局の方でこれまでの会合で出していただきました様々な御発言を踏まえた素案というものを作成中でありまして、いずれの段階かにおいて、その素案を御議論いただきたいというふうに思います。
最終的には、金融サービス法全体のあり方を念頭に置きつつ我々が作成する、我々の部会のレポート、及び二つのワーキンググループからの専門的に掘り下げたレポートと、この二つのタイプのレポートが相互に整合性のとれた形で合体するということで、当面の我々の仕事が完了するということになると思います。全体として取りまとめの役割というものを、仕事というものを念頭に置いて今後の議事を進めていきたいと考えますので、部会のそれぞれの委員の皆様方には、そうした全体的な見地、総合的な見地に立ったコメントなり御発言をぜひよろしくお願いしたいというふうに思うわけであります。
それでは、まず、「金融商品」の範囲、それから、ホールセール・リーテイルWG、集団投資スキームWG、この三つの今日の議事につきまして、それぞれ事務局、ワーキンググループの議事進行役からまとめて御説明をいただき、その後、自由討議に移りたいというふうに思います。大体11時前から自由討議に入れればいいなと思いますが、まず、細溝室長から、「金融商品」の範囲といった点についての整理、レポートをお願いしたいと思います。よろしく。
○細溝債権等流動化室長 お手元にお配りしています資料、右側の上に書いてございます「第一部会8−1」、それから、8−2、8−3を使いまして、これまでの御議論、それから、概念整理をするに当たっての参考資料、それから、それを図示したようなマトリックスといったものを御説明したいと思います。8−4と5は、それぞれの両グループの主な議論項目ですので、これは後で両先生から御説明する際の資料でございます。
それでは、まず8−1をお開けいただきたいと思います。「金融審議会
[第一部会]
における各委員の「金融商品」の範囲に関する主な発言」。これは前回、第6回の4月23日開催の第一部会での各先生方の御発言を簡単に取りまとめさせていただきました。
その当日、何が行われたかといいますと、池尾先生から、「金融商品」の定義といって、こういうことが考えられるのではないかと。
この資料そのものは、第一部会6−2ということで、この8−1の資料の最後に3枚付けてございますが、それは後で御覧いただきまして、一応その四角の中にその要約版を書いたつもりでございます。
それで、金融機能として、所得−支出の時間的プロファイルの変更、すなわち資金配分、社会的機能としては貯蓄の投資への転化。
それから、リスク負担の変更。これはリスク分担の機会を提供ということで、リスク配分。資金配分とリスク配分、この二つがあるのではないか。
この及び
、あるいは
あるいは
、つまりアンド・オアの関係で、どちらかの機能を持つもの、それが金融商品と定義できるのではないかという御指摘でございます。
これにつきましていろんな御意見が出たわけですが、簡単にざっと申し上げますと、「総論的意見」と書いてございますが、最初のところに、「金融商品」の範囲を広くとるものであり、賛同できる。個別商品についての特殊性というのは、入り口段階、つまり入れるか入れないかで考慮すべきではなく、その先(個別ルールの適用の可否の判断のレベル)で考慮すべき問題であろうと。そうしないと、1,200兆円の資産の多くが体系から漏れてしまうことになる。つまり入り口は広くとるべきと。
2番目の▼の御意見も、基本的に賛同できると。
3番目の▼の御意見も、例えば消費者保護の観点から言えば、これで賛同をする。預金とか年金とか保険とかいったものも金融商品に入れるべきである。
4番目の御意見として、経済犯罪抑止の観点からも、できる限り広く設定すべきである。ただ、その定義が広がり過ぎた場合、法の焦点がぼやけてしまうおそれがあるため、こういった兼ね合いに配慮する必要がある。いわば法の目的なり規制の内容なりに応じて、ある程度あとは絞っていけばいいではないかと、こういう御意見だったかもしれません。
それから、次のページに「各論的意見」ということで、個別商品で、まず、含めるか否かということについての御意見でございますが、最初にいろいろな個別の具体名が出ております。
まず、保険商品についても、一括して金融商品に含めるべきである。ただ、その特殊性に応じて適用されるルールの内容は変更していく扱いが望ましい。
2番目に、先物取引についても含めるべきである。
3番目に、預金のような、セーフティネットがかかる安全商品についても対象とすべきである。
4番目に、郵便貯金のような、いわば国がやっているものも対象とすべきではないのか。
5番目に、簡保、共済についても含めるべきである。
それで、次に、池尾先生の言うところの「負債契約」的、デット的な側面の強いものについても入れるべきである。
マンション経営については含めることを検討する余地があるのではないかというような御意見だったかに記憶しております。いわば、含めるか否かという点では、できるだけ広く含めるべきであろうと、こういう御意見が各論の方でも出ていたと思います。
ただ、それを取り込む際の法的技術に関する議論といたしましては、例えばイノベーションの進展に伴って、柔軟に取り込んでいくというためには、メルクマールをできるだけ整理した上で、政令等により柔軟に追加していくのが適当ではないか。
それから、次のページですが、個別の商品に適用されるルールに関する意見として言えば、一番目の▼は保険についてですが、それの4行目ぐらいですが、「保険契約」の性質から契約者保護を考えるアプローチの方が消費者保護が図りやすいのではないかとか、その次も保険に関してですが、投資性のない商品である火災保険、自動車保険、これは適合性原則を当てはめるべきではないという御意見。
3番目に、保険商品の特殊性を具体的なルールにどのように反映すべきかについては、今後一層の検討が必要。
ただ、4番目に、保険商品の特殊性については、「金融サービス法」とは別途の保険法制等で反映させていく方が適当ではないかといった御意見。
いわば個別ルールの適用に関しては特に保険を中心にしましていろいろな御意見があったというふうに整理させていただいております。
それで、8−2を御覧いただきたいのですが、8−2は第一部会の資料ということで、今回全部を御紹介することはしないつもりでございますが、例えば5ページを御覧いただきたいのですが、5ページ、横長になっておりまして、「各国における「金融商品」の定義の概要」と、こういうことになってございます。
例えばアメリカの証券法における証券を考えてみますと、株式とか債券とか、オプションとか、そういったものが掲名されていると同時に、上から三つ目ぐらいの破線の下に投資契約というのがあると思います。投資契約というのは、実はこの中ではバスケットクローズになっております。
それから、その横を御覧いただきまして、イギリスでは投資物件というのが金融サービス法の対象なんですが、その中で株式とか社債とか、政府、公共証券とかいって、その3番目に集団投資スキームのユニットというのがあって、その次にオプション、先物、差金契約、長期保険契約といったものが掲名されている。この中では、集団投資スキームのユニットというのが一種のバスケットクローズ的なものになっておるのではないかというふうに整理できるのかなと思って見ております。
それで、早速ですが、8−3のイメージ図を御覧いただきたいのでございますが、新しい金融サービス法で対象とする金融商品、それをどのようなものと考えるかといったときに、例えば横断的に物を考えるとして、その対象範囲をどこまでどうするか。
一つの考え方は、先ほど池尾先生の御議論でもありましたようにキャッシュフロー転換、すなわち資金の配分、それからリスク負担の変更、リスク配分、この二つのいずれか一つというふうに定義して、あとは全部それでやってしまうということも考えられるのですが、いろんな御意見がありましたように、法制・ルールの目的に照らして個別に判断するものもあるのではないか。そうしていくと、要するにそういった抽象的な定義で書いてネガティブリスト的に抜くのか、ある程度限定的に列挙していって、どこかに英米であるようにバスケットクローズ的なものを入れておくのか。二つぐらいのアプローチが実践的にはあろうかと思います。
その中で、では、今ある金融商品とは一体どんなものであろうかといったところを今回の中で例示ですが、列挙させていただきました。これは左肩に未定稿と書いていますとおり、全て例示でありまして、商品名もルール名も全て例示でございます。したがって、これにおいて全て尽くしているというわけではございません。
それで、今、金融商品と考えられているものはどんなものがあるかというのが一番左の欄に金融商品名ということで、例えば郵貯、預金、保険、企業年金といった形で書いてございます。必ずしも全部を網羅的でないという意味において、例えば預金と書いてあって貯金と書いてないから、農協貯金は抜けるのかという読み方をされると困ってしまうので、預金と書いているのは、実は農協の貯金も当然入っているというふうにお考えいただいた方がいいし、保険と書いてあって、簡保、共済と書いてないから、それは抜けるのかと、こう読まれてしまっても困るので、念のために一番上に郵貯と書いてあって、国営の事業も入るのではないかという発想で、簡保も当然保険の部類に入ってくるし、共済も入ってくると思います。
それから企業年金とありまして、それから、あと、有価証券系統として国債、社債、金融債、株式、ワラント。あえて国債と書いたのは、国が発行するものであっても、それは金融商品としての規制の範疇に入ってくるという意味で国債も入ってございますし、当然社債とか金融債とか株式とかワラント、いわゆる伝統的な金融商品というのは全部入る。
これらにつきまして、右側に一応販売・勧誘のルールとか参入要件、金融商品の組成に関するルール、ディスクロージャーその他とばくっと分けまして、この分け方自身、実は事務局としても非常に自信がないので未定稿になっているんですが、この中に全部入っているわけではなくて、ここに入り切らないそれぞれのルールもございます。これを書き出すと三次元になってしまいますので、あえて二次元に落とすために簡単にここに例示として書かせていただいた。
それで、販売・勧誘のところに黒い網掛けになっていますが、なぜかといいますと、実はホールセール・リーテイルのワーキンググループで御議論している対象が、主にこの販売・勧誘のルールであるという意味において御議論していただいているものがここですというのを、この網掛けで示しております。ここについて横断的なルールを作るべきでないかという発想の下に、今ワーキンググループで議論しておるというものでございます。
1枚めくっていただきまして、今までとやや毛色が違う商品が並んでおります。毛色が違うと言ったら怒られますが、いわゆる集団投資スキームに入るものがここに来るのかなということで、ここのところの商品も例示で挙げてございます。
例えば信託、投資信託、証券投資法人、商品ファンド、特債法、SPC、不動産特定共同事業法といったあたりが、いわば集団投資スキームのワーキンググループで議論されている集団投資スキームについて、現在ある商品をアトランダムに並べさせていただいた。
むしろここで全部書き切るものではなくて、今後、イノベーションが進んでくるとき、例えば確定拠出型年金とか、不動産を対象にした積極投資できるファンドとかいったものが、今のところは業法がなくてできてない。ないしはそういうスキームなり、ビークルがなくてできてないものがあるという意味でここのところは全て書き上げているつもりではございません。むしろCISのワークグループの中では投資の受動性・共同性をメルクマールにして、抽象的にいわば定義をして、それについて全て販売・勧誘からディスクロージャーその他に至るまで、全てのルールを横断的に作るべきではないかといった御議論がされています。したがいまして、ここのところは販売・勧誘にとどまらず、右の方、ずっと全部網掛けになっております。
それで、販売・勧誘につきましては、むしろホールセール・リーテイルの方のものをそのまま持ってくればよいということに考えれば、2番目にある参入要件以降右側が、いわば集団投資スキームのワーキンググループで現在主に議論されている中身ということになろうかと思います。
このルールにつきましても、参入要件、組成に関するルール、ディスクロージャー、その他と大きく分けていまして、実は、例えばある販売業者が商品を売って、売りっ放しならいいんですが、それを保護預りして自分のところで管理しているといったような場合には、保管業務といいますか、そういった業務が出てまいります。出てまいりますが、そこのところは、ここで言えば、組成に関するルールの中に資産管理とありますが、それと同様のものが適用されるのかどうかといったような議論は、当然出てまいります。ただ、そこのところは今回のこの表の中では書き切れなかったということで、いわばそういったルールに関しても例示であると申し上げたのはそういった意味で、そういった販売業者の分別管理義務、もっと言えば投資者保護基金を作るかどうかといったような論点はこの表の中から抜けております。それも後で追加することになろうかと思いますが、とりあえず頭の整理として、こんな表があるのかなと。
それから、一番下にデリバティブとございます。デリバティブにつきましては、非常に特殊な金融商品と言えるのか、それとは違うというようなもので考えられるんじゃないかということで、集団投資スキームの枠の中には入っておりません。いわば既存の金融商品並びで、ここのところは、現在のところホールセール・リーテイルの販売・勧誘ルールの中で考えられております。
ただ、デリバティブにつきましては、一部、要するに売り買いが双方向立つような、いわば双務契約的なものになるかもしれないので、通常の金融商品とは、またそこら辺がちょっと違う意味合いがございます。これらについても、また今後いろいろ考えていかなければいけないところであろうかと。とりあえず今回の両ワークグループの検討スキームの中では、ホールセール・リーテイルの販売・勧誘の対象になっているということでございます。
この表全体からは抜けておるのですが、実はあと、金融サービス法の対象として考えられるとすれば、融資ないしは信用供与の問題、それから為替取引、内国為替、外国為替双方あろうかと思います。その問題。それから、コール・手形といった短期金融市場商品。専らプロ向けだけの商品でありますが、そういったものが実はこの中から抜けております。
今回の金融商品に関する例えば販売・勧誘のルールでありますとか、いろんな集団投資スキームのルールを考えるときに考えておりますのは、いわば投資家が金融商品に投資するに当たって、いろんなルールが考えられるのではないか。その中に情報格差があるから、業者側に説明義務が要るのではないかといったような発想で物を考えておりますので、そういった意味から言うと、融資とか為替とか短期金融市場商品というのは、やや毛色が違う。ルーリングをするにしても、ルーリングの内容が違うのではないかということで、現在のところ、この両ワークの中心からは逸れておる、ないしは抜けておるといったものがあろうかと思います。ただ、もし金融サービス法全体を考えるのではあれば、当然そういった融資、為替、短期金融市場商品はスコープに入れて、それらについて規制はどんなことを行うのか、行わないのか、ルーリングをするのか、しないのかも含め、議論はされる必要があろうかと思っております。
ざっとこの表2枚で、非常に不完全なもので恐縮なんですが、今、両ワークグループでどんな議論をし、どんなところをスコープにして検討をしておるか、仮に販売・勧誘で横割りのルールといったときに、どんなものにどうなるのか。CIS、集団投資スキームといっても、具体的にはどんな商品が念頭にあって、どういうふうなルールが念頭にあるのかという例示の表でございますので、そういうふうに御理解いただければと。むしろこれをたたき台にして御議論いただければというふうに思っております。
以上でございます。
○蝋山部会長 ありがとうございました。
御質問、御意見等は後で伺うといたしまして、続きまして、ホールセール・リーテイルWGからの御報告を頂戴したいと思います。
山田先生、どうもありがとうございます。それでは、よろしくお願いいたします。
○細溝債権等流動化室長 両進行役から御説明がある前に、私から、今回配られておりますこのたたき台なるものの性格について、一言御紹介させていただきたいと思います。
両グループともに、今まで非常に積極的に御議論いただいておりまして、取りまとめの段階にあるわけですが、まだその取りまとめの途中というか、検討途中ということでございます。したがいまして、このワークグループのたたき台自体も、その議論のためのたたき台でありまして、今後これがどんどん内容が変わっていくといった性格のものでございます。したがいまして、本日は、両進行役からの御紹介に当たって、もしかして、この本文を見るというようなことがあるかなと思ってお手元にお配りさせていただきました。したがいまして、そういう途中段階のものでありますので、恐縮ですが、部会終了後、このたたき台二つとも回収させていただきたいと思います。そういった事情にありますので、後ろのバックベンチに座っておられる傍聴席の皆様にはお配りしておりません。
ただ、先ほど申し上げました第一部会8−4と8−5のホールセール・リーテイルと集団投資スキームに関する主な議論項目という紙、これはこのたたき台の目次に相当するものでございます。これらにつきましては部会資料そのものとして、部会終了後も公表させていただくつもりでおります。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○山田委員
山田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
早速、「ホールセール・リーテイルに関するWGにおける主な議論項目」、資料番号で「第一部会8−4」でございますが、これに沿って説明を申し上げます。
「本WGの基本的な問題意識と議論の対象」から始めます。問題意識は次のようなものであります。
我が国の金融経済は、経済のストック化や高齢化の進展に伴う資産運用ニーズの多様化、高度化などの基礎的な環境変化に直面しております。金融に関する法制やルールのあり方についても、新しい時代にふさわしいものとしていくことが求められております。そこでは、新しい金融の流れを展望した金融法制・ルールのあり方に関し、体系的に検討を深めていくことが重要となります。本ワーキンググループの検討対象は、ホールセールとリーテイル、プロとアマの区分、金融商品の販売・勧誘に関するルールのあり方、ルールの形成・運用とエンフォースメント、利用者・消費者の学習・教育の4点であります。
議論の前提となる論点の金融サービス法の目指すものとは、次のようなものであります。
金融サービス法は規制の強化や詳細化を図ろうとするものではなく、幅広い金融商品・サービスに関するルール全体としての透明性、整合性の確保や、これまで不明確であったルールの明確化、具体化を図ることにより、取引コストや規制コストの削減等を通じた円滑な金融仲介の実現を目指すものであることを常に念頭に置く必要があります。
さらに金融サービス法は、現行の縦割りの法制を単に横断化することにとどまらず、市場メカニズムや取引参加者の自己規律と、司法的な権利の実現を活用していくことにより、業者に対する競争制限的な規制のさらなる見直し、撤廃をもたらし、金融イノベーションの促進、金融に係る利用者の選択肢の拡大、我が国の金融取引、金融市場に対する信認の向上といった社会的なメリットの享受に資するものとしていかなければなりません。
議論の基本として想定する利用者像につきましては、多種多様な利用者が存在することを念頭に置きつつ、まず、利用者が一定の情報提供等を前提として、自己責任の下でリスクを負担できる場合を考えることととし、その上で、利用者が特段の条件なしに自己責任を貫徹し得る場合、及び利用者の自己責任の全部ないし一部が問い得ない場合についても、漏れのない形で検討するというアプローチをとっています。
続いて、金融取引に係るリスクとその負担について検討を行いました。取引ルールと業者ルールの関係につきましては、取引ルールについては、これまで民商法等の一般法によって律せられてきましたが、こうした一般法の規定のみでは、金融取引の特性に照らした権利・義務関係の明確化を図る上で必ずしも十分とは言えず、また、判例の蓄積もこれを補うまでには至っていないのが実情です。取引ルールの充実と明確化は、個別の金融取引に係る権利・義務関係の明確化による取引の円滑化という観点のみならず、我が国の金融市場、システムに対する信認を維持向上させ、経済全体として、公正かつ効率的な資金及びリスクの配分を実現するという観点からも重要となります。
ホールセールとリーテイル、プロとアマの区分に進みます。
「区分の方法についての基本的な考え方」の「区分の目的は」、次のようなものです。
第1に、利用者が特段の条件なしに自己責任を貫徹し得る場合。第2に、利用者が一定の情報提供等を前提として、自己責任の下でリスクを負担できる場合。第3に、利用者の自己責任の全部ないし一部が問い得ない場合という基本となる三つの分野を何らかの外形的な基準によって画することにより、区分に応じたそれぞれの分野に所要のルールを適切に対応させます。
なお、「たたき台」では、説明の便宜のため、第1をホールセール・プロ分野、第2を一般リーテイル分野、第3を特定リーテイル分野として整理しております。
また、利用者の属性に応じて整理すれば、第1が金融取引に関する知識・経験等を有する者。第2が一般的な利用者。いわゆる一般的なアマ。以下では「一般利用者」と言います。第3が、社会的な見地から自己責任原則を修正した保護を必要とする者。以下では「特定利用者」と言いますが、これらがそれぞれ想定されることになります。
続いて、区分の基準のあり方について検討を行いました。
区分の方法については、金融サービス法の基本理念が、適切な利用者保護の確保と金融イノベーションの促進にあること。また、金融商品の販売・勧誘に関するルールが、取引主体間での情報格差の存在を取り扱う問題であることに照らせば、取引主体に着目した区分を中心的に考えていくのが、デメリットが少なく、ふさわしい方法であると考えることができます。
他方、取引主体という外形基準による区分は、利用者の自由な選択を制限しかねない面があるほか、個々の状況に応じたきめ細やかな対応を困難とするおそれもあります。こうした観点からは、あくまでも取引主体による区分は、ルールの明確性を高めるための第一次的な区分であると位置づけ、区分に応じて適用されるルールを利用者が選択できるという仕組みを用いることも検討に値します。
具体的な区分の基準については、取引の主体に着目した基準などについて検討を行いました。
ホールセールとリーテイルの選択、プロと一般利用者の転換については、基本的な考え方などについて検討を行いました。
続いて、利用者の自己責任が問い得ない場合の区分について検討を行いました。
その他の関連する論点として、公益法人等の取扱いなどについて検討を行いました。
販売・勧誘行為に関するルールに進みます。
まず、説明義務と適合性原則の定義・関係について検討を行いました。説明義務の「取引ルール」としての説明義務と一般私法の関係については、業者の説明義務違反に係る具体的な要件については、いまだ不明確な点が残されていると言わざるを得ず、金融取引の円滑化の観点からは、リスクの負担に関する私法上の要件、効果の一層の明確化が望まれます。
取引ルールにおける要件と効果については、金融商品の販売に係る説明義務について、情報提供義務という観点から検討をいたしました。
本ワーキンググループにおいては、利用者に提供されるべき一定の重要な情報について、業者がこれを提供しなかった場合には業者に損害賠償責任が発生するということを取引ルールとして明確化すべきであるとの考え方が示されました。
この場合、業者の義務は、利用者が金融商品について正確な理解に至ることまでをカバーするものではなく、こうした理解に至るために必要な情報を提供するということになります。必要とされる情報提供の内容については、利用者が金融商品の内容の全てについて知るということを想定するのは非現実的であり、説明義務の趣旨に照らせば、重要事項は金融商品のリスク判断にとって枢要となる情報として捉えるべきであります。
その内容としては、第1に商品の種類、第2に金融商品に係るリスクの種類。すなわち損益の変動をもたらす基礎要因とリスクの内容。すなわちリスクが顕現化した場合の状況、これらが最も重要な意味を持つことになると考えられます。
業者ルールとしての説明義務については、取引ルールとしての説明義務をベースとして考えることができます。すなわち、取引ルールによる規律づけ、損害賠償責任等による民事的な制裁が適切に機能すればよいのですが、様々な情報コストの存在や司法インフラの現状等に照らして、取引ルールのみでは実効性を十分に確保することは困難であり、取引ルールの内容に沿った業者ルールを設けることが適当かつ有効であると考えられます。
続いて、説明義務の適用範囲について検討を行いました。
業者ルール違反に係る民事上の効果の付与については、今後の法体系のあり方としては、取引ルールと業者ルールが適切に組み合わされることにより、実効性の確保を図るとともに、取引ルールの充実を促していくことが重要となります。こうした観点からは、必要と認められる範囲内で、業者ルール違反に対して民事上の効果を与えることが有力な手段として考えられます。
続けて、説明義務に関する手続ルール等について検討を行いました。
適合性原則については、狭義の適合性原則とは、ある利用者に対してはどんなに説明を尽くしても、一定の金融商品の販売・勧誘を行ってはならないという意味であり、これを取引ルールとして考えると、当該利用者への一定の金融商品の販売は、いかなる場合も無効とみなされ、リスクの移転も認められないということになります。
このように、一律に取引を無効とする取扱いは、私的自治の原則や選択の自由の基準等に照らして、法令で明示的に規定することについては慎重に考えるべきであり、本ワーキンググループにおいても、狭義の適合性原則を具体的な取引ルールとして想定することは難しいのではないかとの意見が多数を占めました。
広義の適合性原則とは、業者が利用者の知識・経験、財産力、投資目的等に適合した形で勧誘あるいは販売を行わなければならないというルールになります。その結果として、利用者に対する説明に要するコストが業者にとってリーガルリスクを低減させる効果を上回るような状況下では、実質的に販売・勧誘が手控えられる可能性があります。
また、業者は、業者ルール上のミニマムスタンダードとして明示された説明義務を遵守していたとしても、私法上の説明義務違反を回避する、あるいは自らのレピュテーションを保持する観点から、利用者についても情報を得た上で利用者に見合った説明を行うといった形での自己規律が働くことが期待されます。
勧誘等に関するルールとして、勧誘・広告行為等の定義などについて検討を行いました。
利用者に不適合な勧誘のルールとして、勧誘の内容自体の利用者への適合性について検討を行いました。適合性の観点からは、ある取引主体が一定の金融取引を行う場合について、適合性を満たさない蓋然性が高いとして、このような勧誘行為が行われた場合について損害賠償責任等が生じるとする取引ルールを考えることができます。
多様な金融商品と利用者が存在する中で、このようなルールは、勧誘という一般的な事業上の行為をその態様が不適切であるか否かによらず禁止し、かつ、利用者の商品情報へのアクセスを狭めるということを意味しており、その範囲については業者の営業の自由や利用者の選択の自由、私的自治の原則といった観点から慎重に考えていく必要があります。
さらに、広告に関するルールなどについて検討を行いました。
販売・勧誘行為者に関連する責任の範囲としては、助言行為との関係などについて検討を行いました。
ルールの形成・運用とエンフォースメントに進みます。
ルールの形成・運用に関する基本的な考え方は、次のようなものです。
金融取引に関するルールの明確化を図るとともに、多様な金融商品・サービスについてきめ細かく対応し、かつ、新たなイノベーションにも即応できるようにしていくためには、ルールの形成の仕組みについて、法令、行政のガイドライン、自主規制機関の規則・ルール、取引参加者による慣行ルール、個別業者の内部的なリスク管理やコンプライアンスのルールといった様々なレベルにおけるルールの適切な役割分担を考えていくことが必要となります。
このほか、ルールの形成については、業者ルール違反に対して民事上の効果を付与することにより、私法上のルールの形成及び明確性の向上を図るという仕組みが考えられるほか、業者のコンプライアンス体制の充実を通じた取引慣行の形成により、実質的な取引ルールの形成をさらに後押ししていくというプロセスも考えられます。
金融商品の販売・勧誘に係るルールの形成と業者のコンプライアンスについては、業者のコンプライアンスを重視することにより、金融商品の販売・勧誘において、業者が自らの責任範囲を主体的に考えることを促すとともに、販売・勧誘に係る内部ルール等の整備が十分に図られている業者については、リーガルリスクが軽減されるような仕組みを作ることで、ルールの明確性と柔軟性をともに向上させていくことができるのではないかと考えることができます。
ルールの監視とエンフォースメントについては、その基本的な考え方などについて検討を行いました。
簡易・迅速な裁判外紛争処理制度等については、裁判外の紛争処理制度などについて検討を行いました。
利用者・消費者の学習・教育に進みます。
利用者・消費者の学習及び教育の必要性の新しい金融の流れを踏まえた有効な対応策は、次のようなものです。
新しい金融の流れの進展の中で、幅広い利用者が金融取引のメリットを十分に享受し、万一の場合のトラブルについても適切に対処できるためには、金融サービス法の整備と併せ、利用者が主体的に意思決定できるための環境整備として、適切な情報提供や学習・教育の機会の充実が重要な役割を果たすことになります。こうした取組みは、いわゆる「賢い利用者、消費者」を育て、自己責任原則の下での公正かつ効率的な金融取引・金融市場を展望していく上で、不可欠の要素となります。
多面的かつ横断的な対応については、年齢層やライフサイクルに応じた多面的な利用者・消費者教育のプランが必要とされており、例えば、学校教育においては、意思決定の方法や経済社会の仕組みといった基本的な事項を、また、社会教育においては、その世代に応じた金融知識を身につけるような学習・教育を行っていくことなどが重要となります。
さらに電子媒体の活用等について検討を行いました。
各方面における対応については、業界における対応などについて検討を行いました。
以上で説明を終わります。誠にありがとうございます。
○蝋山部会長 どうもありがとうございました。
「たたき台」本文を御覧になっても、すごい膨大なものですので、いろいろ議論の中で、またお尋ねしたらいいかと思います。
引き続きまして、神田委員より、集団投資スキームに関するワーキンググループにおいて検討が始められています「たたき台」につきまして、その概要を御説明いただたく思います。よろしくお願いいたします。
○神田委員 それでは、私の方から、集団投資スキームに関するワーキンググループにおける検討について御報告をさせていただきます。
ホールセール・リーテイルの方が、今、山田先生から御報告ございましたけれども、「たたき台」70ページに及んでおりまして、集団投資スキームの方は、幸か不幸か、現在のところ30ページにおさまっておりますので、御報告としましては、お手元の8−5の「主な議論項目」を簡単に御紹介した後で、その「たたき台」の方の主要な部分を若干読み上げたり、補足したりしながら、全体として15分以内でお話をさせていただきます。
お手元の8−5を御覧いただきますと、主な議論項目がそこに上がっております。
まず、「ワーキンググループにおける議論の基本的な問題意識」といたしまして、そこに三つ掲げておりますような問題意識をまず議論しました。
それから、2.といたしまして、「法制・ルールの適用対象」として集団投資スキームをどう定義したらいいのか。そしてまた、それに関する「法制・ルールの適用対象」をどのように考えたらいいのかということを議論してまいりました。
そういうことで適用対象が決まりますと、次に、「ルールの枠組み」ということですが、3.になります。これは、まずルールを整理する必要性ということを3.(1)で明らかにし、(2)でディスクロージャー、(3)でガバナンス機能の活用による対応。これは後でもう少し具体的に申し上げます。それから、(4)でいわゆる受託者責任の具体化・明確化による対応という整理で、ルールの枠組みについて議論を進めてきております。
4.といたしまして、今度、そこをもう少し内容ということで法制・ルールを見てみますと、(1)にありますように、まずその仕組み、運営、それから、スキームから作り出された金融商品の取引に関するルール。それから、2枚目へいっていただきまして、(2)資産運用型、それから(3)資産流動化型という大きく二つに分けて整理していることは前回も御紹介がありましたけれども、それぞれ具体的なルールについて検討を行っているところでございます。(4)がスキームの適格性、(5)その他の論点というものが、上でカバーできない部分で、しかし、なお重要であると考えられる点は、このように整理しております。
そして、5.は、スキームから組成された金融商品の取引に関するルールで、先ほど細溝室長からも御紹介ございましたけれども、これはホールセール・リーテイルのワーキンググループの方で検討していただいている点と共通する面がございます。
そして、あと大きな話として、6.としまして、横断的な集団投資スキームに関する法制のあり方。
それから、7.として、もうちょっと一般的な環境整備の話を指摘しております。
以上が主な議論項目でありますけれども、これをもう少し敷衍させていただきます。
「たたき台」がお手元におありの方は、その1ページ目あたりに、まず基本的な問題意識が書いてあります。1ページ目の二つ目のパラグラフに、「新しい金融の流れに関する懇談会の論点整理でも指摘されているように」という文章があります。
私どもの問題意識は、そこに書いてありますように、各種の金融のエキスパートがそれぞれ責任を持って資産の運用・管理あるいは資産の流動化等行う形態である集団投資スキーム(いわゆる「市場型間接金融」)は、多様なリスクとリターンを組み合わせた金融商品を組成する仕組みとして、資本市場を通じた新しい金融仲介チャネルの中心的存在となることが期待されているということであります。
すなわち、今後の新しい金融の流れというのでしょうか、我が国の将来の金融にとって市場型間接金融、あるいは集団投資スキームというのは中心的な商品というか、仕組みになるものという問題意識があります。
1ページ目の下から2行目に書いてあることですが、ところが、集団投資スキームは、2ページにいっていただきますと、法制・ルールについて、以下のような問題が存在すると言われております。四つ2ページ目の上の方に書いてあります。
が、投資対象毎、商品毎の縦割りの法制となっており、云々と。金融イノベーションの進展の支障となるおそれがある。それから、
が、時間の関係で全部読めませんけれども、そこに適用されるルール内容に不整合が生じている。それから、
が、明確なルールが存在しないものや、スキームの組成自体が困難なものも存在する。そして
が、ビークルの法的な形態等によってルールの適用関係が不明確なものも存在するということであります。
そういうわけでして、集団投資スキームについて横断的な法制・ルールの整備を行うことが望ましいという問題意識につながっているわけであります。
横断的な法制・ルールを構築いたしますと、3ページ目に丸が五つあろうかと思いますけれども、こういう効果が期待されるというふうに考えられるわけであります。
商品開発に対する制約が少なくなることにより、利用者のニーズに沿うような多様な商品提供が可能となり、金融市場、ひいては経済の活性化につながる。
ルールの横断性・整合性の確保、ルールの具体化・明確化が図られることにより、新しい商品が登場した場合に適用されるルールが明確になり、金融の新しい変化に対しても柔軟かつ整合的に対応できる。
リスクの所在やリスク分担の明確化が図られることにより、取引の効率性や安定性が高まるとともに、適切な投資者保護にも資する。
ルールの横断化を通じて、既存の法制・ルールに関し競争制限的な規制を洗い出し、その見直しを図ることで金融の活性化が促される。
銀行・保険等による伝統的な間接金融に偏重した金融仲介チャネルを多様化することにより、我が国の潜在的な成長力が十分に引き出され、経済社会環境の変化に柔軟に対応し得るシステムとなる。
以上のような効果が期待できるということであります。
そこで、4ページ目にいきまして、「集団投資スキームに関する法制・ルールの適用対象」でございますが、まず、どう定義するかという問題があります。
4ページ目の真ん中あたりに、「このように集団投資スキームは」という、下から二つ目のパラグラフですが、そこのパラグラフに「資産運用型」と「資産流動化型」という二つの大きな類型に大別できるというふうに考えておりますけれども、まずは両類型に共通する集団投資スキームとしての統一的な定義・メルクマールということを私どもでは議論しました。
その結果ですが、現在のところ、英米の考え方を参考にいたしまして、5ページ目の真ん中のパラグラフですけれども、我が国における「集団投資スキーム」についても、基本的には米国の「集合投資計画」の定義や米国の「ハウイ・テスト」の要件と同じ考え方に立つものとして整理することが可能であると考えております。すなわち、資産運用型、資産流動化型のいずれにおいても、スキームの運営は専門家である金融サービス業者に委ねられており、投資者が投資対象資産を、直接支配・管理できない状況にあることから、いわゆる「受動性」というものが存在しています。また、資産運用型では主として多数の投資者から集めた資金をプールして資産運用を行っていること。それから、資産流動化型の方ですが、これは特定の資産から生じたキャッシュフローを組み替えて主として多数の投資者に証券等を販売することにより資金調達を行っていることから、いわゆる「共同性」というものが存在しております。以上のような点に鑑みますと、「受動性」と「共同性」ということをともに満たすことをもって集団投資スキームのメルクマールとするという考え方で現在整理しております。
そうなりますと、その適用対象、5ページの下からですが、現在いろいろな商品がありますことは、先ほども大きな紙で例として御説明がありましたけれども、6ページ目へいきまして、6ページ目の上から2行目の真ん中あたりになりますけれども、ルールの横断性、整合性の確保という観点からしますと、「受動性」と「共同性」という、この二つの要件をともに満たすような金融商品については、幅広く集団投資スキームに関する法制・ルールの適用対象として捉えていくことが適当であるということを基本的な考え方としております。
以上が定義でありますけれども、次に、ルールの枠組みにつきまして、8ページに移らせていただきます。
「集団投資スキームに関するルールの必要性」ということでありまして、そこに、まず、今申し上げましたように「受動性」、「共同性」ということに着目しますと、それが特徴であり、定義であるということは、逆に言うと、そこから生じ得る問題があるということであります。そこに(1)に i 、 ii 、 iii と三つ挙げてありますけれども、「受動性」及び「共同性」に起因する以下のような問題を解決するために法制・ルールが必要になると考えられるということであります。
i が、集団投資スキームから組成される「金融商品」は、共同性ゆえに無形の権利になることが多く、また、受動性ゆえに投資者による投資対象資産の直接の把握が困難であることから、投資者が「金融商品」の内容を十分に理解することができず、そのままでは適切な投資判断ができなくなるのではないかという問題がある。
ii としまして、投資者がスキームの投資対象資産の運用・管理を直接行わないことから、スキームの運営者等による不正行為や利益相反行為が生じやすいのではないかという問題がある。
iii 、モニタリングのコストを回避するフリーライダーの存在等により投資者が個別にモニタリングを行うインセンティブが欠如する、あるいは、投資者間の利害対立が発生するといったような、いわゆる集団行動問題というものが生じる可能性が高いのではないかという問題があるということであります。
さらにといたしまして、「リスクの所在、リスク分担の具体化・明確化」ということがルール整備に際して極めて重要なポイントのもう一つであるというふうに考えられます。
8ページ目の一番下から読みますと、下2行です。「多様な専門家による高度な分業体制のメリットを十分に活かし、より効率的かつ柔軟な金融仲介を実現していくためには、当事者間におけるリスクの所在、リスク分担について、集団投資スキームに関する法制・ルールにおいて具体化・明確化していくことが重要である。」というふうに私どもは考えております。
次は、もう少し具体的な話ですが、「(2) 情報開示による対応」これが極めて重要であることは言うまでもありません。しかし、これは比較的わかりやすい話だと思いまして、次に、「(3) ガバナンス機能の活用による対応」。
ちょっとわかりにくい言葉かと思いますけれども、集団投資スキーム運営における適正性を確保するために、ガバナンス機能の活用ということで、三つほどに今のところ整理しております。
がビークルの運営者の行為規範ということで、ビークル運営者の行為規範を具体化・明確化することによって、規律付けを行っていくという考え方です。
、9ページの下の方ですが、これは投資者による権利行使という形で、運営の規律づけを行っていくという考え方であります。
それから、10ページへいきまして、は第三者による外部チェックということでして、投資者以外の、あるいは投資者を代表してとでも言うべきでしょうか、中立的・専門的な第三者が規律付けを行っていくという整理であります。これは抽象的な整理でありまして、諸外国の法制等もいろいろ分かれております。
そこで、10ページの一番下に書いてありますように、一番最後の行にありますが、これら三つの手段を実際には適切に組み合わせていくことが必要であるということになろうかと思います。
そういうわけで、さらに具体的に踏み込みで検討していきますと、我が国の法制に即して申しますと、11ページの(4)の上、「しかしながら、」というところに書いてありますけれども、現在の民法、商法、信託法といった私法のルールに対して、さらに追加的なルールを定める必要がある場合が、取引ルールの次元においても出てくると考えられます。
次に、11ページ目、(4)受託者責任の具体化、明確化ということであります。この必要性につきましては、11ページのに書いてあります。下から数えますと5〜6行目ぐらいになりますけれども、集団投資スキームを利用して効率的かつ円滑な金融仲介を実現していくためには、ビークルの運営者を含む金融サービス業者のいわゆる受託者責任を具体化・明確化することによって、業者の規律付けを行っていくことが重要な意味を持つというふうに考えられます。
そういうわけで、あと12ページにいろいろ書いてありますけれども、そして、12ページの下からは、さらに具体的な話があります。
13ページを開けていただきますと、二つ目のパラグラフ、7行目あたりですが、こういった受託者責任の適用については、契約の形態等にかかわらず、提供される金融サービスの機能に即して実質的な判断をすることが必要だと考えられます。
また、ルールの具体化・明確化は、そこに書いてありますように法令による対応だけではなく、弾力性を確保するという意味でも、自主ルールとしてのガイドライン、その他そこに書いてありますようなことにより、結局ルールの具体化・明確化ということが極めて重要だという問題意識を持っております。
そしてまた、同時に、ルールは書いても、それがエンフォースされないと意味がありませんので、その下二つぐらいのパラグラフ、13ページの下から10行目ぐらいにありますエンフォースメントに関するルールの整備も重要と考えております。
13ページの下の、今度は責任関係の具体化・明確化ということを述べております。
大体以上で基本的なところはお話しできたと思いますので、あとは、目次をさらにもう一度申し上げるような形で恐縮ですが、15ページで法制・ルールの基本的な内容といたしまして、(1)枠組み、スキームの仕組みに関するルール、
運営に関するルール、そして
作り出された商品の取引に関するルール。つまり、まず仕組みを作る。それから、運営をする。その結果、出口の商品を販売するというこの三つに分けて、それぞれルールを詰めていく必要があるということであります。
16ページ、(2)ですが、資産運用型の集団投資スキームについては、言うまでもありませんが、資産運用裁量がそこにある。専門業者による運用ということが行われるのが中心になります。それに応じて、先ほどちょっと申し上げましたガバナンス機能の活用、16ページの一番下です。それから、仕組み行為、17ページの。そして
資産運用・助言に関するルール。ここでは、アメリカで確立されましたプルーデント・インベスター・ルールいうのを主軸にして整備をしようという考え方であります。
18ページへいきまして、ベストアドバイス、利益相反防止、それから一番下で、その他の論点ということがあります。
19ページ、資産管理に関するルール。分別管理。破産リスクからの遮断。それから、資産管理に伴うそれぞれあともう少し細かい論点が、19ページの下から20ページにかけて指摘してあります。
それから、これに対して資産流動化について20ページからずっとありますけれども、これも時間の関係で具体的なところは省略させていただきまして、22ページがスキームの適格性、スキーム自体のいわゆるfit
and proper。名詞で言いますとフィットネス・アンド・プロパーネスと言わないと正確ではありませんけれども、俗に言う
fitand properの要件。スキームの適格性を確保する方法として、22ページの真ん中あたりに二つあるいは三つ、が書いてあります。諸外国は非常に分かれておりまして、いろんな考え方があるかと思いますけれども、論点はそこに整理されております。
23ページから、その他の論点として業者の適格性の問題。そして、あとちょっと各論に入りますが、23ページの下から、経費、報酬、レバレッジ等に関するルール。そして24ページで、投資者の属性によるルール。いわゆる「プロ・アマ」という表現がいいかどうか、ちょっと問題ですが、プロか、一般かによって仕組みレベルでのルールについても相違を設けるべきかどうか。販売レベルでのルールについては、ホールセール・リーテイルの方と共通の問題でありますけれども、そういう問題意識であります。
25ページは、販売レベルにおけるルールでありまして、これは御覧いただければと思います。
ただ1点、ディスクロージャーにつきまして、25ページから26ページあたりですが、公衆縦覧型がいいか、相対型がいいかというのは、かなり意見が分かれるところでありまして、26ページの頭に書いてありますように、「公衆縦覧型と相対型といった異なる開示体系を融合するようなディスクロージャーのあり方に関し、整理を行うことが適当である」というふうに現在議論をしております。
あとはお読みいただければと思います。予定の時間が参りましたので、これで終わらせていただきたいと思います。
どうもありがとうございました。
○蝋山部会長 どうもありがとうございました。
3人の方にそれぞれ重要な論点についての御説明を頂戴したわけですが、残り1時間使いまして、自由討議を行いたく思います。
今日は、これからこの部会で総合的な議論を行い、中間的な形にせよ、レポートあるいは論点整理といったところに持っていくために必要な御報告を頂戴したのではないかというふうに思いますが、まずは金融商品の範囲について御議論をお願いしたいと思います。そして、続いてホールセール・リーテイルのワーキンググループでの議論について、さらに時間が残れば、集団投資スキームについての議論を行いたいというふうに思います。
ただ、次回のこの第一部会は、御承知のように6月11日、今週の金曜日にお願いしておりますが、山田先生が金曜日は御上京されるのは大変難しいということですので、ホールセール・リーテイルの議論に関する質疑については、今日中にと考えておりますので、ぜひ十分なお考えの上、お願いしたいというふうに思います。
それでは、まず、金融商品の範囲につきましてはいかがでございましょうか。大方の意見はほぼ固まっているのではないかいうふうに、細溝さんからの御報告を伺うとそういうふうに聞こえるのですが、余りにも誘導的であるというふうな評価をされるかもしれません。まず、我々の金融サービス法の対象とする金融商品の範囲につきましては、御意見ございませんでしょうか。どうぞ、オブザーバーの方の御意見も歓迎いたします。いかがでございましょうか。
どうぞ。
○野田オブザーバー 全銀協の野田でございます。
最初に部会長から全体観を持って発言せよという御指示がありましたので、ややちゅうちょいたしておりますのですけれども、あえて銀行界として一言発言をお許しいただきたいと存じます。
金融商品の範囲ということで、預金が金融商品の中に含まれるというのは、この審議会の流れの中でそういう御意見であるというのは承知いたしておりますけれども、それも法律を作る際の技術的な問題とも関連するのではないかというふうには思っています。しかし、いずれにせよ、預金は元本が常に保証され、極めて現状、社会的な周知性も高い。あるいは国民が経済活動の中で反復利用するという、言葉はふさわしいかどうかわかりませんが、ライフラインの一つとも言える成熟した金融商品であります。
これまでの預金の商品性に関していろんな争いが起こったということは、少なくとも私の知る限りではございませんで、現在の銀行法で規定されている以上の規制が新たに課せられてことについて、何がしかの疑問を覚えている次第でございます。
確かに預金には、ここで言う、先ほどの御説明にもありましたようにリスクの内容あるいは程度というようなことから言いますと、信用リスクというものが内包しているというのは、まさに紛れもない事実でございます。
したがいまして、私どもといたしましては、株式とか、あるいは債券などの販売・勧誘において、例えば断定的な情報提供による勧誘行為が禁止されているというのと同じよう、私ども扱っております預金でも、例えば私どもの預金は絶対将来ともに安全ですといったような勧誘は制限されてしかるべきだろうというふうには思いますけれども、一方で、将来にわたって必ずしも安全ではないということの法的説明義務につきましては、具体的に、では、お客様に何をどう説明するのがいいのか、あるいはしなければならないのかというあたりがまだ私の頭の中で整理できてないというのが正直なところでございます。
私どもの預金には信用リスクがありますとか、あるいは信用リスクが全くないわけではありませんといったことを説明することになりますけれども、これは、これまで一般的に安心していただいております預金者をいたずらに混乱させて、金融仲介機能の正常な仲介機能の発揮の障害となるということのみならず、場合によっては金融システム不安の引金を引くというような結果になるのではないかという杞憂を持っております。
関連して申し上げますと、先ほど申し上げましたように、将来どうなるかわかりませんので御注意くださいといったような説明を仮にも預金者に行わなければならないというのは、製造・販売を一手にやっております銀行としては、甚だしく矛盾しているのではないかという素朴な気持ちがしてならないわけであります。
もう一つは、申し上げれば、そもそも銀行には御案内のとおり厳しい規制が課せられておりまして、健全性の維持、あるいは御当局の検査によるチェックも制度化しております。既にまた一方で、銀行の信用リスクというものを極小化していこうというシステムが徐々に手当てされているという点がございます。
こうした仕組みによりまして、仮にも預金者へ自分自身の信用リスクについて説明をしなければならないような銀行というのは、今後は市場から締め出されるというのが今の行政の銀行に対する考え方ではないかというふうに理解しております。
そのような点、海外の実例においても、預金が一般の金融商品とは区別されまして、銀行の信用リスクについての説明義務が課せられているといった例を余り聞かないという理由は、以上申し上げたようなところにあるのではないかというふうに考えております。
以上でございます。失礼いたしました。
○蝋山部会長 ありがとうございました。
どうぞ、能見さん。
○能見委員 この一覧表をずっと先ほど拝見しておりまして、郵貯から始まってワラント、その後は集団投資スキームですか、ありましたけれども、そのとき拝見していてちょっと気になったのは年金なんですが、私は個人的には年金は当然金融商品として入ってきて構わないと思うんですけれども、ただ、企業年金とか、あるいは現在の厚生年金基金なんかもそうですけれども、実際上、その取引の当事者になっている者と、実質上その利益を受ける受益者とが、いわば食い違っている形になっているわけですね。そういうときに、例えば販売だとか勧誘のルールをどう考えるのかとか、あるいはホールセール・リーテイルの問題も関係するかもしれませんけれども、そういうところで特別な何か配慮をしなくてはいけないのか。
ちょっと私も結論的にはよくわかりませんけれども、要するに取引の窓口は、厚生年金基金であれば大きな基金であり、それから、信託銀行とか保険とか、ホールセールのレベルなわけですね。だけど、受益者が別にばらばら、個人がいて、そういうときに若干郵貯とかほかにここに出てくる商品は、基本的には受益者といいますか、利益を受ける者が直接取引の相手であって、したがって、自分のリスクをどう判断するかという形で問題になるのか、ちょっと違う構造をとっているということだけ気になりまして、何か特別な考え方、配慮する必要がないのかどうかということです。
○蝋山部会長 ただいま預金という問題、それから年金という、個別のいわば各論についての御意見があったかというふうに思います。それぞれの特別な性格というのはもちろんあるわけですし、また、歴史的な背景が違った形で存在している。これをどういうふうにこれからの新しい金融サービス法の中に、対象を限って、販売・勧誘という分野に限ってみても、どう取り扱うかというのは重要な点だろうというふうに思います。
その辺について、山田さん、販売・勧誘がすごく重要なところなので、ワーキンググループとして何か議論はされましたでしょうか。それとも、この点は細溝さんが説明された各論的意見のところで、「保険商品については」というふうに書いてあるのを、預金とか、あるいは企業年金についてはと、こんなふうに解釈することで、特別ワーキンググループでは議論しなかったというふうに考えていいか。ワーキンググループでの販売・勧誘、リーテイル・ホールセールというところでは、何か特別な御意見があれば御紹介いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○山田委員
残念ながら特別な議論をしておりません。個別の金融商品に関する問題はしておりませんが、基本的には、先ほど急ぎ申し上げましたけれども、幅広い金融商品についてのリスクの種類と内容について説明すべきだろうと。ただ、周知性のある場合であるとかについては程度は低くなり、あるいはゼロになることも含めて、程度は低くなることはあり得べしと、そういう議論をしております。
○蝋山部会長 どうぞ。
○神田委員 先生御指摘の点が、実は集団投資の方では若干議論がありまして、販売・勧誘ももちろん重要ですけれども、むしろ長期にわたりますから、運用ということが非常に重要になるというふうに思います。
お手元の「たたき台」で言いますと18ページと19ページ。18ページの下から19ページの頭にかけて書いてある、「ではないかとの意見があった。」というのは、実は私なので恐縮なんですけれども。つまり、そこではどういうことかといいますと、例えば、運用業者から見て、厚生年金基金という相手は1人だ。1人だからプロかと。でも、実質的には受給者は背後に多数いるわけですから、法形式的に見ると、まず1人がいて、次に多数かもしれませんけど、実質的に見ると集団投資スキームでしょう。
したがって、その多数の相手を受給者とするスキームとしての仕組みの適格性というルールが必要になるし、さらに言えば、年金はもっと社会性ということが要求されると思いますので、例えば適格退職年金がいきなり他益信託で、ちょっと法律用語で恐縮ですけれども、多数の者を受給者にしているのに対して、厚生年金をとると、形式的には1人が受益者というのでしょうか、委託者兼受益者、信託の場合にはなっているわけですけれども、やっぱりそれは全体を見るとどちらも同じなんで、そこは実質的に見る必要がある。
それから、間に1人が入っている場合には、第1次受託者あるいは第2次受託者、そういうものをもう少し機能的、実質的に見て、集団投資スキームとして仕組みの適格性ということをルールを整備する必要がある。そういうことであります。
○蝋山部会長 細溝さん、どうぞ。
○細溝債権等流動化室長 年金を1枚目に整理したのは、実は非常に事務局でも迷ったところでありまして、今言ったような御意見があって、本当は集団投資スキームなのかなとも思います。ただ、この1枚目のものは、例えば先ほど申し上げましたように集団投資スキームを受動性・共同性のある投資と一般的に定義すれば、ほかに入らなければ入ってくる。だから、企業年金を仮に既存の金融商品として列挙する中に入れておけば、それはまたそちらの方でいくけれども、ここに入れなければ当然集団投資スキームに入ってくる議論だなと思って、ここは実は、その意味ではまだ未定稿、例でありまして、場合によって2ページに入ってくる。確定拠出型年金なんかは完全に集団投資スキームに入るんでしょうけど、既存の年金をどうするかというところは非常に悩ましいところでありまして、そこら辺はまさに今後御議論になってくるのかなと。
それから、商品の説明義務についていろんな御議論ありましたけれども、ホールセール・リーテイルの「たたき台」の35ページぐらいを開いていただきますと、35ページには、まず、「必要とされる情報提供の内容」という、情報の内容、何を説明しなければいけないかと、こういう御説明があって、先ほど山田先生から、35ページの真ん中の段から下のあたりで、リスクの種類とかリスクの内容、ここら辺がいわば一種の重要事項になるのではないか。
ただ、その次に、35ページ一番下の文章ですが、下から3行目ぐらいから、これらの事項の全てが取引で全て必要とされるというのでなくて、金融商品の種類等に応じて様々なバリエーションが考えられるだろう。その細目について検討を深めていく必要があろう。
次のページを御覧いただきますと、「「重要事項」となりうる事項の例示」ということで36ページにいろいろ書いています。いろいろ書いた上で、その後、業者ルールとして言えば、38ページ、39ページぐらいから、要するにプロ間の取引はどうだ、同種の取引が反復・継続される場合どうだ、利用者側が説明要らないと言った場合どうだ、金融商品に周知性があると言った場合どうだといったいろんな場合分けがあるのではないか。ないしは40ページに「ディスクロージャーが別途行われている場合」。こういったものが全部複雑に絡んできて、例えば説明しなければいけないと抽象的になっていても、実際の商品で一体何をどこまでやるのかといった話は個別の議論は当然あって、それはまだ残っているという段階じゃないかなと思っています。
○蝋山部会長 高橋さん、何かありそうですね。ないですか。
預金というのは大変今までの歴史的な思いもありますし、重要なところだろうと思いますが、今の野田オブザーバーのお話、やや今まででいいんだというニュアンスだとすれば、やはりそれは問題があるのでしょうかというふうに私は思います。
やはり適切な預金契約の内容を、手数料その他も含めてきちんと、あるいは預金保険のペイオフ云々ということがタッチーな問題としてありますけれども、2001年3月以降の話を頭に置くとすれば、どういう場合に、どういう形で保険が付いているのか、どれだけこの保険でプレーバックされるのか、そういうようなところまではっきり周知徹底する、これも広い意味での商品性の内容だというふうに考えますと、金融サービス法、我々が今考えているものの中の枠組みで基本的な精神を捉えていただいて、しかし、現実的に預金のこれまでの歴史性、現実性を考えれば、それを修正するという形で適用される。こういう各論についてのアプローチをとるのが私としては適切ではないか。初めから入口の段階で、預金は例外ですという形で外してしまいますと、一体預金とは何ぞやという、第二部会でさんざん議論していただいている、どういうふうに結論がなっているかわかりませんが、絡んできますので、私どもとしてはそういうアプローチをとりたいというふうに考えております。
会長、どうぞ。
○貝塚会長 預金は、常識的に言えば金融商品に当然入るんですが、ただ、その中で性格が違うということはそうなんですが、恐らく今後、私の個人的な意見ですけど、要するに、やはり預金保険の法律が変わり、そうすると、預金者にどこまで元本を保証し得るかという、その辺のところは非常に重要な商品の説明義務としてあり得るわけで、信用リスクとかそういう話になるとかなり違いますけれども、ですから、その辺のところは今までと少し違ってくるということは考えられるので、それぞれの商品に応じて販売・勧誘の説明義務というのはあり得るわけで、それは当然そうですが、今、蝋山部会長が言われたように全体の中で、一応そういう形で入るものというふうに私は理解しています。
それから、年金ですが、年金は、ここへ入れておくのがいいのか悪いのか、よくわからないんですが、要するに強制加入で、例えば厚生年金基金に入っているのは代行しているわけですね、公的年金をですね。そういうものに販売・勧誘というのはどういう感じになるのかなということになると、ここは商品が非常に錯綜していますので、例示として挙げるのがいいのか悪いのか、私は正直言うと、やや疑問に思っています。
○細溝債権等流動化室長 確かにそういう特殊な性格があるので、どこに入れようかと、うんうんうなったんですね。例示だから、抜いておいてもいいのかなと思いつつ、年金というのも実は入るんですというのを例示せんがために、ただ単にここに出しておいて、御議論をいただこうという趣旨で今日出したものですから、まさに議論のためにお出ししている。
年金でも、厚年基金の場合と適年の場合とちょっと違いますから、それで、適年をどう書くのかなと思って、書き出してみると、全然ルールがないんですね。あれは税法で決まっているだけで。だから、そういった意味で例示として出しにくかったので、厚年基金を出してあるというくらいの話でして、議論を今後、まさにどちらに入れるんだと。多分金融商品であるということは事実だと思うので、そうすると、集団投資スキームなのか、それとも、それとは別のルール体系で今はいった方がいいのか、そこら辺もちょっと御議論はしていただければというふうに思っています。ほっておけば、集団投資スキームの定義でそのままでやれば、多分集団投資の方に入ってくると思います。
○蝋山部会長 むしろ強制加入であるがゆえに、販売・勧誘というか、商品性の説明とか、そういう点については、もっとちゃんとやらなきゃいけなかったというところもあるんじゃないんですか。そういうところも恐らく細溝さんの頭の中にあって、年金というものを入れたんではないかなというふうに思います。
関さん。
○関オブザーバー
今まで御議論になっているところの預金とか、それから、御説明の中に融資の話もございましたけれども、預金、特に預金保険でカバーできる預金のところに問題が余り大きくないだろうというのは、多分そのとおりだろうと思うんですが、今後の流れを考えますと、預金といっても、CD型の預金もある。それが国内に入ってくるのも、外国の全然名前もわからないようなオフショアバンクが日本で売り出すこともあるというようなことまで考えますと、それから、また、融資の面も、これは過去に実例があるわけですけれども、融資を組み合わて保険を売るとか、それから、株式の売買を勧めるとか、こういうパターンもあったわけでありますから、やはり金融サービス法を作るという、先ほどからるる御説明あった体系の中では、一応枠の中に入れておいて、そこから必要のないものは外していくというアプローチをとるんじゃないかと、私はそういうふうに思います。
それで、続けてホールセールの方へいっていいですか。
○蝋山部会長 どうぞ。
○関オブザーバー
それで、ホールセール・リーテイルの関係で山田先生から御説明がありまして、非常に膨大なもので、とてもフォローできてないんですけれども、2点、業者に説明義務を課して、それで、説明義務が行われていないということがわかった場合は、いわゆる取引ルール、私法的な効果も場合によっては否定すると、そういう考え方でいくべきだというような部分があったと思うんですが、問題は、説明義務を果たしたかどうかということの事実確認がどういうふうにできるかという問題でありまして、過去のいろいろな例。もちろん業者側にいろいろ問題があったということはあると思いますけれども、一方において、顧客の方にモラルハザードを認めてはいかぬという問題もあるわけで、そこのところはどういうふうに考えていったらいいのかなということがあると思うんです。
それから、もう一つは、業者の中のコンプライアンスの体制をきちんとさせること、これが重要だと、これはそのとおりでございますし、今もそういう努力を続けていると私は思っておりますが、業者の方のコンプライアンス体制の言うならば整備状況次第によって、リーガルリスクを軽減することが可能ではないかという御指摘あったと思うんですが、ここのところは実際の適用上、具体的にどういうふうな形になっていくという御議論があったのか。いずれもワーキンググループでいろいろ細かい議論をなさったところじゃないかと思いますので、その辺をお教えいただきたい。
以上であります。
○蝋山部会長 山田さん、いかがでございましょうか、今の二つの点につきましては。
○山田委員
第1点の方でございますが、説明義務が尽くされたかどうかに関して、事後の立証において、顧客の方にモラルハザードが生じないようにすべきであるという御指摘の点ですが、そのとおりであると思います。
そうしますと、具体的に事実確認、あるいは事後的にどういう事実だったかということを適切な方法で、あるいは簡易な方法で、どちら側からも明確になるような手続が設けられることが検討されるべきでありまして、その点までは議論をし、概ねそういう共通の認識に達しておると思います。
しかし、その後、御質問の一番肝要の点だろうと思いますが、どういう手続を設ければそれが確保されるかというところまでは、必ずしも具体的なイメージをまだ持ち得てはおりません。
ここから先は私の1人のイメージにとどまるかもしれませんが、業者ルールとして一定の説明をしたことの証拠を残しておくことというようなものを設けることによって、それに従った証拠が残されていれば、取引ルールにおいても十分に尊重するというようないき方が一つあり得るのではないかと思います。
それから、引き続き第2点でありますが、業者のコンプライアンスが重要だというふうにワーキンググループで考えておりますことを御紹介いただきました。あるいは御指摘いただきましたとおりであります。その整備状況が良ければ業者の方のリーガルリスクが低減するということはかなり強くワーキンググループの中で出されている意見でありまして、そして、それに対する特に反論もございませんでした。
しかし、これもなお具体的な方策については、コンプライアンスを整備すれば、業者の方としては有利になり、コンプライアンスを整備していなければそうでないというのは、具体的な紛争がコンプライアンスが整備されていれば起きなくなるという因果関係はあろうかと思いますが、それとは別のルートでコンプライアンスが整備されていれば何か得点が得られるというのですか、ちょっと変な言い方ですけれども、それについては一般論としては意見が出されておりますが、では、どうしたらいいのかというところまでは、まだ具体的には詰めておりません。
以上でございます。
○蝋山部会長 第1点は、どこの委員会だか覚えていない。宅建の場合、家を借りるとかいうときに、文書をちゃんと読まされるわけですね。契約書を。相手の取引される不動産業者の方が丁寧に読むわけです。読み上げるということが義務づけられていると思うんですが、そんなことを具体的に考えておられるわけですか。
○山田委員
一つの方法としては、あり得る方法だろうと思います。しかし、それよりも前に、書面を作って渡さなければならないであるとか、あるいは説明を受けたことの確認書を利用者から提出を求めるとか、そういう幾つかの方法。それも恐らく商品によって異なってこようかと思いますが、そういう業者ルールというものを考えて、それを事後的に説明義務が尽くされたかどうかを判定するための重要な材料にできるようにしようということを考えております。
○蝋山部会長 関さんの御質問からホールセール・リーテイルの方に入っているわけですけれども、原さん、どうぞ。
○原委員 私も関さんと同じ部分のところについて質問したいというふうに考えておりましたので、今お話があった部分で、御回答があった部分でかなり理解はできたんですけれども、42ページから43ページあたりにかけて、立証責任ですね。説明義務があって、その説明をしたのかどうかということの立証責任のところが、大変消費者グループの中で話をしても問題だという意見が出ていて、ただここにいろいろな意見があったという形で出ておりまして、まだ必ずしもこれでやらなきゃという形の書きぶりにはなっていないので何とも申し上げにくいのですが、今、部会長の方からお話しになった部分ですね。どういうふうにしたら説明を尽くしたのかということで、重要事項を宅建の場合、読み上げるのですかというお話があったんですが、実は一昨年、私も同じような場面に出会って、それをやられたんです。
関係者一同全部集まって、その読み上げをやって、これでよろしいですねということで判を押すという形なんですが、実際にはその場だけでばっと言われて、その言われいることは、まあまあわかるんですけれども、本当にそれでよかったのかどうか、考える間もなく判を押したところがありまして、書面だけでなくて、時間的な要素。例えばそれを手元に3日とか5日置くとか。ここで書かれているのは、書面の受渡しがあったり、突然サインがあったりというような形で書かれていますけれども、もうちょっと時間的な要素というものも加味された形での説明義務を尽くしたというふうにならないかなということ。今そのやりとりをお聞きしていてのことですけれども。
○蝋山部会長 原さんのようなお立場からすると、どういう事実確認が行われるのが一番生活者の観点から見て便利だし、安心できる、そういう具体的な御提案というものがあったらどうぞ。
○原委員 今一番実際に困るのは、口頭での約束ですよね。口頭で聞いたとか聞かないですとか、実際にいろんなトラブルでは、やっぱりその部分がとても多いので、ここに(口頭での伝達)を認めるのかどうかということの是非は入っておりますけれども、原則はやっぱり書面という形ですね。
それから、お互いに了解をしたという判が必要かと思うんですが、それに少し時間的な要素というものも加味をしていただきたいということです。
それから、実際には、訴訟になれば、訴える消費者側の方が原則的には民法や何かでいくと立証責任を負うという形なんですけれども、これが例えば製造物責任法ですとか、消費者契約法ですとか、やはりここで情報の非対称性というところがありますけれども、そういったところでの責任の反証ですとか、推定ですとか、分配についての何らかの特別な考慮という案も考えていただきたいなというふうな感じがいたします。
○蝋山部会長 ありがとうございました。難しい問題は確かですな。
吉野さん、どうぞ。
○吉野委員 二つほどあるんですが、一つは、金融商品全体の中で、これから、細かい商品の話ですが、財投機関債のような公社・公団が、政府保証がなくて出すような商品が将来出てくると思うんですけれども、その場合に、こういうところで今後どう考えたらいいか。つまり国家保証はないわけですけれども、公的な機関があって。それから、年金とか郵便貯金が、今後、2001年から自主運用になるわけですから、そうしますと、この資産運用の形態なども変わりますし、それから、恐らく受託者責任に関しても、もう少し違った形が出てくるんじゃないかと思いますが、それがコメントです。
それから、もう一つは、ホールセール・リーテイルの方で一番最後の「利用者・消費者の学習・教育」というのは、これはよく言われるんですけれども、もう少し具体的に何か議論がなされているいらっしゃるのかどうか。例えば小学校とか中学校の教育の中で、どこかがパンフレットとか、補助教材みたいのを作るとか、あるいはインターネットでもう少し教育をするとか、そのようなことがあったら教えていただきたいと思います。
○蝋山部会長 まず、最初の点については範囲の問題ですので、細溝さん。
○細溝債権等流動化室長 範囲の問題で申し上げますと、先ほどお示ししました二枚紙の1枚目で国債、社債、金融債と書いておりましたが、ここのところも、実は国債の下には地方債、政保債が当然入るわけであります。そうなってくると、多分今後出てくるであろう財投債なり財投機関債、そういうのも当然こちらの中に入ってくるのかなと。いわばこれは例示でありまして、国債があれば、地方債も政保債も今あるいわゆるそういう債券。したがって、そういったものも全てここの並びに入ってくるのかなとは考えておりますが、それを例えば一部集団投資スキームの方に持っていくべきだと、こういう御議論があるのかどうか、そこはちょっと私どもはかりかねておりますが、とりあえずこの並びで考えるのかなということであります。
○蝋山部会長 逆に言うと、この並びでちゃんと位置づけられないようなものは発行できないと、しようとしてもできないというくらいマーケットを強くする、しっかりしたものにするということが大切なんじゃないんでしょうか。
山田さん、消費者教育の内容をもう少しエラボレイトする必要があるんじゃないか。
○山田委員
私の説明が十分でなかった部分でございますので、少し補足させていただきます。
「たたき台」で申しますと69ページからでございますが、初等・中等教育における消費者・利用者教育は重要だろうという認識は概ね共有されたものと思います。その具体的な中身でありますが、いわゆるノウハウ的なものを若いときから、小さいときからやるというのではなく、経済の仕組みであるとか、他方、自分自身で物事を決定する。そしてその責任を自らが負担するという、自己決定、自己責任の考え方と申しましょうか、それは恐らく経済行動には限らないのだろうと思いますけれども、経済行動に即した形で、適切な方法で、初等・中等教育に盛り込めないかというようなことが議論されました。あるいは高橋先生から補足をいただければと思います。
それから、もう一つ、パンフレットなどについて何か議論があったかということでありますが、これは業界団体というんでしょうか、業者の側で、もっと賢い消費者、賢い利用者を形成するための支援をしていただけないだろうかと。そういうことによって、望ましい金融取引の社会ができるのではないかという議論がありまして、そして、それとともにでありますけれども、消費者団体が商品内容を説明したり、あるいは商品内容を比較したりするような、それは消費者団体に限らず、NPOと言った方がよろしいかもしれませんが、そういう動きというんでしょうか、それを大いに期待すると。そのために必要な支援策があれば、恐らく間接的にということでありますが、行政の方で取り組むべきだろうと、そういう議論をいたしたところであります。
○蝋山部会長 御指名がありましたので、高橋さん、御説明をさらに敷衍していただきたいというふうに思います。
○高橋委員 ワーキングの委員として補足させていただきます。
概ね山田先生に今説明していただきましたが、具体的にというところで二、三付け加えさせていただきますと、例えば初等教育では、意思決定、特に自己責任とは何かということを教えることが大切ではないかというふうな御意見がありました。そして、文部省の初等教育課長さんをお呼びしたいというような御意見もあったりはしました、具体的には。
それから、中等教育では、株式ゲーム等が今少しずつ行われているんだけれども、それの是非についての論議がありました。
私として、そこで発表させていただいたのは、やはり今大切なのは、断片的にいろんな教育、情報提供がされることではなくて、一般的な一貫した教育プログラムが作られることというのが非常に大切ではないか。いずれ部会に上がります、メンバーの方にもお渡りになっていらっしゃる論文の中にも書かせていただいていますけど、アメリカの例では、もうそういうものができていると。それから、あの論文を書いた後にFSA、イギリスの方でコンシューマー・エデュケーションに関してかなり具体的な戦略が出ておりまして、14歳から19歳までをターゲットにしてどうするなんていうのが出ておりますので、そうしたことを踏まえて、今後論議を深めていきたいという部分でございます。
○蝋山部会長 ありがとうございました。
細溝さんは文部省担当なので、初等・中等の教育課長、どうするか、それは……。
ホールセール・リーテイルに関しまして、御意見なり、御質問なりございませんでしょうか。いかがでございましょうか。
倉澤第二部会長は保険の権威であって、保険というのは大変難しい。商品の範囲というところでも、保険をどう位置づけるか難しいところもありますし、また、商品性の説明というところでも、勧誘の点でも大変難しい問題を抱えているわけですが、今までの議論をお聞きになって、何かレスポンスがございましたらお願いしたいと思います。
○倉澤部会長 今まで随分検討が進んで、そういうことは十分御議論の上かと思いますけれども、金融サービス法を作るというときに、できるだけ入口を広くして、それぞれの商品の特性みたいなものを各論的にルールを変えていくというのは、法律家の方から見ますと、ベリーベストとはとても言えない。モザイク型の法律というのは非常に透明性が悪くなるわけでありまして、その総論的部分というのは非常に、ある意味で言えば無内容になってしまうおそれもあるんですが、しかし、それがベターという今の状況ではないかと思います。
決して室長の揚げ足を取るわけではありませんけれども、その際に、例えば販売・勧誘の時点で、個別、各論的なルールの中で、軽重があるということはわかるんですが、ゼロというお話が出ましたけれども、もしも説明義務等々がゼロになるというような、そういうようなものまで広げますと、広げたことによって、法として少し形骸化の部分を初めから持っているような法にならないかというような気もしないでもございません。そういう意味で言うと非常に難しいですけれども、やはり金融サービス法の各論は、様々なルールがいろいろ異なり得るとしても、総論の部分で、あるポイントが押さえられるような商品というものを適用対象として明確化できるというのが、法律家から見ると一番ベターなことではないかというのが、今お話を伺って、とっさの印象的な感想でございます。
どうもありがとうございました。
○蝋山部会長 苦労したいというふうに思います。
江頭さん、商品の範囲とか、あるいはホールセール・リーテイル、プロ・アマ、こういうのについて、新しい言葉も登場してきたわけですね。ホールセール・プロの世界、それから、一般リーテイルの世界、そして特定リーテイルの世界、いかがでしょう。
○江頭委員 このワーキンググループの「たたき台」を拝見して、大変きめ細かく書かれているので感心したんですけれども、先ほど来出ておりました説明義務を果たしたかどうかの立証責任という問題ですね、これはやっぱり状況によっていろいろだと私は思っております。
こういう場合、そういう投資に係る紛争で何が判断基準になるかというと、私は三つだと思っておりまして、何の取引をしたか、取引した顧客が誰であったかという属性、それから、最後に、何を言った、何を言わない。それを説明したかどうかというのは、最後に何を言ったか言わないの話なんですけれども、むしろ前の二つで、何か変なことを言ったんじゃないかと思われる状況だったか、そうではなかったか、大体決まってくるんだと思うんですね。
例えば年金生活者に、あと行使期限が2〜3カ月のワラントを大量に売ったというようなケースですと、これは大体何を言ったか想定つくわけですよね。あるいはこれは適合性の問題として、こんなのとんでもないということで、結論は決まっているんじゃないかと思うんですよね。ですから、確かに、どっちが説明したかどうかの立証責任を負わないといけないかということについて、何か条文に書くようなことなのかどうかですね。むしろ状況から、それは決まってくるんじゃないかという気がしております。
それから、適合性。今もちょっと話ししましたけれども、適合性の問題ですけれども、これは要するに、この「たたき台」を拝見しますと、個別業者のコンプライアンス・ルールに期待するところが大きいという結論でしょうか、これは端的に言えば。私もそうだと思います。なかなかこれは適合性で取引ルールみたいなものを作るのは難しいと思っております。
ただ、個別業者のコンプライアンス・ルールに委ねますと、これの運用ということが非常に問題だろうと思います。今でも作っておられると思うんですけれども、そういう適合性に関するコンプライアンス・ルールですね。こういう商品は、こういう要件を満たした人でないと売っていけないというルールは持っておられると思うんですが、とかくそれが、その要件に当たる人間からは絶対契約取ってこいという、そういうふうに働く場合が多いように聞いております。ですから、これは運用の問題に非常に気をつける必要があるんじゃないかという気はしております。
○蝋山部会長 今までの議論に御参加いただけなかったから、フレッシュな目で議論に加わっていただくと、どういう御意見があるかなと思って、お二人に御発言を促しました。どうもありがとうございました。
何か今の点で山田さん、レスポンスはいいですね。
○山田委員 はい。
○蝋山部会長 ありがとうございます。
ほかにございませんか、ホールセール・リーテイルに関しまして。
それでは、集合的投資スキームについての神田さんの御報告いただいた点について、皆さんからの御意見を歓迎したいというふうに思います。いかがでございましょうか。
どうぞ、渡辺さん。
○渡辺オブザーバー 今日の事務局からの御説明を聞いておりまして、先ほどありました金融商品の金融サービス法を睨んだときの対象範囲、射程範囲と、それから、神田先生の方で御説明いただいた集団投資スキームの射程範囲、大変わかりやすく整理をいただいたんじゃないかというふうに思います。
そのときに、この集団投資スキームについて二つあるんですが、一つは、3ページ目の集団投資スキームの効果の点なんですが、このと
の既存の法制・ルールに関するところの要素として、一つは、横断的なルールにおける消費者保護の部分というのが一つ。横断的に明確にしておく必要があるということと、
の既存ルールの見直しによる活性化という二つの要素があると思いますので、
のところには、もう少しその要素が明確になるような工夫ができないかというふうに思いました。要するに消費者保護の観点、いろいろな意見が出ているわけですから、既存法制との関係における消費者保護の部分ですね。これをもう少し明確にしていただけたらというのが一つでございます。
それから、もう一つ、これは各論の方になるのかもしれませんが、定義に関することですので申し上げておきたいと思うんですが、4ページ目、5ページ目なんですが、集合投資ルールそのものが、ここの記載のとおり米国の例と英国の例、こことの比較で記載されておりますので、非常にわかりやすく見させていただきました。その中で、共同性と受動性、この二つの要素をこういうふうな形で定義されたというのは非常にわかりやすいと思います。
ただ、そのときに、英国における集団投資スキームの「集団投資計画」というのは当然投資物件を対象としたルール全体になっていますので、投資性ということを前提としているルールだというふうに考えます。
それから、同じく米国におけるハウイ判決に基づくハウイ・テストの要素、これから同じような形で持ってこられると思いますが、これも当然1933年の証券法の流れを受けて、1946年のハウイ判決を受けた定義というふうに理解されますから、ここでも当然証券ということを前提にしているわけですから、投資性というものが前提になっているわけですね。
このように二つのものをトータルで見ますと、集合投資スキームの要素の中、これは投資性というものも、共同性・受動性に加えて明確にした方が、今後の法制検討のときに、射程が明確になるのではないかというふうに考えます。ぜひその点も含めて御検討いただきたいと思います。
以上です。
○蝋山部会長 神田さん、今の渡辺さんの御意見に対してはどういうふうな。
○神田委員 御指摘のとおりでよろしいかと思いますけれども、むしろ私の理解では、共同性と受動性というのは投資の共同性、投資の受動性というつもりでおりますので、そういう意味でおっしゃっていることに、実質はそういうことでよろしいかと思います。ただ、投資と言った場合、若干人によって幅の広さ、狭さという感覚の問題がありますけれども。
○蝋山部会長 これは細溝さんから御説明があった金融商品とは何かという点で、池尾君がこの部会で発言された金融商品の定義をベースにしているわけであって、その金融商品の定義の中での、そこから投資性というものの具体的な内容がこういう形で言い換えられていると思うんですね。それを前提にした上での集団投資スキームというふうに考えることができるんじゃないんでしょうか。そういう点では、アメリカのケース、イギリスのケースと日本のケースというのは、それぞれ対比的に整合性がとれているというふうに思います。細かな表現の、投資物件というか、金融商品という点での違いとか、そういうものはございますが。
原さん、どうぞ。
○原委員 今日のお話の中には出てこなかったんですが、前回に神田先生の方からのお話の中に、この集団投資スキームの中での構成として、競走馬とか絵画とかというものも、そこまで自由に認めてもいいんじゃないかというふうなお話がありまして、一方で、悪徳商法と言われるものは、また別な法制で考えていきたいというふうな、その次の発言としてありまして、例えば和牛商法のようなものを私ども考えるんですけれども、和牛商法も最初の出てきたときには、御本人自体も、何というんでしょう、別に悪徳というんでしょうか、今の事業の範囲内でやれるというふうな感じで登場してきて、でも、どうも仕組みを考えるとおかしいねという話になったんですが、最初から悪徳商法といって出てくるものは、やっぱり余りない。そういう悪徳な業者もないと思うんですけど、そういう線引きと言うとおかしいですけれども、可能なのかどうかということと、それから、実際にこの集団投資スキームをやられるときには、具体的にそういった絵画とか競走馬とかというようなところまで含めたような、踏み込みだような議論というか、それをなさるのかどうか。それは付け足しとして出てきた話なのかどうかということもお聞きしたいと思います。
○蝋山部会長 神田さん、どうでしょうか。
○神田委員 二つに分けてお答えさせていただきますけれども、一つは、最初の競走馬かどうかという話は、集団投資スキームというのは多数の人からお金を集めます。そのお金を何に運用するかというときに、その運用先は、有価証券とか、伝統的に言えばわかりやすいんですけれども、そのほかに、商品はどうか、不動産はどうか、その辺までは入るでしょう。それを詰めていきますと、別にその先は、今、競走馬とおっしゃいましたけど、競走馬でもいいし、何というんでしょうか、コインというか、古銭でもいいし、絵画でもいいでしょうというところまでいくのか。その先は、例えば何らかの、その先も金融商品にとどめるのかというところで考えは分かれると思うんですね。
ただ、投資家から見ますと、お金を拠出して共同で運用して、その成果をもらうということから言いますと、その運用先が、別に金融商品である場合だけに限られる論理必然性はないので、イギリスの金融サービス法などは、行き先は何でもいいと。ただ、金融商品でないものに運用されているものであっても、多数からお金が集まって運用され、その成果が分配されるというものは集合投資計画、コレクティブ・インベントメント・スキームですよと、こう言っているわけですね。
私は個人的に、基本的にはそういう考え方でいいのではないか。その行き先が何かというところで無理に線を引く必要がないのではないかというふうに思っています。
それから、もう一点は悪徳商品の話なんですが、これは「たたき台」の6ページから7ページにちょっと書いてあることなんですが、議論は従来から非常に錯綜しているんですけれども、ここにはそういうふうに、今のところ「たたき台」は書いてあるというふうに私も理解しておりますけれども、多分次のように考えたらいいかと思います。
つまり、悪徳商品みたいなものを取り締まる必要があることは当然なんですけれども、そのために集団投資スキームの定義を広げたり整備したりというのは、ちょっと筋がおかしいと思うんですね。というのは、基本的には、悪徳でないというか、金融を活性化するために、悪徳でない商品をサポートするためにルール整備をしましょうということだからなんです。かといって、定義したものに、結果的にかどうかわかりませんが、その悪徳商品、確かに事前に線を引くことは非常に難しいと思いますけれども、当たることは当然あり得る話でして、6ページ目の一番下から7ページ目に書いてあることですが、当たればルールに従っていただくというか、ルールが適用されるという意味においては、間接的かもしれませんけれども、悪徳商品の排除にも一定の効果を持つ場合があり得るわけですね。しかし、それが悪徳とわかれば、実は金融サービス法だけでそれを全部排除しましょうというのは、ちょっと期待がというか、無理があってというか、それは断固排除しなければいけませんので、詐欺があれば詐欺を罰するとか、そういったものを総動員で、それはそれで取り締まらなければいけないということだと思います。
したがって、もう一度繰り返しになりますけど、後ろの方から言いますと、悪徳商品について、悪徳商品向けにこれを排除する措置というのは当然必要だと考えられるということですね。それから、もう一点は、前の方で申し上げたことは、金融サービス法、あるいは集団投資スキームのルール整備、法制整備。特に定義をするときには、悪徳商品をどうかするために定義を広げるとか、定義を整備しましょうという発想はとらないという考え方です。
○蝋山部会長 今日のマンデー日経に出ていましたけど、シドニーのスタジアムは、集団投資スキームでファイナンスした資金で、オリンピックスタジアムを、10万人収容ですか、作ったそうですね。初めは1口1万ドルで売れなくて、それを少し条件を変えて、5,000ドルにしたら売れるようになったというふうな記事だったかと思いますが、いろんな形で投資対象についていろんなアイデアを出してくると、経済の活性化なり、いろんなプロジェクトに、PFIなんかも活用できると。初めから、何か、だめですよというふうに限定しちゃうと、角を矯めてというところになるんじゃないかなという印象を私は持っています。
京藤さん、どうぞ。
○京藤委員 集団投資スキームの話になると、一番悪徳商法との関係は私も気になっている部分で、基本的に神田先生のように考えるしかないのかなと思うのですけれども、ちょうど二つに、資産運用型と資産流動化型に分けましたので、少し考えているところをお話しさせていただきたいんですが、資産運用型の場合には、多分お金をどう運用するかというのは、全てを委ねるところがありますから、そうすると、これまでですと、一応横領とか背任のような刑罰法規で対応してきていると思うんですけれども、これまでですと、やはり破綻してから初めてそういうことがわかるということで、預金保険などでカバーされているときには、ある意味でそれが事後的にわかって、破綻後に刑事的な規制が発動されるというのもいいのかもしれないと思うんですけれども、やはりその場合、預金保険などでカバーされないとか、そういうことがあった場合には必ず被害者が生じますから、そういう場合にやっぱり何らかもう少し早目の段階で規制というんですか、コントロールできるような必要性があるいはあるのかもしれない。全てを委ねるところがあるので、相手を信用し切るというところがあって、このあたり、どんなふうに考えたらいいかというのは非常に自分でも苦しんでいるんですね。
もう一つ、資産流動化型の場合には、ある程度購入時に商品の内容が見えるという特徴があると思うんですね。そういう意味では詐欺型で済むような、詐欺罪の対象として多分問題になるときには問題になる。実態がない場合には詐欺罪で規制していくことになると思うんですね。
ただ、もう一つ、実は真実を伝えているけれども、全く経営的に成り立たないようなネズミ講のようなタイプですね。こういったものはやっぱり詐欺罪では規制できないので、どうしてもその計画ではおよそ収益が上がらない、あるいはちゃんとリターンができないといったような場合には、これまでよりももう少し広目に、これはやっぱりだめだという形ではっきりさせた方が、むしろ資産流動化型の集団投資スキームの法制を考える場合には、そこはかなり自由だけれども、全く成り立たないといった場合には、多少パターナリスティックな観点が入るのかもしれませんけれども、何かやはりここは排除するといったものが必要ではないのかなという気がしているんですね。これは特に大きな規模でSPCなどでやれば、それは大体大丈夫じゃないのかという気があるのかもしれませんけれども、一種、公営賭博は許されるけれども、私的にやると許されないというような話で、国を頼りにしているので裏切られることはあるかもしれないんですけれども、何というんですかね、真実を伝えるけれども、それを信じた方がばかだということで処理できない部分があって、ここは一つの法制でコントロールしちゃうと、多分規制が非常に厳しくなっちゃうので、排除するものは排除するということで、これまで以上に、その部分については厳しくなったんだといったような規制があってもいいかなという気もしていて、もう少し考えたいのですけれども。
○蝋山部会長 今の京藤さんの御意見は、恐らく集団投資スキームに関する全体像ができたときに、それがうまくワークするような新しいルールとして、こういうものが考えられるというような方法で我々が取り組まなければいけないんでしょうね。ぜひ積極的に、こういう点、こういうルールを新しく付加することで集団投資スキームがよりうまくいくというようなものをお考えいただきたいと思いますし、神田さんはいかがですか、今の京藤さんの意見に関して。
○神田委員 一言だけ。私もむしろ刑事法的な仕掛けというのは、車の両輪的に、もうちょっと充実していただけると、解釈論、あるいは特別法の検討も含めてそう思います。だますというか、普通二つ、今三つに分けておっしゃいましたけれども、投資家の金を持ち逃げするというのは、確かにつぶれてしまったら、もう返ってきませんで被害が生じます。いわゆる横領に属する類型ですよね。それが悪徳商法の一つです。
それから、第2はだますという詐欺に該当する類型。こういったものはやはり刑事法の方も発動していただきたいと思います。
一番難しいのは三つ目で、スキーム自体、うそはついてないんだけれども、成り立たないスキームだと。真実を全部ディスクローズしたらやってもいいじゃないですかというところは、これ、紙一重でして、例えば今のスタジアムの話じゃないですけれども、一生懸命集めようとしたけど、やっぱり成り立たなかったというスキームを仕組みようによってはですね。それは途中変更していけば、またうまくいくということもあるかもしれませんので、現在のワーキングの考え方は、それは仕組み自体のディスクロージャーということをまずより充実させる。しかし、それだけで足りるかどうかというところを、仕組みのスキームの適格性という言葉で判断しているんですけれども、スキームの今御指摘のような極端なケースというんでしょうか、悪質なケースというものはスキーム自体の適格性がやはりないと言わざるを得ないのではないかと思います。
○蝋山部会長 そろそろ時間も参りましたが、最後に、この集団投資スキームについて何か一言とおっしゃりたい方は、どうぞ一言だけお受けいたしますが、よろしゅうございますか。
では、高橋さん、どうぞ。
○高橋委員 集団投資スキームだけではないのですけれども、「金融商品とそれに対応する主なルール」という先ほどの8−3の表でちょっと範囲のことで引っかかることがあったものですから、お伺いしたいと思います。
と申しますのは、今後パブリック・コメントを求めることになるわけで、この金融商品というのが、かぎ付きでサービス法の対象になるということで今まで整理をしてきて、それに対しての方向性については全く異論はないんですが、この表で、例えば一番左に「金融商品名」となったときに、郵貯とか預金とか保険というものを分類していることに関してはちょっと異論がございまして、一般の人の理解でいくと、金融商品名というと、MMFとか定額貯金とか具体的な商品名になるわけで、先ほど二次元にとどめるためにはという御苦労なお話もあったのですけれども、やはりもうちょっと落とし込んでいただかないと議論にならないのではないかと思います。
先ほどは伝統的な預金とか保険とかいうお話がありましたけれども、例えば預金で言えば、最近は為替とか株価のオプションのものが出ていますし、保険で言えば、変額保険とかドル建ての終身保険とか様々なものが出ていて、集団投資スキームに当然いくべきものもあるでしょうし、その辺の分類を一度きっちり整理してみないと、対象になるものが何なのかということに関して話し合いを深めることができないのではないかと思います。その点よろしくお願いいたします。
○蝋山部会長 事務局の方で十分そういう点は、この表それ自体を、いつまでこの未定稿というのは、これは議論のための材料という感じが非常に強くしましたので、この表それ自体を使うかどうかということは、まだそれ自体として大きな問題ですが、おっしゃるとおりだというふうに思います。
どうもありがとうございました。次回は、今回に引き続きまして自由討議を行った後、ですから、今日の議論を踏まえて、まだ恐らく、気がついてみたら、金曜日の朝になってみると、まだちょっとというようなこともあるでしょう。この問題について、今日議論しましたものについて、続きをまず少々やってみたいというふうに思います。その後、前回議論の半ばとなっておりましたルールの実効性をいかに確保するかとか、あるいはどんなふうにルールを形成・運用するかとか、あるいは業者の適格性といったものをどう判断するか、こういった論点について自由討議を、もちろん素材は提供いたしますが、行いたいというふうに思います。こういう形で進めさせていただきますので、よろしく御理解ください。
それでは、日程についてよろしくお願いします。
○細溝債権等流動化室長 次回は、たびたび出ておりますように今週の金曜日、11日でございます。11日の午後3時から午後5時まで。場所は、一枚紙をお配りしてあると思いますが、合同庁舎4号館、この後ろの建物の第1特別会議室を用意してございます。
それから、先ほど最初に申し上げましたとおり、「議論のためのたたき台」として今日お配りしました二つのワーキンググループのたたき台の紙は、恐縮ですが、回収させていただきたいと思いますので、その場に置いて御退席をいただければと思います。よろしくお願いします。
○蝋山部会長 金曜日は場所が変わりますし、また、時間も3時からということでありますので、くれぐれもお間違えのないようにお願いいたします。
どうも本日はありがとうございました。
終了いたします。
(以 上)