金融審議会「第二部会」第18回会合議事録 |
日時: |
平成12年3月23日(木)14時00分〜15時58分 |
場所: | 大蔵省本庁舎(4階)第三特別会議室 |
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倉澤部会長 定刻になりました。ただいまから第18回金融審議会「第二部会」を開催いたします。 皆様、御多用のところ御参集いただきまして、本当にありがとうございます。 今回は、昨年末に総会に対して当部会として「特例措置終了後の預金保険制度及び金融機関の破綻処理のあり方について」を報告するとともに、「保険会社のリスク管理と倒産法制の整備・中間取りまとめ」の取りまとめ・公表を行って以来久しぶりの会合でございます。 本日は、まず金融審議会の答申報告等を受けた法案化作業がほぼ完了しているとのことですので、その内容について御紹介をいただくことから始めたいと思います。 最初に、我々第二部会の答申・報告等を受けて法案化が行われました「預金保険法の一部改正法案」及び「保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正法案」について御説明をいただき、次いで第一部会の成果等に基づき取りまとめられました「金融インフラ3法案」の概要の御紹介をいただきたいと思います。 会合の後半では、本年度末に政府として取りまとめが予定されております「規制改革推進3カ年計画(再改定)」の金融・証券・保険分野について事務局から紹介をしていただきます。 では、2月18日に提出されました「預金保険法等の一部改正法案」から始めましょう。林室長、お願いいたします。 |
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林信用機構室長 信用機構室長の林でございます。 それでは、私の方から資料の方、18−1と18−2に沿いまして、いただきました答申に基づいて、私ども提出いたしました「預金保険法等の一部を改正する法律案の概要」につきまして御説明させていただきたいと思います。 この法案は2月18日に閣議決定、提出いたしまして、本日ちょうどただいま、この後説明させていただきます保険業法とともに、衆議院の本会議で大蔵大臣より趣旨の説明が行われて質疑が行われているところでございまして、これからこの後大蔵委員会で議論が行われると、そういう格好になっております。 金融審議会では、特例措置が予定どおり終了するということを前提といたしまして、特例措置終了後の預金保険の適用、あるいは金融機関の破綻処理のあり方について御議論をいただいたわけでございますけれども、いわゆる政治の世界では、この特例措置を予定どおり終了させるべきかどうかということについて専ら議論がございまして、御案内のとおり、昨年末に与党3党間の政策責任者の協議で、いわゆる特例措置、ペイオフの実施を1年延期するということになったわけでございます。その辺のことと、それから私どもが今回出している法案がどういう関係にあるかということを、まず資料の18−2の方で、どういう関係にあるかということをまず鳥瞰していただきたいと思っておりますので、このポンチ絵をごらんいただきたいと思います。 現行の法体系が左側に書いてございまして、改正後という、今回の法律案の内容が右側の方に書いてございます。それから一重の線が恒久措置でございまして、二重線が囲んだところが時限措置ということでございます。現行の預金保険法では、御案内のとおり預金保険法の本則で、金融機関が破綻した場合に預金保険機構が金融機関にかわって保険金を支払えるという狭義のペイオフと、受け皿に対する一般資金援助が規定されておって、それ以外に2001年3月、13年3月までの時限措置が金融再生法と早期健全化法と預金保険法の附則に書いてございます。 一番下の預金保険法の附則では、金融機関が破綻した場合に、この1,000万円という保険金の支払いの限度額を超えて預金が保護されるに足るだけの資金援助を行うことができるということが預金保険法の附則に平成13年3月までの措置として書いてある。これがまず平成8年の預金保険法の改正であったわけですけれども、その後の金融機関の破綻を受けて、さらに金融再生法というのがいわゆる金融国会の中でできまして、金融機関が破綻した場合の破綻処理の手段として、まず金融整理管財人を置くとか、さらにブリッジバンクを置くとか、さらに特別な場合には特別公的管理銀行、まあ長銀に対してやりました。さらには日債銀について現在行っております特別公的管理という手段も与えられたわけでございます。 こういった破綻処理とともに、破綻に至らない金融機関をより機能を発揮させるための手段として金融早期健全化法ができ、資本の増強ができるようになったわけですが、この再生法も早期健全化法もいずれも平成13年3月までの時限措置ということでございました。 昨年末の与党の決定は、預金保険法の附則、一番左下の部分についてさらに1年間延長して、いわゆるペイオフの凍結をさらに1年間延長し、平成14年3月までとすると。再生法と健全化法については基本的に業務を終了するわけですけれども、健全化法による資本増強のうち、協同組織金融機関に対する資本増強につきましては、これまで信組・信金といった協同組織については優先出資という手段がなくて、事実上健全化法による資本の増強ができませんでしたので、優先出資法を改正するとともに、協同組織金融機関に対する資本増強については1年延長してできることとすると。銀行に対する資本増強は予定どおり13年3月までですが、協同組織については1年延長してできるようにして、14年3月のペイオフ解禁に備えて資本の増強をしていくということでございます。 さらに一番右下の部分でございますけれども、金融審議会の答申でも、当分の間、この決済に使われていく流動性預金については、特別の措置をとることもやむを得ないと。それはせいぜい2年ぐらいではないかということを御議論いただいていたわけでございますけれども、ペイオフの解禁の1年延期に伴いまして、この流動性預金に係る特別措置についても、そこからさらに2年ということではなくて1年に限って、この平成15年3月までは当座預金、普通預金、別段預金といった流動性預金については全額保護するということを今回の法律改正に盛り込んでいるところでございます。 他方、右上の部分が恒久措置の改正の部分でございまして、預金保険法の本則上の恒久措置におきましては、従来から預金保険法の本則にございます保険金支払いと一般資金援助は引き続きやるわけですけれども、これらに、特に一般資金援助については金融審議会の議論を踏まえまして、営業譲渡が迅速に行われるためのいろいろな手当てをしているところでございます。それからさらに、金融再生法にございました金融整理管財人やブリッジバンクについては本則に入れて恒久化すると。 こういった形で通常の金融機関の処理は行うわけですけれども、審議会の答申でもございましたように、危機的な事態、システミック・リスクに対応するための特別措置としては、現在の早期健全化法にございます資本の増強、あるいは預金保険法の附則にございます特別資金援助、さらには金融再生法の特別公的管理、これは今回特別危機管理というふうに名前を変えておりますけれども、こういった手段もシステミック・リスクの場合にはとれるようにしておくということで、以上本則を取り込んで、以上の部分については恒久措置として平成13年4月から適用できるようにするというのがこの預金保険法の今回の全貌でございます。 では、18−1の方の資料に戻っていただきまして、この今回の法案の概要について概略御説明いたしたいと思います。 まず1番目が平成13年4月以降の恒久的な預金保険制度及び金融機関の破綻処理制度と書いてあるところでございまして、これが先ほどの右上の恒久措置の部分でございます。預金保険法の一部改正の中では、一つには破綻処理の迅速化ということで、事前準備、特に名寄せにつきましては、金融機関自身が名寄せを行うのではなく、預金保険機構が金融機関から迅速にデータを引き継いで名寄せができるように、金融機関に対しては、このデータの整備とこのシステム対応を義務づけるということを書いております。 それから ![]() ![]() 2ページ目をごらんいただきますと、これは破綻処理の多様化ということで、上の方の ![]() 特にその金融整理管財人を置く要件でございますけれども、現在の金融再生法でも内閣総理大臣はこのイ、ロ、ハの場合、すなわち債務超過の場合、預金等の払戻しを停止するおそれがあると認める場合、さらに払戻しを停止した場合には金融整理管財人を置けるわけですけれども、これに加えまして、ニ)にございますように、金融機関の方から債務超過が生ずるおそれがあるという申し出があって、当局としてもおそれがあると認める場合には金融整理管財人による管理を命ずる処分をできることといたしまして、債務超過が生ずるおそれという段階から破綻処理に入り得るような規定にしているところでございます。 また、金融整理管財人は、破綻した金融機関の経営者等の民事上、刑事上の責任追及をするような仕組みにしております。 それから ![]() それから ![]() (3)のところがいわゆるシステミック・リスクの場合でございまして、内閣総理大臣が金融危機対応会議の議を経て、以下のような措置を講じていくということを盛り込んでおりまして、その措置については3ページにございますけれども、先ほどの初めのポンチ絵でもごらんいただきましたように、a)が資本増強、b)が特別資金援助、c)が特別危機管理というふうになっております。 a)の資本増強につきましては、破綻していない、あるいは債務超過でない金融機関に対して健全化計画を出させた上で資本増強の決定を行うと。b)やc)が残念ながら破綻する場合でございまして、b)については破綻した金融機関の受け皿に対してペイオフコスト超の資金援助をしていく。c)については、究極な手段として現在の特別公的管理と同じように預金保険機構が全株式を取得するというものでございますけれども、現在の特別公的管理は、金融機関が資産超過の場合にも行い得ることになっておりまして、そのために再生委員会にも株価算定委員会といった組織が置かれているわけですけれども、今回の特別危機管理については債務超過の破綻銀行に限って行うということで、その点においては仕組みを変えて限定的にしているところでございます。 このようなシステミック・リスク対応をした場合の財源ですけれども、 ![]() ![]() 以上が破綻処理のあり方でございまして、(4)は預金保険の付保対象の改正ということで、今回金融債のうちで権利者を確知できる、いわゆる転々流通しない金融債を新たに対象にしました。それから、公金預金についても新たに預金保険の対象にしました。それから、預金の利息についても新たに付保対象とし、1,000万円という保険金支払限度額までの元本とその元本に係る利息について保険金支払いの対象にしたところでございます。 それから4ページにいきまして、少し細かい話にもなりますけれども、 ![]() それから ![]() 以上が、大体預金保険法の改正でございますけれども、(3)の ![]() ![]() このような預金保険法の改正のほかに、2ポツのその他の法律の一部改正というところでは、特に(1)のところでございますけれども、更生手続の特例等に関する法律を一部改正しまして、民事再生手続についても会社更生法や破産法と同じように特例を設けているところでございます。 以上が大体恒久措置の部分でございますけれども、2ポツのところでは、交付国債の増額ということで、既に交付している7兆円の交付国債に加えて6兆円増額し、13兆円とすると。 それから5ページにいっていただきますと、初めのポンチ絵でごらんいただきましたように、いわゆるペイオフの凍結を1年延長する。その終了後、流動性預金につきまして1年間全額保護するということでございます。ただ、この流動性預金の保護については交付国債を使用することはなく、保険料に財源を求めるということで、他の預金より高い保険料を求めたいと。求められるように法律ではしてあるところでございます。 次にローマ数字のIVのところが、これが三つ目のお話でございまして、協同組織金融機関の経営基盤の強化ということでございまして、初めに申し上げましたように、個別の信用金庫、信用組合等につきましても優先出資の発行を可能とするようにいたしまして、これは恒久措置でございますけれども、あわせて2ポツのところで、早期健全化法に基づく資本増強がこれら協同組織にも可能になるように要件を見直すとともに、適用期限を1年延長しているところでございます。 それから、一番最後に最後の3ポツのところでございますけれども、この平成8年に、初めに申しましたような預金保険法の附則ができて、特別資金援助とか整理回収機構とか、そういった破綻処理の枠組みができる前に破綻しましたいわゆる東京の2信組とかコスモ信組の破綻処理については信用組合協会が行っておりましたけれども、これについても平成8年の預金保険法改正が行われた後のセーフティネットによる処理と同じように整理回収業務を整理回収機構に一元化し、損失の範囲内で預金保険機構が損失を補てんすることができるようにしたということでございます。 以上が大体法案の中身でございまして、きょうから審議が始まりまして、いつ成立することになるかはわかりませんけれども、いずれにしても、この成立後はこの法律なり、より具体的な仕組みのPRが非常に重要であると考えておりまして、委員の皆様の御協力も得ながら、制度の周知徹底に努めたいと考えておりますので、そのときにはまたよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。 |
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倉澤部会長 どうもありがとうございました。ただいま御説明がありました「預金保険法等の一部改正法案」につきまして、御質問等ございましょうか。よろしゅうございましょうか。 それでは続きまして、3月7日に提出されました「保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正法案」につき説明をいただきます。 菅野室長、お願いいたします。 |
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菅野保険企画室長 保険企画室長の菅野でございます。よろしくお願いいたします。 それでは、お手元の資料で、右肩に第二部会18−3という資料と、それから18−4という資料がございます。これに基づきまして「保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正法案」、これにつきまして御説明を申し上げます。 まず、18−4の横長の方の資料をごらんいただきたいと思います。ここで、今回の法案のバックグラウンドにつきまして若干御説明をさせていただきたいと思います。 左側に課題、右側に対策とございます。大きく三つの課題があるというふうに考えてございます。まず、相互会社の経営基盤が脆弱であるという問題、これに対しまして、対策といたしまして、保険相互会社の株式会社化、これが容易に行えるような制度をつくるということがございます。これによりまして、自己資本の増強が図られやすくなると。また再編、持株会社傘下の子会社化といったようなことにも対応できるようになる。こういったこととともに破綻処理手法の多様化、すなわち株式取得方式でありますけれども、これにも資することになるというふうに考えられるわけでございます。 次にいわゆる逆ざや問題でございます。これに対しましては、保険会社に係る倒産法制の整備が求められるところでございます。すなわち、再建型手続であります会社更生法の保険相互会社への適用を可能とすること。また、債務超過に陥る前の早期の手続開始による処理費用の抑制を図ること。さらに、更生手続におきましては、まさにその司法手続による権利調整が行われることとなるわけでございますけれども、これに当たりまして、まず生命保険契約者に優先権を付与していく。その上で、手続におきましては、一般債権の削減ですとか、予定利率の引き下げ等、これらが適切に行われることが求められるところでございます。 なお、(注)にございますように、生命保険は保障の継続が必要であるといった事情がございます。年齢ですとか健康状態によっては同じ内容の保険に加入できないという場合があるということでございます。 一番下でございますが、生命保険契約者保護機構の機能の維持という課題もございます。このために財源対策といたしまして財政上の措置をとる必要がございます。まず、保護機構の資金調達が円滑に実施できますように、借り入れに係る政府保証を可能とする規定を恒久化することといたしております。現行制度では、平成13年3月末までの時限措置となっております。 (2)でございますけれども、時限的な国庫補助規定の創設。具体的には平成15年3月末までの破綻を対象といたします規定の整備を行っております。これに伴いまして、保護機構が活用できる財源につきましては、保護機構の借入限度額を5,000億円拡大いたしまして現行4,600億円、これを9,600億円とすること。また、業界の負担を1,000億円追加して、現行4,600億円を5,600億円とすることといたしております。 それでは、資料18−3の方の縦長の方の資料に戻っていただきたいと思います。 法案の概要の御説明でございますけれども、法案につきましては、保険業法の一部改正関係といわゆる更生特例法の一部改正関係とがございます。上の四角の中は今申し上げたことの繰り返しになりますので省略させていただきまして、保険業法の一部改正関係でございますが、まず1ポツは保険相互会社から株式会社への組織変更制度、いわゆる株式会社化関係でございます。これらにつきましては、昨年7月に公表していただきました保険相互会社の株式会社化に関するレポート、これに沿った内容となっていると考えております。 まず、端株の一括売却制度の導入でございます。商法の特例といたしまして端株の一括売却制度を導入し、端株を割り当てられる社員への補償として売却代金の交付を可能とするといったことでございます。株式会社化に伴う社員権の補償。これは社員の寄与分に応じた株式の割り当てにより行われるわけでございますが、商法の規制との関係で寄与分が少額の極めて多数の社員には端株が割り当てられるということが見込まれますので、こういったことに対処するための制度を設けるということとしております。 次に、組織変更の際の資本増強でありますが、組織変更と同時の株式発行、直後の新株発行による資本増強を可能とすることといたしております。 以上が株式会社関係のポイントになるかと存じます。 次に、保険契約者等の保護のための特別の措置、いわゆる破綻処理制度関係でございます。この部分と後ほど御説明をいたします更生特例法の一部改正関係、これらにつきましては、昨年末、12月にこれもまた御公表いただきました保険会社のリスク管理等倒産法制の整備中間取りまとめ、これに沿った内容になっていると考えております。 まず、早期の手続開始といたしまして、保険会社に対しまして、事業継続困難であるときは、その旨の監督当局への申し出、これを義務づけることといたしております。事業継続困難なときとは、下の(注)にございますように、保険数理的な分析手法であります将来収支分析によりまして、将来責任準備金が不足すると判断されるにもかかわらず、追加積立ですとか、合理的な経営改善計画の策定・実行ができない場合等であります。 次に、保険管理人の権限の強化等であります。保険管理人に対しまして、破綻保険会社に対する罰則つきの調査権限を付与するとともに、破綻保険会社の経営者または経営者であった者の破綻の責任を明確にするため、民事上・刑事上の所要の措置をとることを義務づけることといたしております。また、保険管理人に対しまして、その作成する破綻保険会社の管理に関する計画の中に、業務の整理及び合理化に関する方針の記載を義務づけることといたしております。 また、破綻処理の迅速化の関係でありますけれども、保険契約の移転等に係る仮決議の制度及び特別決議にかわる裁判所の許可、いわゆる代替許可の制度を導入いたしております。 次に契約条件の変更。例えば、予定利率の引き下げといったようなことでございますが、現行制度におきましては、保険契約の移転や合併の場合に行い得ることとなっておりますけれども、保険持株会社等による破綻保険会社の株式取得の場合にもこれを可能とすることといたしております。 次に保険契約者保護機構の業務の拡大・強化に関することでございます。まず、業務の拡大でありますけれども、保護機構の保険管理人または保険管理人代理への就任を可能とするということといたしております。 また、救済保険会社があらわれない場合に対応するため、承継保険会社、これは保護機構の出資により設立される子会社でございますけれども、これによる保険契約の承継を可能といたしております。 さらに、保護機構による破綻保険会社の保険金請求権等の買い取りを可能とするほか、破綻保険会社等の資産の買い取りにつきましても可能とするとともに、これにつきましては、当分の間の措置といたしまして、当該資産の買い取り及び回収につきまして協定銀行(整理回収機構)を想定してございますが、こちらへの委託を可能とすることといたしております。 次に、資金援助の対象の拡大でございますが、資金援助といたしましては、これまでもございましたし金銭贈与のほかに、資産の買い取り及び事後的な損失補てん、いわゆるロスシェアリングを行うことも可能とすることといたしております。 また、従来資金援助の対象となっておりました保険契約の全部移転の場合、これに加えまして、一部移転の場合の資金援助、保険持株会社等による破綻保険会社の株式不足の場合の資金援助、これも可能といたしております。 次に資金援助の類型の拡大でございますけれども、資金援助の類型といたしましては、救済保険会社に対する資金援助のほか、保険契約の承継、これは破綻保険会社から保護機構の子会社であります承継保険会社、こちらへの契約移転等を指すわけでありますけれども、この場合。それから、保険契約の再承継。これは承継保険会社からさらに他のいわゆる受け皿保険会社への契約移転等を指すわけでございますけれども、この場合の資金援助。さらに、保険契約の再移転。これは保護機構が保険契約の引き受けを行った場合に、さらに保護機構から他の保険会社への契約移転をすることを指すわけでございますが、この場合の資金援助についてもこれを可能とするということとにいたしております。 次に、生命保険契約者への優先権の付与でございますけれども、生命保険契約の保険金請求権等につきまして一般先取特権を付与するというものでございます。 3は、生命保険契約者保護機構の財源対策でございます。これにつきましては、先ほど18−4の方の資料で若干御説明をさせていただきました。直接的には昨年の東邦生命の破綻、この処理におきまして、生命保険契約者保護機構の使用可能な資金、これの大半が使われると、こういった事態に対応するためのものでございます。 (1)につきましては、政府保証の恒久化、先ほど御説明したとおりでございまして、借り入れに係る政府保証を可能とする規定を恒久措置とすることといたしたいと。 次の(2)の政府の補助でございますけれども、平成15年3月末までに破綻した生命保険会社の破綻処理に係る業務に要した費用を生命保険各社の負担金のみで賄うとしたならば、各社の財務の状況を著しく悪化させることにより保険業に対する信頼性の維持が困難となり、ひいては国民生活または金融市場に不測の混乱を生じさせるおそれがあると認める場合には、予算で定める金額の範囲内で保護機構に対し、当該費用の全部または一部についての国庫補助を可能とするというものでございます。 それでは、4ポツのところに移っていただきまして、その他の改正でございますけれども、今回の保険業法改正に当たりまして、監督当局は保険会社の準拠すべき責任準備金の計算基礎率の作成等を日本アクチュアリー会に行わせるに当たりまして、必要な監督を行う等のために、これを指定法人化するための規定の整備。また、金融システム改革の着実な実施を図るため、一定の保険商品について銀行等による販売を可能とするといった手当てもあわせて行っております。 以上が保険業法の一部改正関係でございます。 次に、いわゆる更生特例法の一部改正関係でございます。 更生手続といたしましては、保険相互会社への更生手続の適用につきまして、これを可能とすることといたしております。 次に保険会社、これは相互会社、株式会社に共通事項でございますが、更生手続の特例を設けます。まず、保険契約者。この数は一般事業会社の債権者数に比べましても極めて大きな数になるということが想定されますので、送達の特例を設けるとともに、保護機構による手続代理を可能とするということといたしております。 また、破産の原因たる事実が生ずるおそれがある場合には、監督当局による更生手続開始の申し立ても可能といたしております。 次に、いわゆる倒産実態法関係となりますけれども、保険契約者の保護を図るために、管財人の保険契約の解除権を制限すること。 また、更生手続中であっても、一定限度額、これは原則保険金の90%でございまして、保護機構による補償限度額に想定するわけでございますが、これまでの保険金の支払いについてはこれは可能とするということといたしております。 また、更生計画におきまして、予定利率の引き下げ等における保険契約者間の条件の格差の設定、早期解約控除の設定、更生手続開始後に納付された保険料の保護、相互会社から株式会社への組織変更等を可能とする。こういったことといたしております。 また、破産手続関係でございますけれども、破産手続につきましても、更生手続の特例(保護機構による手続代理等)と同様の規定を整備することといたしております。 以上、概略でございますけれども、保険関係の法案の御説明とさせていただきます。 |
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倉澤部会長 どうもありがとうございました。ただいま御説明がありました「保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正法案」につきまして御質問がございましょうか。 |
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田山オブザーバー 安田火災の田山でございます。 |
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倉澤部会長 どうぞ。 |
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田山オブザーバー ただいま御説明がありました保険商品についての銀行等による販売でございますが、これについては今後省令検討ということになってこようかと思いますが、その点につきまして、ちょっと一つ要望がありますので発言させていただきます。 この点に関しましては、保険審議会の報告の方では、基本的には銀行等がその子会社または兄弟会社である保険会社の商品を販売する場合に限定して認めるというぐあいにされておりますけれども、一方、住宅ローン関連の長期火災保険については、銀行等がその子会社または兄弟会社である保険会社の商品を販売することに限定しないことも考えられるというぐあいになっておりまして、これらの損害保険につきましては、現状顧客保護という点から特段の問題はないかと思いますので、ぜひ子会社、兄弟会社、限定を行わないということで検討いただきたいということでございます。 以上でございます。 |
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倉澤部会長 斉藤オブザーバー。 |
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斉藤オブザーバー 第一生命の斉藤でございます。生命保険の商品につきましては、損害保険の商品と比べまして、例えば契約期間が非常に長期であるというようなことを含めまして、商品特性が大変違いがございます。こういった商品特性というものを踏まえて、平成9年の保険審議会の報告におきましては、銀行による保険販売について商品の限定と引受保険会社の限定ということが記されたというふうに理解しております。私どもといたしましては、平成9年の保険審議会の報告を最大限尊重していただきまして、今後の省令検討等に入っていただければというふうに思います。 以上でございます。 |
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倉澤部会長 ほかにございますか。よろしゅうございましょうか。どうもありがとうございました。 それでは引き続き、第一部会の報告等を受けて法案化が行われました証券取引所・金融先物取引所の株式会社化、ディスクロージャー制度の電子化、集団投資スキーム法制及び金融商品の販売等に関するルールからなる金融インフラ3法案につきまして、事務局より紹介をお願いしたいと思います。 初めに各法案の概要について事務局からまとめて御紹介いただき、しかる後に一括して質疑を行うことといたします。 まず、証券取引所・金融先物取引所の株式会社化及びディスクロージャー制度の電子化について定める「証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案」につき御説明をいただきたいと思います。 |
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松川市場課長 市場課長の松川でございます。それでは、私からはお手元の資料の18−5及び18−6に沿いまして、「証券取引法及び金融先物取引法の一部を改正する法律案」のうち、取引所の株式会社化に関する部分について御説明させていただきたいと存じます。 まず、資料の18−5の方の1ページ目をごらんいただきたいと思います。 四角で囲っているところにその改正の趣旨を単に書いてございますが、株式会社化の趣旨でございますが、証券取引所及び金融先物取引所につきまして、組織形態の選択肢として株式会社化を可能とするということでございまして、このことによりまして、取引所におきます意識決定の迅速化、資金調達方法の多様化を図り、もって多様なニーズへの対応、効率的で利便性の高いサービスの提供をし、さらには国際的地位の向上を図ろうとするものでございます。こうした株式会社化の動きにつきましては我が国だけではありませんで、諸外国におきましてもここ一、二年急速に広まっているところでございまして、資料の18−6の1ページ目をごらんいただきたいと存じます。諸外国における証券取引所等の株式会社化の動きを図示したものでございます。 まず、証券取引所におきましては、一昨年におきまして、オーストラリアと米国のアメリカンという証券取引所が株式会社化を実施いたしております。それから、昨年にはトロントとロンドン、ニューヨークの3取引所が株式会社化、非会員組織化の計画を発表いたしました。このうちロンドンにつきましては、去る3月15日の会員総会におきまして株式の会員以外への開放を承認されまして、本年の4月末、あるいは5月には一般への売却が開始される見込みだと言われております。それからニューヨークにつきましては、本年中の一般開放を目指して準備中であるということでございます。 注書きにございますように、上記以外にも既に株式会社化しているところがかなりあるということでございます。 金融先物取引所の分野におきましても、記載のとおり、ロンドン、シカゴの2大取引所等を初めとして株式会社化の動きが出てきているところでございます。 次に、株式会社化に当たっては、法制化に当たっての基本的な考え方でございますが、同じく資料の18−6の2ページのポンチ絵をごらんいただきたいと思います。真ん中に証券取引所とございまして、証券取引所の業務が記載されておりますが、市場を開設するという業務とその市場におきます取引の公正を確保していくためのルールを作成し、そのルールを守らせていくという機能、いわゆる自主規制機能、大きな役割でございますが、証券取引所の業務が記載されております。 今回の株式会社化は、こうした証券取引所の公共性のある業務についてその公共性を十分確保していきながら、その資金の調達面とそれから意思決定の両面におきまして、左側の網かけしている部分ですけれども、資金調達と意思決定の両面におきまして株式会社のメリットを生かしていこうと、公共性を確保しながら株式会社のメリットを生かしていこうというものでございます。そのために、公共性の確保をするためには、基本的には行政当局による免許制、あるいは認可制等を維持していきますとともに自主規制機能を確保していこうと。それに関連しまして、公共性確保として後ほど御説明いたしますが、右側に書いてありますようなさまざまな措置を講じたい。最低資本金、株式保有制限、業務範囲の制限等々を講じていきたいというものでございます。 以上の基本的な枠組みにつきましては、去る2月24日の第一部会におきまして、昨年末以来のワーキングでの審議等を踏まえて、株式会社化についての基本的な考え方が取りまとめられたところでございまして、そこでの報告書の考え方に沿ったものでございます。 それでは、具体的内容につきまして18−5に戻っていただきたいと存じます。 1ページ目の1ポツでございますが、証券取引所及び金融先物取引所の組織形態に株式会社を導入するということでございまして、従来の会員組織に加え株式会社を認めるということでございまして、選択として株式会社を認めるということでございます。そこで、株式会社は御案内のように商法に基づき設立されるものでございますので、免許制を維持いたしますが、その免許の仕組みを設立に対する免許から市場の開設に対する免許に変更いたします。 なお書きで書いてありますのは、先ほど申し上げましたように、定款等の認可制度等をを株式会社たる取引所にも適用していこうということでございます。 2ページ目でございますが、公共性を確保するためのさまざまな措置でございます。まず、株式会社形態にのみ適用されるものといたしまして、資本の額が政令で定める金額以上でなければならないと。もう一つは、発行済株式の5%を超える株式を保有してはならないという株式保有制限でございます。これにつきましては、一昨年オーストラリアが株式会社化をした際に法律上5%という株式保有制限が導入されているところでございまして、そうしたことも勘案をさせていただいたものでございます。 次に株式会社、会員組織、両形態に適用されるものといたしまして、業務範囲は市場の開設及びこれに附帯する業務とする。さらには、取引参加者等が法令等を遵守しなければならない等につきまして、定款に記載しなければならないということに対しまして、自主規制機能の一層の明確化を図ります。 それから、行政当局の監督につきましては、現在定款等の変更命令を出すことができることになっておりますが、これに加えまして、業務運営・財産状況に関し監督上必要な措置をとることができるようにいたします。 それから、取引所の株式をみずからの市場に上場する場合につきましては、その上場審査の信頼性を確保する観点から、金融再生委員会の承認制といたします。 会員組織から株式会社への組織変更を可能にするために必要な手続規定を整備いたします。 株式会社化関係は、本年の12月1日からの施行を予定いたしているところでございます。 以上が株式会社関係の改正の内容でございます。 |
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大藤参事官 それでは、開示担当の参事官をいたしております大藤でございますが、私の方から証券取引法の改正の企業内容等の開示制度の電子化に係る部分について御説明申し上げます。 資料の18−6の3ページに開示制度の電子化を行った後の開示関連事務の流れをポンチ絵風にまとめてございますので、これをごらんいただきながら、資料18−5の3ページに沿いまして御説明申し上げます。 御承知のとおり、証券取引法等に基づきまして、投資家保護等の観点から企業の財務内容等の開示が義務づけられております。有価証券報告書等の一連の開示書類でございますが、この提出、受理という一連の手続等を電子化するものでございます。 有価証券報告書等の提出等の手続につきまして、オンラインにより行うことを認めることといたしまして、書面による提出も認める、いわゆる併存でございますが、一定の経過期間を設けた上で平成16年6月1日以降、原則義務化したいというふうに考えておるところでございます。 具体的には(注)のところにございますけれども、制度の円滑な導入実施を図るために三つのグループに分けて電子化を実施したいというふうに考えております。 まず、第1のグループでございますが、いわゆる継続開示と言われておりますものでございますけれども、有価証券報告書、半期報告書等でございますが、これにつきましては、平成13年6月1日から実施させていただきたいというふうに考えております。そして経過期間を経まして、平成16年6月1日以降、原則義務化させていただきたいというふうに考えております。 それから、いわゆる発行開示に係る書類でございますが、有価証券届出書等のグループでございますが、これにつきましては1年おくれということで、平成13年6月1日から平成14年6月1日までの間で政令で定める日から導入させていただきたいということでございます。これらのグループにつきましても、平成16年6月1日以降、原則義務化させていただきたいというふうに考えております。 それから第3のグループでございます。大量保有報告書等でございますが、これらにつきましては、さらに1年おくれということで、平成14年6月1日から平成15年6月1日までの間で政令で定める日から導入実施させていただきたいということでございます。ただし、これらの書類につきましては、個人が提出者になることがあり得ること等から、電子化は任意ということにさせていただきたいというふうに考えているわけでございます。 オンラインにより提出等の手続が行われました有価証券報告書等は、ポンチ絵、関連事務をまとめました資料3ページの図をごらんいただきたいと思いますけれども、財務局で受理いたしまして、審査を行った後に、現在公衆縦覧されておるところでございますが、この今書面で行われております縦覧を財務局、証券取引所等におきましてモニター画面により公衆縦覧させていただくとともに、提出会社においても同様に公衆縦覧させていただきたいということでございます。 それから(注)に書いてございますが、いわゆる電子化されたデータが蓄積されるわけでございますが、行政当局におきまして、インターネットを通じまして、有価証券報告書等の情報提供も行うということにさせていただきたいというふうに考えております。これによりまして、企業情報への迅速なアクセスが確保されることになりまして、市場における情報の厚みを増すことになりまして、証券市場の活性化、効率化にも資するものというふうに考えているところでございます。 それから2ポツでございますが、有価証券報告書等の開示制度の電子化に関連いたしまして、目論見書というものがございます。これは証券会社等が有価証券の募集・売り出し等に際しまして、当事者に有価証券の発行者に係る事業内容等の情報を提供するというものでございますが、目論見書につきましては、有価証券届出書と基本的に同一の内容ということもございまして、これにつきましても、平成13年6月1日から14年6月1日までの間で政令で定める日からオンラインによる交付等を認めることとさせていただきたいというふうに考えております。 私からの説明は以上でございます。 |
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倉澤部会長 どうもありがとうございました。引き続き、集団投資スキーム法制整備のための法案について御説明をお願いいたします。 |
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乙部債権等流動化室長 債権等流動化室長の乙部でございます。資料18−7、18−8に基づきまして、「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律等の一部を改正する法律案」の概要について説明させていただきます。 まず、資料18−8をごらんいただきたいと思いますが、資産の流動化の仕組みでございます。会社型SPCというのが現行法でございますが、一番左の四角に資産の保有者というのがございます。不動産と指名金銭債権でございますが、これを持っている企業が、右にSPCというのがございますが、これはペーパーカンパニーでございまして従業員はおりません。このペーパーカンパニーを設立して、そこに資産を譲渡いたします。不動産ですと、そのテナントの入っているビルのようなものが典型でございますが、キャッシュ・フローがございますので、それを見合いに社債、あるいは優先出資という有価証券を投資家に発行いたします。投資家からその購入代金がSPCに入ってまいりますので、それを資産の保有者に渡すと。こういう仕組みによりまして資産を保有している企業がそれを流動化して資金を調達することができると、こういう仕組みがございます。平成10年9月1日に施行されておりますが、なかなか使い勝手が悪いという苦情がございましたので、今回これを改正いたしまして、より使い勝手のよい制度といたします。 資料18−7にお戻りいただきたいと思いますが、会社型の改正というところでございますが、改正点の第1は対象資産の拡大でございまして、現在不動産と指名金銭債権に限られておりますが、この制限を外しまして、財産権であれば何でも流動化できるようにいたします。 次にSPC設立手続の簡素化でございますが、現在このSPC、金融再生委員会に登録を義務づけておりまして、登録審査の期間として約2カ月の期間の猶予をいただいておりますが、これでは機動的な証券化が行えませんので、今回これを届出制に変更いたします。これによりまして、届出をすれば直ちに証券化が行えるということになります。 それからSPCの最低資本金、現在有限会社並みに300万円となっておりますが、この会社はペーパーカンパニーで業務を行いませんので、これを思い切って10万円に引き下げます。 それから、SPCが発行する証券の商品性の改善でございますが、投資家への資金の払い戻しを行うために優先出資の減資を可能といたします。現在はこれは禁止されております。それから、商品設計の自由度を増すために転換社債のような新しい証券の発行も可能といたします。 それから4番目でございますが、SPCに借り入れを認めます。現行法では流動化を証券化というふうにとらえまして、証券の発行しか原則として認めておりませんけれども、経済的には社債と借り入れというのはほとんど同じようなものでございますので、今後は借り入れもできるようにいたします。 それから5番目、資産流動化計画に関する規制の簡素・合理化でございますが、投資家はSPCが保有しております特定の資産が生み出すキャッシュ・フロー、あるいはその資産の価値を信頼して証券を購入するわけですから、このSPCが保有している特定資産が勝手に変更されたり処分されたりすることのないよう、資産流動化計画でこの資産を特定させると、こういう制度を導入しておりますが、この資産流動化計画につきまして、反対者へ買取請求権を付与するということを前提に、特別多数決による変更を可能とするように改正いたします。 これが会社型の改正でございまして、もう一つは、SPCというペーパーカンパニーにかわりまして、信託銀行の信託勘定を利用して流動化ができるようにするということで、信託型も創設することにいたします。これが流動化のための仕組みでございます。 次に資金の運用のためのスキームでございます。2ページ目をおめくりいただきたいと思いますが、現在、主として有価証券に運用するための仕組みを定めました「証券投資信託及び証券投資法人に関する法律」というのがございますが、これを改正いたしまして、不動産を含めた幅広い資産に投資運用できるよう規定を整備いたします。主な改正は運用制限の緩和でございまして、主たる運用対象、これは50%超を運用できる対象ということでございますが、これを有価証券、不動産その他の政令で定める資産に拡大いたします。この運用制限の緩和に伴いまして、運用を行います投資信託、委託業者に関する規定の整備を図ります。投資信託委託業者は金融再生委員会の認可を受けるということになっておりますが、不動産ファンドの運用を行う業者につきましては、不動産取引を実際に行いますので、宅地建物取引業法の免許、それから建設大臣の一任取引の認可取得を義務づけることといたします。 次に、この運用業者の利益相反行為、これを防止するための措置といたしまして、一定の行為の禁止を定めております。業者とファンド間の取り引きを禁止するとか、あるいは業者自身、あるいは業者の利害関係人の利益を優先するための行為、これらのものを禁止いたします。 それから、不動産のように価格評価が困難な資産につきましては、内部の独立した不動産鑑定士などの価格評価を義務づけることといたします。さらに、ファンド相互間の取り引きですとか、ファンドと業者の親会社との間の取り引きのように、利益相反のリスクがあり得る一定の取り引きにつきましては、そういう取り引きが行われた場合には、その具体的な内容を投資者に開示させると、こういう措置を講ずることといたしております。 それから、この運用業者が投資者に対して忠実に行動する義務、それから専門家としての注意を払って業務を遂行する善管注意義務を規定いたしますとともに、投資者に損害を与えた場合の損害賠償責任に関する規定も設けることといたします。 それから3番目でございますが、投資信託とか投資法人の場合は、外部に運用業者がいて運用しておりますけれども、こういう仕組みに加えまして、信託会社が自分で顧客から集めた資産を運用するという仕組みも整備いたします。この場合、信託会社には投資信託委託業者と同様の行為規制をかけることといたしております。 以上でございます。 |
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倉澤部会長 どうもありがとうございました。引き続き「金融商品の販売等に関する法律案」についてお願いいたします。 |
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玉川調査室長 調査室長の玉川でございます。お手元の資料の18−9と18−10に基づきまして、「金融商品の販売等に関する法律」、これはあした国会に提出させていただく予定になっておりますが、を説明させていただきます。 まず18−10で、その背景というものをごらんいただきたいと思いますが、金融商品の販売とか勧誘をめぐっては、これから後いろいろと新しい商品が普及するということが考えられますが、これまでも特にデリバティブとかワラント、または変額保険等をめぐっては、その説明義務をめぐって、業者の説明が不十分だったということのようなトラブルとかも起こっておりました。それにつきまして、現在の法制におきましては、各、例えば保険業法、銀行法、抵当証券業法とかさまざまな業法がございますが、そこでは書面を交付しなければいけないとか、そういう義務はありますものの、それに違反したからといって行政上の処分があるわけで、これに対する利用者自身を救済する規定がないということであるとか、また業法がない分野というものについてはそもそも規制の対象外になっているという問題があります。また、裁判につきましては、これは今までワラントとか変額保険などは、この709条を使って、不法行為法を使って、まず説明義務があったことを認めさせ、そしてその上で損害の因果関係とかをちゃんと証明した上で損害賠償責任を勝ち取っている例が大分ふえてまいりましたが、総じて裁判が長期化してしまうというふうな問題がございます。 これに対しまして今回の立法は、金融商品全体について、その販売業者には販売を行う際には説明義務があるということをまず明確化し、それがまたどんな内容であるかということを明確化するとともに、その損害賠償違反のときには、その損失に対しては損害賠償責任を負うということを明確に定めるものでございます。 これによりまして、利用者の利用に対してより適切な説明がなされることが期待されるとともに、業者にとっても何をすればいいのかということについてより明確になるのではないかと思われますし、また、後ほど説明させていただきますが、立証責任の転換というものが部分的に含まれておりますので、裁判の迅速化にも資するのではないかと思われます。 また、もう一つといたしまして、販売業者に勧誘の適正の確保のために勧誘方針を策定し、公表することを義務づけることになりまして、これによりまして、適正な勧誘に向けた業者の自主的な努力が促進されるということが期待されることになっております。 18−9の方の資料につきまして、その法律の要点につき説明させていただきますが、法律全体は9条しかありません。非常に短いものでございます。そのうちの金融商品の販売業者の説明義務の明確化でございますが、金融商品につきましては、預貯金、信託、保険、有価証券等幅広く対象として、これを法律で列挙するとともに、今後登場する新しい商品については政令で定めることを予定しております。 そして、その金融商品を販売する業者、これは業として行う者と同時に、この下にございますが、取次ぎ・媒介・代理などで行う場合にもかかってくるのでございますが、金融商品を販売する際にはそのリスクについての重要事項の説明を義務づけるということを規定しております。 どのようなことを説明しなければいけないのかということの中心的には、この元本欠損のおそれがあるときに、どうしてそれがそうなるのかということを説明していただくということでありまして、その一つは主として市場の価格の変動、株価とか、いわゆる市場リスク。通貨の価格、有価証券市場における相場などの変動によって元本割れをするおそれがあること。 2番目には、今度は業者自身または証券の発行者とかが破綻することによって、またそれにより元本の欠損を生じることがあることを主として説明していただくということと同時に、リスクを避ける上で知っていなければいけない事項として、その権利自体がワラントのように何年間で使えなくなるとか、また逆に解約しようと思ったら、解約できない期間があるということもあわせて説明していただこうということになると予定しております。 そして、この説明にはプロと。これは証取法上に適合機関投資家という制度がございますが、プロとして指定された者に対しては説明をするこの義務は課されないということと、同時にお客さんの方が自分でそんな説明は要らないよと言った場合には、この義務は課されなということになっております。 そして義務違反があった場合には、次のページでございますが、損害賠償責任を負うということになりますが、ここにおきまして、現行におきましては、709条で先ほど説明させていただきましたが、争われておりまして、業者に説明義務があること。損害に因果関係があったこと等、それは709条の要件の積極的な要件をすべて原告側が立証しなければいけないのに対しまして、今回は損が出たということが判明しますと、その損というのは説明をしなかったことによって生じたものであるということについて推定を行うという仕組みを導入しておりまして、その結果といたしまして、顧客が販売業者が説明を行わなかったということを、これは立証しなくてはいけないのですけれども、それを立証していただければ、説明をしなかったことによって損害が生じたということの因果関係は推定され、逆に業者の方が、例えばお客さんは、私は確かに説明しなかったけれども、お客さんは前から御存じだったはずだと、そういうふうな形で反証をしていただく必要があるということになり、顧客の立証責任の軽減が図られることになります。 また、これは709条の特則となりますが、民法709条を使っての損害賠償請求を行うこともあわせ適用になります。 それと、金融商品販売業者の勧誘の適正の確保のためでございますが、努力規定として、金融商品販売業者は勧誘の適正の確保に努めなければならないという規定が入り、そのもとにおきまして、金融商品販売業者は勧誘方針を策定・公表しなければならないという規定が入ります。その勧誘方針には、いわゆる適合性原則と言われております顧客の対象になるものの知識、経験、財産の状況に照らして配慮すべき事項、それから迷惑な会員の自制という類型になると思いますが、勧誘の方法、時間帯等に関し、勧誘の対象となる者に配慮すべき事項、その他、勧誘の適正の確保に関する事項を含んだものを自主的に作成し、公表していただくということになり、これに違反した業者につきましては、過ち料、裁判官の方の判断で科すペナルティーでありますが、過料をいただきます。 最後に、これは消費者保護を図る立法として、今国会に上程されます消費者契約法とあわせて審議する。立法されるものでございますが、金融商品につきましては、この消費者契約法、これは誤った非常に悪質な説明をしたときには取り消しを行うことができるというふうな規定と同時に、そもそも金融商品には説明をして行わなければいけなく、説明をしなかった場合には損害賠償責任を負うというこの規定とが両方並行して適用されることになり、一層の消費者保護が図れるものがあると考えております。 以上です。 |
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倉澤部会長 どうもありがとうございました。それでは、御紹介がありました第一部会関連の法案、取引所の株式会社化以下、今までのものでございますが、この法案につきまして御質問がございましたら、どうかお願いいたします。 どうぞ、池尾委員。 |
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池尾委員 この法案そのものではないのですが、インフラ整備はこれで打ちどめということはあり得ないというふうに思うのですが、今後の継続的なインフラ整備の見通しのようなものを簡単で結構ですからお教えいただければと思うのですが。 |
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倉澤部会長 では、内藤課長お願いいたします。 |
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内藤企画課長 インフラというものをどう定義するかというのは、これは非常に難しいですけれども、私どもが認識しております問題、課題としましては、今、この第一部会の方で、これはワーキングもつくりまして検討していただいております証券決済の問題ですね。池尾先生が座長でやっていただいておりますけれども、これも非常に次の証券取引所の活性化と並びまして店頭市場の活性化という意味で非常に大きな課題だというふうに思っております。 それから、引き続いてこの第一部会の課題にはなりますけれども、年末のレポートを取りまとめましたところでの金融サービス法といいますか、この販売・勧誘に係るルール、あるいはSPC、あるいは投資の運用型のこういった諸改正がございますけれども、さらに加えて、裁判側の処理制度の問題でありますとか、あるいは消費者教育のあり方の問題とか、種々この課題が残っております。それから現在は、政府全体で今議論をしております個人信用情報、個人情報一般というふうにむしろとらえた方がいいんですが、個人情報一般の保護の問題とか、あるいは利用のあり方の問題とか、そういった問題が今議論されておりまして、これについての基本法を来年の通常国会に提出するということで進められております。その関連で、この第一部会のワーキングで、これまでずっと個人信用情報の保護のあり方について議論してまいりましたので、その個人情報の保護の一つの大きな柱として、個人信用情報についての保護のあり方といった問題についても、これは個人情報一般の基本法の制定作業と相携えましてこれから鋭意議論をしていく、詰めていく必要があろうかというふうに考えています。 それからそのほか、種々、例えば現在はこの金融再生委員会とか、あるいは監督庁の方で、実務的に議論をされておりますけれども、異業種の参入問題でありますとか、さらなるいろいろ、先ほどちょっと業界の方から御指摘ございましたけれども、保険分野における参入の問題とか、そういったあるいは商品のさらなる自由化の問題とかいろいろございます。そういった実務的な検討もあわせて引き続きやっていくということで、そのあたりはインフラというよりはむしろ業務分野の問題になろうかと思いますけれども、そういったことを今のところは念頭に置いております。 |
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倉澤部会長 ありがとうございました。江頭委員、どうぞ。 |
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江頭委員 最後に御説明のあった「金融商品の販売等に関する法律案」の概要に関することですが、説明義務違反に対する損害賠償責任に関して、元本欠損額をその損害額と推定するという規定があるという御説明でしたけれども、これは顧客側に過失がある場合の過失相殺は当然できるということでしょうね。 |
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玉川調査室長 別途これとは別に、これ以外のものについては民法の規定によるということで、過失相殺もその中に含まれるという形で明示してあります。 |
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倉澤部会長 よろしゅうございますか。それでは、本日も後半の議題がありますので、そちらに進ませていただきたいと思います。 では、もう一つの議題であります「規制緩和推進3カ年計画」の再改定に関する審議に移ります。 初めに事務局から、昨年12月に公表されました規制改革委員会「規制改革についての第2次見解」における金融・証券・保険関係の主要指摘事項及び策定改訂版の「規制緩和推進3カ年計画」における未措置項目等への対応状況等につき御説明をいただきたいと思います。 内藤課長、お願いいたします。 |
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内藤企画課長 企画課長の内藤でございます。それでは、資料の18−11をごらんをいただきたいと思います。それから、これに関連します席上配付資料といたしまして「規制改革についての第2次見解の抜粋」というのをさらにつけさせていただいておりますので、これは参考資料という形でお配りをしております。 まず1ページをごらんをいただきますと、規制改革推進3カ年計画の金融・証券・保険関連分野につきましての検討項目でございます。これは毎年規制緩和推進計画ということで、この3カ年にわたってどのような検討をしていくのかという個々の項目につきまして、業界の要望でございますとか、あるいは行政当局自身の検討というものの実態を明らかにいたしまして、さらに3カ年に向けてのこの検討目標といいますか、そういったものを発表して毎年ローリングで見直ししながら新しい項目をつけ加えていくというふうな仕組みでやっているものでございます。 そこで、1ポツでございますが、今回のこの計画の再改定は3月末日を目途に再改定されるわけでございますけれども、ここで見込まれる主要新規項目というものがございます。これはいわば昨年の秋ごろから政府におきます規制改革委員会というところで取りまとめて打ち出されました新しい、まあいわば玉でございます。(1)、ごらんいただきますと、平成11年12月に規制改革委員会の第2次見解というものが発表されておりまして、規制緩和に係る主要指摘事項がございます。 まず第1が、銀行・保険会社の本体の業務範囲の見直し。括弧書きがございますのが、この見解の中で言及されておりますいつを目標に検討するのかとか、あるいは検討するのかとか、そういうふうな目標が掲げられているわけでございます。 二つ目が従属業務と金融関連業務、後でまた若干御説明いたしますが、それから第3、第4、第5、このあたりが大体銀行関係の業務範囲の問題でございます。それから第6ですね。このあたりは銀行の保険商品の販売、あるいはその範囲の拡大というようなものでございます。 それから、 ![]() それから ![]() それから ![]() ![]() ![]() ![]() それから(2)は、大蔵省の中間公表、これが本年に入りまして発表してあるものでございますけれども、これも従来からいろいろ議論をしてまいっているところでございまして、これについて新規に掲載をしたということで、今後取り組んでいくということで私どもが発表した事項でございまして、銀行法の附則5条で銀行が証券取引業務を行うというときにも認可という制度がありますけれども、証券取引法上の認可というのがございますので、いわゆるダブル認可ということで、この辺の規制緩和を考えていく必要があると。 それから、単位協同組織金融機関における優先出資の発行という点でございますが、これは今回の改正の中で個別の信用組合、こういったものの優先出資の発行というのができるような対応をいたしますので、これが実際に改善が図られると。 それから ![]() それから信用金庫の従たる事務所の定款への記載を省略できないか。 あるいは ![]() ![]() それから2ページをごらんいただきますと、これはこれまで検討として掲げられておりました事項でございまして、その中で引き続き検討中のものもございますし、今回新たに時限を打って、それで今後取り組んでいくというようなものもございます。 第1が銀行の営業免許。これは需給調整規定というものがございましたけれども、これは廃止という趣旨を踏まえて、銀行法の次期改正のときにはこの改正を行うと、このような方針が既に打ち出されているものでございます。 それから第2は、銀行への信託業務の全面的解禁というものがございまして、これは後でまた御説明いたします。 それから、 ![]() ![]() ![]() ![]() それからCPのペーパーレス化と。それから ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 次に3ページをごらんをいただきますと、今申し上げた各項目がございまして、若干つまみ食いになりますけれども、御説明をさせていただきますと、まず銀行・保険会社本体の業務範囲の見直し、今回の新しい玉でございますが、この11年12月に出ました第2次見解におきましては、特に問題となっておりますのは、銀行が基本的には他業禁止ということで銀行法にも制定され、健全性を図るという意味から、そういった制度になっておるわけですけれども、一部、例えば銀行と保険業務が非常に密接な関係を有するというところで、銀行・保険会社の資産の運用ファイナンスにおける助言といったようなもの、あるいはパソコンソフトにおける販売とか、あるいは利用回線のリセール、こういったことで非常に密接な関係が出てきておりまして、そうした本体で行うことについて、もう少しこの規制緩和を図って、関連会社でそうしたアウトソーシングをやれるようにするとか、あるいは銀行とか、保険会社本体でもできるようにできないかということで、いずれも銀行・保険それぞれ専業義務がかかっておりますので、そうしたいわば他業ではございますけれども、それを銀行自身の業務、あるいは銀行が少しそれを他に販売するということも緩和して認めていってもいいのではないかなと、このような意見が出ておりまして、これにつきましては、右にございますように、他業禁止及び利用者保護の観点を含め金融審議会の場で検討を行うと、こういうふうなことであり、こういうふうな考え方を既に発表しております。 それから二つ目が従属業務と金融関連業務の兼営という問題がございまして、銀行、あるいは保険会社に完全に従属するという形で、例えばコンピューターのソフト、あるいはハードを提供する、そういうアウトソーシングの会社ですけれども、これについてそれぞれ銀行・保険会社、あるいは金融再編がさまざまに起きておりますので、そうした形になりますと従属会社同士がいわば一体化していくと、こういうふうなこともございまして、この兼営というものをどう考えていくかと。 それから三つ目が従属子会社の収入依存度の規制の緩和というもので、これも従属会社のさらに規制を緩和して、より少し、親会社のみならず、他の業務をできるようなそういう規制緩和が図れないのか。 その次の子会社等の業務範囲の拡大というのも同様の趣旨でございます。 それから、業務範囲規制の適用対象の範囲の見直しということで、これは特に保険分野における規制緩和でございまして、やはり同様の趣旨からの規制緩和の要望事項でございます。 4ページごらんをいただきますと、銀行等による保険商品の販売とその範囲の拡大というものがございます。これにつきましては、保険審議会の結論も経まして、この上に書いてございますように、2品目、住宅ローン関連の長期火災保険、信用生命保険については、弊害防止措置等を講じた上で、遅くとも平成13年までには銀行等による窓販、これを認めるべきであると、こういう方向が既に打ち出されております。 さらに、それ以外の保険商品についても、ごらんのようなことで引き続き検討を行いまして、平成12年度中に結論を得るべきであるというようなことになっておりまして、現在この線に沿って検討をしておるということでございます。 それから、次にノンバンク等の異業種等のCD・ATMからの銀行預金の引き出しということで、現在はCD・ATM、いずれも無人化の店舗という位置づけでございまして、異業種にそういうものを置くということになりますと、現在の法律制度の枠組みをいわば超えるような話にもなってまいりまして、これについての考え方の整理を行う必要があるということで、13年度末までに結論を得るべきだということで、先ほど申し上げました店舗の問題と絡んでまいるわけでございます。 それから、有価証券募集に際しての目論見書の交付の簡素化。先ほど、EDI−NETの電子化の問題としてお話ございましたように、この問題については、EDI−NETの導入にも絡めて現在検討しておると。 それから、認可投資顧問業者による合同運用の解禁でございますが、これについても合同運用というものをいわば禁止している現在の規制の見直しという方向で12年度中に結論を得るように努めていくということでございます。 5ページごらんをいただきますと、個別株オプション取引の反対売買との相殺がございまして、これもいわばテクニカルなことでございますが、もう少しこの実務の内容を踏まえながら検討していくと。 保険商品の届出対象商品の拡大でございますとか、一つ飛びますが、保険商品の事前届出制の見直しといった、こういったところも引き続き検討している分野でございます。 それから6ページが、先ほど申し上げたように、大蔵省のいわば内部検討を踏まえて中間公表というものを発表したものでございまして、銀行法の附則5条の撤廃の問題。先ほど申し上げたように、既に法律案がなされております単位協同組織金融機関における優先出資の発行の問題。それから協同組織金融機関の附属明細書の問題。それから信用金庫の従たる事務所の定款の記載。それからプリペイドカードを発行した場合には、有価証券を供託をするというときに、その差しかえがスムーズにできるような、そういう条件緩和。それから社債登録制度というものの廃止というものの方向が規制緩和要望では出ておりまして、これを踏まえて、現在、右にございますように、第一部会のもとでのワーキングで検討しておるということでございます。 それから7ページをごらんいただきますと、未措置の引き続き残っている玉でございまして、銀行の営業免許、それから信託の方は後で申し上げますが、銀行の種々の代理店、あるいは店舗の問題、これも後で御説明いたします。そういった問題がございます。 そのほかコミットメントラインについては、既にこういった方向での所要の措置ということで、昨年ですか、法制化がなされております。 それから8ページをごらんいただきますと、CPのペーパーレス化、これは引き続き現在検討している分野でございますし、証券子会社のファイアーウォール規制については、11年4月にかなり大幅な規制緩和を既に行っておりますが、引き続いて検討していくというふうな項目になっております。 それから以降、保険業と他金融業との子会社方式による相互参入、あるいはそれ以降の分野につきましては保険関係の規制緩和に係る要望事項でございます。 それでは次に10ページをごらんいただきたいと思うんですが、いろいろ検討項目があるということを御説明いたしましたが、その中でこれまで残っているこの未措置項目がございまして、特にこの金融審議会等の場で検討というふうな事項として整理されておりますところの問題として御説明をし、また御意見ございましたらお聞かせいただきたいということで、御説明していく点として、きょうはこの銀行本体における新体系の問題と、それから店舗関係の問題について御説明し、またあと菅野保険企画室長の方から生命保険の構成員契約規制についての点を御説明をさせていただきたいと思います。 この信託の本体経営の問題でございますが、信託につきましては、基本的にこの信託業法、信託法という民事法がございまして、その業とするものについては信託業法、これは金融再生委員会における免許を受けなければならないと、こういう業規制がございます。銀行が信託を兼営するということについての兼営法もございます。 信託については、平成5年以降規制緩和が順次進められてきております。右にごらんいただきますように、5年4月に金融制度改革法を受けまして、子会社方式による信託業による参入というのが認められると。また、地域金融機関本体においても動産の信託、公益信託等が認められるというところからスタートいたしまして、9年10月には信託銀行子会社に貸付信託、特金、指定単と、こういった業務が認められ、さらに11年に入りまして4月には銀・信間のファイアーウォール規制というものがございましたが、これを緩和すると。それから、10月に信託銀行子会社に年金信託、合同金信を解禁すると。それで地域金融機関の本体にも金銭債権の信託を解禁すると。こういった一連の規制緩和がございます。 次の点でございますが、この信託業務を銀行等の本体で兼営するということについては、現在は今申し上げましたように、地域金融機関には本体で行うということが原則的に認められておりますが、都銀につきましては、本体ではなくて子会社において参入するというふうな形をとっております。これは兼営法におきますところの政令に基づきます指定を行いまして、その中で、都銀は本体ではできないというふうな整理になっております。店舗等の問題もございまして、この子会社方式による参入という形でスタートしたわけでございますが、こういった本体での兼営といった問題がこの要望として出ておりまして、これについては信託業法のあり方等を含め、金融制度改革全体の進展を踏まえた幅広い観点から検討が必要だということでございます。 右に参考にございますが、信託会社、専業信託銀行が現在7行あるわけでございますが、信託業法5条に列挙された業務というものを併営業務として営むことができるということで、こういう不動産仲介業務とか不動産の鑑定評価業務、あるいは証券代行業務、こういったものが併営業務として認められるということになっておりますが、これについては、一つの銀行、都銀本体がこの分野に参入することについては、不動産業界等との従来からの問題がございまして、この併営業務については現在のところ専業信託が行うというふうな形になっております。 平成9年6月の金融制度調査会の答申では、ごらんいただきますように、本体兼営、これについては引き続き検討を行っていくと。さらに11年3月の昨年の規制緩和推進計画では、普通銀行及び長信銀本体での信託業務の全面的兼営について検討を行い結論を得るということで、11年度以降スタートしておりまして、私どもの現在考えております方向性としましては、いずれにいたしましてもこの問題長い経緯もございますので、検討を行いまして、12年度中に結論を得るということで、事務的なこの検討作業を踏まえまして、この審議会にも御相談をさせていただくというふうなことではどうかというふうに考えているところでございます。 次に、関係の資料がちょっとございますので飛ばしまして、14ページをごらんいただきますと、次のもう一つの大きなテーマでございますのが、「銀行の店舗に係る認可制度の見直しについて」という問題でございます。 銀行の店舗に係る規制については、昭和56年の銀行法制定で、省令で認可を要しない場合を定めるということで、一部規制の緩和が行われたと。どういうものが認可を要しないかと申しますと、右にございますように出張所でありますとか、増改築をするとかいうふうなことで、それまでは非常にこの縛りが強かったわけでございますが、この時点から自由化の方向に進んだというふうなことでございます。 二つ目の丸で、最近の大きな変化でございますが、情報通信技術の著しい発展というものを背景といたしまして、インターネットバンキングというものが新たな業務形態として広がりつつあるということで、かなりこの店舗のあり方についても見直しが必要だということでございます。右、ごらんいただきますように、インターネットの利用者というものは、一般的なこの通信白書のデータでは1,700万人に達するというふうなことで、企業普及率においてはもう80%に達しているというふうな実態がございます。 それから大手行のほとんどがインターネットを通じたフルバンキングというものを既に提供しているということがございます。それから大手金融機関、事業者がインターネットオンライン、専業銀行構想を発表しているということも御承知のとおりでございます。監督庁においても、実務的なベースでこういった金融サービスにおける電子取引と、あるいはそれに対する監督行政のあり方というものを検討しておるというようなことで、この分野につきましては、いわば従来の店舗という概念がなかなかその中にはおさまり切らないという問題もございます。あるいは、一つの機械で例えば銀行の商品、保険の商品、あるいは証券会社の商品を一体的に提供し得るということはもう技術的には全く問題ございませんので、そうした要望も実は出てきておりまして、いわば銀行と銀行のATMしかない。あるいは保険と保険の機械しかないということでは、なかなかこの利用者利便が図り得ないというふうな問題が出ているわけでございます。 そうしたことで、左の論点をごらんいただきますように、店舗における、まずは規制緩和の問題でございます。認可制度というものをどう考えるかと。それから、この店舗以外に代理店という制度がございまして、銀行の代理店、あるいは信託会社の代理店といったような制度で、特に信託の場合、数が多ございますけれども、そうした代理店制度というものをどう考えると。これもいわば銀行の出先のような位置づけではございますけれども、これも専業というものが原則かかっておりますので、現在は非常に業務を縛られていると、こういうような現状がございますので、そのあたりをどう考えているかという、店舗の検討とあわせて考えていく必要があるのではないかというふうに考えております。 それから、異業種との共同のCDとかATMの問題、先ほど申し上げたような点でございます。 こうした問題につきまして、銀行の店舗に係る認可制度の見直し等を含め、銀行の店舗のあり方について12年度引き続き検討を行っていきたいということで、また、この点につきましても検討の進む段階におきまして、また御説明をさせていただきたいというふうに考えております。 私の方からは以上でございます。 |
○ |
菅野保険企画室長 それでは、引き続きまして、生命保険の構成員契約規制について。ページで言いますと、20ページになるかと思います。こちらにつきまして御説明を申し上げます。 まず、この規制の概要でございますが、企業が生命保険会社と募集代理店契約を締結して、生命保険商品の募集を行う場合、従業員への圧力募集等を防止する観点から、当該企業及びその企業と密接な関係を有する者(企業)の役員・従業員、こういった者に対する保険募集を原則として禁止しているといった種類の規制でございます。 イメージとしまして、点線で囲っている図がございますけれども、生命保険会社が募集代理店契約をしている企業、これが募集代理店にまさになるわけでございますけれども、その募集代理店たる企業が、例えばその役員・従業員に対して募集を行うということができないと。こういった内容になるわけでございます。下の星印にございますように、医療・がん保険等、いわゆる第三分野商品等につきましての募集、これはできるということとなっております。また、この図では一つの企業の中でのその役員・従業員に対する募集不可となっておりますけれども、当該企業と密接な関係を有する企業の従業員への募集も、これもあわせて不可というような、こういった規制の内容となっているわけでございます。 これにつきまして、これまでの保険審議会答申、それから行政改革委員会からの指摘について御紹介申し上げます。 平成4年6月の保険審議会答申の中では、保険商品の販売について、その他の中でごらんになりますように、「利用者保護、公正な取引確保の観点から、企業の取引関係その他の優越的地位を背景とした圧力販売、不当な割戻し等につながる行為については、商品特性に応じ所要の措置を講じることについて法制的な観点を含め検討が行われる必要がある」と、こういった指摘がなされているところでございます。 また、行政改革委員会からの指摘でありますけれども、平成9年12月の最終意見でございます。生命保険の構成員契約規制ということで、『今後、保険業法等において、消費者の意見を踏まえつつ、「圧力募集」に対処する他の実効性ある透明なルールを検討するとともに、構成員契約規制の撤廃の可否を含めた検討を行っていくべきである』と、こういった意見が出されているところでございます。いずれにいたしましても、この構成員契約規制につきましては、こういった従業員への圧力募集等、こういったものをどのように見るかというふうなところが一つのポイントになってきているのかなというふうに思うわけでございます。 私からは以上でございます。 |
○ |
倉澤部会長 どうもありがとうございました。それでは、ただいま御説明のありました「規制緩和推進3カ年計画」の再改定をめぐる論点等につきまして、御意見、御質問がございましたら御自由にお出しいただきたいと思います。 |
○ |
田山オブザーバー 最後の構成員契約規制についてでございますが、一つの要望でございますけれども、今後検討するについて、2点ほど御考慮いただきたい点がございますので発言させていただきます。 一つは競争促進、それとそれによる消費者利益の観点ということでございます。96年の保険業法の改正の目玉の一つが生・損・保の相互参入ということであったわけですが、これの目的としますところは保険会社間の競争、募集人間の競争、これを促進することによって、消費者へのよりよい商品・サービスの提供を可能にすると。またこういう生・損、クロスセリングを通じまして、消費者の選択の幅を広げるということが、これが最終的に消費者メリットにつながると考えられてこういう形になったわけでございます。 しかしながら、この構成員契約規制、この存在は、損害保険会社の構成を保険会社とその募集人の活動を制約しているということでございまして、したがいまして、こういう観点から申しますと、消費者にとってみれば、生保商品の購入先の選択肢が広がらないということによって、消費者利益の向上を阻害しているという、この点をぜひ御考慮いただきたいということでございます。 それから次に、規制のあり方という点から見ますと、これも問題があるのではないかということでございます。これは構成員契約規制、これはただいま御説明ありましたように、いわゆる圧力募集の排除のための規制ということで聞いております。確かに不当な圧力募集から保険契約者を保護すると。これは当然でございますけれども、その保護のための規制のあり方として、この規制が適当な規制なのかどうかという、この点について御検討いただきたいということでございます。 この自由化の時代といいますのは、各社が商品、販売網等につきまして、いろいろ創意工夫を凝らしてサービスを提供すると。これが言ってみれば競争を活性化して、ひいては消費者利益に資するということでございますけれども、そういう際の規制のあり方として、消費者保護の観点からの規制を必要な範囲でのみ課すべきというぐあいに考えます。したがいまして、一律に販売不可というような規制のあり方ではなくて、例えばこの部分にこういう弊害があると。したがって、このような行為規制を課すというような個別の規制があるべき姿ではないかというぐあいに考えます。 保険業法のもとでも、保険募集に関しましては重要事項の説明義務というのが課されておりますし、また不当な圧力募集、これも禁止しているということで、個別の悪質なケースというのは禁止されているわけでございます。また、仮にそのような事態が生じた場合には、二次的に今度はクーリングオフ制度というものによりまして契約の取り消しもできるということになっているわけでございます。そういった点からしますと、現在のこの規制の法人代理店は特定の商品についてグループ企業の役職員に対しては一律販売不可とするというような規制のあり方というのが、現在のこういう自由化された規制のあり方として果して本当に正しいんだろうかという点、問題だというぐあいに考えております。 今後、構成員契約規制の検討がなされる際にはこういった2点を十分考慮いただいて、検討を行っていただきたいということでございます。 以上でございます。 |
○ |
倉澤部会長 斉藤オブザーバー、どうぞ。 |
○ |
斉藤オブザーバー 生命保険業界の本件に関する考え方を申し上げたいと思います。 まず、構成員契約規制という言葉で、かなりネガティブな響きがあるわけでございますが、私どもは構成員契約ルールと読みかえております。この構成員契約ルールといいますのは、生命保険の販売におきまして極めて重要なそういったルールであるというふうに思っております。確かにこれまでこの構成員契約のルールにつきましては、これを規制というふうにとらえまして、その規制の緩和、その是非について議論されてきたところでございますけれども、ただ、その議論の過程におきまして、このルールの持つ消費者保護上の意義というものも、この役割の大きさというものもあわせて認識が深くなってきたというふうに思っております。 事務局の方からも御説明がありましたけれども、平たく申しますと、構成員契約のルールといいますのは、一般の事業会社さんが生命保険の代理店となりまして、その従業員の方々に対して生命保険商品を販売するときの、それに適用されるルールなわけでございますけれども、企業の代理店が従業員に対しまして、雇用関係とか、職制上の立場というものを利用して、特定の保険会社の商品というものを強く勧めるというこの圧力募集、これを防止することを目的としているというふうに理解をしておりまして、それによりまして、従業員の方々が幅広い保険商品の選択が可能になるという、いわば消費者保護上のルールであるというふうに思っております。 確かに規制のあり方として、事後的な規制でいいではないかという考え方はあろうかと思います。ただ、もともとこの構成員契約のルールといいますのは、雇用関係という極めて特殊な関係というものを踏まえてつくられたルールでございます。企業と従業員という現在のこの関係を考えますと、事後的な行為規制というものが果して機能するのかどうかということについて十分見きわめる必要があるんじゃないかというふうに思っています。 それからもう一つ、この構成員契約ルール、この規制というふうに受けとめる向きがかなり多いわけでございますが、今申し上げましたとおり、従業員の方々が自由な保険商品の選択ができるように、むしろ販売の担い手、多くの販売の担い手がその同じマーケットにおいて公正に競争できる、そういった意味での措置という側面が重要でるあるというふうに認識をしております。したがいまして、構成員契約ルールが見直されることによりまして、従業員の方々が企業代理店以外からの保険の加入というものが事実上できなくなってしまうということがあるとすれば、これは規制緩和に逆行してしまうのではないかというふうに思います。 こういった点を踏まえて、ぜひ慎重な検討をお願いできればというふうに思っております。 以上でございます。 |
○ |
倉澤部会長 堀内委員、どうぞ。 |
○ |
堀内委員 この問題は、今、構成員契約規制、先ほど御説明にありましたけれども、20ページの行革委員会で議論された経緯がありまして、実は私はそのときにおりまして、これをまとめたという関係者でありましたので、今お二人の関係者が大分議論されましたが、私もひとつ発言させていただきたいと思うんですけれども、実はこの20ページの一番下の最終意見のところの文章を読んでいただきますと、非常にあいまいになっていまして、実は私どもは、もう少し明確にこの問題について結論を出したいというふうに考えて取り組んだ経緯があります。しかしながら、今お二人のそれぞれの損保及び生保の業界の方々からあった御意見というものの妥当性について、なかなか客観的に、どちらについても判断ができなくて時間切れになってしまったというのが実際の経緯で、私はお願いしたいのは、非常に難しい問題で、この保険商品の販売のあり方について、日本における販売のあり方全体にかかわってくる。あるいは金融サービスの提供に関する日本の金融システムのあり方についてのかなり全般的な問題にかかわってくる問題なんですけれども、できれば客観的に少し議論して、つまり業界の、まあ言葉は悪いですけれども、水争いの場になってしまうというのは非常にぐあいの悪い話でありまして、できるだけ、これはもちろん規制をされておられる──規制といいますか、監督されておられる当局の情報なども使う必要があるでしょうけれども、さまざまな形で客観的なデータを集めて、この問題について早急に議論していただきたいというふうに私は思います。 以上でございます。 |
○ |
倉澤部会長 きょうのこの論点について、きょう意見を何か出していただいて済ますという話では全くございませんで、今の資料の9ページでも、平成12年1月の大蔵省・金融監督庁の共同中間公表の中でも、「今後金融審議会等の場において検討を行う」ということで、本日のところは頭出しで、それぞれ異なった立場からの御意見を承れば問題の所在がはっきりしてくるという、そんなことでございますので、今堀内委員の御指摘のような手順というようなものも十分検討すべき事柄だと思っております。 ほかに、この規制緩和推進3カ年計画につきまして、いかがですか。 どうぞ、高橋オブザーバー。 |
○ |
高橋オブザーバー ただいまの構成員契約規制に関連した質問でございますが、消費者の立場から判断する上でお伺いしたいのは、現在の規制の中で医療・がん保険等の募集というのは可というふうになっておりますけれども、これはどういう経緯であったのか、それを教えてください。 |
○ |
菅野保険企画室長 考え方といたしまして、こういった第三分野商品、医療・がん保険等に代表されるわけですけれども、ニーズ顕在型というような、そういった考え方をとっているようでございます。保険契約者の立場から、自分でこういった種類の保険の必要性を強く認識できると。こういった商品にあっては、一般にこういった圧力募集といった種類の弊害が生じにくいといった整理がなされたというふうに聞いております。 |
○ |
倉澤部会長 まあ、そういったことも今後の検討課題だということだと思います。きょうここで討論をしてという問題ではちょっとございません。 石委員、どうぞ。 |
○ |
石委員 私もちょっと教えていただきたいんですけれども、後半の方にございました規制緩和の方ですね。これは3カ年ごとに新しくいろいろな形で出てきているわけですけれども、金融とか証券絡みというのは大変面倒くさいというのは承知しておりますが、ここを3年、3年で区切って、そこまで来たら次にやるというのは、こういう大きなスキームでやっているわけなんですか。僕は全体像が知りたいんですよね。例えば、やっているうちにまた新しい規制が必要になることもありますよね。恐らくインターネット取引なんだかんだと。それはまた新たに突っ込むんですね。そういうので、この辺の全体像は一体どうなっているんですか。 |
○ |
内藤企画課長 これはかなり項目的には、大蔵省の各項目の検討項目というのは、ここにも書いていないようなものも実は膨大にございます。それで例年、大体業界から規制緩和要望、あるいはこれから消費者団体とかそういったところからも出てくるかもしれませんけれども、そうした全体の要望事項みたいなものを取りまとめる。これが、むしろ主に規制緩和ですから、どうしても業界の方からの要望事項というのが主体だと思いますが、これを規制改革委員会でヒアリングもされ、情報収集されて、それをこれについてどうかという形で我々が議論をしまして、それで吸い上げたものが今回がこの新しい玉と申し上げたものでございますね。ですから、これについては、いずれにいたしましても3カ年というのは、別に決まっているわけではございませんで、すぐにできるものについてはできるだけ早くやるということで、先ほども御説明しましたけれども、12年度中に今回新しく出て、それでこの12年度中に結論を出す、あるいは実行すると、こういうふうなものもございますので、それはもうできるだけ早く対応し得るものについてはやっていきたいと。 ただ、その内容が大小それぞれございまして、かなり細かい話からかなり大きな話もございます。例えば、社投法の見直しというのはずっと懸案として残っておりますけれども、この廃止につきましての議論もございますので、それは全体の制度の中で検討していくと。 ですから、そういう規制緩和要望を踏まえたものというのが主に規制改革委員会の検討項目として挙がりまして、あるいは大蔵省の中間公表というのはそれとは別途、私ども実務的に検討しているものが多々ございまして、それについても公表をいたします。それについてもこういう形で検討していくということをあわせて発表しておりまして、ですから、基本的には石委員おっしゃったように、ローリング方式で常に見直ししていくということですが、まあかなり検討のスピードは加速しているというふうにお考えいただいた方がいいと思うんですが。 |
○ |
倉澤部会長 ほかに御意見、御質問等ございますか。坪井委員、どうぞ。 |
○ |
坪井委員 以前委員会で、多分八木さんから御提案があったと思うんですけれども、破綻した金融機関で持っておった定期預金等のお金を処理を早くするためということもありまして、借入金との相殺を行うような方法を講じるべきじゃないかということがありまして、これはただ金融機関の定款の変更等が必要になるということなんで、このテーマについてはどのような展開があったか。もしありましたら一つ教えていただきたいと思うんであります。 |
○ |
窪野審議官 まだ、実現には至っておりませんが、全銀協を初め、精力的に検討し、定款変更に向けての実務的な作業をしておられると聞いております。本日関係する方から何か補足的に御説明いただければありがたいと思うんですが。 |
○ |
倉澤部会長 きょうのところはよろしゅうございますか。 |
○ |
坪井委員 結構です。 |
○ |
倉澤部会長 どうもありがとうございました。予定の時間が到来いたしましたので、ほかに御意見、御質問等もあるかもしれませんけれども、本日の議事はこれで一通り終了いたしたこととさせていただきます。 次回の日程等につきましては、現段階では調整未了ということのようですので、日程、テーマ等につき、事務局から各委員に後日御相談させていただくということで、本日はこれにて散会させていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。ありがとうございます。 それでは、長時間ありがとうございました。散会といたします。どうもありがとうございました。 |
(以 上)