IV 今後の中長期的な検討課題について



                                                                        


        今回の審議を通じ、各委員並びに会計士協会から会計士制度の中長期的


      あり方に関し、以下の問題を含め、提言が行われた。当審査会としては、


      21世紀を見据えて、市場機能の有効な発揮を確保する不可欠のインフラと


      して会計士監査制度を整備するため、引き続き審議を行う。            


      (1)  企業のコーポレートガバナンスの整備の推進と会計士の役割(投資家


        に対するディスクロージャーの適正性の確保は、第一次的には発行体の


        責任によるものである。商法改正で導入された社外監査役や監査役会が、


        企業の不正・違法行為を防止しコーポレートガバナンスの向上に向けた


        取り組みを進めるにあたり、実務上、会計士監査はどのような貢献を行


        い得るのか、また、監査役等に関する制度面の検討が必要となるの    


        か。)                                                          


      (2)  監査法人制度のあり方の見直し(公認会計士法は、少人数の社員構成


        を前提とした合名会社に準じた制度として監査法人制度を定め、社員の


        無限責任制を採っている。諸外国では、監査事務所(ファーム)の大規


        模化・業務の多様化に対応し、株式会社法制等も勘案した監査事務所制


        度が導入され社員は有限責任となっている例があり、監査法人制度のあ


        り方について、諸外国の制度等も踏まえた検討が必要ではないか。)  


      (3)  幅広くバランスのとれた知識・経験を有する者に対する公認会計士へ


        の門戸を開く観点からの公認会計士試験のあり方(平成4年に当審査会


        の答申に基づく試験制度の見直しが行われたが、その後の我が国の企業


        活動の国際化・多角化の進展等に対応し、最新の金融の知識や国際業務


        経験を有する者が会計士として必要とされる環境となっていることから、


        これらの者の参入を推進するなど、会計士の裾野を広げマンパワーを強


        化する方向での試験制度の検討が必要ではないか。)                


                                                                          






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