1.日時:平成9年7月4日(金) 14時00分〜16時00分 2.場所:合同庁舎第4号館 共用第一特別会議室 3.議題:事務局説明・自由討議 4.議事概要: 本日は、初回会合であることから、各メンバー等の自己紹介、永田日銀政策委員挨拶の後、 事務局から、本懇談会を開催するに当たっての問題意識、金融システム改革の概要等につい て説明を行い、その後、自由討議を行った。 (事務局説明) ・金融システム改革の概要(プランの概要、今後の課題等について) ・金融制度調査会等の各種審議会答申・報告書での指摘事項について ・現行の法的枠組み、諸外国の制度(現行の業法、金融関連法規について) ・検討テーマ、検討スケジュールについて 自由討議での主な意見等は次のとおり。 ○ 今後の我が国の金融行政は事後的な監視行政にウェイトが移ることとなり、それととも に、自己責任、投資家保護が重要になる。どの程度の自己責任を求めるのか、どの範囲ま で保護されるのか、仮に紛争が起こった際その処理にかかるリーガルコスト・リーガルリ スクをどう考えるか、を議論すべきではないか。 ○ 市場型の行政に転換するのであれば、リーガルリスクへの対処策として、セーフハーバ ールールや、ノーアクションレターなどの制度整備についても考えるべき。 ○ 今後の金融の在り方としては、ある一定のルールの下で自由な競争がなされるべきであ り、このルールはいかにあるべきかについて議論をしていく必要がある。 ○ 変額保険等新しい金融商品に関する紛争について、800件ほどの判例が蓄積されてい るが、個別具体的な事例毎に判断しており、必ずしも整合性がとれていない。今後、自己 責任、説明義務、ディスクロージャー等の点について、一定のガイドラインを示していく 必要がある。 ○ ルールが市場型になるとともに行政も市場型になるべき。ルールがある程度抽象的であ っても、それを運用する体制を整備することで十分対処可能。つまり、市場を経常的に監 視し、その中できめ細やかに末端のルールを時々刻々明らかにし、それを機動的に運用す るというスタイルになっていくべきだろう。 ○ 今後、投資家保護が一つのキーワードになると考えているが、なぜ投資家保護が必要な のかというと、一般的に投資家には情報がないから弱者であり、情報の非対称性がポイン トであると思う。紛争処理機関といった方法論を論じる前に、投資家のどういう面に着目 して、どうやって保護するのかといった、新しいルールを作る際の大原則について、先ず 議論すべき。 ○ 行政同様、法律にも様々な類型があり、民事的なルール、刑事的なもの、行政的なもの 等をどう組み合わせることで、本懇談会のテーマである経済的な活動をどうコントロール していくかを議論することになろう。 ○ 現在、イギリスではSIBによる監視行政の一元化が図られており、このような例も参 考にすべき。 ○ 新たなルールの構築について議論するとともに、そのルールの実効性をいかに担保する かが重要であり、そのために行政・司法において、いかなるインフラを整備すべきかにつ いても議論すべき。 ○ 今後、金融の在り方が市場型に変化していくと、行政もこれに対応して市場型に変わる べきだが、その際、規制のためのコストはおのずと増大すると考えられる。例えば、アメ リカの検査官の人数が5千人から1万人であるのに比して我が国ははるかに少ないが、果 してこのままで実効性を担保できるのかといった現実を直視して議論すべき。 ○ 今後、諸外国の例を検討することも重要だが、現実の日本で何が起きており、何が起こ るのかを検討し、日本型のルール作りを目指すべき。 ○ 行政を市場型にすればコストが増大するが、現実にはそうコストをかけられないであろ う。したがって、コストを最小化するためには、金融の本質を捉えた、要件と効果が誰に でもわかる、原則のあるルールを構築する必要がある。 ○ 金融関係諸法は分かりにくいとよく言われる。今後自己責任を求めていくなかで、より 分かりやすいルールを作っていくことを目指すべき。ルールが明確になれば個々人の負っ ているリスクも明確になるであろう。 ○ 今までの日本の投資家はお金を預けて、金融機関に運用を任せていればよかった。その ような土壌を持つ国の金融はいかなるもので、金融システム改革によりどのように変わる のかを、まず明らかにすべき。 (以上)
問い合わせ先 大蔵省 3581-4111(代) 銀行局総務課金融サービス室(内線5956) 本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。 |