1.日 時 : 平成10年5月15日(金) 10時00分〜12時00分 2.場 所 : 合同庁舎4号館4階共用第1特別会議室 3.議 題 : これまでの議論に関するフリートーキング 4.議事概要 : 自由討議における主な意見等は次のとおり。 ○ 現在の金融システムの機能不全への対応という観点も含めて考えていく必要がある のではないか。 ○ 金融の本質は単なる資金配分ではなく、リスクを評価、加工し、再配分することに あり、金融仲介チャネルの多様化と家計部門が広く薄くリスクテイクできることを可 能とする商品・サービスのメニューの拡大こそが金融システムの機能不全への対応で あると思う。 ○ 共通・横断のルールを構築する際には、行政規制を相当程度入れることになるのか あるいは事業者等の自主性に委ねるのかという基本的なコンセプトを整理しておくこ とが必要ではないか。 ○ 新しい金融法制・ルールの制定プロセスは、3段階に分けて考えることになるので はないか。すなわち、今般の金融システム改革法案のように、理念的には横断的に考 えつつ縦割りの現行法をベースとして、相互に共通の利用者保護等の規定を置くのが 第1段階であり、現行法の枠組みを再構成して横断的な法制整備を行うといういわゆ る金融サービス法が第2段階、さらに、法体系および概念そのものを見直して新たな 法制度を構築するのが第3段階となるであろう。 ○ 特に金融のような対象を捉えにくい分野については、今後の流れを的確に捉えるこ とがまず何よりも重要である。その上で、実際に法律を作る段階では、すべての問題 について法律により手当てするという完全主義にたつよりは、想定できない問題が出 てくることを念頭に置くことが必要ではないか。オープンな部分も残し、民間部門の 自主規制に委ねるといった対応も必要になるのではないか。 ○ 金融取引に係る権利義務関係の明確化は確かに重要であるが、国際化が進んでいる 今日、海外との取引では、権利は認められても実際の執行は難しいといった事態も想 定しうる。権利の実行といった実効性確保の観点も必要でないか。 ○ 実際の法律の制定にあたっては、一般国民にもわかるような規定振りとしていくこ とも必要ではないか。 ○ 出資法の見直しについては、金融サービスの活性化という視点から議論されてきて おり、この視点を中心に考えていくべきであって、その中で消費者問題にも配慮する という整理になるのではないか。 ○ 論点を整理するに当たっては、どういう姿を目指すのかという「イデー」を呈示し ていくことが必要ではないか。その際、投資家を中心に置いた考え方が必要ではない か。 ○ 集団投資スキーム等のカバナンス構造について、行政当局に代わってカバナンスの 中心となる投資者が主体的な役割を果たす上で、監査の役割が重要になるのではない か。 ○ 税は金融取引のコストの一部をなしており、投資信託等に関する課税について、他 商品との整合性やキャピタルロスの扱い等を見直す必要があるのではないか。 ○ 金融取引に係る民事ルールとそれに関する業者規制との関係について、内容的に同 一の基準を用いるべきか、別個の基準を用いるべきか。別個の基準を用いる場合には それぞれのルールの連動をいかに図るのか。 ○ いわゆる「金融サービス法」について、消費者保護との関連でとり上げられる場合 が多いが、ここでの議論は幅広い問題意識に亘っており、また、公正で円滑な金融取 引のルールを整備することこそが、消費者の保護にもつながるのではないか。 ○ 投資対象ごとに法体系が異なっている集団投資スキームに係るルールの横断化をま ずもって図っていくことが重要ではないか。 ○ 銀行や保険の機能と金融サービスとの関係について整理が必要ではないか。その場 合、銀行や保険等については、特殊であることをあまり強調すべきではない。銀行の 機能については、排他的とはいえなくなってきているのではないか。 ○ 業者ルール違反と民事責任を連動させることで、ルールの実効性を担保することが 必要ではないか。 ○ 当懇談会におけるような議論が進んできていることは大変良いことであるが、こう した議論が10年前にできていればという気がする。早急に「金融サービス法」の実現 に向けた議論を行うべき。 ○ 「金融サービス法」制定に向けた今後の手順を明示することが必要ではないか。 ○ 新しい法制の整備の一方で、現行の規制の改廃すべき部分も強調することが必要で はないか。 ○ 機関投資家の立場からは、「金融サービス法」が制定されることによって市場に厚 みが出ることを期待している。 (以 上)
問い合わせ 大蔵省 3581−4111(代) 銀行局総務課金融サービス室(内線5408、5952) 本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。 |