1.日時:平成10年6月12日(金) 10時00分〜12時00分
2.場所:合同庁舎4号館4階共用第1特別会議室
3.議題:これまで提起された論点について (2)
4.議事概要:
自由討議における主な意見等は次のとおり。
○ 金融システム改革法が成立し、利用者の自己責任が強調されているが、国民一般は
どのように対処していけばよいか戸惑っているのではないか。国民に自己責任を求め
ると同時に、横断的に利用者を保護する金融サービス法も早急に整備することが大切
なのではないか。また、すべてを実行することが無理でもやれることから部分的に手
をつけるべきではないか。
○ 金融に関する裁判は多数行われているにもかかわらず、金融取引に関する判例や法
理が十分に確立されていないと指摘されるのは、実際には、金融サービス法のような
一般的に金融取引に適用される規律が存在しないからという側面もあるのではないか
○ 今後、検討しなければならない問題点も依然としてたくさん残っているが、最近の
世論の動向からいっても、「金融サービス法を早期に制定すべき」といった機運が盛
り上がっているのではないか。また、本懇談会の議論の経過をみても、そういった意
見は大方の賛同を得られているのではないか。そうであるならば、本懇談会の取りま
とめとして、「金融サービス法を早期に制定すべく、所要の検討を行っていく」とい
った方向性を出すべきではないか。本懇談会での議論において多岐にわたる論点が提
示されたため、かえって、「これでは金融サービス法はできないのではないか」とい
った危惧を国民に抱かれないか心配である。
○ 現在国民の金融資産はタンス預金に偏りがちになっており、心理的にプラスに働く
よう、前向き前向きの取組みが行われていることを明確に示していくべき。
○ 様々な問題はあるが、金融サービス法の制定は必要であり、これ以降、どのような
手続きを踏んでいくのかを示すことが必要ではないか。
○ 検討すべき課題は多いため、時間がかかるものになるであろうが、例えば荒削りで
もいいから立法し、以降、規定の整備を図っていくことは考えられないか。
○ 金融サービス法をどのようにつくるのかという具体的な議論は十分に行われなかっ
たのではないか。この懇談会での議論の深度・レベルを考えると、横断的法制に関す
る具体的な議論はまさにこれから行うのではないか。
○ 現在の金融制度はリスクフリーあるいはそのような擬制の上に立っているのではな
いか。今の法体系でこれから持つのかどうかは自ずと(否定的な方向で)結論が出る
ことになると思うが、技術的には未ださまざまな議論が存在している。
○ 現在までの反省を踏まえれば、新たな法制・ルールが必要なのは明らかである一方
そのための具体的な対応の選択肢は色々とあるということではないか。
○ 「横断的な法制である金融サービス法は、縦割り行政の中では進まないだろう」と
世間一般に思われかねない。本懇談会において幅広い関係各省庁及び金融業界、産業
界等が集まって、今後の新しい法的枠組みについて共通の認識をもつことができ、新
たな金融法制の整備に向けて貴重な一歩が踏み出されたということを強調することも
大切ではないか。
○ ここでの議論において、利用者・消費者の保護という点も重要なパーツではあるが
それと同時にイノベーションに満ちた活き活きとした金融システムというパーツも重
要である。
○ 本懇談会のメインテーマは、金融サービス法制定に止まるものではなく、「新しい
金融の流れ」に即した「金融仲介システムの拡充」ということであり、この点につい
ての基本的な方向性が共通認識になったのではないか。ハイブリッド商品や401K
プランの導入が議論されており、客観情勢も熟しつつある。
○ 現在の状況を鑑みると、いかなる主体がどのように金融サービス法の議論を受け止
めて推進していくのか、易しい問題とは思われない。
○ 業者の適格性(fit and proper)に関するルールを考える上では、反社会的な勢力の
参加を阻止する、あるいは、それらが参加してしまった場合にはこれを排除するとい
った観点も必要になってくるのではないか。
(以 上)
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