1.日時:平成10年6月17日(金) 14時00分~15時00分 2.場所:合同庁舎4号館4階共用第1特別会議室 3.議題:「論点整理」の取りまとめ 4.議事概要: 本懇談会の「論点整理」がメンバー・オブザーバーの了承により取りまとめられた。 その際に出された意見は以下のとおり。 ○ 「論点整理」は、今後の金融の姿および法制・ルールのあり方に係る検討に際して 情報テクノロジーの進展を底流の一つとして重視しており、これに対応した法制整備 の必要性を指摘していることは共感できる。 ○ 情報通信技術の発達が、金融商品・サービスに関する市場競争に影響する面だけで なく、決済や引渡といった市場のインフラにも影響するという視点をもう少し強調す ると、更によかったのではないか。 ○ 金融の世界を理詰めで考えるとこうなるということが「論点整理」で示されたと思 う。今後、金融に係る取引ルールないし取引法と民商法の抵触が問題となってくると 思うが、その際、金融を特別のものとして括った上で立法するのは比較的容易かもし れない。しかし、今後の金融の更なる変化を考えれば、金融を特別のものとする立法 では不十分となる可能性もあり、今後は、民商法等を不麿の大典とはせずに、ここで 行われたような議論を続けていくことが重要であると思う。 ○ 今まさに金融は激動の時代にあり、内外金融資本の大型提携等が活発化するなかで 本邦金融機関が競争に勝ち抜くためには、創意工夫を発揮しつつ利用者本位の経営を 行っていくことが必須となっている。こうした観点から見ても、「論点整理」は今後 の金融機関経営の方向感としても重要なものであると思う。そのためにも、縦割りの 枠組みではなく、横断的に利用者のための様々なサービスを提供できる環境をつくっ ていってほしい。 ○ 「論点整理」は金融に係る規制の枠組みについて、かなり新しい考え方を取り込ん でおり、今後、先取りできる部分は積極的に現実に反映させていくべきである。メン バー各位においては、こうした考え方を各方面に広げる努力により、今後の議論を先 導していって頂きたい。 ○ 縦割りの業態別の区分から、事業範囲を見直し拡大していく際に、「論点整理」の 視点が役立つものと思う。その際、重要であるが難しい問題として、プロとアマない し情報強者と情報弱者の区分をどうするかがある。強者と弱者を明確に区分すること は困難であると思われる。それぞれのレベルに応じた説明が必要という意味で、いわ ば連続性が存在しており、事後的に判断せざるをえない部分が残るのではないか。そ の場合どのようにルールの明確性と実効性を確保するかが問題になると思う。 ○ 今後、関係各方面において、多少のタイムラグはあるかもしれないが、いつの日か 望むらくは近い日に、この懇談会に参加した関係各省庁等が再び集まり、法制・ルー ルの具体化のための共同体制ができることを期待する。その際、行政に任せるという ことではなく、民間からもプレッシャーが出てくることが必要である。 ○ こういう議論の具体化に際しては、業界間の利害対立等から、総論賛成・各論反対 ということに陥りやすく、相当の力作業が必要になるかもしれないが、全体としても 納得できる各論となるよう、「論点整理」の内容が理解され、今後の具体化に向けた 民間のプレッシャーが形成されることを期待する。 (以 上)
問い合わせ 大蔵省 3581-4111(代) 金融企画局企画課企画第一係(内線6122、6125) 本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。 |