1.日時:平成9年9月26日(金) 14時00分〜16時00分 2.場所:合同庁舎4号館 大蔵省第一特別会議室 3.議題:主要国の法制度について 4.議事概要: 本日は、交代したメンバー及びオブザーバーの紹介、今後の懇談会の開催スケジュー ル案の説明をした後、主要国の法制度について事務局より説明を行い、その後、自由討 議を行った。 (事務局説明) ・主要国の金融法制について 自由討議での主な意見等は次のとおり。 ○ ルールの実効性担保の措置については、民事制裁金のような米国的な制度が日本の 法制度になじむか否かにつき、理論的に慎重な検討が必要である。 ○ 法制度を検討する上で、「プロ」と「アマチュア」を区別する基準をどう考えてい くか、その基準が今後どう変わっていくのかを、大きく見定めていく必要がある。ま た、「プロ」と「アマチュア」の区分と「ホールセール」と「リーテイル」の区分に ついての整理も必要である。 ○ 当事者間の法的問題だけではなく、ディスクロージャーについても考えていくべき である。その際には、ディスクロージャーを行う側の問題だけでなく、それを如何に 投資家に伝達するかについても問題にすべき。 ○ 金融分野における情報システムの技術革新、顧客のニーズの変化を考えれば、柔軟 性をもったルールおよびルールの体系とすることが大切である。 ○ 業種、商品を超えた横断ルールというが、既存の法律の規制が及ばない領域も含め 投資家保護のため幅広く網をかぶせるということと、業法毎のルールを共通化すると いうことは、異なるものであり、横断的ということにあまり引きずられずに、より実 質的に必要なルールを考えていくことも大切である。 ○ 金融機関の説明義務については、説明義務を負っているということを大前提として 考えるべきであり、それが適用されないのは限定的な場合(例えば、プロである金融 機関間の取引)であると考えるべき。 ○ 金融機関の説明義務については判例により確立されつつあるが、説明義務があった か否かの事実認定の段階で判決に幅が出てきているのが現状。説明義務の存在を明ら かにする法制だけではなく、実際に説明義務がつくされるような仕組みをつくらない と、本当の投資家保護にはならない。また、裁判以外の紛争処理・仲裁機関が充実す ればもっと柔軟に対応できるのではないか。 ○ 金融における「新しい流れ」とはどういうことかをはっきりとさせるべき。今後は 投資家自らが集団投資スキームの事業参加者として関与する取引形態が、金融の新た な中核を担っていくのではないか。 ○ 金融商品が多様化している中で、本当に「横断的なルール」が必要なのか。それぞ れの業種毎に何をしているのかをきちんと開示していくことが重要ではないか。 ○ 日本の民法では明確な区別はないが、米国法を参考にしつつ、「アマチュア」につ いは信託法理、「プロ」については契約法理を適用するという視点も検討していく必 要があるのではないか。 ○ 金融システムをとりまく環境が変化するなかで、ルール、システムの伸縮性が重要 である。その際、ルールづくりにおいて、行政当局がエンドユーザーの代理人として 果たしていくべき役割について、社会的なコストの削減や透明性の向上という視点か ら、司法と行政との役割分担を考えていくべきではないか。 ○ 金融の新しい流れと言っても、その機能自体は本質的には変わっておらず、ビッグ バンにより多様な形態で金融機能を提供できるようになっただけと考えれば、横断的 なルールとしていくことができるのではないか。 ○ 課税の違いが金融取引に影響を及ぼすとの観点も必要ではないか。 ○ 金融商品が多様化するにつれ、その内容が利用者にわかりにくくなるであろう。特 にリスクの面についての、最低限必要な品質表示的な情報開示を横断的に整備してい くべき。 (以 上)
問い合わせ 大蔵省 3581−4111(代) 銀行局総務課金融サービス室(内線5408,5952) 本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。 |