1.日時:平成9年11月25日(火) 14時00分〜16時00分 2.場所:合同庁舎4号館 大蔵省第一特別会議室 3.議題:ゲストスピーカーからのヒアリング −金融取引をめぐる法的諸問題(主として金融関係者の観点から)− 4.議事概要: 本日は、三井安田法律事務所・和仁弁護士、ISDA(国際スワップ・デリバテ ィブズ協会)関係者として日本興業銀行国際資金部・西次長、同金融市場営業部・ 長谷室長、マーキュリー投資信託・高山社長から、主として金融関係者の観点から みた金融取引をめぐる法的諸問題をテーマとしてヒアリングを行い、その後、質疑 応答及び自由討議を行った。 質疑応答及び自由討議における主な意見等は次のとおり。 ○ 業者による顧客に係る情報収集義務(affirmative duty)については、顧客のプ ライバシーとの調整という問題があるのではないか。 ○ デリバティブ等の販売について、現在までの判例では、きちんと説明をした上 で勧誘すれば、適合性はクリアできるとの見方が多数説であると思うが、一方、 この点について、そもそも特定の商品については特定の顧客には販売すべきでな い場合があるとの見解もある。 ○ 適合性の問題に関しては、勧誘のみならず全体としての販売プロセスを通じて 判断することが重要であると考える。 ○ 業界団体による自主規制ルールの存在が、その業界への参入障壁になっている という懸念も考えられるのではないか。 ○ 自主ルールについては、参入障壁となりうるものは排除し、むしろマーケット の発展のために必要と考えられるものを規定すべきである。 ○ 説明義務や適合性原則についてルールを明確にすべきである。その際、法律で 細かく規定するのは困難であり、詳細は業界団体によるガイドライン等に委ねる ということも考えられよう。また、業界の自主ルールと独禁法との関係も、現行 の他の事例に照らして特に問題があるとは思わない。 ○ 業界団体の自主ルールについては、強制力を付与された自主規制機関によるも のと、任意団体によるガイドライン的なものとに大別される。 ○ 我が国の場合、自主ルールの策定について、銀行・証券・外資系等に股がる適 当な自主規制機関が存在しておらず、各機関毎のガイドラインが並立してしまう。 今後、これらをまとめたガイドラインを整備していくことが望まれる。 ○ 今後のアプローチとしては、業・取引・行政に係る規制を一体的に捉えること が必要。ただマーケットでの価格形成機能という観点から、市場取引と相対取引 を区別した法制を整備すべきではないか。 ○ 現行の証券取引法は非常に分かりづらいものになっている。今後の法制のあり 方としては、一般取引法、開示規制法、業者法、金融倒産法といった形にそれぞ れ整理し、中でも、一般取引法や開示規制については一般の人にも理解し易いも のとしていくべきではないか。 ○ 開示規制、業者規制、一般取引規制等に法制を整理していく場合に、業者に対 する行為規制をどのように位置付けていくべきかについても検討する必要がある のではないか。 ○ ノーアクションレターは、行政の一貫性を確保するために有益であり、是非整 備してほしい。 ○ 金融・証券法制のあり方については、業者か否かということに着目するよりも 情報強者と弱者との間との調整という視点を重視すべきではないか。 (以 上)
問い合わせ 大蔵省 3581−4111(代) 銀行局総務課金融サービス室(内線5408、5952) 本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。 |