1.日時:平成9年3月13日(木) 10時00分〜12時00分
2.場所:合同庁舎第4号館 大蔵省第二特別会議室
3.議題:事務局説明・メンバー意見開陳等
4.議事概要:
今回は、これまでの特別メンバーからのヒアリングや議論等を踏まえ整理した、本懇談会
における論点について事務局から説明し、併せて、メンバーである慶応義塾大学経済学部の
吉野教授、お茶の水女子大学生活科学部の御船助教授から御意見の発表があった。その後、
これらについて、自由討議を行った。
メンバーからの主な意見発表の内容は、次のとおり。
・ ノンバンクの自主規制団体の育成と独自のルール作りが必要。そのために、事業者向け金
融等の自主団体の設立や、自主団体への加入を登録要件とすることも考えられる。
・ 多重債務問題への対処策として、不当な取立行為規制を含めた消費者保護法の整備や、信
用情報機関の緊密な情報交換、カウンセリング体制の充実等が望まれる。
・ 資金調達規制を緩和するとした場合、ノンバンク発行の社債・CPは、第一段階として、
当面、金融機関、事業会社等の機関投資家を対象として解禁し、その後、消費者信用保護法
の整備を行った上で、個人向けを認めるという考え方もあるのではないか。
・ 休眠業者への対処策として、登録取消要件の明確化(自主団体によるルール作り・行為規
制の明確化)が考えられる。また、国際的な競争力を持つためのノンバンクの組織整備につ
いて、グローバルな体制作りが必要ではないか。
・ 消費者保護に関して議論すべき点は、消費者をどのように措定し、金融システム(ルール)
を構築するかということ。我が国では、消費者教育の遅れもあって、個人が消費者としては
未成熟であり、自立という意味からも消費者教育の充実が必要である。消費者は、いる者で
はなく、つくり育てる者である。
・ 力を付けている企業には自由な経済活動を確保し、力のない消費者にはその支援をする必
要がある(対等な経済主体を育成)。そのために、個別の業法中心の消費者保護のあり方か
ら消費者側からみた統一的な消費者信用保護法の制定と、産業行政中心から消費者保護行政
への転換が必要である。
・ また、情報のディスクロージャーが必要であるが、その際は、消費者の意思決定に資する
ものにするよう、その内容への配慮(例えば、金融商品は厳格にガイドラインが必要であり
誤解を招く言葉を使わないこと等)が必要である。
以上の報告等を受け、自由討議を行った。主な意見等は次のとおり。
・ 自主規制団体については、その規制の内容にもよるが、業界横並びになる等の弊害も考え
られる他、余り強制力を持つことは問題である。
・ ノンバンクは多種・多様であり、特に中小零細企業については、市場によるモニタリング
は期待できない部分があることから、自主規制団体によるモニターと両立で行う必要がある
と考える。
・ 消費者金融については、信用情報機関を利用することとなっていることから、実際に営業
しているところはほぼ貸金業協会に加入しており、休眠業者等の排除策を考えていくべきで
ある。
・ 休眠業者等を排除するのではなく、消費者に優良業者である旨を自主的に表示することに
より、消費者が選択できるようにすればよいのではないか(米国のFDICに加盟している
金融機関の例)。
・ 多重債務問題について、その対処策としての具体的な基準(例えば、貸付額や借入先数)
を設けることは困難。
・ 消費者保護について、現在、個別業法毎に保護・規制しており、統一的な消費者信用保護
法の必要はあると思うが、その内容について、観念的には理解できるが具体的にイメージし
にくい。統一的な消費者信用保護法のあり方については、今後十分議論する必要がある。
| 問い合わせ先 大蔵省 3581-4111(代) 銀行局中小金融課金融会社室 (内線)5164 本議事要旨は暫定版であるため、今後修正があり得ます。 |