1.日時 :平成9年2月25日(火) 10時00分〜12時00分
2.場所 :合同庁舎四号館 第一特別会議室
3.議題 :デリバティブ取引の多様化(5)
(有価証券関連店頭デリバティブ取引に関する
公正な取引のためのルールについて)
4.議事内容
(1) まず、参考人からの意見陳述として、オフリル参考人(モルガン・スタンレー・
ジャパン・リミテッド/株式部マネージング・ディレクター)から、米国の状況等
を紹介しつつ、店頭デリバティブ取引の公正取引ルールについての意見陳述がなさ
れた。
(2) 続いて、半沢委員(東京証券取引所常務理事)から、相場操縦、インサイダー等
の不公正取引規制についての意見陳述がなされ、次に、関委員(日本証券業協会副
会長)から、対顧客営業ルールについての意見陳述がなされた。
(3) その後、参考人と委員及び事務局により質疑応答がなされた。
<参考人及び委員による意見陳述での主な意見>
○ グローバル・スタンダードに合致した規制の指針とは、?適正な価格形成のための
市場整備、?ポジションの開示義務や監視の充実による透明性、?現物市場、上場デ
リバティブ市場、OTCデリバティブ市場を一体として広義のマーケットと捉え、同
一の規制当局により監視を行うものである。
○ 店頭デリバティブ取引を認めるにあたり、原資産となる現物市場とまたがる取引も
含めて、公正性を確保するために、インサイダー取引及び相場操縦的行為といった不
公正取引に対する規制は原則として証取法等の法令で対応し、その上で、自主規制機
関によるガイドラインを設ける。
○ 公正な取引ルールの検討にあたり、店頭デリバティブ取引の相対取引としての性格
に鑑みて、まず、インサイダー取引規制を検討し、現物市場とにまたがる取引は相場
操縦的行為を中心にルールの検討を進めるべきである。
○ ルールの実効性を高めるために、取引実態の把握が必要である。その方法として、
例えば、商品内容の報告及び一定量以上の大口取引についての報告を求めることも考
えられる。
○ 公正な取引の確保のために、顧客自らリスク等を十分理解して参加することが前提
であるが、仲介業者自身も顧客の適格性を確認するなど、顧客のニーズに応じて業務
を区別し自主ルールにもそれを反映させるべきではないか。
○ 過度な規定を設けるよりも、書類の保存や開示により、事後的に不公正取引のチェ
ックのできる体制がよいのではないか。
<一般討議での主な意見>
○ デリバティブ取引が複雑化する中で、不公正取引行為を全て類型化することは不可
能である。一方、包括的な規定を設けて規制すべきとの見解もあるが、そうすれば、
正当とすべき取引まで阻害してしまう懸念が生まれる。大切なのは、どのような取引
類型が不公正なのか、個別に考察することではないのか。
○ 市場監視規制のための、過度な商品内容等の報告は、商品開発の有為性を失わせて
しまうのではないか。
○ マーケットの厚みを増すためにも営業主体として銀行も参加できるようにすべきと
の考えがある一方、エクイティの店頭デリバティブ取引に、銀行本体が参加すること
は、預金の受入れや決済機能システム等安全性の観点から問題ではないかとの考えも
ある。
+−−−−−−−−担当者及び連絡先−−−−−−−−−+
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|大蔵省証券局総務課調査室 茶谷、星野 |
|TEL 3581-4111 |
|本議事要旨は暫定版であるため今後修正があり得ます。|
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