1.日時 :平成8年9月30日(月) 15時00分〜17時00分 2.場所 :合同庁舎四号館 第二特別会議室 3.議題 :(1) 証券取引の電子化について (2) 我が国証券市場の空洞化について 4.議事内容 (1)証券取引の電子化について、野村総合研究所主任研究員の淵田康之参考人よりヒ アリングが行なわれた。具体的には、電子化とは何かという説明の後、<1> 電子化 による投資家にとっての変化として、インターネットブローカーについての説明、 <2> 取引所への変化として、インスティネット及びトレードポイントの説明、<3> 証券会社の変化として、インターネットアンダーライターというべき証券会社、J. W.ギャラハー社の説明がなされた。その後、委員より質疑応答がなされた。 (2)我が国証券市場の空洞化について、野村総合研究所理事長の鈴木淑夫参考人より 基調報告が行なわれ、空洞化を示す現象、国際化の後退を示す現象、空洞化・国際 化後退を防ぐべき理由について、資料にそった説明があった。この中で、空洞化の 原因は規制、税制、日本固有の条件であり、改革を考えるにあたっての視点は、<1> 規制の国際標準化、<2> 金融技術革新の持つインプリケーションの考慮、であると いう指摘があった。その後、一般討議が行なわれた。 <主な意見> ○電子化については、(財)資本市場研究会の「証券取引の電子化に関する研究会」で 検討中であり、総合部会にも検討結果を報告したい。 ○東京市場の空洞化を防ぐべく、海外で行なわれているような合併等の業者の再編成に より、国際競争力を高める必要がある。 ○金融業として証券業を発展させるのであれば、一層の競争の促進が重要。 ○アセットマネジメント業務を発展させる必要があるが、この分野が最も空洞化しやす い。膨大な日本の個人金融資産が東京で運用されないことは問題である。 ○投資価格に見合った株価形成のため、持ち合いを解消すべき。 ○企業は経済合理性にのっとって行動しているのだから、持ち合いは一律に解消すべき というべきではない。 ○持ち合いを早急に解決する必要がある。また、過大資本の対応策として自社株買いを 促進すべき。 ○現在は、部分的自由と規制が併存しているため、不自然な裁定機会が生じている。併 存を一気に打破して、グローバル・スタンダードに合わせるべき。 ○現況では、経済構造改革によるしか経済復興の道はない。そのためにも規制緩和を推 進し、民間フロンティアを起こし、技術革新を進め、民間投資をわりだす。そのフロ ンティアとして、金融も当然含まれる。 ○業際問題については、アングロ・サクソン系も欧州諸国のようなユニバーサル・バン キング制度に移りつつあり、日本だけが取り残されている。金融技術革新により、業 際問題は理論が成立しなくなっている。空洞化防止のためには、銀・証の垣根の規制 緩和を急いだほうがよい。 ○業際問題については、ユニバーサル・バンキングにせよとの声もあるが、現状を踏ま え、今までの歴史的な積み重ねや日本の特殊性に配慮すべき。 ○税制にどこまで踏み込めるかが重要。国益として金融業をどこまで発展させるかとい う観点で税制を考えるべき。 <問い合わせ先> 大蔵省証券局総務課調査室 森田、小桐間 TEL 3581-4111 (内線 5434) 本議事要旨は暫定版であるため今後修正がありえます。