第15回証券取引審議会総合部会議事要旨
1.日時 :平成9年3月19日(水) 10時00分~12時00分
2.場所 :合同庁舎四号館 第二特別会議室
3.議題 :「ワーキング・パーティーにおける検討状況等」について
4.議事内容
初めに、事務局より金融監督庁の設置、独占禁止法の改正案、自民党より発表された
規制緩和推進重点事項、及び東京・大阪両取引所における先物・オプション取引につい
ての環境整備策等、審議会を取り巻く動きについての概要の説明がなされた。続いて、
事務局より本日の議題であるWPにおける審議状況等についての説明がなされ、その後
一般討議が行われた。
なお、WPで進められている議論の方向性については部会全体として概ね了承された
<一般討議での主な意見>
○議論が進むにつれ、現在の商法や会計、刑法の壁にぶつかることが出てきている。期
間を区切って早く結論を出すべき問題と、基本的な法体系・企業制度全体について問
い掛けをしていくべき問題とをはっきり分けて対応していくべき。
○商法等の問題について、総合部会としては市場の観点から整理できるものは整理して
提言していくべき。
○商品、市場の活性化のためには基本的な意識を変える必要がある。リスクテイクをし
たがらない日本人の超安全志向と株に対する悪いイメージを教育等により変えていく
べき。
○個人投資家も含めた幅広い投資家が参加できる市場ということを念頭に置いて議論す
べきであり、個人の意識という根っこの大問題に対してもあらゆる策を講じながら対
応していくということが必要。
○株式のイメージ等の問題に関しては、一朝一夕に変わるものではないので、今私達が
議論しているような、個人も含めた投資家に信頼される市場作りをやる一方、マスコ
ミ或いは証券教育といったことも通じながら、小さいころから証券に対する正しい知
識により証券に親しみを持たせていくという様に、両面からそうした空気を変えてい
くということが必要。
○日本も銀行がつぶれる時代になれば、銀行預金は危ないものとなる。安全なものがな
くなる状況に対応して証券市場をどう整備するかという問題のたてかたをしたほうが
よい。
○グローバルな競争のもとでは企業が相当変わらなければならない。これを証券市場の
システムの変更を通じて、一層促進する必要がある。具体例として、M&Aの促進、
持合いの解消、過大資本の消却のための自社株買いの促進、金庫株の導入が必要。
○2001年にビッグ・バンを完了させるというがその完了により市場が完璧なものになり
動かなくなるものでもない。ビッグ・バンが成功してもまだまだこの改革は続く。
○地方取引所の問題については、各取引所が市場間競争の必要性を充分念頭に置きつつ
それぞれの立場から先ず考えてもらうことが出発点である。
○現在の地方取引所の全てが市場機能を効率的に果たしているかどうかについてはかな
り疑問がある。そのような評価については総合部会においても引続き検討すること等
は必要。
○信用取引制度の期間が定められている点は、その合理性において若干疑問がある。個
々の契約で自由に定めればよく、検討が必要。
○米国と日本では、基本的に信用取引制度の仕組みが異なる。この根本的なことを直さ
ないかぎり、信用取引の限月の問題は直らない。米国のように幅広く証券担保金融を
行い、貸株市場を別に設けることができればと思う。
○アナリストについては、中立性の問題、社会的な権威が付与されていないという問題
がある。アナリストを通じてだされた情報が投資家の手に届くというシステムを日本
のマーケットにきちんと確立していくことが、効率的市場の条件として必要。
○日本のアナリストの質は上がってきていると思う。アナリストを専門職として育成す
べき。
○格付機関は市場で大きな役割を果たすべきであると思うが、この格付機関をフリーな
状態にしておいていいのか。
○日本の格付機関の質的強化を図るべきだと思う。
+-------問い合わせ先------------+
|大蔵省証券局総務課調査室 森田、小桐間 |
|TEL 3581-4111 (内線 5434) |
|本議事要旨は暫定版であるため今後修正がありえます。|
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