1.日時 :平成9年5月16日(金) 14時00分~16時00分
2.場所 :合同庁舎四号館12階 大蔵省第1特別会議室
3.議題 :各ワーキング・パーティー主査報告について
4.議事内容
初めに、事務局より各ワーキング・パーティーの主査報告の位置づけ等についての説
明の後、各ワーキング・パーティーの主査より報告書の説明がなされた。その後、委員
による一般討議が行われた。
なお、各ワーキング・パーティーの主査報告は、同部会終了後、公表された。
<一般討議での主な意見>
1.投資対象WPの主査報告についての質問・意見
○報告書の中に、「証券取引法の規制体系に適合する商品については、証券取引法上
の有価証券として、証券取引法による統一的ルールが適用されるべき」とあり、基
本的には賛成できるが、証取法の規制体系は固定的なものではなく、現在の経済的
な意味における投資商品についてどのような規則が必要かという観点から、演繹さ
れる必要がある。
○投資商品については、詐欺禁止規定等の行為規制、及び商品性について最低限の情
報開示を確保する規制法が必要であり、それを報告書のなかに書いたほうがよいの
ではないか。
○現在の証取法の有価証券定義は限定列挙規定であるが、包括規定にすべき。
○CPの個人販売を解禁すべきではないか。
○有価証券の定義については様々な議論がされたが、これは「金融サービス法」のよ
うな観点から全体的に消費者保護、投資家保護をどうするかも含めて考えていくべ
き課題である。
○有価証券の定義の問題は難問であるが、真剣に考えなければならないという指摘は
総合部会の報告書として書くべき。
2.市場WPの主査報告についての質問・意見
○取引所市場内部のあり方を、大口取引やバスケット取引等にも対応できるような時
代の要請に合うものにすることが必要。
○市場外で行なわれる取引については価格発見機能を通じて公正な取引が円滑に行な
われるようにすべきである。
○行政のあり方として、事前規制中心から事後規制中心へと転換を図ることが報告書
に述べられているが、これは報告書全体において貫かれるべき考え方であると思う。
例えば自主規制機関の一層の充実が望まれると報告書にあるが、これは事後規制的
な監視機能を充実させるという観点から捉えられるべき。
○不祥事をベースに作られたインサイダー、損失補填等の規制、及び公開価格の決定
方式等は、証取法の改正を機にグローバル・スタンダードに基づくものに変えてい
くべき。
○紛争は裁判制度で解決するのが基本で、紛争処理のための自主的な機関はそれを補
完するものとしてとらえるべき。また、紛争処理のための自主的な機関は公正性の
確保のためにおかれるということを明記する方がよいのではないか。
3.市場仲介者WPの主査報告についての質問・意見
○手数料自由化だけを単発に行なうのではなく、業務の自由化、取引所集中義務の撤
廃、証券税制の改正等、全体として処理してほしいが、必ずしもすべての制度改革
を同時に行なう必要性はないと考える。
○取引所集中義務撤廃は手数料自由化の時期を念頭に置きながら行なわなければなら
ない。
○市場仲介者の役割は質的に変化していかなければならないと報告書にも指摘されて
いるが、そのためにも行為規準の透明化と行為規範の自覚を高めることが大切。ま
た、行政も行為規範に照らし合わせてどうかという観点からの監視の強化を行うべ
き。
○資産運用業に関連して一番重要なことは、運用能力を高めることである。
○資産運用会社の母体概念、また資本構成比率に関する様々な規制は、受益者本位の
運用の確保という観点から考えても、不用ではないか。
○寄託証券補償基金制度の拡充は、一方でモラルハザードを生むことになる。顧客資
産の分別管理を徹底させることが基本であり、基金を大きくしていくということに
ついては慎重に考えないといけない。
○証券会社の業務の健全性の確保についても、証券会社の財務の健全性の確保と同様、
報告書で言及すべき。
○寄託証券補償基金は公的な市場のインフラの一つになるわけであるが、公的な支援
の方法をどのような形で行なうのか。基金への拠出金についての税法上の措置や、
資金不足が起きた場合の政府が保証することが考えられるが、これらの問題につい
て議論していくことが必要ではないか。
4.3つの主査報告全体を通じての意見等
○審議会の提言の内容が他の省庁の分野に踏み込んでも良いのではないか。
○ストックオプションに関する法改正に関し、その方向性は正しいと考えられるが、
議員立法ということで実際に運用できるのかどうか疑問がある。法制審議会と証取
審の関係についても考えるべきである。
┌───────問い合わせ先────────────┐
│大蔵省証券局総務課調査室 森田、小桐間 │
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│本議事要旨は暫定版であるため今後修正がありえます。│
└─────────────────────────┘