1.日時 :平成8年11月5日(火) 14時00分〜16時00分
2.場所 :合同庁舎四号館 第一特別会議室
3.議題 :これまでの審議等(一般討議)
4.議事内容
今回の会合は、これまでの審議等のまとめに向けた一般討議が行なわれた。主な意見は
以下の通り。
(1) 我が国市場のビジョンについて
○ 日本の証券業の現状は「株式委託売買産業」であるが、総合部会の審議の範囲は、それ
以上の業務範囲(格付業、情報提供業等)も含めて考えるべきである。証取法でいう業
務に限らない。
○ 個人投資家については自己責任だけでなく適合性の原則を導入すべきである。
○ 証券市場が先行して他の産業を引っ張ることは難しい。証券市場の活性化とそれが経
済全体に及ぼす影響は別と考えてビジョンを作るべき。
○ 金融システムの「強化」と「安定」は異なる。空洞化対策のためには、安定より強いシ
ステムを目指すべきであり、寡占体制を容認しないと競争と活力は貫徹できないであろ
う。
○ 証券業は比較優位産業であるというが、国際的な流れのなかでは証券業は既に成熟産業
であるとの印象を受ける。
○ 価格メカニズムを通じて、比較優位を失いつつある産業をふるいにかけることが証券市
場に期待される役割である。その意味で証券業は今後も比較優位を有するであろう。
(2) 我が国証券市場の現状と問題点
○ 制度的枠組みが硬直性を生んでいる点について検証する必要がある。例えば、「株は買
いから入る」が制度的にも常識となっている。
○ 株の持合いにより価格形成が歪められているのは、株の持合いの他いくらかの複雑な
要因があるのではないか。
○ 株の持ち合いにより銀行の影響力が強いことが問題である。
○ 個人株主を増やすには、資産のある人に対する税制、インサイダーの規制のあり方を考
えるべき。
(3) 市場改革の視点について
○ 魅力ある市場の実現のため、ホールセールとリテールを区別し、前者は自由化するが後
者は投資家保護のために規制するという観点もあり得よう。
○ 証券取引法は歴史的に適用範囲が狭いが、投資サービスのための包括的な法とするこ
とも考えられないか。
○ 税引き利益の成長に見合った株価形成がなされることが重要であり、そのためには時
価会計と連結決算によるクリアなディスクロージャーとアナリストの充実が必要。
○ 銀行中心の間接金融の変化という話があったが、銀行が変化し、小さくなったわけでは
なく、預金を有価証券等の貸付以外の形で運用することが増えただけである。預金を有
価証券で運用することをエンカレッジすべきか、ディスカレッジすべきか、ニュート
ラルにすべきか議論が必要。
○ 規制緩和により脱落した証券会社への破綻処理ルールの整備が必要かどうかの検討が必
要。
○ 市場監視について、議論を深める必要がある。
+————————問い合わせ先———————————+
|大蔵省証券局総務課調査室 森田、小桐間 |
|TEL 3581-4111 (内線 5434) |
|本議事要旨は暫定版であるため今後修正がありえます。|
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